
岩手競馬は今週から水沢競馬場での開催になりました。4月の終わりに水沢を離れた頃は桜の余韻が残ってまだ春の気配でしたが、今の水沢は、例えば向こう正面の桜並木もすっかり新緑の装いとなり空の色もどことなく湿っぽい青。すっかり夏になりました。盛岡も結構暑い日が多かったし、今年の春は短かったですねえ。
そんな水沢ですが、やはりというかしょっぱなから荒れ気味です。
この土日で3連単万馬券が既に11本、うち4本が10万馬券。土日の二日間の平均は3連単が32,061円(平均59番人気)、3連複は4,528円(同12番人気)となりました。単勝の平均が710円、馬複が1,665円、馬単が4,306円というデータと並べてみると、人気馬がそれなりに上位に来ているけれども3着あたりがもつれて荒れている・・・という傾向かと想像します。雨が降ったり止んだりの天候がコースの傾向に与えている影響も大きいのかもしれません。
ちなみに昨年同時期の水沢開催土・日はもっと荒れていて、3連単が平均119,675円(平均144番人気)、3連複がそれぞれ12,484円(24番人気)、単勝1,094円、馬複3,927円、馬単10,810円でした。こちらは"勝った馬からして人気薄"というパターンの荒れ方です。それに比べれば今年のはまだ狙いやすい・・・のかもしれませんが、ね・・・。
まあ、自分の予想が外れるからこそそんな高配当にもなるわけで、ファンの皆様にはそういういろいろな傾向・流れを読んでいい配当を獲っていただきますよう。
●10Rの買い目
馬単(2)=(5)、(2)=(7)、(2)=(8)、(5)=(7)、(2)=(6)
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先週月曜日の報告にもあったように、オーストラリアから短期騎乗中の西谷泰宏騎手が6月9日、盛岡開催最終日の最終11Rでうれしい日本初勝利を飾った。
C1級、盛岡芝1600m戦で9番人気のメモリアルメイトに騎乗した西谷泰宏騎手は、大外から積極的に逃げ、絶妙なペースに持ち込んだ。
スタートからのハロンタイムが12秒8-12秒0-12秒9-12秒8-12秒4-12秒3-12秒4-13秒3。まさに12秒台の正確なラップを刻み、鮮やかな逃げ切りを決めた。
当日は奥さん、娘さんも盛岡競馬場へ駆けつけて応援。優勝の口取り写真、iチャンネル(グリーンチャンネルで毎週木曜日9:00PMから放映中)にも家族いっしょに収まり、インタビューに答えていた。
西谷泰宏騎手
「盛岡開催のうちに勝利を飾りたかったが、なかなか勝てず最後の最後にこういう形(芝)で勝てて本当にうれしい。外枠でしたが、最初から思い切って行こうと考えていましたし、道中は気持ちよく走れるように心がけた。3コーナーあたりで後ろからつつかれて(馬に)またやる気が出たことと、オーストラリア流の展開になったのも勝因。来週から水沢に替わりますが、チャンスを確実にモノにしていきたい。これからもよろしくお願いします」
前後して7日、第5Rでサンバガール騎乗の菅原辰徳騎手が通算100勝目を飾った。2010年4月にデビュー、今年5年目に突入した。
菅原辰徳騎手
「デビューしたときは100勝を達成できるなんて、思ってもいませんでした。みなさんのご指導、たくさんの馬に乗せてもらったおかげ。感謝の気持ちで一杯です。99勝から意識しすぎてなかなか勝てませんでしたが、ようやく達成できました。レース後、先輩の皆さんがわざわざ集まって下さり、いっしょに写真を撮ることができて、とてもうれしかった。これから一つでも多く勝ち星を伸ばしたいと思っています」
15日メインはB1級馬による水沢1600m特別「ねむの木賞」、10頭立て。若駒が勢ぞろいして好調メンバーがずらり。楽しみな一戦となった。
レディアントデイズは成長株の1頭。今季2戦目を快勝して昨年よりパワーアップ歴然。完全にひと皮むけた。
以降の3戦は2着に終わったが、重賞・あすなろ賞で2着に善戦ダノンボルケーノ、芝重賞・かきつばた賞を優勝オールマイウェイ、そして前走はJRA馬が相手と運がなかっただけ。むしろ2着死守を評価するべき。
今回も予断の許さないメンバー構成だが、近3戦より組みし易いのは確か。2勝目を飾り、オープンに殴りこみをかける。
コスモアックスは南関東C1から転入後、1勝2着4回。最後で伸びが甘くなるのはササるクセがあるからだが、いずれも僅差負け。ここも好勝負必至だろう。
コウズシャインは500キロを優に越す大型馬。実戦を叩かれながら体が絞れて前回快勝。ブリンカー着用も効果があった。小回り対応が若干不安だが、上昇ムードに乗りもう一丁いけるか。
クロワッサンはデビューから抜群の安定感で着外が4走前6着の一度のみ。敗因も守備範囲を超えた1800mで仕方なしの結果。依然、底を見せていない。外枠が気になるが、どんな流れにも適応できるのが強み。
ツクバコマチは中央未勝利から金沢3勝、南関東3勝を経て転入。天性のスピードを武器に毎回逃げの手。最後の粘りが課題だが、今回は絶好の1枠。流れ落ち着けば残り目十分。
◎(3)レディアントデイズ
○(6)コスモアックス
▲(4)コウズシャイン
△(9)クロワッサン
△(1)ツクバコマチ
<お奨めの1頭>
7R プラウドワンダー
スタートで後手を踏み、一瞬ヒヤッとさせるが、行き脚ついてからの破壊力がすばらしい。今度は小回り水沢がネックだが、絶対能力でカバーできる
先週の重賞2連発。7日は盛岡芝2400m重賞「第17回かきつばた賞」が行われ、3番人気に支持されたオールマイウェイが完勝。
前半は5番手外をキープして3角からスパート。4コーナー手前で先頭に立ち、そのまま押し切って2馬身半差。同じ盛岡芝2400mを舞台に実施する地方競馬全国交流・せきれい賞へ名乗りを上げた。
勝利騎手コメント
村上忍騎手
「位置取りは出たなりでしたが、思った以上に前へつけることができました。有力馬が後ろにいたが、気にせずリズムを優先しました。久々の騎乗でしたが、やる気満々だったのでこれなら大丈夫だなと。去年より見違えるほど良くなった。長い距離もこなせることが分かったので、これからも楽しみ。今日の走りを見る限り、交流でもいいレースが期待できそうですね」
翌8日は盛岡ダート1200m重賞「第40回早池峰賞」があり、ランドオウジが見事優勝。重賞挑戦9度目にして悲願のタイトルを手にした。
これでランドオウジはクラスターカップ・トライアル岩鷲賞の優先出走権を獲得した。千葉幸喜調教師「村上忍騎手と相談して1200m未経験でも盛岡なら大丈夫だろうと踏んで挑戦を決めました。ようやく初重賞を取ることができてホッとしている。岩鷲賞の優先出走権を獲得したが、水沢は反応一息の印象もあるので慎重に出否を決めたい」
優勝騎手は村上忍騎手。2日連続の重賞制覇を果たした。
村上忍騎手
「外枠だったので3番手は想定どおり。初距離でしたが、とにかく手応えがすばらしかった。それで先頭に立つのが早すぎるイメージもあったが、盛岡は本当に走る。これからも楽しみです」
今週14日(土)から舞台は水沢競馬場。連日のように降り続く雨の影響で、水をかなり含んだ不良馬場。速いタイム決着になる可能性が高く、各馬の持ち時計、コース適性をチェックしてほしい。
メインはB1二組「JBCイヤー紫陽花レース」(水沢1600m)。基本はイマジンジョン、マイネルレーサー、グラスシューターの三つ巴模様。上位伯仲の見解だ。
イマジンジョンは昨年4月、中央未勝利から転入。いきなり7連勝をマークした。続く一戦で3着後、南関東へ移籍。4着が最高成績で再び岩手入り。5戦2勝2着2回と安定した成績を残している。
近3走は5着、2着、2着と足踏み状態だが、敗因の一つが盛岡コースか。今度は6戦6勝の水沢に替わり、首位奪回のお膳立ては整った。
マイネルレーサーは転入後、6着1回のほかはすべて入着。相手なりに駆ける堅実さを身上とし、今季も毎度のこと電光掲示板をにぎわしている。
その反面、詰めの甘さがつきまとい3着止まり。歯がゆいレースの連続だが、速いタイム決着に全能力を発揮。今の馬場なら単まで十分考えられる。
グラスシューターは前走のレースで鼻出血が発生。そのため再能力検査を課せられ、レース間隔も開いたが、元々がテッポーがきくタイプ。また昨年までA級でも上位争いを演じた実績でアッサリまで。
コアレスランナーは目立たないが、着実に状態アップして水沢を迎えたのが心強い。さすがに年齢的な衰えは見え隠れするが、コース適性で相殺。暑い季節が来る前に格上の実力を発揮したい。
コンプリートは大井3戦から里帰り。いずれも着外に沈んだが、昨年、水沢マイルで行われた重賞・赤松杯を逃げ切った実績。絶好の1枠を引き当てマイペースなら一発あるかも。
あとは本来の先行力を取り戻しつつあるコスモデスタンも押さえが必要だろう。
◎(8)イマジンジョン
○(6)マイネルレーサー
▲(10)グラスシューター
△(9)コアレスランナー
△(1)コンプリート
△(7)コスモデスタン
<お奨めの1頭>
11R エイシンダッシュ
中央ダート3勝をマークしてオープンに在籍。近走は振るわなかったが、B2では地力の違い明白。2戦とも圧勝劇を演じた。小回り水沢も園田2勝なら問題なし
5月3日からスタートした盛岡開催もこの6月9日・月曜でひと区切りとなります。半年ぶりで待ちかねたORO開催でしたが、終わってみればあっという間でしたね。
この間、芝レースのスタート、鈴木騎手の初勝利、オーストラリア・西谷騎手の騎乗開始、2歳新馬戦実施など話題も多い1ヶ月間だったように感じます。
次の盛岡開催は7月12日から。マーキュリーカップ・クラスターカップのグレードレースシーズンが始まりますし、2歳の重賞戦線も8月の若鮎賞からスタートします。次の盛岡開催が待ち遠しいですね。
もちろん、今週末からの水沢開催も、次週・22日のみちのく大賞典、ナムラタイタン登場とか、その前日に出走を予定しているコスモアンカーの初戦とか興味深い戦いが続きます。水沢開催もじっくりとお楽しみください。
●10Rの買い目
馬単(10)→(4)、(10)→(9)、(10)→(8)、(10)→(6)、
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盛岡ダート短距離はミスタープロスペクター系と相性抜群。さすがアメリカの主要競馬場を範にした盛岡競馬場=OROパークならではだろう。ミスプロ系の活躍馬が目白押しだ。
8日メイン「第40回早池峰賞」の過去5年をさかのぼっても2009年優勝フリーモア(父フォーティナイナー)、2010年2着トーホウライデン(母父ミスタープロスペクター)。2011年優勝リュウノキングダム(父スキャターザゴールド)、同2着オシャベリコパ(父フォーティナイナー)。2012年優勝ヒカルジョディー(父トワイニング)。2013年2着タケノトレジャー(父トレジャーアイランドの母父ミスタープロスペクター)。
ここまで好走するとミスプロ系をまずチェックしなければならないが、今年の該当馬はコスモフィナンシェ、ランドオウジ、ヒカルジョディー、ウイニングドラゴン、ハートランド、マイネヴァイザー、スズヨシーズン、ジャリーヴと8頭もいたら、絞りづらい。
しかしもう一つ興味深かったのが人気を集めるコスモフィナンシェ、ランドオウジの配合が非常に近いこと。
父は両馬ともゴールドアリュール。そしてコスモフィナンシェの母父がガルチ。ランドオウジの母父がフォーティナイナー。この2頭はミスプロの直仔でほぼ同系の血統配合だった。
奇しくも共通しているのは先行力があってマイル前後で最大能力を発揮すること。今回の1200m戦は決してベストではないが、持ち前のパワーで押し切る可能性大。果たして1、2フィニッシュを決めるか、ひそかに楽しみにしている。
2頭に割って入るスズヨシーズンも母父がアフリートだからミスプロの血が入っている。こちらは典型的な追い込み馬で1200m前後の短距離がベストの条件。今年も速い流れ予想され、大外を一気突き抜けるシーンまで。
チェリービスティーはミスプロの血は入っていないが、父サクラバクシンオー譲りのスピードが武器。中央2勝を芝1200mでマークし、転入初戦の盛岡芝1700m戦で惜しくも2着。負けて強しの一戦だった。ダート適性は未知数だが、距離短縮は少なくても歓迎のはず。
ジャリーヴは父スウェプトオーバーボードで、サイアーラインをさかのぼるとエンドスィープ→フォーティナイナー→ミスプロ。前々走、古馬初挑戦でコスモフィナンシェの0秒3差3着。今回も53キロの軽ハンデを活かして先輩に一泡ふかそうともくろんでいる。
◎(2)コスモフィナンシェ
○(11)ランドオウジ
▲(8)スズヨシーズン
△(7)チェリービスティー
△(3)ジャリーヴ
<お奨めの1頭>
11R イーグルドライヴ
前走はペガサスムーンとの競り合いで2着惜敗したが、1600mが舞台なら逆転十分。首位を奪回する