早いもので今週と来週の開催2週間で今シーズンの盛岡競馬が終了。一気に冬を迎えるのを実感する。
最も印象深かったのは山本聡哉騎手の快進撃。今シーズンはリーディング奪回に燃える村上忍騎手が開幕から好ダッシュを決め、一時は20勝以上も差を広げ、そのまま逃げ切るだろうという声が大勢を占めていた。
ところが山本聡哉騎手は9月から驚異的に白星を積み重ね、ついには逆転。10月24日終了時点で山本聡哉騎手144勝、村上忍騎手137勝。
先週3日間(10月22日~24日)は村上忍騎手5勝、山本聡哉騎手4勝とリードしたが、この時期で7勝差は強烈。
ただ、翌々週から舞台は小回り水沢。先行馬を勝利に導くので定評がある村上忍騎手。多少、ハイペースで逃げてもゴールまで持たせる技術は一級品だ。おそらく今シーズンも両騎手のし烈なデッドヒートが最後まで続きそうな気配がする。
もう一人、注目してほしいのは山本政聡騎手。いわゆる山本兄(長兄)だが、先週で大台100勝を突破した。今年はスーパージョッキーズトライアルに兄弟出場したり、ここ一番での勝負強さが目につく。山本兄にも注目してほしい。
29日メイン10RはB1二組「未知の駒会メンバーズカップ」(盛岡ダート1600m)。スパンコール、コパノアルディー、メイショウテンロウの三つ巴ムードが漂っている。まずは3頭が出走した10月16日、B1二組(盛岡ダート1600m)を振り返ってみたい。
ハナを主張したのはトウカイチャーム。コパノアルディーは4番手外を追走し、直後にスパンコール。メイショウテンロウは終始中団をキープした。
最初に動いたのはスパンコールだった。3コーナー過ぎからコパノアルディーの外からジワジワと接近。それを見てコパノアルディーもスパートをかけたが、スパンコールが直線入り口で並ぶ。
直線半ばでスパンコールが交わし、快勝パターンかと思ったのもつかの間、外からメイショウテンロウが強襲。一瞬のうちに抜き去り、メイショウテンロウが1着。0秒1差でスパンコール、0秒4差3着コパノアルディーの結果となった。
メイショウテンロウは漁夫の利を得た印象もあるが、3走前にもコパノアルディーを完封。差しタイプで展開のファクターがつきまとうが、コース広い盛岡が合ったと解釈。コース替わる前にもう1勝といきたい。
コパノアルディーは完敗3着だったが、流れが合わなかったのも事実。想定以上にスパンコールにマクリをかけられたのが痛かった。加えて外枠だったため、外目にコースを取らされたロスもあった。
しかし今回はアサクサニッポンの2番手から3番手を確保できる可能性大。自分の競馬ができれば巻き返しに転じて不思議はない。
スパンコールは前走で一番強い内容だったと評価できる。最後は尻尾を振って苦しがっていたが、負けて強しの一戦。リーディング・山本聡哉騎手は二の轍を踏まず、首位奪取に燃える。
アサクサニッポンも軽視できない。前走は3ヵ月半ぶりの実戦では1秒4差4着も仕方なし。ひと叩きされた上、絶好枠を引き当て逃げ切りのシーンまで。
アクティブボスはムラなタイプでアテにしづらいが、一発の怖さを秘めている。
◎⑦メイショウテンロウ
〇⑪コパノアルディー
▲⑨スパンコール
△②アサクサニッポン
△⑤アクティブボス
<お奨めの1頭>
6R ヴィグラスムーヴ
転入初戦を破格タイムで圧勝。出遅れながらもパワーとスピードで圧倒した。ここではモノが違う
10月24日の盛岡メインはA級特別の『紅葉特別』、A級一組のダート1800m戦です。ここ数日一気に寒くなってきた盛岡ですが、つい先日まで気温が高い日もあったせいか紅葉の進み具合は例年に比べてややスロー。それでももうそろそろ、下界にも本格的な紅葉前線がやってきそうです。
このレースの本命は敢えて(2)コミュニティを採りました。6月から8月まで約2ヶ月の休養を経て、休み明け初戦が3着、前走の青藍賞が5着。どうしても人気を背負ってしまう馬だけにそれでも不満に思われる部分があるのですが、この馬なりに上昇を見せていたと思います。今回は得意な1800m戦、いわゆる叩き三戦目で前進を見込んでみましょう。
相手は(3)ナリタポセイドン。直近の成績は奮わないといっても、なんといってもJRAオープンからの転入。その格だけで通用していいでしょうし、左回りダートも経験豊富ならいきなりから。
3番手。これは(6)ミラクルフラワーを。ここまでの戦績を見る感じ、やはり盛岡の方が戦いやすそう。少し間隔が開いた分がどう出るか?ですが、何といっても牡馬を破ってみちのく大賞典を制した馬、軽視はできない存在。
続いて挙げるのは(1)ツクバコガネオー。なかなか白星先行とはいかないものの地力の高さはしっかり見せているし、1800mという距離も合うはず。
そして(7)スペクトル。前走は実質1年4ヶ月ぶりの実戦でした。世代トップの成績を残していた馬ですし、叩かれて上昇してくる部分は必ずあると考えたいですね。
●11Rの買い目
馬単(2)=(3)、(2)=(6)、(3)=(6)、(3)→(1)、(3)→(7)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
★オッズパークLOTO 5重勝/10月24日(対象7R~11R)
7R/評価A: 1番、 評価B: 5番 穴:7番、8番
8R/評価A: 6番、10番 評価B: 3番 穴:4番
9R/評価A: 8番 評価B: 5番、12番 穴:9番
10R/評価A: 9番、 1番 評価B: 6番 穴:4番
11R/評価A: 2番、 3番 評価B: 6番 穴:1番
23日メインは岩鷲賞と並び、最も古い歴史を重ねてきた「第48回不来方賞」(M2 盛岡ダート2000m)。
不来方は「こずかた」と読み、広義の意味で現在の盛岡市の別名。歌人・石川啄木が「不来方の お城の草に 寝ころびて 空に吸はれし 十五の心」と詠んだことでも知られている。
かつての不来方城(盛岡城)は盛岡の中心地にあり、城跡は市民県民の憩いの場。啄木の歌碑もあるので興味がある方は訪れてほしい。春には桜が咲き、初夏は紫陽花(あじさい)、秋には紅葉...。バラ園も隣接し、四季を楽しめる。
余談だが、城跡から東へ歩くと中津川が流れている。今の季節はちょうど鮭が産卵のために遡上する頃。中の橋から市民が眺めているのはその姿。街中で訴状を見られるのも珍しい。実は盛岡市は中津川、北上川、そして雫石川など川の多い街でも有名だ。
不来方賞は伝統の3歳重賞。2歳が南部駒賞、古馬はみちのく大賞典。これが古くからの根幹レース。
今のレース体系では岩手ダービー・ダイヤモンドカップ、11月の交流・ダービーグランプリの間にある二冠目の位置づけだが、不来方賞こそ岩手のダービー。小生みたいなオールドファンはいまだにこだわりがある。
48回目の不来方賞はエンパイアペガサスが大本命となった。2歳最優秀馬であり、前哨戦・イーハトーブマイルでエンパイアペガサスの2着メジャーリーガーが自重したからだ。
エンパイアペガサスはデビューが昨年10月と遅れ、2戦2着に終わったが、3戦目から連戦連勝。年をまたいで目下7連勝中と破竹の進撃を続けている。
ダイヤモンドC後、3ヵ月半の休養に入り、復帰戦のイーハトーブマイルを7馬身差で圧勝。No.1を不動のものにした。不来方賞の先には全国交流・ダービーグランプリが控え、今回が重要な試金石となる。
相手は新興勢力ウインバーニング。ディープスカイ産駒で中央3着2回、大井の交流戦2着から転入。初戦を豪快な直線抜け出しで完勝した。
1800m前後を使われ、初戦も1800m戦。いい脚を長く使えるタイプで2000mは大歓迎。距離適性、鞍上・吉原寛人騎手が何とも不気味だ。
サプライズハッピーは自他ともに認める3歳牝馬No.1。岩手版オークス・ひまわり賞を順当に制した。またダイヤモンドカップも3着など牡馬と互角以上の勝負を演じている。
最大ネックは2000m。すでに2度経験し、実際にひまわり賞を勝っているが、山本聡哉騎手がうまく脚を貯めて距離を克服したもの。本質的にはマイラーの切れ勝負型。どう2000mを乗り切るかがカギ。
ノーノーイエースは北海道1勝、南関東2勝から転入。すべて電光掲示板を確保する堅実派だが、半面で詰めの甘さが課題。それでもダイヤモンドカップ4着からも軽視はできない。
トップシーンはここでは荷が重い印象だが、いわゆるジリ脚タイプで2000m向き。3着押さえで印を附した。
◎④エンパイアペガサス
〇⑥ウインバーニング
▲⑩サプライズハッピー
△③ノーノーイエース
△⑧トップシーン
<お奨めの1頭>
3R チェリーピッカー
転入2戦とも地力の違いを見せつけて圧勝。走破タイムも素晴らしい。カフェオリンポス産駒が岩手の地で素質を開花させる
今年で6回目を迎える「OROターフスプリント」(M2 地方競馬全国交流)。芝1000mの特殊条件が評判を呼び、今や盛岡競馬場の名物レースへと出世したといっても過言ではない。
前身は2009年のきんもくせい賞。当時は芝2400mから芝1000mへ条件を変えて実施。オープン特別だったが、2011年から重賞へ格上げされ、名称もOROターフスプリントへ変更。
さらに第4回(2014年)から全国の地方競馬に門戸を開放し、現在に至っている。このような背景は魅力あふれる個性派が誕生したこと。第2回、第3回を連覇したライトマッスルは極めつけだった。
そして昨年の覇者エゴイストはまさに1000mのスペシャリスト。中央1勝がダート1000m。昨年9月、中央500万下から北海道1戦を経て転入。
移籍初戦・盛岡ダート1400mは5着に終わったが、芝1000mで天性のスピードを発揮。ハーベストカップ、OROターフスプリントを連勝し、一躍主役の座に躍り出た。
その後は鳴りを潜めていたが、今年もダート1000m戦をシーズン初勝利を飾り、トライアル・ハーベストカップを逃げ切って完勝。
つまり勝ち星5勝すべて芝ダート1000mという徹底ぶり。これほど距離限定のタイプも珍しいと思う。
狙うのはOROターフスプリント2連覇。ラッキーなことに逃げたい馬が絶好枠(4番枠)を引き当て、逃げ切り態勢は整ったと見ていいだろう。
ただ典型的な逃げ馬ゆえ、モロさも同居。良馬場なら前半3ハロン34秒0を出せるスピードについていけないと思いつつ、一抹の不安があるのも否定できない。
逆転筆頭は北海道ケイアイユニコーン。中央3勝ながら2着11回3着12回。この安定感を最大の武器とし、北海道移籍後も4戦2勝。芝1000mも新潟で3着を確保した。
大外11番枠を引き当てたのが若干気になるが、北海道のレースぶりを見る限り、包まれる心配のない今回は歓迎のはず。直線抜け出しを決めるか。
ウインミラージュはハーベストカップ0秒2差2着。距離を考えると完敗と言える内容だが、初のオープン相手に酌量の余地。それ以前は芝1000m3戦3勝。秘めた才能が花開いた。
1枠1番は勝負を賭けるのに絶好。前が開かないリスクも十分考えられるが、終いがしっかりしたタイプ。仮に行き場ができれば大魚獲りの可能性も十分ある。
ダイワマッジョーレは桂樹杯5着、OROカップ6着、ハーベストカップ4着。過去の足跡からは正直、物足りなさがあるが、ハーベストCは直線で前が壁になって出場所を一瞬なくしたのも痛かった。
それでもラスト50mの伸びに中央重賞ウイナーの片りんをのぞかせていたのが見逃せない。スムーズなレース運びができれば底力でアッサリまで。
ブレークビーツは盛岡芝が合い、縦横無尽で活躍。芝2400m・かきつばた賞、芝1600m・桂樹杯と重賞2勝をマーク。OROカップでも2着に気を吐いた。
ハーベストCは距離不足に泣きながら3着。脚を余したが、適性の高さを誇示した。距離2度目で上昇あるかも。
◎④エゴイスト
〇⑪ケイアイユニコーン
▲①ウインミラージュ
△⑥ダイワマッジョーレ
△⑦ブレークビーツ
<お奨めの1頭>
8R シンキングカミユ
勝つたびに凄みを増して転入後、無傷の5連勝。走破タイムもすばらしくC2を軽々と突破。C1昇級もまったく問題にしない
10月17日の盛岡競馬場、メインレースは第11R。2歳ダート1600mの重賞『若駒賞』です。
ここまではどちらかと言えば芝戦線がメインだった2歳重賞もこの若駒賞から南部駒賞、金杯へとダートマイルを舞台とした戦いが始まります。
昨年のこのレースを制したメジャーリーガー、一昨年のロールボヌール、あるいはその前年のライズライン・・・といちいち挙げていくまでもなく、このレースは、この路線は、2歳に留まらずその先の飛躍のきっかけとなる登竜門。今年の10頭のメンバーの中からはたして過去の活躍馬達に肩を並べる馬が誕生してくるのか?に注目です。
本命は、将来への期待も込めて(7)ベンテンコゾウです。デビュー後は2戦2勝、その内容はワンサイドでありまだまだ余裕を感じるもの。走りのイメージからは今季の2歳の中でもトップの素質を持っていると思わせます。今回は確かに相手強化という事になりますが、ここもまた突破するようであれば今後の期待もさらに大きくなる・・・のではないでしょうか。
相手は実績をかって(8)サンエイリシャール。重賞初挑戦で一気に突破したあたりに素質の高さを感じさせます。レース内容も良く当然主力の一角を形成するはず。
3番手は(1)ミスターシーバスでどうでしょうか。前走ではサンエイリシャールに敗れていますが、どちらかと言えば距離がもう少しあった方が良さそうな馬。マイルを味方に付ける事ができれば上位争いに。
あとはまず(4)ニードアフレンド。着順の上下の幅が大きく見えるのは脚質ゆえなのでしょう。マイルの先行競馬を経験して挑めるのは有利。(10)ルックフォワードは転入後日が浅い段階ですが前走でメドは立った感。距離も経験済みだし穴に一考。
●11Rの買い目
馬単(7)=(8)、(7)=(1)、(7)→(4)、(7)→(10)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
★オッズパークLOTO 5重勝/10月17日(対象7R~11R)
7R/評価A: 7番、 6番 評価B: 1番 穴:4番
8R/評価A:10番、 3番 評価B: 1番 穴:5番
9R/評価A: 3番 評価B: 8番 穴:4番
10R/評価A: 4番、 5番 評価B: 3番 穴:8番
11R/評価A: 7番、 8番 評価B: 1番 穴:10番