一昨年の安田記念3着、そしてアーリントンカップ(GⅢ)を優勝したコスモアンカーが岩手へやってきた。
所属厩舎は盛岡・桜田浩樹厩舎。すでに馬場入れを開始したが、サークル内で話題持ち切り。筋肉隆々でほかを圧倒。担当厩務員も胸前、後肢の張りがすばらしく「まるでボブ・サップのようだ」とべた褒め。
今後は芝、ダート短距離の両にらみでローテーションを組んでいくという。現在、古馬の王道をナムラタイタンが突っ走っているが、それに勝るとも劣らない大物の転入。今後の動向も逐一、報告をしていきたい。
5月31日メインは盛岡芝1700m「グリーンチャンネルカップ」(B2)。5月19日、B2・芝1600mを使った馬が12頭中9頭。まさに重要な参考レースとなったので、まずは振り返ってみたい。
大外12番枠に入ったホアピリが1コーナーでは3番手だったが、そこからハナを主張。マイペースの逃げに持ち込んだ。2番手キャメロンフラワー、好位外にリビングストン、中団にラブソング。マイネリッカは中団より後ろに待機し、コスモアンカーは最後方からの競馬。
快調に飛ばしたホアピリが直線で一杯となり、替わってリビングストンが先頭。しかしその外からマイネリッカがメンバー最速の上がりを使い、鋭く伸びて1着。2着にリビングストンが粘り、コスモアンカーは最速タイの上がりを駆使したが、道中の位置取り差で0秒5差4着にとどまった。ホアピリは0秒7差6着だった。
以上のレース内容から主軸はマイネリッカで大丈夫。距離1700mも過去2戦2勝と望むところ。ステイゴールド産駒は盛岡芝1700m戦の相性も抜群だ。
リビングストンは改めて芝適性の高さを誇示した。ただ1700m延長が微妙。あとはレース運びのうまさで距離を克服したい。
コスモアンカーが先着する可能性も十分ある。先にも記したように前走でいい脚を使ったが、最後方からの競馬で3、4コーナーで外を回って進出。盛岡芝でその時点からスパートをかけると終いの伸びを欠くケースが多く、積極策を条件に好勝負に持ち込める。
未対決組ではエンジェルブレイヴが不気味。前回快勝し、一戦ごとに調子を上げているのは確か。また芝も3歳・地方競馬交流オパールカップで2着を確保し、芝適性も高い。理想は馬場が渋ることだが、流れ次第で単まで。
ラブソングはマイネリッカの0秒5差5着。詰めの甘さがつきまとうが、それでも直線で確実に台頭。前崩れの展開なら浮上のシーンまで。
あとは転入3戦目で連対を確保したサクラルモンド、前走大外から果敢に逃げて見せ場作ったホアピリは絶好の1枠。こちらも軽視できない。
結論は(2)マイネリッカを1着固定に相手(11)、(6)、(12)。3着押さえに(10)、(3)、(1)。
◎(2)マイネリッカ
○(11)リビングストン
▲(6)コスモアンカー
△(12)エンジェルブレイヴ
△(10)ラブソング
△(3)サクラルモンド
△(1)ホアピリ
<お奨めの1頭>
1R メイクイットホーム
5ヶ月ぶりの前走、出遅れながらも馬なりで圧勝。スケールは間違いなくオープン級と見ている
25日メイン「第15回あすなろ賞」へロッソコルサが登場する。昨年9月、青藍賞優勝以来、8ヶ月ぶりに戦列復帰する。
ロッソコルサは父がデュランダル、母父ティンバーカントリー。年度代表馬ベラミロードの近親でJRA・新潟2歳新馬戦(芝1400m)を快勝。
その後、4戦を使って2012年4月、岩手へ転入。スプリングカップ、七時雨賞と特別2連勝を飾り、岩手ダービー・ダイヤモンドカップへ出走。1番人気に支持されたが、2歳チャンピオン・アスペクトが驚異的な粘りを発揮して2着。
以降も惜敗が続いたが、不来方賞を皮切りにダービーグランプリ、桐花賞と重賞3連勝を飾り、ロックハンドスター、カミノヌヴォーに続いて3年連続で3歳馬が年度代表馬の栄誉を獲得した。
昨年は全国制覇の構想も描いていたが、前年の疲労が取れなかったのか、勝ちきれないレースの連続。ようやく青藍賞を勝ち上がり、秋の重賞路線を歩もうとしたが、体調が芳しくなく思い切って休養。北海道に移動してリフレッシュに専念した。
現在、岩手オープン戦線はナムラタイタンが席巻。他の馬は太刀打ちできないのが現状だが、ロッソコルサが復帰すれば俄然、興味倍増。どこまで回復できたか、予想を抜きにしても楽しみだ。
今回、あすなろ賞には赤松杯、シアンモア記念を圧勝したナムラタイタンはみちのく大賞典へ直行。またもう1頭の注目馬、岩手12戦12勝のコミュニティも前日の平場戦に回り、手薄なメンバーは明らか。ロッソコルサが弾みをつけるのには格好の一戦となった。
ダノンボルケーノは今季4戦3勝2着1回。特別開催のA級戦でコミュニティの2着を確保し、格付け再編成で新年度(4月)からB1へ降格。メンバーにも恵まれて2連勝を飾り、A級復帰戦も快勝。完全に勢いづいた。
ただ、これまでとはメンバーが一変。大幅に強化された上、1800mは気持ち長い印象もあるが、今の充実度をもってすれば突破は十分可能だろう。
ミキノウインクは休み明け初戦こそ7着に終わったが、叩かれて気配アップ。前走・シアンモア記念は得意の盛岡にも替わり、4着に善戦した。しかも今回の舞台・盛岡ダート1800mは3戦3勝ともっとも得意とする条件。牡馬を一蹴するシーンまで。
コスモイフリートは中央ダート3勝・1000万下から南関東4戦を経て転入。岩手初戦はインを突いて3着に突っ込み、前走は中団キープから抜け出しを決めて快勝。上昇一途をたどっている。盛岡は初めてだが、中央3勝のうち2勝は左回り。むしろ歓迎と見るべきだろう。
コウギョウデジタルはシアンモア記念6着だったが、ナムラタイタンの速い流れに追走して見せ場は作った。盛岡は反応が鋭く、4歳馬が着実に成長している。
カミノマーチはマイルがベストだが、転入3戦とも入着を果たした堅実さが身上。3連ものには欠かせない存在となる。
◎(4)ロッソコルサ
○(7)ダノンボルケーノ
▲(6)ミキノウインク
△(9)コスモイフリート
△(10)コウギョウデジタル
△(3)カミノマーチ
<お奨めの1頭>
2R ショウナンガーラ
転入初戦を5馬身差で圧勝。馬格にも恵まれて将来性も確か。追いかけて損はないだろう
今週24日からオーストラリア・タスマニアレーシング所属の西谷泰宏騎手が岩手で騎乗する。騎乗期間は5月24日から7月28日の約2ヶ月間(6開催)。これまでオーストラリアで通算1193戦54勝の成績を残している。
今回、水沢・関本浩司厩舎へ所属。小さい頃、父親に阪神、京都競馬場などへ連れられて競馬観戦するうち、競馬が好きになったという。
その延長線上で帯広畜産大学に入学したが、牛がメインだった志と違ったので一念発起。1年間、バイトでお金を貯めてオーストラリアの競馬学校へ入学。卒業して1年後、調教助手の免許を取得したが、騎乗するうちに騎手を目指したいと思い、ついには夢を実現するに至った。
騎手免許に合格後、ずっとタスマニアレーシングで騎乗していたが、同じオーストラリアの競馬学校出身の藤井勘一郎騎手(現在は釜山で騎乗中)が海外で活躍しているのに触発され、今回の岩手で騎乗する運びとなった。
さっそく初日24日からメイン・新緑賞でシルキーマーチを含め、計6レースで騎乗。まずはどんなレースを披露するか注目してみたい。
C1特別「新緑賞」は盛岡芝1000mが舞台。このレースを皮切りに姫神賞(B2 7月26日)、FM岩手杯(B1 9月22日)、重賞格上げハーベストカップ(オープン 10月12日)と王道を歩み、交流重賞・OROターフスプリント(10月25日)まで芝1000m戦線を一つ一つ登り詰める可能性があり、目が離せない一戦と言える。
その最有力候補はエスカーダ。中央芝1200mで3勝マーク。2歳時に朝日杯FSにも駒を進めた(10着)実績がある。
2012年3月以降、白星から遠ざかっていたためC1へ編入。準オープンに在籍した馬がこの格付けは恵まれすぎた。しかも芝1000mなら全能力を発揮できる舞台。幸先のいいスタートを切ること必至だ。
単不動。相手筆頭にソヴリンを指名する。一昨年、芝1000mのB2特別・姫神賞を豪快にまくって快勝。適性の高さを誇示した。
今季休み明け初戦のC1特別・大屋梅賞で2着に善戦し、前走も3着確保。例年以上に順調なシーズン入りを果たしたのが心強い。
エーシンホーマーは前走、ダート1000mで9着に終わったが、出遅れを喫して自分の競馬ができなかったのが敗因。中央1勝をダート1200mでマークし、短距離適性は間違いなくある。
ネックは芝レースの経験がないこと。未知数の部分が多いが、絶好の1枠を引き当てたのは見逃せない。好スタートを決めれば好勝負に持ち込める。
シルキーマーチは岩手3戦とも大敗だったが、中央時代は芝1600m以下で2着3回3着3回。芝に替わって反応が一変の可能性がある。コンビを組むのは冒頭にも記したオーストラリアン・ジョッキー西谷泰宏騎手。
テンプトミーノットも岩手2戦とも9着だが、小倉芝1200mで3着。走破タイム1分7秒8が不気味。あとは1000mベスト、パッシートジビッボも押さえが必要。
◎(5)エスカーダ
○(10)ソヴリン
▲(1)エーシンホーマー
△(2)シルキーマーチ
△(6)テンプトミーノット
△(8)パッシートジビッボ
<お奨めの1頭>
11R コミュニティ
翌日25日メインの重賞・あすなろ賞へ出走していても首位疑いなし。岩手入り後、12戦12勝ととどまるところを知らない。連勝をどこまで伸ばすか楽しみ
今回の前振りは、次週・24日から期間限定騎乗を行う西谷泰宏騎手のことを紹介します。
西谷騎手はオーストラリア・タスマニア地区で騎乗している日本人ジョッキーです。福岡県出身の32歳。2007年に見習い騎手のライセンスを取得、その後2011年にフルライセンスを取って、ここまでの通算成績は1193戦54勝(2014年3月まで)となっています。
オーストラリアで騎乗する騎手が岩手で期間限定騎乗するのは昨年の太田陽子騎手に続いて2人目。「オーストラリアでデビューした日本人騎手」で括ると菅原俊吏騎手もそうですから、通算3人目という事になりますね。
先の5月13日に日本の免許を取得、その足で水沢入りしていて、既に調教にも騎乗しているとの事。
西谷騎手は「昨年の太田騎手が大活躍していたので、その後に来るのはちょっと気が引けますね(笑)。乗せていただけるレースを一つ一つ大事に乗っていきたいと思っています」と語っておりました。
確かに昨年の太田騎手は時期的な部分でも恵まれ、"出来過ぎ"の面がありました。それと比べてどうこう・・・というわけにはいかないでしょう。ここは西谷騎手の戦い方で、西谷騎手らしい結果につなげてほしいですね。
●10Rの買い目
馬単(8)=(4)、(8)=(2)、(8)=(3)、(8)=(12)、
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18日メイン「第19回はまなす賞」から今季の盛岡芝レースがスタートする。毎年、この3歳重賞から始まり、盛岡競馬も本格的なシーズンに突入したなと思う。この季節感は非常に重要。競馬人のカレンダーはレースとセットになっている。
たとえばだが、いまだに京都新聞杯は菊花賞トライアルとインプットされ、なかなか拭うことができない。オールドファンに結構多いと思う。いずれは馴染むだろうが、修正するのに時間がかかる。頭もだんだん固くなっているとは思うのだが。
本題に戻る。芝の現状報告から入りたい。昨年もそうだったが、今年も岩手は寒さが厳しかった。一度、冬が終わったと思ったらまた到来した-の繰り返しだった。
いいか悪いかは別にして雪が少なかった。これが芝の生育に大事なのだが、少なかった上に朝晩の寒さが長く続き、例年以上に成長が遅かった。
盛岡競馬は5月のゴールデンウィークから始まったが、その時点ではとても芝競走をできる状態ではなかった。本当にできるか心配だったが、2週間が過ぎた今、ようやく緑の色が濃くなり、特に晴天のときは目にも鮮やか。
ダートコースとターフコースのコントラストは画面越しにでもはっきり分かりますので、ご覧になってください。今年はさらに芝競走を拡充する予定だという。
はまなす賞は芝実績組と新興勢力との戦いが焦点となった。実績組の代表格はターントゥタイド。昨年、牡馬相手の重賞・若鮎賞を制し、盛岡芝4戦3勝。一度3着に敗れたが、テシオ杯ジュニアグランプリでプレイアンドリアルに破れた一戦。
釈迦に説法だろうが、ジュニアグランプリを6馬身差で圧勝したプレイアンドリアルは東京スポーツ杯2歳ステークスに駒を進めて後の皐月賞馬イスラボニータの2着惜敗。
朝日杯FSは折り合いを欠いて7着に終わったが、京成杯を完勝。先日、日本ダービーを見送ると発表があり、残念でならなかったが、そのプレイアンドリアル相手ではターントゥタイド3着も仕方なしだった。
今季はあやめ賞から留守杯日高賞と牝馬路線と歩み5、2着。着実に良化をとげ、予定どおり芝・はまなす賞へエントリー。理想的なステップを歩んできた。
しかし、以上のことを十二分に承知の上で本命をコスモリリパットにした。中央未勝利から今年4月に転入。ダートは未経験だったが、パーフェクト内容で3戦3勝。スケールの大きさに誰もが舌を巻いた。
阪神芝1200mの2歳新馬戦で4着を確保するなど芝適性は全く問題なし。ネックは1周1400mの小回り盛岡芝への対応。不安点はその一点に尽きるが、絶対能力で克服できると判断した。
ジャイアントスターもこのはまなす賞が当面の目標。ダートもソコソコにこなすが、盛岡芝は3戦2勝。1600mは長い印象もあるが、一つ年齢を重ねて成長も確かなはず。
リュウノテイオーは南関東から再転入。5戦して5着1回が最高だったが、岩手在籍時も活躍の舞台は芝。4戦2勝2着1回の成績に加え、盛岡芝1600mでターントゥタイドと1着を分け合った。3月以来とレース間隔は開いたが、適性は引けを取らない。
フラッシュモブは切れる末脚を武器にあやめ賞2着、留守杯日高賞4着。そして牡馬相手のやまびこ賞でも3着に健闘した。芝は未経験だが、脚質的には歓迎。新たな能力が引き出させるか注目。
ヴォラータはデビュー2戦目の函館芝1200m戦を5馬身差で圧勝。パワーの要るダートに手こずっているが、芝で一変の可能性がある。
◎(4)コスモリリパット
○(6)ターントゥタイド
▲(10)ジャイアントスター
△(3)リュウノテイオー
△(8)フラッシュモブ
△(11)ヴォラータ
<お奨めの1頭>
6R セレクトジャパン
岩手3戦2勝2着1回と上々の滑り出し。距離延長されたが、大井1400m1勝ならむしろ歓迎だろう