今週3日間で1ヵ月の水沢開催が終了。次週から盛岡に移り、ビッグレースが目白押しだが、今週の水沢競馬は楽しみな重賞2つがある。10日、ヴィーナススプリント、11日の青藍賞だ。
それと関連するが、もう一つ見逃せないのがリーディングジョッキー争い。先々週まで村上忍騎手111勝、山本聡哉騎手91勝。この時点で村上忍騎手の100勝をアッサリ突破したのは驚異的な勝ち星。まだ後半戦に突入したばかりだったが、恐ろしいペースで白星を重ねて20勝の大差をつけていた。
しかし昨年のリーディングジョッキー・山本聡哉騎手も引き下がらなかった。先週3日から5日の3日間でなんと12勝。一方の村上忍騎手は3勝。
結果、5日時点で村上忍騎手114勝、山本聡哉騎手も100の大台をアッサリ突破して103勝。11勝差まで詰め寄った。
10日のヴィーナススプリントで村上忍騎手はミラクルフラワー、山本聡哉騎手はスマートアレンジに騎乗。両馬が人気を分け合う。
そして11日の青藍賞では村上忍騎手がライズライン、山本聡哉騎手はラブバレットに騎乗する。重賞2連発ともども両騎手の動向に注目したい。
10日メインはオープン牝馬重賞「第4回ヴィーナススプリント」(水沢1300m)。主軸選びに迷ったが、最終決断はミラクルフラワーとした。
ミラクルフラワーは南関東から今年5月に再転入。伝統のみちのく大賞典、BドリーマーCトライアル・フェアリーカップを含め、圧巻の4連勝を飾った。
そして当初の最大目標・ビューチフルドリーマーカップへ向かったが、よもやの出遅れを喫して8着。3コーナーで早々と失速し、3秒9差8着に沈んだ。
振り返ればフェアリーカップでもゲートでもたついて3番手からの競馬。ここ2戦のスタートが気になるところだが、地元牝馬同士なら実績が違いすぎる。
加えて距離もこなすようになったが、本質的にはスピード派。1300mは過去の足跡から歓迎のはず。格の巻き返しに期待する。
スマートアレンジは中央ダート1000m2勝、1200m2勝。南関東では4着止まりだったが、A2以下の強豪メンバーだったのも事実。
岩手初戦は桂樹杯。芝実績がなかったが、4角で先頭に立って見せ場。0秒5差6着に粘った。2戦目に水沢1400mを選び、ワールドエンドの逃げ切りに屈したが、0秒4差3着。これで通用のメドが立った。
1300m短縮は望むところ。絶好の1枠を引き当て、山本聡哉騎手はどんな戦法で臨むか注目。
ミトノレオはビューチフルドリーマーカップで見せ場を作った。ミラクルフラワーが出遅れてノーノーイエースが先行。スローの流れに落とされたが、向正面からマクリ戦法。直線は決め手の差が出たが、内容は上々。アッサリ首位まで。
スフィンクスは昨年暮れの水沢1400m重賞・栗駒賞を直線一気を決めて優勝。ハイペースで一気台頭。モリノワカバは前走で1300mを使って3着に善戦。ミタイナはそれに次ぐ4着。いずれも短距離適性が高く、軽視できない。
◎⑤ミラクルフラワー
〇①スマートアレンジ
▲⑦ミトノレオ
△②スフィンクス
△③モリノワカバ
△⑨ミタイナ
<お奨めの1頭>2R ワンドロップ
前走は4ヵ月ぶりの実戦だったが、2着を確保。地力の高さを誇示した。叩かれて順当に白星を手にする
★重賞・ビギナーズカップ/サンエイリシャールが優勝
今季二つ目の2歳馬の重賞『ビギナーズカップ』は、3番人気のサンエイリシャールが優勝しました。
人気を集めたのは前走の認定戦を圧勝して挑んだニードアフレンド。ハナを奪ってレースをリードした同馬は向こう正面では3馬身ほどにリードを拡げ、そのままの勢いで押し切るか...と思われました。
しかし、勝負所に来て思いのほか伸びを欠いた同馬は逆に後続に飲み込まれる形。最後は直線外から伸びたサンエイリシャールが突き抜け、重賞初制覇を達成しました。
9月5日のメインレースは全12Rの第11R、ダート1400mの『震災復興子ども達に夢と笑顔を』。11頭立てとなってなかなか歯ごたえがあるメンバーになりました。
本命は(3)チャイヨーです。ここでは2頭しかいない3歳馬、古馬とは初対決にもなりますが、同じ水沢1400mの重賞を制している力量は不足はないでしょう。ここ2戦はマイル・2000mを戦い、まずまずの結果は出しているものの、やはり今一番いいのは水沢の1400m。この条件なら古馬が相手でも好勝負になるはず。あとは、今の水沢は後方過ぎると戦いづらい馬場。極端におかれないで戦えるかどうか?がカギ。
対抗は(9)ケイジースワローを。以前B1昇級でちょっと苦戦したのでもうちょっと時間が必要かなと思っていたんですが、ここのところクラスの壁を越えそうな走りを見せていますね。前走はA級B級混合戦、そこで2着ならここでも。
(8)チタンクレバーはJRA未勝利で2着が4回あるように能力は高いものを持っているはず。ただ、ダートは初めてでもあり、今回は三番手の評価に止めたいですね。
その他ではまず(4)ゼンザイ。ベストは1300m以下でしょうが春先はA級のマイル戦でも上位に入っており、1400mなら流れ次第でしょう。(10)ホープフルデイズは上下の幅はちょっと大きめですが力はありそう。ここは全体に力量差が少ないかもしれません。
●11Rの買い目
馬単(3)=(9)、(3)=(8)、(3)=(4)、(3)→(10)
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★オッズパークLOTO 5重勝/9月5日(対象8R~12R)
8R/評価A: 9番 評価B: 7番 穴:6番
9R/評価A: 4番 評価B:10番 穴:5番、1番
10R/評価A: 7番 評価B: 8番 穴:10番、11番
11R/評価A: 3番 評価B: 9番 穴:8番
12R/評価A: 2番 評価B: 8番 穴:1番、9番
4日メインは今シーズンの2歳重賞第二弾「第34回ビギナーズカップ」(水沢1400m)。
創設は1983年。創設当初は旧盛岡競馬場(緑ヶ丘)1100mで行われ、その後は水沢開催に替わったり盛岡に戻ったりしたが、2007年以降は震災の年(2011年)を例外として、水沢1400mが舞台で固定されている。
歴代勝ち馬の代表馬はスイフトセイダイ、ユキノビジン、サカモトデュラブ。最近では3年前のラブバレットが記憶に新しい。
ラブバレットは2歳時に寒菊賞、金杯を優勝。3歳時はスランプに陥ったが、昨年見事に復活。さきたま杯4着、クラスターカップ3着、笠松グランプリ優勝。
今年もクラスターカップで60キロを背負って優勝したダノンレジェンド相手に直線まで食らいついて3着に健闘した。
ビギナーズカップが2歳ダート路線のスタート。2歳3冠・若駒賞、南部駒賞、金杯にもつながる重要な一戦となる。
余談だが、今回は連闘もあって回避したベンテンコゾウの名前を記憶してほしい。8月27日、水沢850mを50秒5の今季一番時計で勝ち上がった。しかも余裕を残してコースレコードに0秒7まで迫った。
父はダートで大ブレイク中のサウスヴィグラス。祖母は朝日チャレンジカップなど重賞5勝、通算9勝をマークしたヌエボトウショウ。470キロ台で均整の取れた馬体に惚れ惚れ。いずれ重賞へ顔を出すのは確実だ。
主軸はニードアフレンド。北海道5戦2勝の成績を引っ下げてトレードされ、若鮎賞へ名乗り。父スズカコーズウェイ、母父サザンヘイローの血統から芝も問題ないと思ったが、失速9着。案外の結果に終わった。
敗因は初芝以外にもいくつか考えられる。プラス17キロの体重増。初の左回り。入れ込みが激しかったこと。
それを踏まえて水沢1400m戦へ臨み、入れ込みは相変わらずだったが、後続を突き放して圧勝。北海道2勝の底力を見せつけた。
当日は時計のかかる馬場だったにもかかわらず、1分30秒1の好タイムをマーク。これでは他陣営は追走できないのも当然だった。
今回も同じ水沢1400mが舞台なら中心不動。順当に重賞を手にする。
相手は前走でニードアフレンドの2、3着ミスターシーバス、ココロヲコメテ。ミスターシーバスは芝1000m・新馬戦を勝ち、ダートに替わっても2着確保。レースセンスの良さがセールスポイント。
一方、ココロヲコメテは初輸送、初水沢のハンデの中で3着。コース2度目は間違いなくプラス材料となる。デビュー2戦目をアッサリ逃げ切り、2着に2秒1の大差で圧勝したスケールからミスターシーバスに先着も十分。
サンエイリシャールはデビュー戦から2、3、1、2着。堅実な差し脚を武器に完成度の高さを見せている。前崩れになれば台頭のシーンまで。
トーホクコルトは兄トーホクアロー、ウマノジョーなどで岩手になじみの血統。兄弟を考えるとダート向きのイメージが強かったが、芝デビュー戦を快勝。ダートに替わってさらに上積みが見込めるはず。
◎⑤ニードアフレンド
〇③ミスターシーバス
▲①ココロヲコメテ
△②サンエイリシャール
△④トーホクコルト
<お奨めの1頭>
3R ファンシークイーン
前回快勝で待望の初勝利を飾った。弾みつけてもう一丁いける。相手はサムライ1頭
先週28日、ビューチフルドリーマーカップ勝敗の分かれ目は、向正面の駆け引きだった。
地元期待のミラクルフラワーはよもやの出遅れを喫し、手をしごいて4番手まで押し上げた。逃げたのはノーノーイエース。後続を引きつけてスローの流れに落とした。
1番人気タイムビヨンドは中団外を追走し、その内にジュエルクイーンがいる。互いをけん制し合いながらレースを進めた。
坦々としたペースで流れた中、それを断ち切ったのはタイムビヨンドだった。宮崎光行騎手「一か八かの勝負に出た。門別1600mの内回りでジュエルクイーンに負けたように、小回りコースで器用に立ち回れる馬ではない。向うはスピードタイプ。こちらは馬力型」のコメントがすべて。
タイムビヨンド=宮崎光行騎手は早めに動いてセーフティリードを取り、そのまま押し切る形に持ち込みたかった。
これがジュエルクイーンに幸いした。レース前は先手も考えていたそうだが、中団からの競馬。しかも外にタイムビヨンドがつけ、動くに動けない厳しい場所へ押し込まれた。
しかし、吉原寛人騎手はあわてなかった。「タイムビヨンドが動いてくれたから結果的にレースがしやすくなりました」と勝利騎手インタビューで語ったが、必ず相手が先に動くと確信していたに違いない。「ボクが動くか、宮崎さんが動くか駆け引きがあった」と続けた。
この日、吉原寛人騎手は8月末で早くも地方競馬全場(ばんえいを除く)踏破を果たしたが、それを重賞制覇で花を添えた。さすがという他はない。緻密なプレーに改めて感服した。
3日メインは「セプテンバーカップ」(水沢1300m)。当初、モズフウジン、マックスキュアの登録もあったが、2頭とも自重。一転して波乱含みの一戦となった。
主軸にファイブタブレットを指名する。昨年はA級でも勝ち負けを演じ、今季はB2へ降格。8戦連続で馬券対象となり、3勝2着3回3着2回。抜群の安定度を誇っていた。
ところが前走(盛岡ダート1800m)は伸びを欠いて1秒9差6着。まったく"らしさ"が見られず、前開催を自重。
回復に専念し、1300m戦で復帰を果たした。果たして本来のシャープさを取り戻したか否か。陣営は万全を期して得意の短距離戦へエントリーした。
水沢1300m戦は今季3戦目にハイタイムで完勝。多少、本調子を欠いていても適性でカバーすると判断したと思う。それに賭けてみたい。
逆転筆頭はコスモロングソード。中央未勝利ながら2歳新馬戦(東京芝1600m)で2着の実績はダテではなく、岩手初戦の水沢1400mを快勝。
続いて芝交流・オパールカップへ駒を進めて5着後、JRA条件交流へ。一戦目は4着だったが、2戦目は0秒1差2着。直線半ばで先頭に立ち、あわやのシーンを作った。今回のB2戦はくせものぞろいだが、3歳の若さと成長力で十分突破できる。
スマイルリリーは前走、水沢850m戦で大外に入りながらも好ダッシュを決めて逃げ切った。今季2勝はいずれも850mで1300m延長が微妙だが、自分の競馬ができれば持ち前の粘り発揮。ここも逃げの一手。
ランデックアロマは当初、精彩を欠いていたが、徐々に立ち直り気配。前走4着でメドが立った。
以下、久々を叩かれて得意の1300m戦を迎えたテイケイフロックス、スンナリでオーミアリエルの残り目が押さえ。
◎①ファイブタブレット
〇③コスモロングソード
▲④スマイルリリー
△⑧ランデックアロマ
△⑤テイケイフロックス
△②オーミアリエル
<お奨めの1頭>
6R ブラウンヴィーヴォ
転入初戦をハイタイムで快勝。地力の違いを見せつけた。相手は同じく初戦1着ピタゴラステッキ
★重賞・ビューチフルドリーマーカップ/ジュエルクイーンが優勝
遠征馬3頭を迎えて行われた牝馬の重賞『ビューチフルドリーマーカップ』。遠征のジュエルクイーン・タイムビヨンド対地元ミラクルフラワーの構図になりましたが、その中で3番人気だったジュエルクイーンが優勝しました。
昨年のこのレースでは2着だった同馬ですが、これで2年越しの制覇を達成。GRANDAME-JAPANのポイント争いでもトーコーヴィーナスらを抜いてトップに立ちました。
なお、2着には地元の伏兵ユッコが食い込み、タイムビヨンドは3着。ミラクルフラワーは8着に終わりました。
しかし今回の本命は(3)メテオライトを採りました。ある意味休養明けのコミュニティを控えめに評価して・・・ではあるのですが、メテオライト自身もみちのく大賞典2着はじめオープン・A級特別で好走しているのだから力量に不足はないはず。長い脚が使えるタイプではないように見えるので、水沢コースに替わる点もプラス材料と見ての本命視です。
相手は(4)コミュニティ。これまでのシーズン中にはあまりやったことがない2ヶ月余りの休養の影響がどちらに出るか?これは一度実戦を経てみないと分からない面だと思います。良い方に出れば当然勝ち負け。さてどうなるか。
(7)ツクバコガネオーが三番手。この馬も転入2戦いずれも2着ながら力のあるところは見せています。大型馬なりの叩き良化という事もあるでしょうし、今回が"三度目の正直"になる可能性は十分。課題があるとすればやはり小回りコースではないでしょうか。
ヒモは水沢の方が相性が良い(1)マウントマズル、ダートの中距離で地元馬同士なら大きく崩れていない(6)マイネルコランダム。印上位3頭だけの競馬で終わるとも思えませんし、いくらかは他の馬にも手を拡げておきたいものです。
●11Rの買い目
馬単(3)=(4)、(3)=(7)、(4)=(7)、(3)→(1)、(3)→(6)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
★オッズパークLOTO 5重勝/8月29日(対象8R~12R)
8R/評価A: 8番、1番 評価B: 2番 穴:4番
9R/評価A: 6番 評価B: 9番、4番 穴:10番
10R/評価A: 1番 評価B: 8番、7番 穴:3番
11R/評価A: 3番 評価B: 4番 穴:7番
12R/評価A: 3番 評価B: 1番、9番 穴:2番