4日メインは3歳重賞第二弾「第27回やまびこ賞」。スプリングカップは水沢1600mが舞台だったが、今度は盛岡ダート1800m戦。
昨シーズンまでなら条件が変わってもライズライン、ラブバレットの本線は動かず、焦点はどちらに軍配が上がるかだけだった。
ところがラブバレットはスプリングカップ4着。休み明けだったにもかかわらずマイナス16キロと大幅な体重減。菅原勲調教師「歯替わりで飼い葉が上がった」とのことだった。
正直、装鞍所でラブバレットを見て驚いた。細くなっているとは聞いていたが、想像以上。毛ヅヤも張りもなく、まったく迫力が感じられなかった。
肝心のレースでもスタートから斎藤雄一騎手が追いっ放し。いつもは軽快に先行するタイプなのだが、ようやく3番手をキープできただけ。4コーナーまでは何とかがんばったが、直線で伸びを欠いて馬券対象から外れてしまった。
「前回(スプリングC)より調子は上がったが、まだまだ本調子になっていない」と菅原勲調教師。これをどう評価するか迷った。
一方、ライズラインは2歳三冠がかかった金杯でラブバレットの2着に敗れた後、南関東へ移籍。雲取賞11着、京浜盃13着と大敗を喫し、岩手へ里帰りした。
こちらも気になるのが金杯で468キロあった馬体重が454、5キロまで減っていたこと。それで一旦放牧に出て水沢の千葉幸喜厩舎へ戻ってきた。
追い切りでは半マイル49秒台をマークして一応態勢を整えてきたが、「まだ気がない」と小林俊彦騎手が語ったのが不安材料。盛岡輸送でスイッチが入る可能性があるが、現状では強い印をつけることができない。悩ましい限りだ。
そうなると順調度が何よりも強み、シグラップロードを主軸視したい。昨年はライズライン、ラブバレットの二強に歯が立たなかったが、前走・スプリングカップで豪快なマクリを決めて快勝。待望の重賞タイトルを手にした。
盛岡へコース替わりは決してプラス材料ではないが、一冬を越して成長したと解釈。やまびこ賞も制すれば本物。今回が真価を問われる一戦となる。
ユナイテッドボスもひと皮むけた。3月の特別開催でシグラップロードを交わして1着。着差はクビだったが、内容的には完勝だった。
スプリングカップはシグラップロードに完敗3着だったが、1枠が災いしてなし崩し的に脚を使い、末伸び切れなかったもの。これで判断を下すのは早計だ。
左回りだとササるクセがあり、それでもたつく可能性あるが、びっしり追い切りを消化して万全の態勢。今回が初重賞を手にする絶好のチャンスとなった。
フラッシュモブは3歳牝馬交流・留守杯日高賞から連闘で臨むが、笠松時代にも経験豊富。その日高賞はスローの流れに落とされたのが致命傷。結果、先行競馬で決着したのは運がなかった。決め手勝負なら牡馬にも引けを取らない。
◎(10)シグラップロード
○(8)ユナイテッドボス
▲(4)ラブバレット
△(2)ライズライン
△(1)フラッシュモブ
<お奨めの1頭>
8R コスモリリパット
岩手転入後、アッサリ2連勝。内容も文句なしだった。仮にやまびこ賞に出ても勝ち負けに持ち込めるほどの強さだった
今週から盛岡競馬場が舞台。3日(土)から6日(火)までの4日間連続開催で行われる。
まずは現在の馬場状況をお伝えしたい。馬場を管理する岩手県競馬組合・中村真也氏。「休催明けですので把握しづらい面はありますが、先週時点では深めでした。ただ、中間に雨が降りましたから、それがどう影響するか。水を含んでいると速い時計決着になると思いますが、基本的には平均値の馬場で開幕日を迎えたいですね」
また盛岡自慢の芝コースについて。「昨年もそうでしたが、今年の冬は寒さが厳しかった上、雪が少なかったせいか例年以上に芝の生育が遅れています。ですが、次開催から芝競走がスタートしますから、スタッフが一丸となって間に合わせたいと思っています」
今年も芝競走のこけら落としは3歳重賞「はまなす賞」(5月18日 芝1600m)。我々も芝のスタートを心待ちにしている。
3日メインはB2級馬による盛岡ダート1800m戦「メイカップ」。馬場傾向をしっかりと掴んでメインレースへ臨みたい。
主軸はイマジンジョン。南関東から再転入し2戦2勝。全く危なげのない内容で完勝した。水沢から盛岡に替わり、負担重量も1キロ増えたが、おそらく問題ないはず。軸としての信頼度は高い。
逆転筆頭はヴェルシュナイダー。こちらは名古屋から再転入して2、4着。前走・エイプリルカップは気難しい面をのぞかせて道中で鞍上に反発していた印象。それでも直線ではしっかりと伸びてイマジンジョンに0秒2差。
また2着アラマサコマンダーとの0秒1差は内と外を回ったロスも大きかったと解釈。集中力さえ持続できれば反撃十分。
アラマサコマンダーは昨年までA級に在籍して2着2回。降級の今季は未勝利ながら2着2回3着1回と安定した成績を残している。
意外にも盛岡芝は経験豊富だが、盛岡ダートは今回が初めて。差し脚を武器とするタイプで大丈夫だと思うが、未知数であるのは間違いない。
サダチカガーベラは置かれる脚質が災いして入着止まりだが、前走・エイプリルカップでメンバー最速の上がりを披露。大外から鋭く猛追してヴェルシュナイダーとはタイム差なし5着。展開の手助けが必要だが、ハイペースなら突き抜けるシーンまで。
インピースは前回快勝。盛岡未勝利がネックだが、弾みついた今なら克服十分。あとはうまく流れに乗った際のカーリーネイトも軽視できない。
◎(10)イマジンジョン
○(5)ヴェルシュナイダー
▲(6)アラマサコマンダー
△(1)サダチカガーベラ
△(4)インピース
△(7)カーリーネイト
<お奨めの1頭>
6R アスペクト
今季、最下級C2降級で1勝のみは不満だが、元々が盛岡で全能力を発揮するタイプ。転入馬クリノグランデと一点勝負
27日・日曜日に行われた重賞「赤松杯」。ナムラタイタンが2着以下を大差でぶっちぎる圧勝を遂げて幕を閉じました。
陣営は調教師も厩務員も鞍上も「勝って当然」のプレッシャーの中で馬を送り出したわけですが、そんな重圧の中でもきっちり調整できた事がこの快勝につながったのだと思います。
ネット上の意見を見るに、やはり『勝って当たり前』が多く、次いで『岩手の馬が弱すぎる』系のコメントが多く出てくる感じ。あとは『地方競馬の流れに慣れて馬が鈍らないか?』とか。
先の二つについて思うのですが、2月の佐賀記念でも3着に入っているような馬なわけですからまともなら「勝って当然」はその通りですね。小回りが合わない馬とかカンカン泣きする馬ならまだ分からなかったですが、ナムラタイタンはそういう所を苦にしない馬ですから、仕上げさえ問題なければ佐賀記念程度のパフォーマンスは出すわけです。
で、その佐賀記念では、現時点の地方所属馬の中で最上位レベルのオオエライジンを3馬身引き離している。勝ちに行ったオオエライジンと流れに乗る事を優先していたナムラタイタンと・・・の違いはあるとはいえこの差はその通り大きいですし、その他の地方勢となると2秒3秒と離れていたわけですから、恐らく今の「地方所属」で区切るなら"赤松杯の能力を発揮するナムラタイタン"に真っ向勝負できる馬はそう何頭もいないでしょう。別に岩手の馬がことさら弱いわけではないと思いますよ。
あとは三点目ですけど、その辺は陣営も分かっていて、今後は遠征馬が来る交流重賞を中心に使って"ヌルいレース"は極力させない方針のようです。
次戦はシアンモア記念。その後はみちのく大賞典からマーキュリーCを前半戦の目標にすると思われます。グレードレースでの戦いぶりを楽しみにしたいですね。
●9Rの買い目
馬単(2)=(7)、(2)=(3)、(2)→(11)、(2)→(4)、
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27日メインは「第39回赤松杯」(水沢1600m)。この一戦からオープン重賞戦線がスタート。シーズンを占う意味で重要な一戦だが、例年以上に注目を集める。もちろんナムラタイタンが初出走するからだ。
中央ダート9勝。2011年の武蔵野ステークス(GⅢ)を制し、今年の佐賀記念3着。これほどのビッグネームの転入は本当に久しぶりだ。
すでに3月から競馬サークルで話題持ち切りだった。最初は盛岡に入ると噂されたこともあったが、水沢・村上昌幸厩舎に所属。この赤松杯を叩いて交流重賞・シアンモア記念が当初からの青写真。2月、佐賀記念以来の実戦だが、追い切りを3本消化して万全の態勢で臨む。
攻め馬、そして実戦でもコンビを組む坂口裕一騎手。「馬場に入っても遊びながらコースを回っているが、追い切りになると一変。特に併せ馬をやると闘志をむき出しにして1週前追いの49秒台のタイムにびっくり。さすが中央オープンは違うなと思いました」
当面の目標はシアンモア記念だが、最大目標は12年ぶりに盛岡で開催するJBC。クラシックへ向かうか、スプリントへ向かうかは今後の結果次第だろうが、いずれ岩手の大将格になるのは間違いのないこと。好発進を決める。
当初、岩手12戦12勝コミュニティの登録もあったが、ローテーションを考えて自重。対決は次走以降に持ち込まれた。
相手はスーブルソー、ドリームクラフト。スーブルソーは昨年4月、転入戦を完勝。主役に躍り出ると思ったが、次第に迫力が薄れて長いスランプに陥った。しかし冬の水沢戦でようやく復活。ファン投票・桐花賞を優勝。待望の重賞タイトルを手にした。
トウケイニセイ記念3着は59キロの酷量を背負ったため3着も仕方なし。今季2、1着にまとめ好調キープで赤松杯に臨む。
どうやらスランプのきっかけは盛岡コースに戸惑ったのが最大要因。次開催からコースが替わり、赤松杯が全力投球の舞台。ナムラタイタン相手にどんな戦いで挑むのか、興味深い。
ドリームクラフトも同じことが言え、水沢がベスト。特に1400m、1600m戦に絶対の自信を持っており、昨年重賞4勝。年度代表馬の座も射止めた。
前走が今季初戦だったが、本調子には程遠い印象。苦戦免れないと思ったし、鞍上・陶騎手も同様だったが、直線を向いて猛追。3着に突っ込み、改めて底力を誇示した。
この一戦を叩かれて気配アップ。まだ完調ではないが、気合いが一変した。距離適性はスーブルソーより上。それを考えれば先着も十分ある。
ハカタドンタクは3歳最優秀馬、最優秀ターフホースと2部門で選出。岩手競馬の最優秀馬では初のダブル受賞となった。
ダービーグランプリ以来の実戦となった前走は同僚スーブルソーの追撃を封じて逃げ切り快勝。これ以上ないスタートを切った。本質的にパワー勝負の馬場は合わないが、若さが最大の武器。おそらく今回も先手を主張するはずで、マイペースに持ち込みたい。
エバーオンワードはトウケイニセイ記念2着。こちらは盛岡の方が合うが、水沢も決して苦手ではない。前走はレース勘を取り戻せず5着だったが、叩かれた変わり身を見込めるはず。3着押さえは必要だろう。
◎(10)ナムラタイタン
○(4)スーブルソー
▲(8)ドリームクラフト
△(6)ハカタドンタク
△(5)エバーオンワード
<お奨めの1頭>
6R カズノタイショウ
南関東では精彩を欠いたが、クラスもきつかった。岩手C2へ編入されたのは幸い。あっさり2連勝を飾った。さすが中央2勝馬。連勝をどこまで伸ばすか楽しみ
水沢競馬場の桜並木をご存知だろうか。1988年、レースを演出する目的で向正面の堤防沿いに150本のソメイヨシノを植栽した。
そのすばらしい桜並木を見た関係者が感動。映画『禅ZEN』(2009年公開)の撮影舞台にも使われたのは有名な話だ。
今年は26、27日に一般開放(先週もひとまず開放)されるが、この桜をテーマとしたフォトコンテストが実施される。応募はデジタルカメラ、携帯とスマホの2部門。詳細は岩手競馬公式ホームページに掲載されていますので、そちらをご確認ください。
26日(土)メインは「田沢湖賞」(C1 水沢1600m)。桜並木をバックにしたサラブレッドの疾走は一見の価値がある。
主軸はクリスティラビット。昨年までB1に在籍していたが、今季はC1降級。2ランク下がれば地力の違い明らか。好位キープから一瞬のうちに抜け出し、直線はほぼ持ったまま。2着スノースケイプに4馬身差をつけて圧勝した。
体重が冬休み前に比べて10キロも減っていたが、それをモノともしなかった。今回、さらに大幅減なら不安が残るが、一桁台ならレースには影響ないはず。ここも期待に応える。
エナモラードは南関東C1から転入。一時はB3級にも在籍したことがあり、移籍後2、1着。初戦2着は元A級馬ニホンピロララバイ相手で仕方なし。格付けに恵まれたのは誰の目にも明白。大外12番枠が気にならない訳ではないが、地力で克服してくれるに違いない。
スノースケイプは前走、クリスティラビットの2着。追い込み一辺倒の脚質のため届かないケースもままあるが、久々に豪脚を披露した。今回は先行タイプがそろってミドルペース以上の流れ。展開も味方にしそうだ。
ガラパは前走、スノースケイプに次ぐ3着。詰めの甘さに課題があるが、一連の安定度からマーク欠かせない。
もっとも不気味な存在が絶好枠を引き当てたスミヨシルビー。水沢6勝をすべて水沢1600mでマークしたようにベストの条件。鞍上も目下リーディング首位の山本聡哉騎手が巧みなレース運びで連対をもくろむ。
あとは距離延長でも前回快勝で弾みついたソーラーインパルスを押さえたい。
◎(7)クリスティラビット
○(12)エナモラード
▲(10)スノースケイプ
△(5)ガラパ
△(1)スミヨシルビー
△(6)ソーラーインパルス
<お奨めの1頭>
8R マイネルラヴォーロ
転入初戦を圧勝。走破タイムも文句なしだった。3歳トップグループまでノンストップで突っ走りたい