28日メインは牝馬オープンによる地方競馬全国交流「第42回ビューチフルドリーマーカップ」(M1 水沢1900m)。
創設当時は牝馬特別で実施され、2000年から重賞へ格上げ。そして2010年から"GRANDAME-JAPAN2016"古馬シーズンへ組み込まれた。
その2010年は岩手代表・マイネべリンダが逃げ切って優勝。1番人気エレーヌの追撃を見事封じた。しかし、翌年以降は北海道4勝、船橋1勝。すべて他地区勢が1、2フィニッシュを決めている。
今年も北海道2騎が強力。ノースクイーンカップ1、2着タイムビヨンド、ジュエルクイーンが人気を集めるのは確実だ。
主軸はタイムビヨンド。牝馬ながら北海道クラシックへすべて出走して北斗盃3着、北海優駿2着、王冠賞2着。水沢・ダービーグランプリでも羽田盃馬ストゥディウムの2着に善戦した。
直後に南関東へ移籍して今年5月に里帰り。初戦はジュエルクイーンの2着に敗れたが、2戦目から連勝。ノースクイーンカップではジュエルクイーンに0秒5差をつけて圧勝。
以降はほかのレースに見向きもせず、Bドリーマーカップ1本に絞って調整。万全の態勢で臨んでくる。
ジュエルクイーンとの実力比較は甲乙つけがたい感じだが、ノースクイーンCの内容を見れば地力上位は明らか。無理のないローテーションにも好感が持て、最右翼に位置する。
ジュエルクイーンも実績申し分なし。2歳時にJpnIII・エーデルワイス賞2着から東海地区の重賞3勝。昨年もBドリーマーカップへ参戦してサンバビーンの2着を確保した。
ノースクイーンCはタイムビヨンドに完敗だったが、JpnIII・ブリーダーズゴールドで地方最先着の4着に健闘。ここ一番で強さを発揮するタイプで、仮に優勝すればポイント28ポイントを獲得して暫定1位に浮上。その意味でも陣営の意気込みは半端ではないと解釈して間違いないだろう。
地元の期待を集めるのがミラクルフラワー。元々は北海道所属馬で2歳時に知床賞、プリンセスカップと岩手の交流重賞2勝。
昨年暮れに岩手へ転入して2勝マーク後、南関東2戦を使って再転入。あっさり4連勝を飾り、伝統のみちのく大賞典、BドリーマーCトライアル・フェアリーカップも快勝した。
実績はタイムビヨンド、ジュエルクイーンに劣るが、地元の利が最大の強み。しかも単調なスピードタイプから脱却して成長一途も見逃せない。期待を込めて見守りたい。
ミトノレオは北海道、名古屋、南関東と転籍して転入。3歳交流・留守杯日高賞(水沢)でホレミンサイヤの2着を確保した。
初戦・フェアリーCは8着凡走したが、叩かれながら調子アップ。前走A級戦3着で今後のメドが立った。左回り実績もあるが、主戦場は右回り。コース替わりを味方に一泡ふかすか。
プリンセスポケットは中央未勝利から岩手入りして4勝2着2回。実戦を使われながら地力アップは明白。岩手版オークス・ひまわり賞で出遅れながらも3角まくりを披露。あわやのシーンを作って2着に健闘した。この勢いは見逃せない。
◎④タイムビヨンド
〇⑤ジュエルクイーン
▲⑨ミラクルフラワー
△②ミトノレオ
△⑩プリンセスポケット
<お奨めの1頭>
4R ローズサクラ
転入後、1勝2着4回と連対パーフェクトを継続中。どんな流れにも対応できるのが最大の強み。メンバーに恵まれて絶好の勝機
先週21日(日)、ふじポンといっしょに岩手競馬場外施設『テレトラック山本』で出前トークショーをやってきました。
実はテレトラック山本を訪れたのは今回が初めて。昨年開設した『Dikk秋田』(2度行きました)を含め、岩手競馬の場外施設はすべて踏破していたが、タイミングを逃して行けず終い。今回、ついに実現した。
場所は男鹿半島を北東に向かい、能代市の手前にある秋田県山本郡三種町。干拓で知られる八郎潟の地図右上と言えばいいだろうか。
すぐ近くには美肌効果で有名な森岳温泉があり、保養を兼ねて行くと二倍おいしい。また惣三郎沼公園が隣接されており、自然に囲まれた子どもの遊び場所も充実。
肝心のテレトラック山本は木々をメインに造られ、周囲にはベランダが張り廻られている。まさに癒しの空間だった。
のんびりと一日、過ごすには格好の場所。出迎えてくれた皆さんも暖かさがにじみ出ていた。チャンスがあればまた訪れてみたい。
27日メインはC1「田瀬湖賞」(水沢1600m)。"根性娘"マックスキュアに期待する。
マックスキュアの母クルセイズは2008年、岩手県知事杯OROカップを優勝。当時、盛岡芝で絶大な強さを誇っていたボスアミーゴの追撃を封じ、グランドスラムの夢を打ち砕いたので名を馳せた。
グランドスラムとは芝重賞を全制覇すること。ボスアミーゴは2歳・ジュニアグランプリを皮切りに、3歳・オパールカップ、せきれい賞と軒並み制覇。グランドスラムに王手をかけたが、OROカップでコスモバルクに2度敗れ、芝4連勝で臨んだ2008年はクルセイズのハナ差2着。OROカップだけ手にすることができなかった。
マックスキュアはそのクルセイズの第2仔。北海道2勝から一昨年12月に転入して2勝。さほど目立つ存在ではなかったが、その後、南関東、名古屋と転籍して再転入。
相変わらず400キロを大きく割る小粒だったが、初戦を快勝。続いて2戦3着から2着にまとめ前回1着。馬群に揉まれても怯まず、最内を突いて快勝。すばらしい根性を見せてくれた。
昨年までは小柄な牝馬ゆえもまれ弱い面があったが、精神面の成長一目。今回はメンバーが強化されたが、一皮むけて突破十分。
パルミエも叩かれながら成長一途。現在3連勝中だが、実戦を使われながら凄みを増している。前走、マックスキュアとレースは違ったが、盛岡1600mを同じ1分39秒5で完勝。追ってからの反応が鋭く4連勝にまい進する。
マイネルボンドは前走マックスキュアに0秒3差3着。完敗を喫したが、相手なりに駆ける堅実さは健在。2頭がもつれた際に割って入るシーンまで考えられる。
パープルキングは南昌山賞しんがり11着に敗れたが、初芝に完全にとまどった。今度は実績のあるダートに戻って反撃必至。あとはリズムが狂ってしまわなかっただけが不安材料。
エーシンプローストは強烈なマクリ脚が武器。成績安定しないが、前走鮮やかな直線一気を決めてマークを欠かせない。
カネツパワーは思い切った待機策で直線で確実に台頭。ペースの注文つくが、前崩れなら連対まで。
◎①マックスキュア
〇⑧パルミエ
▲⑤マイネルボンド
△⑥パープルキング
△④エーシンプロースト
△⑪カネツパワー
<お奨めの1頭>
7R シンキングカミユ
転入初戦をハイタイムで快勝。今度は舞台が水沢1300mに替わったが、先行力があれば難なくクリアーできる
★重賞・桂樹杯/ブレークビーツが重賞2勝目
8月14日に行われた古馬芝マイルの重賞『桂樹杯』。ブレイズアトレイル・ダイワマッジョーレの実績馬2頭の登場が注目を集めましたが、勝ったのは5番人気のブレークビーツでした。
今回は控える形でレースを進めたブレークビーツ。馬群の中を徐々に押し上げていくと、最後の直線の攻防を見事に凌いで先頭でゴール。かきつばた賞に続いて2つめの重賞タイトルを手にしました。
2着には初の芝重賞だったタイセイメテオ、3着にはかきつばた賞3着のロケットボール。注目のブレイズアトレイルは4着、ダイワマッジョーレは5着に終わりました。
★重賞・若鮎賞/最低人気メドゥシアナが完勝V
続く8月15日、今季最初の2歳重賞として行われた芝マイル『若鮎賞』。9頭立ての戦いでしたが結末は大波乱に。
1番人気に推されたニードアフレンドが直線で失速、後退していく一方、他の上位人気の馬たちも決定的な伸びを欠きます。2番人気のリュウノチーノが抜け出しますが、それを大外から捲って交わしたのがなんと9頭立て9番人気のメドゥシアナ。デビュー2戦目、初勝利が重賞という離れ業に三連単約17万円のおまけをつけてみせる鮮やかなVでした。
★重賞・クラスターカップ/60kgもものともせずダノンレジェンド完勝
8月16日に行われたダート1200mのグレードレース・クラスターカップは60kgという負担重量を背負ったダノンレジェンドが2馬身差の完勝を果たしました。
昨年のこのレースを圧勝しているディフェンディングチャンピオン。そして昨年からここまでもダート短距離重賞で何度も優勝しているトップホース。そんな馬にして2番人気、それも重賞未勝利の馬に次ぐ人気に留まったのは60kgを背負うゆえだったのでしょうが、結果はまさに圧勝。好スタートからレースの主導権を握り、終いも上がり3ハロンのタイムが出走馬中2位。まさに「強い」と唸るしかない走りを見せつけました。
●10Rの買い目
馬単(1)=(2)、(2)=(3)、(1)=(3)、(2)→(5)、(2)→(6)
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昨日に続いてクラスターカップの話。レースを盛り上げた立役者はラブバレットだった。
前半3ハロン35秒0は例年に比べてペースは落ち着いたが、それでもダートグレード特有の速いラップが刻まれた。
ダノンレジェンドは快調に飛ばしたが、ラブバレットが外をピッタリと追走した。山本聡哉騎手「今季一番の状態で臨めたので、いいレースを見せたいと思っていました。道中は相手に楽をさせないようプレッシャーをかけて一旦抜けたが、エンジンの差がありました。内容も含めて3着は健闘したと思う反面、もう少し食らいつきたかった」
ダノンレジェンドを相手にプレッシャーをかけたのには正直驚いた。着狙いに徹すれば2着はあったかもしれない。それでもラブバレット=山本聡哉騎手は果敢に攻め、3~4コーナーではクビほどリードして一瞬、勝つかなと思わせる場面もあった。
最後はエンジンの差が明らかだったが、負けて清々(すがすが)しい気持ちになったのは本当に久しぶりだった。
60キロを背負って完勝したダノンレジェンドにしびれ、ラブバレットの気概に震えた。2頭に心から感謝と敬意を表したい。
22日メインはB2級「オーガストカップ」(水沢1600m)。モズフウジンが願ってもない1枠を引き当てたら中心は不動と見ていいだろう。
中央未勝利から圧巻の8連勝を飾り、しかも走破タイムも破格。オープンまで一気に上り詰めるかと思った。
しかし、シーズン2戦目で6着。スタート直後に脚を滑らせて内で砂をかぶったら戦意喪失。最後方まで下がってしまい、弱点を露呈した。
振り返れば中央デビュー戦で2秒6差10着に沈み、2戦目の金沢条件交流戦では何と13秒6差!で大差しんがり負け。天性のスピードとモロさは表裏一体だった。
しかし、続く2戦1、2着で軌道修正。今回も砂をかぶらない展開に持ち込んだら大丈夫。メンバーも甘く、強いモズフウジンを見せてくれるに違いない。
相手筆頭はタイセイオーシャン。今季着外は仕上がり途上の水沢戦と盛岡戦3回。盛岡もひとまずこなすが、主戦場は地元水沢。4勝2着2回と抜群の安定感を披露している。マイルも望むところ。
カグニザントは前々走8着に敗れたが、先行有利の馬場に泣いた印象。また前走は芝1000mの忙しい競馬が合わず3着と敗因がはっきり。こちらもダートなら水沢が合う。
ノーティカルスターは追い込み一辺倒のため成績がムラなのは仕方なし。流れ速くなればまとめて負かす力はある。
あとは一戦ごとに良化示すティムシェル、実績通用ウップスアデイジイが3着押さえ。
◎①モズフウジン
〇②タイセイオーシャン
▲⑩カグニザント
△⑧ノーティカルスター
△⑦ティムシェル
△③ウップスアデイジイ
<お奨めの1頭>
6R シンソウノマドンナ
中央から転入後、2勝2着2回と連対パーフェクト。しかも2着2回は相手が強く仕方なしの結果だった。メンバーが緩和され、順当に白星を飾る
16日、真夏のスプリント決戦「第21回クラスターカップ」(JpnIII)は歴史に残る名勝負となった。
最大ポイントはダノンレジェンドの負担重量60キロ。ダートグレード7勝しているため、クラスターC規定最高を背負わなければならなかった。
加えてフォーエバーモア以外は全馬がノングレード。それでほかは54キロ以下。6キロ差は常識で考えても厳しすぎる条件だった。結果、2番人気に甘んじた。
一方、ブルドッグボスは必勝態勢で臨んだ。東京スプリントでダノンレジェンド3着と0秒1差4着。かきつばた記念はノボバカラの2着とダートグレード制覇も射程圏。
今秋のダート戦線に乗るためには、クラスターカップは是が非でも手に入れたいタイトルだった。
ダノンレジェンド=デムーロ騎手は枠差でブルドッグボスの逃げも想定していたというが、行く気がないのを見て楽に先手を取った。
そのダノンレジェンドにラブバレットがピッタリ外を追走。2頭が併せ馬の形でレースが進んだ。ラップは12秒5-11秒0-11秒5。クラスターCでは平均ペースだったが、残り3ハロンも11秒4-11秒1-11秒6と正確なラップが刻まれた。
2頭の併せ馬は直線入り口まで続いた。しかもラブバレットはクビ差ほどリードする場面もあったが、残り400mでダノンレジェンドが再度加速。さすがにラブバレットは追走が苦しくなり、残り200mで一杯。
替わってブルドッグボスが外に出して強襲したが、2馬身差まで。ダノンレジェンドが昨年に続いて逃げ切り勝ちを収めた。
手に汗を握る一戦とはまさにこのこと。『トップハンデは強さの証』とよく言われるが、ダノンレジェンドの強さに舌を巻いた。
今年のJBCスプリントは川崎が舞台。ダノンレジェンドはアメリカのトレーニングセールで購入したとのことだから、左回りがベスト。昨年2着の雪辱を果たすお膳立ては整った。
今週21日から舞台は水沢競馬場に替わる。正直、先行有利か差し有利か手探り状態。当のジョッキーも同じはず。
この中間に台風も襲ってきたので大雨が降ったが、金曜日以降は晴天。どこまで回復したかも分からない。まずは馬場傾向をつかみたいところ。特に小回り水沢は馬券に大きく影響する。しっかりチェックしてほしい。
開催替わり初日21日メインはB1級馬による水沢1800m戦「ムーンライトカップ」、8頭立て。
主軸はイルポスティーノ。昨年暮に中央2勝、南関東B3から転入。2戦目のゴールデンジョッキーズシリーズ第3戦を豪快に圧勝。また冬休み明け2連勝を飾った。
3戦目のメイカップ6着、3走前のジューンカップ11着と2度凡走。もまれ弱い面があるが、自分の型に持ち込むと強いレースを披露する。
今回はB2から強気の挑戦だが、翌日のオーガストカップに出走すると負担重量が2キロ加算され、マイルの忙しい競馬も信頼度ひと息。1800m適性を重視して、このレースを選んだ。流れも合い、3連勝濃厚と見る。
逆転筆頭はトーホクアロー。相手なりに駆ける堅実さが身上。重賞でも上位争いを演じるが、詰めが甘くメンバーが甘くなってもなかなか勝てない。
そのため今季も1勝のみだが、その舞台が今回と同じ水沢1800mで行われた駒形賞(B1)。また同条件では2着3回と連対パーフェクト。待ちに待った一戦で一気突き抜ける。
スパンコールはトーホクアローと同じ追い込み馬だが、こちらは牝馬特有の斬れる末脚が武器。多少、流れに左右されるきらいがあるが、前走は早め追走から2着に1秒2差をつけて圧勝。再現十分。
ハイドンセットは新潟芝1800m1勝・500万下から転入。3着2回5着1回だが、いずれも先行して見せ場を作っている。マイルより1800m向き。
あとは次第に調子を上げているアクティブボス、コース替わって反撃アクシアも軽視できない。
◎(2)イルポスティーノ
〇(1)トーホクアロー
▲(6)スパンコール
△(3)ハイドンセット
△(7)アクティブボス
△(5)アクシア
<お奨めの1頭>
1R ブラウンヴィーヴォ
中央で芝ダートを問わず短距離をメインに使われていたのが強み。格付けに恵まれて初戦を白星で飾る