前日に続いて南部杯の話。小生の展開予想はアスカノロマンが逃げを想定していた。前々走・平安ステークスを逃げ切り圧勝。枠順も有力馬が外枠に入り、主導権を握ると思っていた。
しかしラジオ中継で解説しているうちに、もしかするとホッコータルマエが逃げるのでは...と考えを変えた。3年前の南部杯で後藤浩輝騎手とのコンビでエスポワールシチーが見事な逃げ切りを決めたが、3コーナーが勝敗の分かれ目だった。
エスポワールシチーはコーナーワークがあまりうまいタイプではないので3、4コーナー中間で遠心力がかかるのを承知の上で3コーナーで一気にスパートをかけた。一方、エスポワールシチーに出しぬけ的にスパートをかけられ、ホッコータルマエは一瞬もたついた。そこでセーフティリードを取ったエスポワールシチーがまんまと逃げ切り。直線で盛り返したが、1馬身半差までにとどまった。
その反省を基に続くJBCクラシック(金沢)で、ホッコータルマエが逃げの手に出てそのまま押し切ったことを思い出した。
案の定、ホッコータルマエ鞍上・幸騎手は手をしごいて先手を主張したが、大外からロイヤルクレストがハナを奪い、2番手インに控えた。
ここでラップを紹介してみたい。12秒2-10秒6-11秒4-11秒9-11秒9-11秒9-11秒6-12秒0。例年ならば4ハロン目から流れが落ち着くのだが、まったく緩みなし。ロイヤルクレストが3、4コーナーで一杯となったのも当然だった。
替わってホッコータルマエが先頭に立ったが、今度は内からレーザーバレットが一か八かの勝負に出て3コーナースパート。
これらの要因が重なり、コパノリッキーの大レコードを誘引した。レースは生き物と言うが、まさに的を得た表現。盛岡ダート1600m1分33秒5はしばらく破られないと思う。今年の南部杯がどんなレーティングをつけられるのか興味深い。
16日メインはB2・もみじ賞(盛岡芝1000m)。抜けた馬が不在に加え、芝1000m適性比較も難しく難解な一戦となった。
迷った末の決断はエイプリルラヴが本命。中央芝1200m戦で2着1回から転入。初戦の盛岡芝1600mを快勝した。
その後は白星から遠ざかり、今季も3着2回が最高だが、5月末から9月頭まで戦列を離脱。暑い夏を休養したのもプラスに作用し、一戦ごとに内容が良くなっている点が強調材料。
加えて転入2戦目の昨年もみじ賞(4着)でマークした59秒5はメンバー一番の持ち時計。2勝目を飾るチャンスと見る。
ヤマニンアドーレは芝ダート兼用のタイプだが、盛岡芝1000m2勝。今年の1勝は同じ芝1000m・新緑賞(C1)でマークした。流れはさほど速くならないメンバー構成なら持ち味を存分に発揮できる。
ブライテストムーンの扱いが難しい。転入初戦のオクトーバーターフチャレンジで鮮やかな直線一気を決めて快勝。3コーナーまでほぼ最後方だったが、そこから一気に突き抜けた。上がり3ハロン34秒8は並みの馬では出せないタイム。
前走は2番手の積極策に出て失速12着だったが、初戦で披露した末脚が脅威の的。
カグニザントは中央3勝、笠松B級から転入。格付けに恵まれて早々と5勝。近走の不振が気になるが、中央3勝はすべて芝。格が不気味。
ロザムンデは芝1000m・新緑賞でヤマニンアドーレのタイム差なし2着。好枠を引き当てたのは見逃せず、好調キープからも軽視できない。
サンマルビューティは短距離で好走し、前走マイル延長でも3着を確保。盛岡芝は2戦着外だが、1000mなら巻き返しあるかも。
◎⑧エイプリルラヴ
〇⑦ヤマニンアドーレ
▲③ブライテストムーン
△④カグニザント
△②ロザムンデ
△⑤サンマルビューティ
<お奨めの1頭>
10R ケイジースワロー
芝・レインボーカップは3着に敗れたが、前後して5勝マーク。前走・白神賞も強さが際立っていた。ここも信頼度は高い
10日、盛岡ダート1600mを舞台に行われたJpnI
「第29回マイルチャンピオンシップ南部杯」は1番人気に支持されたコパノリッキーが完勝。かしわ記念、帝王賞に続いてJpnI3連勝を飾った。
しかも走破タイムが1分33秒5。オーロマイスターの1分34秒8を1秒3も更新。クロフネの持つダート1600m日本レコードに0秒2まで迫る驚異的なタイムでOROパークを駆け抜けた。
土曜日から断続的な雨が続き、最終レースが濃霧のために取り止め。日曜日も雨が降り続き、ずっと不良馬場。本番当日10日は奇跡的に快晴となり稍重まで回復したが、前半レースから速いタイムで決着。
今年のメンバーを考えるとレコード更新は間違いないと思っていたが、それにしても1分33秒5には驚いた。
村山明調教師「まだ夏負けの影響がありましたから、もっと筋力アップができると思います。3番手ぐらいで砂をかぶらない位置を取ってほしいと指示しましたが、田辺騎手がうまく乗ってくれました。
次走予定はJBCクラシック3連覇。あとはオーナーの希望でもありますから、今年中にG(Jpn)Iレース11勝を目指したいと思います」
この状態で大レコードを樹立したコパノリッキーは、今後どこまで飛翔し続けるのか。2着に敗れたベストウォーリアも1分33秒8をマークしたのだから、陣営は悔しいだろうが、納得の結果だったに違いない。
『強い馬が強いレースで勝つのがGI』と騎手時代の菅原勲調教師の言葉が脳裏をかすめた。まさに「コパノリッキーが強いレースで南部杯を勝ってくれた」。ただただ強さに脱帽しました。
15日メインは「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」(B1 盛岡ダート1200m)、12頭立て。
1200mのスペシャリスト・フジノピューマが首位を奪取する。北海道から移籍初戦・白神賞3着。ケイジースワロー、チャイヨーにはかなわなかったが、4角で一旦先頭。最後は力負けだったが、見せ場を十分作った。
今度は最も得意とする1200m戦。北海道、船橋通算で<6.6.5.6>の高実績。流れに左右されないのが強みだし、好位につけられるのも武器。順当に岩手2戦目で白星をゲットする。
相手はゼンザイ、レイズアスマイル。ゼンザイは白神賞6着に沈んだが、1400mが長かった印象。岩手2勝を盛岡ダート1200m、水沢1300mであげ、1000mの忙しい競馬も本質的に合わない。距離限定タイプと見ていい。
レイズアスマイルは近走入着止まりだが、こちらも盛岡1200m2戦2勝。短距離で自慢の末脚を存分に発揮する。付け加えれば大井時代も1200mで1勝。先行馬がそろい、展開はズバリ。
ミタイナは3戦連続で重賞特別に挑戦。ヴィーナスS、ハーベストCはオープン馬相手では着外も仕方なし。岩手1勝をダート1000mでマークし、1200mも守備範囲。
ブラックバイキングは一戦ごとに内容アップ。1200mは過去3勝。距離短縮は望むところ。あとは前が激しくやり合った際にホープフルデイズの決め手が生きる局面があるかも。
◎③フジノピューマ
〇⑥ゼンザイ
▲⑦レイズアスマイル
△⑩ミタイナ
△④ブラックバイキング
△⑫ホープフルデイズ
<お奨めの1頭>
6R コトブキエース
転入2戦とも2着だったが、勝った相手が強すぎた。メンバー手頃になり、今度こその期待
★重賞・ハーベストカップ/エゴイストが復活V、連覇も達成
芝1000mの短距離重賞戦線の幕開けとなるハーベストカップは、昨年のこのレースを制していたエゴイストが制しました。
今季はここまでに5月に挙げた1勝のみと苦戦が続いていた同馬でしたが、得意の条件を迎えて内容一変、昨年のレース同様、逃げて後続を寄せ付けない強い走りを見せ優勝しました。鞍上の高橋悠里騎手は今季初の重賞制覇にもなります。
10月10日のメインレースはいよいよやってきました岩手のJpnI、『マイルチャンピオンシップ南部杯』。当初14頭立てからヒミノコンドルが出走取消となって13頭立てになりましたが、例年以上の好メンバーが揃って激戦必至ではないでしょうか。
私の本命は、ここは敢えてこの馬を狙います。(5)レーザーバレットです。帝王賞馬コパノリッキー、昨年の覇者ベストウォーリアら実績馬揃いの中での「敢えて」の理由は、今年の南部杯のメンバーに中距離型が多い点にあります。
昨年や一昨年、ベストウォーリアが連覇した時は1400mが得意なタイプが集まり、その中で1400mで強さを発揮するベストウォーリアが1400mの形のレースをして連覇を果たした。
一方今年は、コパノリッキー始め1800m以上でも強い中長距離型が揃っている。こうなるとレース自体も中距離型が支配する流れになるのではないか。であれば、ちょうど2000年、ゴールドティアラが勝った時を思い出してみましょう。その時はファストフレンドやウイングアローといった中距離以上で本来の力を発揮する馬たちを相手に1600m向きの脚質ではないのではと思われていたゴールドティアラが終いのキレで勝ってみせた。
今年のメンバーはその2000年の時とよく似ていると感じます。そこでレーザーバレットにゴールドティアラを重ねてみよう・・・というのが5番本命理由です。さてどういう展開になるのか?
もちろん、(12)コパノリッキーが流れを支配してしまえば、この馬の圧勝まであるでしょう。最近はハナにこだわらずとも勝てるようにもなっており、よほどの事がない限り力を出し切れないというパターンは無いはず。
三番手は(8)アスカノロマン。コパノリッキーが流れを支配する展開になれば同じ中距離タイプのこの馬の出番になりやすいでしょう。フェブラリーSのような末脚を武器にする形に持ち込んでも・・・という点も心強い。
(13)ベストウォーリアは、昨年までほど楽に勝ちパターンに持ち込めないと見て控えめに。ただし盛岡コースとの相性の良さでは最右翼。
(10)ホッコータルマエは坂があるコースではやや分が悪く、休み明け初戦ももうひとつ。実績を認めてもここまで。
穴でもう一頭は(14)ロイヤルクレスト。レーザーバレットを入れたのと同じ理由で1200mで末脚を使えるタイプを一頭加えておきます。
岩手から出走する2頭について、管理する千葉幸喜調教師からコメントを頂きました。
ライズライン「馬の状態は良いのですが、このメンバーに入っては自分の競馬を貫くだけですね」
シークロム「こちらも馬の状態はいいですよ。距離は長いかもしれませんが点のスピードはいいものがある。今後の事を考えて思い切った競馬を」
●11Rの買い目
馬単(5)=(12)、(5)=(8)、(5)=(13)、(5)=(10)
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★オッズパークLOTO 5重勝/10月10日(対象7R~11R)
7R/評価A: 4番、10番 評価B: 2番 穴:3番
8R/評価A:12番、 8番 評価B: 9番 穴:7番
9R/評価A: 2番 評価B: 8番、 9番 穴:7番
10R/評価A: 6番、 7番 評価B: 5番 穴:9番
11R/評価A: 5番、12番 評価B: 8番、13番
10日、盛岡ダート1600mを舞台に行われるJpnI「第29回マイルチャンピオンシップ」の枠順が確定した。
①オグリタイム(北海道)
②ナムラビクター(北海道)
③ライズライン
④ヒミノコンドル
△⑤レーザーバレット
⑥タッチデュール(笠松)
⑦メイショウパーシー
△⑧アスカノロマン(JRA)
△⑨ラテンロック(JRA)
▲⑩ホッコータルマエ(JRA)
⑪シークロム
◎⑫コパノリッキー(JRA)
〇⑬ベストウォーリア
⑭ロイヤルクレスト(JRA)
*印は松尾予想です
JpnI2連勝で主役の座を奪い返したコパノリッキーの中心は動かない。盛岡ダート1600mがベスト条件ベストウォーリア、ドバイから帰国2戦目で実力発揮ホッコータルマエが相手。波乱も考えたが、G(Jpn)Iは強い馬が強いレースで勝つ。秋のダート路線を占う意味でも今年の南部杯は目が離せなくなった。
今週は重賞2連発。9日(日)メイン「ハーベストカップ」(M3 盛岡芝1000m)も好メンバーが顔をそろえた。
今年も主役はエゴイスト。昨年、ハーベストカップ、OROターフスプリントを逃げ切って連勝。持ち前のスピードが冴え渡った。記憶に間違いなければOROカップは前半3ハロン34秒1。小回り盛岡芝でこのダッシュ力がある馬はエゴイストのみ。
今年の1勝2着1回もダート1000mであげた1000mのスペシャリスト。昨年より包囲網は強力になったが、このスピードに対応できるのは1頭のみ。逃げ切り2連覇濃厚と見る。
ウインミラージュは今シーズン半ばまで不振だったが、戸崎騎手とのコンビで臨んだジャパンジョッキーズカップ(芝1700m)快勝で目覚めた。
以降、水沢1300m3着をはさんで盛岡芝1000m戦3戦3勝。1000m戦は未経験だったが、秘めた才能が引き出された。タイムは劣るが、ウインミラージュには勢いがある。新星誕生のシーンまで。
さきほどスピードに対応できるのは1頭のみと記したが、それがダイワマッジョーレ。適距離は1400m~1600mだが、中央重賞のペースは言うまでもなく半端じゃない。
それを裏付けるようにOROカップはスローの流れだったが、完全に折り合いを欠いていた。ならば一呼吸でゴールまで突き抜ける1000m戦は望むところ。鞍上・阿部英俊騎手の強気な騎乗も合うはず。移籍4戦目で全能力を発揮する。
サカジロロイヤルは芝1200m6勝・オープンから転入。2ヵ月の休養から岩手初戦にOROカップを選びブービー負けを喫したが、一度叩いてハーベストカップは当初の予定どおり。1000m短縮なら反撃必至。
ブレークビーツは盛岡芝が完全に合った。芝2400m重賞・かきつばた賞を逃げ切り、桂樹杯は中団抜け出しを決めて快勝。OROカップでも2着に気を吐いた。
忙しい1000m戦は本質的に向かないと思うが、盛岡芝適性でどこまでカバーするか。
<お奨めの1頭>
4R ハコダテキミコ
転入2戦を破格タイムで連勝。ここも相手強化感なく、フリーパス。どこまで連勝を伸ばすか楽しみ
今開催の目玉はもちろんJpnI「第29回マイルチャンピオンシップ南部杯」。10月10日(月)、舞台は盛岡ダート1600m。
スタートしてほぼ直線900m。3、4コーナーのワンターンで直線は300mあまりの上り坂。ダートマイルでは日本最高規格のコースと断言しても差し支えない。
ご存じのとおりOROパーク=盛岡競馬場はアメリカ・サンタアニタ競馬場を範にして設計された。1周ダート1600m、内に芝1400mはほぼ同じ規格。つまり国際競走も可能なコース形態となっている。
今年のブリーダーズカップはサンタアニタ競馬場が舞台。今回で33回目を数えるが、9度も行われている。
OROパーク創設当時から国際競走を夢見て岩手競馬にかかわってきた。まだまだ体力不足は百も承知だが、いつの日か国際GIを実現させたいと思っている。今も昔も気持ちは全く変わっていない。
8日メインは「寒露特別」(A級二組 盛岡ダート1600m)。奇しくも南部杯と同じ条件。走破時計にも注目してみたい。
主軸はニーマルキング。転入初戦を1分39秒6の好タイムで完勝。2番人気は中央時代の2勝が中山、盛岡芝だったから。ダート適性が微妙だったが、デビュー戦の東京ダート1600m2着。ダートも問題なしを証明した。
前走で決着をつけた馬が5頭。しかも時計も一秒以上も違う。未知の対決馬もいるが、メンバー強化感はほとんどなし。2連勝にまい進する。
マウントマズルは南関東から再転入。まだ3着にも入っていないが、A級一組が相手。前走もJRA1000万下との交流・けやき賞では10着も仕方なし。A級でも二組なら反撃に出て当然だろう。
ジャングルターザンは転入後、未勝利ながら2着2回。前走は7着に沈んだが、リトルキングのマークがきつく仕方なしの結果。自分の競馬ができれば巻き返す地力は持っている。
ドリームファイアは典型的なサウスポー。岩手2勝がいずれも盛岡戦で抜群の破壊力を披露した。前走は流れに乗れず4着だが、これで判断するのは早計。一気突き抜けるシーンまで。
サンエイホープは昨年、金杯を制し、今年の岩手ダービー・ダイヤモンドカップはエンパイアペガサスの2着。今回は4ヵ月ぶりの実戦だが、小柄な馬で仕上がりに手間取らないタイプ。実績通用。
スフィンクスは盛岡戦では展開に注文つくが、決め手一目。前崩れの流れなら浮上の可能性あり。
◎⑪ニーマルキング
〇⑨マウントマズル
▲①ジャングルターザン
△⑥ドリームファイア
△⑦サンエイホープ
△⑧スフィンクス
<お奨めの1頭>
6R チェリーピッカー
転入初戦は出遅れながらも0秒6差で圧勝。地力の違いを見せつけた。叩かれてさらに鋭さを増すはず