予定どおりナムラタイタンが22日(日)、岩手伝統の「第42回一條記念 みちのく大賞典」(水沢2000m)へ駒を進めてきた。
赤松杯は2着エバーオンワード1秒9差、続くシアンモア記念は2着トウホクビジンに2秒2差の大差をつけて圧勝した。
ダートグレードでも勝ち負けを演じ、2011年の武蔵野ステークス優勝。中央ダート9勝の実績を考えれば当然のことだろうが、期待がふくらむ一方。
先週16日、村上昌幸厩舎へお邪魔。ナムラタイタンと面会した。普段は本当に大人しいが、牝馬が近くにいると「ブヒッ」とひと声。いわゆる"女好き"なのだが、メイセイオペラみたいに感情をストレートには出さない。それが興味深かった。
第一印象は筋肉がとても柔らかいこと。父サウスヴィグラスもそうだったが、アスリートとして理想的。8歳でも馬が若いのはそれが要因の一つだと思った。
村上昌幸調教師「シアンモア記念後も順調に調整を進めることができたし、予定どおり2本の追い切りを消化して万全の態勢。
でも競馬は何があるか分からないので改めて緊張感を持って臨みたい。
上半期の目標はマーキュリーカップ。実績的には勝っても不思議ないし、期待を持っている。そのためにもみちのく大賞典では次につながるレースをやってほしい」
コミュニティは父がブライアンズタイム、母は岩手で2歳重賞・白菊賞(当時)を制したミチノクレット。母のゆかりの地で秘めた素質が開花した。
前々走3着に破れ、連勝12でストップ。敗因は前半が超スローの流れで推移し、上がり36秒6の瞬発力勝負に持ち込まれたため。
それで勢いが止まるか心配だったが、前走6馬身差で圧勝。完全に杞憂に終わった。また陣営も負けられないプレッシャーから解放され、リラックス状態で挑戦できるのが心強い。古馬重賞初挑戦の相手がナムラタイタン。壁は高ければ高いほど若駒はさらに上のレベルへ到達できる。それが競走馬の常だ。
スーブルソーは昨年大晦日、岩手版グランプリ・桐花賞を制し、初タイトルを獲得。ひと頃、鳴りを潜めていたが、ようやく吹っ切れた。
今季2戦目を快勝し、健在を誇示したが、赤松杯5着。ナムラタイタンは別格に、ほかの後塵も拝したが、連闘の疲れも溜まっていた。よって盛岡開催を見送り、水沢までじっくり待機。得意のコースでナムラタイタンに一泡吹かしたい。
コスモイフリートは差し脚が武器。コミュニティ、スーブルソーが早めに動いて末が甘くなった際に連対の可能性がある。あとは一戦ごとに良化ウインベルカントを押さえ少々。
◎(2)ナムラタイタン
○(1)コミュニティ
▲(7)スーブルソー
△(3)コスモイフリート
△(5)ウインベルカント
<お奨めの1頭>
3R キモンイーグル
兄は現、岩手オープン馬ハカタドンタク。父がフレンチデピュティからコパノフウジンへ変わり、豊かなスピードをもらった。新馬勝ち濃厚
ナムラタイタンに続く超大物コスモセンサー(牡7歳 桜田浩樹厩舎・盛岡)が21日(土)、最終11レース「スプリント特別」(オープン 水沢1300m)で岩手デビューをする。
2012年の安田記念3着(優勝ストロングリターン)、2010年のアーリントンカップ(GⅢ)優勝など華麗な足跡を残してきた。
芝実績は文句なしだが、ダートは過去3度使われて3戦とも着外(ユニコーンステークスは落馬。カラ馬1着)。今回の出走はダート適性を確かめる意味でも重要な一戦となった。
桜田浩樹調教師「初めて実馬を見て驚きました。筋肉のつき方が物凄く、まるでボディビルダーのようだと思いました。さすがGⅠで上位争いを演じてきた馬だなと感心しました。
走法を見る限り芝向きの印象ですが、スピードがあるのでダートもこなせると踏んでいます。今回、勝つことができれば岩鷲賞からクラスターカップへの道も開かれるので、重要な一戦と捕らえています。
今後の目標は芝ならOROカップ、ダート適性を確認できたらJBCスプリントにも挑戦してみたいです」
11Rの発走時刻は17時45分。コスモセンサーのレースに注目してほしい。
メイン10レースはC1「焼石岳賞」(水沢1600m)、10頭立て。当初、人気の一角を形成するケイアイブリザード、コスモポーラベアの登録もあったが、出走を見送り。波乱の要素もたっぷりと含んでいるが、4歳馬アルファジニアスに期待する。
アルファジニアスは昨年、中央未勝利から転入して3勝マークでシーズンを終了。今季はC1へ昇格し、開幕2戦は6、5着に終わったが、仕上がり途上だったのも敗因。
元々、じっくり体調を上げていく方針だったようで3戦目から連続2着にまとめ、前走ついに白星を手に入れた。勢いに乗って連勝を狙う。
トウカイパスカルは昨年、南関東B3から転入。シーズン最終戦のA級で3着確保。いい形でシーズンを終え、今季は最下級C2へ降格。
当然のように3連勝を飾ったが、その後は足踏み。ひと伸びが足りなかった。しかし、前走はいきなり豪雨が盛岡競馬場を襲い、良馬場から不良馬場へ。脚抜きのいい走路に一転して盛岡ダート1400m1分26秒6のタイムで逃げ切り圧勝。元オープンの底力を見せつけた。展開に注文つく面あるが、地力上位は明らか。
トカチヒビキは展開から浮上。終いの脚がすばらしく前走はアッサリ突き抜けて完勝。今季のうっ憤を一気に晴らした。先に行きたい馬がそろい、堅実な差し脚が生きる局面。
ダイワルーブルは典型的な逃げタイプ。競られたり、揉まれたりするとモロさを出すが、今季すでに5勝マーク。同型さばいて連勝のシーンまで。
ダンストゥナイトはB2から降格2戦目は見逃せない。前崩れの条件つくが、まさに今回が絶好の流れになる可能性が十分にある。
ヤマニンパニエは前走、スローに落として快勝。走破時計も上々でノーマークにできない。
◎(8)アルファジニアス
○(9)トウカイパスカル
▲(2)トカチヒビキ
△(4)ダイワルーブル
△(6)ダンストゥナイト
△(7)ヤマニンパニエ
<お奨めの1頭>
8R オーバートゥループ
転入初戦を好タイムで逃げ切って快勝。距離が1400mへ延長されたが、自慢のスピードで押し切る
岩手競馬は今週から水沢競馬場での開催になりました。4月の終わりに水沢を離れた頃は桜の余韻が残ってまだ春の気配でしたが、今の水沢は、例えば向こう正面の桜並木もすっかり新緑の装いとなり空の色もどことなく湿っぽい青。すっかり夏になりました。盛岡も結構暑い日が多かったし、今年の春は短かったですねえ。
そんな水沢ですが、やはりというかしょっぱなから荒れ気味です。
この土日で3連単万馬券が既に11本、うち4本が10万馬券。土日の二日間の平均は3連単が32,061円(平均59番人気)、3連複は4,528円(同12番人気)となりました。単勝の平均が710円、馬複が1,665円、馬単が4,306円というデータと並べてみると、人気馬がそれなりに上位に来ているけれども3着あたりがもつれて荒れている・・・という傾向かと想像します。雨が降ったり止んだりの天候がコースの傾向に与えている影響も大きいのかもしれません。
ちなみに昨年同時期の水沢開催土・日はもっと荒れていて、3連単が平均119,675円(平均144番人気)、3連複がそれぞれ12,484円(24番人気)、単勝1,094円、馬複3,927円、馬単10,810円でした。こちらは"勝った馬からして人気薄"というパターンの荒れ方です。それに比べれば今年のはまだ狙いやすい・・・のかもしれませんが、ね・・・。
まあ、自分の予想が外れるからこそそんな高配当にもなるわけで、ファンの皆様にはそういういろいろな傾向・流れを読んでいい配当を獲っていただきますよう。
●10Rの買い目
馬単(2)=(5)、(2)=(7)、(2)=(8)、(5)=(7)、(2)=(6)
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先週月曜日の報告にもあったように、オーストラリアから短期騎乗中の西谷泰宏騎手が6月9日、盛岡開催最終日の最終11Rでうれしい日本初勝利を飾った。
C1級、盛岡芝1600m戦で9番人気のメモリアルメイトに騎乗した西谷泰宏騎手は、大外から積極的に逃げ、絶妙なペースに持ち込んだ。
スタートからのハロンタイムが12秒8-12秒0-12秒9-12秒8-12秒4-12秒3-12秒4-13秒3。まさに12秒台の正確なラップを刻み、鮮やかな逃げ切りを決めた。
当日は奥さん、娘さんも盛岡競馬場へ駆けつけて応援。優勝の口取り写真、iチャンネル(グリーンチャンネルで毎週木曜日9:00PMから放映中)にも家族いっしょに収まり、インタビューに答えていた。
西谷泰宏騎手
「盛岡開催のうちに勝利を飾りたかったが、なかなか勝てず最後の最後にこういう形(芝)で勝てて本当にうれしい。外枠でしたが、最初から思い切って行こうと考えていましたし、道中は気持ちよく走れるように心がけた。3コーナーあたりで後ろからつつかれて(馬に)またやる気が出たことと、オーストラリア流の展開になったのも勝因。来週から水沢に替わりますが、チャンスを確実にモノにしていきたい。これからもよろしくお願いします」
前後して7日、第5Rでサンバガール騎乗の菅原辰徳騎手が通算100勝目を飾った。2010年4月にデビュー、今年5年目に突入した。
菅原辰徳騎手
「デビューしたときは100勝を達成できるなんて、思ってもいませんでした。みなさんのご指導、たくさんの馬に乗せてもらったおかげ。感謝の気持ちで一杯です。99勝から意識しすぎてなかなか勝てませんでしたが、ようやく達成できました。レース後、先輩の皆さんがわざわざ集まって下さり、いっしょに写真を撮ることができて、とてもうれしかった。これから一つでも多く勝ち星を伸ばしたいと思っています」
15日メインはB1級馬による水沢1600m特別「ねむの木賞」、10頭立て。若駒が勢ぞろいして好調メンバーがずらり。楽しみな一戦となった。
レディアントデイズは成長株の1頭。今季2戦目を快勝して昨年よりパワーアップ歴然。完全にひと皮むけた。
以降の3戦は2着に終わったが、重賞・あすなろ賞で2着に善戦ダノンボルケーノ、芝重賞・かきつばた賞を優勝オールマイウェイ、そして前走はJRA馬が相手と運がなかっただけ。むしろ2着死守を評価するべき。
今回も予断の許さないメンバー構成だが、近3戦より組みし易いのは確か。2勝目を飾り、オープンに殴りこみをかける。
コスモアックスは南関東C1から転入後、1勝2着4回。最後で伸びが甘くなるのはササるクセがあるからだが、いずれも僅差負け。ここも好勝負必至だろう。
コウズシャインは500キロを優に越す大型馬。実戦を叩かれながら体が絞れて前回快勝。ブリンカー着用も効果があった。小回り対応が若干不安だが、上昇ムードに乗りもう一丁いけるか。
クロワッサンはデビューから抜群の安定感で着外が4走前6着の一度のみ。敗因も守備範囲を超えた1800mで仕方なしの結果。依然、底を見せていない。外枠が気になるが、どんな流れにも適応できるのが強み。
ツクバコマチは中央未勝利から金沢3勝、南関東3勝を経て転入。天性のスピードを武器に毎回逃げの手。最後の粘りが課題だが、今回は絶好の1枠。流れ落ち着けば残り目十分。
◎(3)レディアントデイズ
○(6)コスモアックス
▲(4)コウズシャイン
△(9)クロワッサン
△(1)ツクバコマチ
<お奨めの1頭>
7R プラウドワンダー
スタートで後手を踏み、一瞬ヒヤッとさせるが、行き脚ついてからの破壊力がすばらしい。今度は小回り水沢がネックだが、絶対能力でカバーできる
先週の重賞2連発。7日は盛岡芝2400m重賞「第17回かきつばた賞」が行われ、3番人気に支持されたオールマイウェイが完勝。
前半は5番手外をキープして3角からスパート。4コーナー手前で先頭に立ち、そのまま押し切って2馬身半差。同じ盛岡芝2400mを舞台に実施する地方競馬全国交流・せきれい賞へ名乗りを上げた。
勝利騎手コメント
村上忍騎手
「位置取りは出たなりでしたが、思った以上に前へつけることができました。有力馬が後ろにいたが、気にせずリズムを優先しました。久々の騎乗でしたが、やる気満々だったのでこれなら大丈夫だなと。去年より見違えるほど良くなった。長い距離もこなせることが分かったので、これからも楽しみ。今日の走りを見る限り、交流でもいいレースが期待できそうですね」
翌8日は盛岡ダート1200m重賞「第40回早池峰賞」があり、ランドオウジが見事優勝。重賞挑戦9度目にして悲願のタイトルを手にした。
これでランドオウジはクラスターカップ・トライアル岩鷲賞の優先出走権を獲得した。千葉幸喜調教師「村上忍騎手と相談して1200m未経験でも盛岡なら大丈夫だろうと踏んで挑戦を決めました。ようやく初重賞を取ることができてホッとしている。岩鷲賞の優先出走権を獲得したが、水沢は反応一息の印象もあるので慎重に出否を決めたい」
優勝騎手は村上忍騎手。2日連続の重賞制覇を果たした。
村上忍騎手
「外枠だったので3番手は想定どおり。初距離でしたが、とにかく手応えがすばらしかった。それで先頭に立つのが早すぎるイメージもあったが、盛岡は本当に走る。これからも楽しみです」
今週14日(土)から舞台は水沢競馬場。連日のように降り続く雨の影響で、水をかなり含んだ不良馬場。速いタイム決着になる可能性が高く、各馬の持ち時計、コース適性をチェックしてほしい。
メインはB1二組「JBCイヤー紫陽花レース」(水沢1600m)。基本はイマジンジョン、マイネルレーサー、グラスシューターの三つ巴模様。上位伯仲の見解だ。
イマジンジョンは昨年4月、中央未勝利から転入。いきなり7連勝をマークした。続く一戦で3着後、南関東へ移籍。4着が最高成績で再び岩手入り。5戦2勝2着2回と安定した成績を残している。
近3走は5着、2着、2着と足踏み状態だが、敗因の一つが盛岡コースか。今度は6戦6勝の水沢に替わり、首位奪回のお膳立ては整った。
マイネルレーサーは転入後、6着1回のほかはすべて入着。相手なりに駆ける堅実さを身上とし、今季も毎度のこと電光掲示板をにぎわしている。
その反面、詰めの甘さがつきまとい3着止まり。歯がゆいレースの連続だが、速いタイム決着に全能力を発揮。今の馬場なら単まで十分考えられる。
グラスシューターは前走のレースで鼻出血が発生。そのため再能力検査を課せられ、レース間隔も開いたが、元々がテッポーがきくタイプ。また昨年までA級でも上位争いを演じた実績でアッサリまで。
コアレスランナーは目立たないが、着実に状態アップして水沢を迎えたのが心強い。さすがに年齢的な衰えは見え隠れするが、コース適性で相殺。暑い季節が来る前に格上の実力を発揮したい。
コンプリートは大井3戦から里帰り。いずれも着外に沈んだが、昨年、水沢マイルで行われた重賞・赤松杯を逃げ切った実績。絶好の1枠を引き当てマイペースなら一発あるかも。
あとは本来の先行力を取り戻しつつあるコスモデスタンも押さえが必要だろう。
◎(8)イマジンジョン
○(6)マイネルレーサー
▲(10)グラスシューター
△(9)コアレスランナー
△(1)コンプリート
△(7)コスモデスタン
<お奨めの1頭>
11R エイシンダッシュ
中央ダート3勝をマークしてオープンに在籍。近走は振るわなかったが、B2では地力の違い明白。2戦とも圧勝劇を演じた。小回り水沢も園田2勝なら問題なし