昨日に続いて18日、マーキュリーカップ関連の話。当日はジャパンジョッキーズカップ2016との豪華2本立て。
7Rに第一戦が組まれ、ダート1200mが舞台。第二戦は8R・ダート1600m戦。そしてマーキュリーカップをはさんで最終第三戦、盛岡芝1700mを舞台に行われた。
第一戦は2番人気に支持された内田博幸騎手騎乗のツキノピラミッドが、見事な逃げ切りを決めた。2着に永森大智騎手ジャイアントスター(3番人気)、3着は村上忍騎手ゼンノブショウ(5番人気)が確保。
1番人気に支持されたのは戸崎圭太騎手騎乗のメモリアルウッド。正直驚いたが、これこそが騎手交流戦ならでは。残念ながらしんがり12着に沈んだ。
第二戦は大外から伸びた山口勲騎手イルポスティーノ(5番人気)が快勝した。1番人気モズフウジン=川原正一騎手は好スタートを決めて逃げの手に出たが、後続のマークがきつく最後で力尽きて2着に敗れた。
第三戦は戸崎圭太騎手騎乗のウインミラージュ(3番人気)が鮮やかな逃げ切りを決めた。外からカグニザント=永森大智騎手が猛追したが、クビ差しのいで1着。担当厩務員が「いつもいいレースをしながら最後が甘くなる。さすが戸崎騎手ですね」。戸崎騎手の真骨頂を垣間見た。
以上の結果から対抗戦の優勝はチームWEST。個人優勝は高知の永森大智騎手が手にした。
永森大智騎手「3戦未勝利では気が引けるが、馬のおかげで優勝できました。ジョッキーですから一つは勝ちたいところでした。
賞品の豚1頭分は高知のお米とセットで皆さんにふるまいたいと思っています。27日に高知ジョッキーが刈り取る予定になっています。
今日は未勝利ですいませんでした。その分、札幌のワールドオールスタージョッキーズで、自分の技術を精一杯使って地方、高知をアピールしたいと思っています」
先月、盛岡で行われたスーパージョッキーズトライアルで永森騎手は14着、3着。8位に甘んじたが、名古屋で2連勝を飾り地方代表の権利を獲得した。
普段、右回りをメインに騎乗しているジョッキーは左回りにとまどうケースも結構多い。永森騎手も例外ではなかったが、今回は1着こそ逃がしたものの2着2回で見事優勝。進化する姿を見て、さすがだと感服した。札幌での活躍も期待したい。
24日メインは「レインボーカップ」(B1 盛岡芝1600m)。前哨戦・レインボーカップターフチャレンジの再戦ムードが漂っているが、ロケットボールが首位を奪回する。
ロケットボールは北海道、南関東と転籍。B1で頭打ちの印象だったが、芝に活路を求めたのがズバリ。反応が一変し、重賞・かきつばた賞でも3着に健闘した。
前走はダイワコンプリートがスローに落として逃げ切ったが、直線猛追して0秒1差まで肉薄。敗れて強しの一戦だった。
今回は先に行きたい馬がそろってロケットボール向きの展開になるのは確実。ここはスッキリ勝ちたいところだ。
ダイワコンプリートはダート戦4、2着。最後の粘りが足りなかったが、芝に替わって当地初勝利。東京芝1600m1勝はダテではなかった。逆転2連勝を狙う。
トキノスターライトは中央0勝、園田2勝、北海道0勝から転入。差しタイプゆえ届かないレースが続いた。このトレードはおそらく盛岡芝を狙ってのこと。新潟芝1000m5、4着がそれを裏付けている。
アクシアはアプローズフラワー産駒。兄姉はダートで活躍したが、こちらはデビュー2戦目の函館芝1800mで2着。盛岡芝は初めてだが、この挑戦は興味深い。
ケイジースワローは目下3連勝。軌道修正に成功した。芝適性がネックだが、福島芝1200m1分9秒4で5着の実績があれば問題なさそうだ。
◎④ロケットボール
〇③ダイワコンプリート
▲②トキノスターライト
△⑧アクシア
△①ケイジースワロー
<お奨めの1頭>
8R・マキシマイザー
前走は出遅れがこたえたのが致命傷。3着に終わったが、今度は二の轍を踏まず。首位奪回に燃える
18日(月祝)、盛岡競馬は最高の盛り上がりを見せた。JpnIII・マーキュリーカップ、ジャパンジョッキーズカップ2016のダブルメインは見応え十分だった。
マーキュリーカップはストロングサウザーが完勝。道中4番手外をキープしていたが、3コーナー手前で馬群がばらけたところ内に進路を変更した田辺騎手の判断が絶妙。4角で内を回って先頭に立ったタイムズアローのさらに内を突いて一瞬のうちに抜け出した。
最大勝因はコース選択の判断だったが、もう一つ大きかったのは高速決着。通常よりも2秒ぐらい速い時計が連発していたが、2分2秒4の走破タイムをマークされたら地方馬はひとたまりもなかった。
参考までにマーキュリーCレコードは一昨年のナイスミーチュー2分1秒9。続いて2012年のシビルウォー2分2秒1。いずれも当時の盛岡ダート2000mコースレコードだった。
田辺裕信騎手「今日の馬場はコース取りが難しかったが、レースを見たり状態を聞いて臨みました。
いつになくスタートを決めてくれましたし、スローの流れも良かった。直線は思い切って内を選んだが、もう一度ハミを取って伸びてくれた。
JBCクラシックをコパノリッキーで勝たせてもらったが、今回も結果を出せましたから盛岡は相性がいいんでしょうね」
その言葉どおり前半1000mが1分2秒5、後半1000mが59秒9のスローペース。ユーロビートは流れを意識して早めにスパートをかけたが、上がり勝負に持ち込まれて4着にとどまった。
2着タイムズアローは健闘した。終始3番手インを追走し、経済コースでレースを進めて4角先頭。これで勝利をモノにしたかと思ったが、決め手勝負の差が出た。
真島大輔騎手「今日は内を回っても伸びそうだと思っていました。道中はマイネルバイカを壁にしてレースを進めることができたが、さらに内を突いて伸びた馬がいた。勝った相手が強かったというほかはないですね」
23日メインは恒例の岩手県調騎会騎手部会協賛「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」。今回はB1級二組、盛岡ダート1600mで実施される。
主軸は迷った末、コスモジョイジョイとした。シーズン2戦目から2連勝を飾りB1卒業も近いと思ったが、以降2戦連続3着。足踏みが続いている。
しかし、レースを振り返れば評価ダウンにはならない。前々走・ねむの木賞は早め先頭に立ち、最内を突かれたジャーグラットに屈したもの。
前走は脚を貯めて直線勝負に賭け、一度2番手まで押し上げたが、最後のひと伸びが足りず0秒1差で負けた。
やはりB1では地力上位。追い出してからの反応はぴか一。今度こそ首位を奪回する。
ハイドンセットは中央芝1800m1勝。初戦のレインボーカップ・ターフチャレンジは出遅れながらも2番手につけたが、直線粘り欠いて3着。完敗だったが、初物づくめに酌量の余地。
今度はダートが舞台だが、中央時代に3度使って4走前の中京1400m11着ながら0秒9差。タイム的にもB1なら勝ち負けに持ち込める。
トーホクアローは今季2戦目の駒形賞(水沢1800m)で豪快なまくりを決めたが、前後は入着止まり。相変わらず詰めの甘さが目につく。とは言え、オープンでも互角の底力。ペースさえ合えば一気台頭のシーンまで。
トウカイチャームはスタートを決めて安定感が出てきた。直線の伸び次第だが、スンナリなら残り目一考。
エイトプリンスは前走大敗から再能力検査を課せられたが、盛岡が活躍の舞台。一発を秘める。あとは先手条件でトウショウパシオン押さえ少々。
◎①コスモジョイジョイ
〇⑤ハイドンセット
▲⑧トーホクアロー
△⑦トウカイチャーム
△③エイトプリンス
△④トウショウパシオン
<お奨めの1頭>
7R マッサンゴールド
オパールカップは生涯初めての芝に加え、相手が大幅に強化されて8着も仕方なし。自己条件に戻って反撃必至
3連休・重賞3連発の締めくくりはダートグレード競走『マーキュリーカップJpnIII』です。今季の岩手最初のグレードレースとなるこのレースは14頭のフルゲートで行われます。
今年のマーキュリーカップは、例年同様にJRA代表5頭、地方他地区代表5頭、岩手代表4頭で競うわけですが、今年が例年と異なるのは地方他地区代表・岩手代表含め全て元JRA所属馬で地方デビュー馬が「0」という顔ぶれだという点です。これまでの実績面では地方代表馬の方がJRA代表馬を上回る部分もあり、例年とひと味異なる"混戦ムード"となっています。専門紙によっては地方馬の方に重い印が多いものもありますが、まさに今年のメンバー構成の反映によるものだと言えるでしょう。
自分の本命もそんな前提を踏まえて(1)タイムズアローです。昨年の4着馬ですが、昨年は来盛時に馬運車の故障で輸送に通常以上の時間を要し、-19kgという体重で出走しなくてはならなかったうえにレースではスローペースになって脚の使いどころが難しくなるという二重の不運。それでもこの馬のレース内容の良さは記憶に残るものでした。昨年と違い順調にレースに臨めるなら結果も変わってくるはずです。
対抗は昨年の優勝馬(8)ユーロビート。昨年のレースは流れが落ち着いて主導権を握りやすかったのと、やはり鞍上の吉原騎手の非常に"キレた"騎乗のおかげで勝てたという印象があり、今回も同じだけ好条件が揃うかどうか?はやはりちょっと疑ってかかりたいもの。とはいえ今回も鞍上は昨年と同じ、メンバー的にも昨年とほぼ同じ。そしてこの馬自身も盛岡と相性が良さそうな走り。結果、昨年と同じ結末になっても何ら不思議ではありません。
三番手は(10)マイネルバイカとしましたが、これは"前に行く、逃げる"事を期待しての▲。近走は溜める競馬を狙ってきていますがこの馬の持ち味は先行、できれば逃げた方が活きる。そういう形になったら。
ヒモはまず(5)ナムラビクター。脚質ゆえなのか読みづらい成績になっていますが、ダートGIレベルの実績はメンバー中最右翼。左回りに苦手感がないのも魅力に。
(13)ストロングサウザー。佐賀記念は流れも向いた感があり、戦績からもマイルあたりがベストかなというイメージが。ただ走りの質は地方競馬と相性が良さそう。
もう一頭加えるなら(9)ケイアイレオーネか。この馬も実績は最右翼クラス、左回りも問題なし。地元重賞では57kg・58kgで走らされるのが55kgなら有利という計算も。
●9Rの買い目
馬単(1)=(8)、(1)=(10)、(1)=(5)、(8)=(10)、(1)=(13)、(1)=(9)
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★オッズパークLOTO 5重勝/7月18日(対象8R~12R)
8R/評価A: 2番 評価B:12番 穴:3番、7番
9R/評価A: 1番 評価B: 8番 穴:5番、10番
10R/評価A: 7番 評価B: 2番 穴:11番、12番
11R/評価A: 3番 評価B:10番 穴:2番、8番
12R/評価A: 1番 評価B: 2番 穴:3番、5番
今週の岩手競馬は重賞3連発。いずれも好メンバーがそろった。さらに18日、マーキュリーカップ当日には「ジャパンジョッキーズカップ」を実施。JRA、東西地方騎手が3チームに分かれて計3戦でチーム優勝、個人優勝を争う。
優勝チームには「いわて牛サーロインステーキ」「エーデルワイン」「江刺金札米ひとめぼれ」「いわて純情りんご」が4人全員に贈呈される。
また最優秀騎手には「いわて純情豚1頭分」「江刺金札米ひとめぼれ1年分」がそれぞれ贈られるほか、第1戦から第3戦の各レースの優勝馬関係者には「岩手牛ローストビーフ」が贈られる。
昨年はチームJRAが優勝。最優秀騎手にもJRA・戸崎圭太騎手が選ばれた。果たして今年優勝するのはどのチームか、どの騎手か。そして「いわて純情豚1頭分」の行方は...?
16日メインは重賞3連発の第一弾「第17回フェアリーカップ」(盛岡ダート1800m)。牝馬オープン11頭によって争われ、1着馬から3着馬にビューチフルドリーマーカップの優先出走権が与えられる。
負担重量はA級在籍馬が56キロ、B1級以下は54キロ、3歳は53キロ。これも勝敗に少なからず影響しそうなムードがある。
主軸はミラクルフラワー。注目してほしいのは岩手成績10戦7勝2着1回。2歳時に知床賞(盛岡ダート1400m)、プリンセスカップ(牝馬交流 水沢1400m)を優勝。
昨年、北海道から転入して5戦2勝。その後、大井2戦とも二ケタ着順に終わったが、今年5月に再転入。圧巻の3連勝をマークした上、牡馬を尻目にみちのく大賞典を逃げ切り快勝。岩手最高峰のレースを制する快挙を果たした。
昨年より成長の跡がみられるのは落ち着きが出たこと。精神面で大人になったのが何よりも大きい。
今回は牝馬同士でメンバーが大幅に緩和され、流れも落ち着いておあつらえの展開。重賞2連勝濃厚と見る。
逆転筆頭はミトノレオ。昨年、3歳牝馬交流・留守杯日高賞へ参戦してホレミンサイヤの2着。以降も東海ダービー3着、岐阜金賞2着、笠松・クイーンカップ2着など強豪相手と互角の勝負を演じてきた。
南関東移籍後もC1で2勝。能力的にミラクルフラワーとほぼ同格と見て間違いない。流れ速くなれば突き抜けるシーンまで。
サプライズハッピーはプリンセスカップ、留守杯日高賞と牝馬交流で2勝。ここ一番の強さに定評がある。前走・岩手ダービーダイヤモンドカップは2000mが長く3着だったが、1ハロンでも短縮は歓迎。
しかも3歳からの挑戦で53キロの負担重量は好材料。初めて古馬と対戦するが、ハンデ差を生かして上位をもくろむ。
ソサエティクイーンは中央未勝利に終わったが、中身は上々。ダート1200m~1400mで2着2回3着3回と健闘した。大井C1を経て転入して当初は精彩を欠いたが、前々走2着から前回快勝。上昇ムードに乗っているのは間違いない。
あとは一貫してA級で揉まれてきたラブディーバ、昨年同レース3着スパンコールも軽視できない。
◎⑤ミラクルフラワー
〇④ミトノレオ
▲②サプライズハッピー
△⑥ソサエティクイーン
△①ラブディーバ
△③スパンコール
<お奨めの1頭>
6R ブライティアマンボ
今季始動は遅れたが、5戦2着4回と抜群の安定感。メンバーが大幅に甘くなり絶好の勝機を迎えた
★重賞・ハヤテスプリント/トドイワガーデンが初タイトル獲得
9日の盛岡競馬場で行われた3歳のダート1000m重賞『ハヤテスプリント』は1番人気に支持されたトドイワガーデンが優勝。自身の初重賞タイトルをレコードで飾りました。
これが転入3戦目だったトドイワガーデン。前走のウイナーカップは5着に終わりましたが、転入初戦で快勝した時と同じ1000mでのレースを終始強気の攻めで押し通しました。勝ちタイム58秒8はこれまでの記録を0.2秒上回る新レコードです。
★重賞・オパールカップ/サンエイゴールドが芝重賞3連勝
続く10日、盛岡競馬場で行われた3歳芝の地方競馬全国交流『オパールカップ』では、こちらも1番人気サンエイゴールドが優勝。芝重賞3連勝を果たしました
遠征勢4頭対岩手勢8頭の戦いになりましたが、地元岩手の期待を背負ったサンエイゴールドが北海道ジャストフォファンに競り勝つ形。サンエイゴールド自身ははまなす賞・サファイア賞に続いて芝重賞を3連勝、そしてこのレースでは昨年遠征馬に奪われたタイトルを取り戻してみせました。
今日の盛岡競馬メインレースは10R、A級二・B1級一混合の『小暑特別』です。小暑とは"そろそろ暑さが本格化する頃"という節気だそうですね。西日本の方からは連日猛暑という報が伝わってきますが東北は今のところはまだ涼しいくらい。小暑・大暑と進んで岩手の夏も本格化していくのでしょう。
今回の本命は(2)ジャーグラットです。前走の勝利はB1級、今回は昇級の形になりつつ斤量も背負う格好ではありますが、昨夏の転入当初はオープンで勝ち負けしていますしA級B級混合戦でも今年4月に圧勝。若干条件は異なっているもののここでも主力視していいはずです。
対抗は(11)アサクサニッポン。転入初戦の前走は僅差ながら力強さを感じさせる勝利。その前走は水沢でしたが、JRA時代は左回り経験が豊富でしたから、盛岡に変わるのは前進材料になるでしょう。前走時に破った2着馬・3着馬が今週の盛岡で勝っている・・・という点も後押ししてくれるのでは。
(9)タイセイメテオが三番手。ここまで短距離を使われてきた馬がマイル挑戦。キャリア初のマイル戦だけにやってみないと分からない点はあるものの、ここまでは着順の数字以上の好調さを感じさせただけにどんなレースをするか楽しみ。
ヒモはまず(4)ナムラハンベエ。どうにもあてになりませんが、三走前・四走前くらいに走れば足りるだけに念のため警戒というスタンスで。(8)アクシアも着順よりは悪くない走りだった印象。混戦はお手のものだけに連下に一点。
●10Rの買い目
馬単(2)=(11)、(2)=(9)、(2)→(4)、(2)→(8)
★オッズパークLOTO 5重勝/7月10日(対象7R~11R)
7R/評価A: 1番シンソウノマドンナ 評価B:7番 穴:4番、6番
8R/評価A:10番マーヴェラスデー 評価B:2番、11番 穴:1番
9R/評価A: 2番クリンクリン 評価B:9番 穴:3番、6番
10R/評価A: 2番ジャーグラット 評価B:11番 穴:9番
11R/評価A: 7番スマイルリリー 評価B:4番、8番 穴:1番