先週開幕した岩手競馬は初日5日、そして6日と2日連続で3歳重賞「第39回スプリングカップ」、牝馬「第39回あやめ賞」が行われ、スプリングカップは3番人気シグラップロード、あやめ賞は4番人気アイスカチャンが優勝。波乱の幕開けとなった。
スプリングカップ1番人気ラブバレットはマイナス16キロと大きく体重を減らし、毛ヅヤもひと息。その影響だったと思うが、いつもの行きっぷりが見られず、鞍上・斎藤雄一騎手の手がほとんど動いていた。それでも4コーナーまでは重賞3勝の底力を見せたが、直線で力尽きた。一日も早い回復を待ちたい。
あやめ賞は中央1勝馬ジャリーヴが人気の中心。福島ダート1150mを逃げ切り、ほかのダート3戦ともすべて逃げの手。絶好の1枠を引き当て、先手を疑わなかったが、もっさりスタートで内に包まれる厳しい競馬。終始インで苦しんでいたが、3着死守が意地。絶好枠だと思っていたのだが、出遅れれば逆に1枠が災い。これが競馬の難しさと改めて実感した。捲土重来を期待したい。
スプリングカップを制したシグラップロードは重賞6度目の挑戦でうれしい初制覇。父アグネスデジタルは昨年度の年度代表馬ドリームクラフト、最優秀牝馬コウギョウデジタルを送り出したが、シグラップロードも同産駒。岩手との相性が抜群のようだ。次走・やまびこ賞(5月4日 盛岡ダート1800m)でも再現するか。
あやめ賞馬アイスカチャンは佐賀新馬戦を4馬身差で圧勝。その後、3ヶ月の休養を余儀なくされ、復帰後は2着2回3着1回。再び戦線離脱し、5ヶ月の休養を経て岩手入り。初戦は出遅れも響いて3着だったが、直線で猛追。そして今回は久々を叩かれた上積みも大きかったのだろう。道中の手応えも抜群だった。
ところが、続報が入った。あやめ賞を優勝したアイスカチャンはレース後、骨折が判明。残念ながら現役を引退し、乗馬へ転用されることになった。これもレースの激しさを物語っていた。
12日メインはオープン馬による水沢1400m戦「スプリント特別」、12頭立て。主軸はコスモフィナンシェとした。
コスモフィナンシェは中央2戦0勝から転入。一戦ごとにたくましさを増し、名古屋転籍でさらにパワーアップ。帰郷当時は条件クラスだったが、早々と卒業。ついには岩手を代表するビッグレース・みちのく大賞典を制し、秘めた素質が開花した。
その後もマイル重賞・すずらん賞を優勝したが、以降は精彩を書いて栗駒賞10着後、名古屋へトレード。5戦1勝の成績を収めて岩手へ里帰りした。
今回、なかなかのクセモノぞろいだが、コスモフィナンシェは1400m通算10戦8勝2着1回。冬場の1勝も笠松1400mでマークし、ベストの条件。大外が若干気になるが、差し競馬もできるオールラウンダーだ。
ドリームクラフトの評価に正直、迷った。昨年重賞を4勝し、年度代表馬の栄誉も獲得したが、激戦の疲れが残っている印象で攻め馬の動きもいまいち。臨戦過程に不安が残っている。
それでも水沢1400m~1600m戦に絶対の自信を持っており、体調面は適性でカバーしてくれると踏んだ。果たして結果は如何。
ライトマッスルは前走5頭立て4着だが、敗因ははっきり。休み明けと守備範囲を大きく超えた1800mが舞台だったからだ。しかしひと叩きされて気合いが一変し、距離短縮も大歓迎。反撃のお膳立ては整った。
カミノマーチは岩手デビュー。6勝をマークし、その後、より高いステージを求めて南関東入り。敗戦を繰り返しながらも地力をつけ、岩手含めて14勝。B3級まで出世した。帰郷初戦を白星で飾るか。
スズヨシーズンは昨年3月、転入初戦で鮮やかな直線一気を決めて快勝。その後は追い込一辺倒の脚質が災いして届かないレースが多かったが、ハイペースになれば一気突き抜ける可能性も十分にある。
ヒカルジョディーもテッポー駆けがきくタイプだが、まだ動きが重いかも。前崩れの流れになった際に浮上するか。
◎(12)コスモフィナンシェ
○(9)ドリームクラフト
▲(3)ライトマッスル
△(8)カミノマーチ
△(4)スズヨシーズン
△(7)ヒカルジョディー
<お奨めの1頭>
5R カズノタイショウ
さすが南関東C1馬。2番手キープからアッサリ抜け出して完勝した。タイム以上に強さが際立ち、追いかけて損はない
5日に開幕した岩手競馬。早速土曜日にはスプリングカップ、日曜にはあやめ賞と3歳の主要重賞が行われました。
スプリングカップはシグラップロード、あやめ賞はアイスカチャンが優勝。いずれも板垣吉則厩舎&山本聡哉騎手のコンビで、昨季のリーディングトレーナーと騎手リーディング2位の勢いそのままの活躍は今季もこの板垣厩舎・山本聡騎手が注目を集めそうな、そんな予感を感じさせます。
一方で、それぞれのレースで1番人気に推されながら敗れたラブバレットとジャリーヴ。前者は休み明けで-16kgの馬体重が影響したように思えましたし、後者は水沢コースが合わなかった印象でした。次戦以降、あるいはコースが変わって、本来の走りを見せてくれるのではないでしょうか。
また、同様にそれぞれのレースで2着に敗れたリュウノファイト・フラッシュモブも、今回はあくまで勝った馬の勢いが優っていただけで力量で負けた印象はありませんでした。これらの馬たちもまた、次戦以降捲土重来を目指してくるのは間違いないはず。
春初戦の重賞、予想は難しかったですが、それぞれの馬にとって今後の展望が開け、また先の課題なり克服すべき点がはっきり見えたレースだったように思います。
月曜メインは「スピカレース」と名付けられた一般戦です。B1級二組、ダート1600m戦。12頭のフルゲートとなりました。
中心はちょっと悩みつつ(3)ナデシコノハナに期待してみます。前走は出遅れたところから巻き返したものの4着までという結果でしたが、1400mというキャリア初の短距離で、休み明けで、それで出遅れてしまってはこの結果もむべなるかな。ひと叩き・距離延長の今回は上向く要素の方が多いはずです。あとは展開ですが、なんとなれば自力先行もできるタイプ。ここはこの馬の変わり身を大きく取ってみましょう。
対抗も、これも変身分を見込んで(6)マイネルレーサー。この馬も前走派で遅れて競馬にならず。すんなり自分の形に持ち込めれば前走の様な事はないはず。
三番手。力量や勢いの面ではやはり(2)レディアントデイズなのですが、この馬の場合内枠はやや不安材料かも・・・という気がします。この枠で揉まれ込んだりしても走る気を失わなければ・・・でしょうた。
後は(7)ローランズソング、(8)メジロオマリー。前者はひと叩きの上昇分がどこまで見込めるか?後者は休み明けでも昨年の安定感を買って。当日の気配次第では強く狙ってみる手もありそうです。
●10Rの買い目
馬単(3)=(6)、(3)=(2)、(3)→(7)、(3)→(8)、
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牝馬の底上げを目的に創設された"グランダム・ジャパン"シリーズ。今年で5年目に突入したが、岩手競馬でも完全に定着したことを実感する。まだ積極的に遠征を試みる牝馬は出てきていないが、4月6日(日)メイン「第39回あやめ賞」(水沢1600m)のメンバーを見て驚いた。
格付け発表の前に出走馬を想定するのだが、今回は見事に外れた。そのときは7戦4勝ターントゥタイドを巡る争いと踏んでいたが、転入馬が6頭もエントリー。しかも有力馬の一角を占めている。
今年からあやめ賞は重賞へ格上げされたが、明らかに次走「留守杯日高賞」(4月27日)をにらんでの転入だった。日高賞はグランダムジャパン3歳シーズン全8戦中第5弾。あやめ賞の結果次第では他地区に挑戦する牝馬がいるかもしれず、これまで以上に楽しみな一戦となった。
注目一番手はジャリーヴ。デビュー2戦目の福島ダート1150mの未勝利戦を0秒5差で逃げ切って完勝。続くすずらん賞では同じ転入組ヴォラータの後塵を拝して14着に終わったが、舞台は芝。ダート3戦とも逃げの手に出ていたように一級品のスピードを持っている。
今回は3ヶ月ぶりの実戦、初の1400mなどのハンデはあるが、1200mでもコース広いJRAに対し、水沢は1周1200mの小回り。直線も200mならスピードで押し切ること必至。願ってもない1枠も引き当てた。
ターントゥタイドはデビューから3連勝をマーク。3戦目には牡馬相手の芝重賞・若鮎賞を快勝した。続くテシオ杯ジュニアグランプリでもプレイアンドリアルの3着。ダート克服がカギだったが、牝馬交流・プリンセスカップ3着、2歳三冠目・金杯4着ならおそらく大丈夫。
また終盤の2戦ともスタート直後につまづくアクシデントがあったが、これは疲れもあったから。その意味で冬休みは絶好のリフレッシュ時期になったに違いない。転入馬は強力だが、地元生え抜きの意地を見せるか。
ヴォラータは2戦目の函館芝1200mで1番人気1着。以降は重賞へとつながる特別に果敢にチャレンジ。実際、勝ち馬のほとんどが重賞に名乗りをあげており、レースレベルは推して知るべし。
気になるのは初ダートとなった転入前の阪神ダート1200m(500万下)での大敗。しんがり負けを喫し、ダート適性に若干不安が残るが、地力の高さは疑いのないところ。難なく克服できると踏んだ。
フラッシュモブは北海道1勝、東海4勝。メンバー最多の勝ち星を積み重ねてきた。他地区遠征もすでに通算10回。歴戦のキャリアが最大の武器となる。完成度で1歩も2歩もリードし、上位扱いが当然。
アイスカチャンは佐賀新馬戦を4馬身差で圧勝。5ヶ月の休養を経て岩手入りし、初戦3着だったが、中身は上々。出遅れを喫し、道中ももたついていたが、直線を向くと末脚が爆発。メンバー最速タイの上がりを披露し、次走以降に期待を抱かせるもの。ハイペース必至のメンバーなら自慢の切れがさく裂するかもしれない。
◎(1)ジャリーヴ
○(4)ターントゥタイド
▲(5)ヴォラータ
△(8)フラッシュモブ
△(2)アイスカチャン
<お奨めの1頭>
11R ダノンボルケーノ
前走はA級で走って2着。コミュニティがけた違いの強さで圧勝したが、2着を死守。そして今回はB1へ降格なら白星はほぼ手中にするだろう。
2014年度の岩手競馬が開幕。4月5日から3月の特別開催まで昨年より一日増え、全130日間を予定している。今年はJBCイヤー。第2回以来、12年ぶりに盛岡に戻ってくる。
JBCを頂点に、岩手競馬はもちろんのこと岩手全体が復興へ向けて一丸となって取り組んで欲しい。切にそう願っている。しかも岩手県競馬組合が設立してちょうど区切りの50周年。次の100周年に向けて非常に大事な1年となると確信している。気を引き締めて取り組んでいきますので、よろしくお願いします。
開幕初日5日(土)メインは恒例の「第39回スプリングカップ」(水沢1600m)。昨年から3歳重賞へ格上げされ、岩手クラシック戦線を占う意味でも重要な一戦。このレースから岩手ダービー・ダイヤモンドカップ、不来方賞、そしてダービーグランプリを制するスターが誕生するか。
主軸にラブバレットを指名する。デビューから3連勝を飾り、早々と抜きん出た存在となったが、ビギナーズカップこそ制したものの、2歳の根幹重賞・若駒賞、南部駒賞とライズラインに連敗。主役の座を明け渡したが、年明けの金杯でついに雪辱。2歳最優秀馬はライズラインに譲ったが、2歳最多の6勝、重賞3勝をマークした。
今回は3ヶ月ぶりの実戦は一度使った馬、他地区からの転入馬に比べてハンデを抱えているが、仕上げに手間取らない気のいいタイプ。水沢1600mにも自信を持っており、好発進を決める。
逆転筆頭はリュウノファイト。南関東で3勝マーク。層の厚さ、レベルの高さを考えれば岩手でアッサリの可能性が高い。重賞挑戦は4度とも着外に終わったが、南関東クラシック候補が相手。転入初戦でいきなり重賞タイトルを手にするシーンまで。
ユナイテッドボスの成長も見逃せない。2ヵ月半の冬休みから豪快なマクリを決めて快勝。馬体重は2キロ減っていたが、ゴール前でも余裕があり、強さが際立っていた。実績面では見劣るが、上昇度で大勢逆転も十分考えられる。
シグラップロードは前走、ユナイテッドボスの2着だったが、クビ差の僅差負け。こちらはレース勘を取り戻していなかったとも解釈でき、ひと叩きされて気配さらに上昇。しかも水沢は7戦6連対と絶対の自信を持っている。
ダンストンスリルは北海道から転入後、3戦3勝。先行して良し、差して良しと自在の脚質が冴え渡った。3ヶ月ぶりの実戦は割引きだろうが、まだ底を見せていない点を強調したい。
ステージアートは一線級に入ると力量差が明らかだが、それでも堅実に着を拾っているのが好感。勝ち負けまではどうかだが、連下には押さえるべきか。
◎(4)ラブバレット
○(11)リュウノファイト
▲(1)ユナイテッドボス
△(7)シグラップロード
△(8)ダンストンスリル
△(5)ステージアート
<お奨めの1頭>
11R ブラックタイガー
好調メンバーがそろったが、水沢は信頼のコース。前走も2着に4馬身差をつけて圧勝し、マイル短縮もまったく問題ない
先週3日間の傾向は前半レースが堅く、後半になるに連れて荒れ模様だった。理由は前半のC2クラスに格上馬が下がり、能力の違いを見せつけたから。30日(日)もその傾向が強く、前半戦で着実に資金を稼ぎ、後半レースに臨みたい。
さしあたって2R・シゲルヤリガタケ、3R・ダイワルーブル、5R・トウカイパスカル、7R・ケイアイブリザードをお奨めの馬とする。果たして結果はどうなるか。
メイン9RはA級一組・水沢1800m戦。中央ダート4勝・準オープンに在籍したキッズアプローズ、年度代表馬(4歳以上最優秀馬)ドリームクラフトなどの登録もあったが、相次いで出走回避。5頭立ての少頭数となった。
スーブルソーで単不動。昨年4月、鳴り物入りで転入。噂に違わぬ強さで初戦を完勝し、重賞を総なめするだろうとさえ言われたが、以降はスランプに陥って凡走の連続。いま振り返れば2戦目の盛岡コースにも戸惑ったかもしれない。
それで歯車が狂ったのか、ちぐはぐなレースを繰り返して次第に視界から外れていった。これは全体的な傾向でもあるのだが、中央から移籍初戦を勝った馬たちは好走が続かない。まだ解明はできていないが、復活するのに時間がかかる。実績を鵜呑みにできない面があるのを頭の片隅に入れておいて欲しい。
スーブルソーが復調の兆しをうかがわせたのは11月、終盤の水沢戦に替わってから。カネヒキリ賞でダノンボルケーノの2着を確保し、続く一戦を快勝。岩手初戦以来、ようやく両目を開けた。
これで弾みついたのか調子もうなぎのぼり。ファン投票・桐花賞で7番人気の低評価を覆して快勝。豪快なマクリをさく裂させ、待望の初重賞を手に入れた。
シーズン最後の重賞・トウケイニセイ記念は3着止まりだったが、これは桐花賞優勝馬は2キロ増のハンデがあるため。59キロを背負ったらさすがに苦しく、敗れても仕方なしだった。
おそらく陣営も終盤戦でスーブルソーの全容も把握できたはず。好走の舞台は水沢に限られるかもしれないが、重賞チャンスは十分にあるはず。さしあたって4月27日、重賞・赤松杯(水沢1600m)だろうから、それに向けて好発進を決める。
ハカタドンタクは2歳時、追い込み一辺倒の脚質が災いして重賞に手が届かなかった。それでオーナーのドクターコパさんが決断し、中央へ一度トレード。3戦とも着外に終わったが、2戦目には何と2番手からの競馬を披露。
これがきっかけとなり、帰郷2戦目の3歳重賞・やまびこ賞を見事逃げ切った。その後、はまなす賞、交流・オパールカップを制して完全脱皮。夏の芝でも桂樹杯、OROカップと2着善戦して成長確かなことを証明した。
不来方賞は4着、ダービーグランプリは10着に終わり、それでシーズンを終了。たっぷり4ヶ月の休養を取って戦列に復帰した。まだ本来のシャープさには欠けるが、1800mは望むところ。少頭数も味方に板垣厩舎1、2フィニッシュを決めるか。
スーパーワシントンは『無事これ名馬』を地で行き、昨年10歳にしてスプリント重賞・早池峰賞を優勝。前後の重賞でも上位争いを演じ、古豪健在を誇示した。今年は11歳を迎えたが、元々が仕上げに手間取らないタイプでレース運びのうまさが最大セールスポイント。
ライトマッスルは昨年、目標としていたOROターフスプリントを2連覇。本質的に短距離の軽い馬場で全能力を発揮するタイプで1800mは守備範囲外。それでもマイペースの逃げに持ち込めれば残り目があるかも。
◎(1)スーブルソー
○(4)ハカタドンタク
▲(2)スーパーワシントン
△(5)ライトマッスル
*お奨めの馬は冒頭に記しましたので、そちらを参考にしてください。