今年で39回目を数える岩手競馬ロンゲストレース「北上川大賞典」。過去の注目すべき点は連覇が多いことだった。
第2回、3回スリーパレードを皮切りに第8回~10回ボールドマックス、第13回~15回グレートホープ。第16回、17回トウケイニセイ、第18回、19回モリユウプリンス。第21回、22回メイセイオペラ、第23回、24回グローバルゴット。
ボールドマックス、グレートホープは3連覇の偉業をやってのけたほか、名うてのステイヤーがずらり。舞台は盛岡、水沢と替わったことはあるが、それでも歴史に残る名馬ばかり。メイセイオペラは本質的にはマイラーだが、絶対能力で2500mもこなした。
ただ2001年、グローバルゴットを最後に連覇を果たした馬はいないが、実は2年連続で出走するケースが減っているからでもある。
昨年はライズラインが優勝。前半スローは例年のことだったが、残り800mから一気にスパート。完全に上がりの勝負に持ち込み、ラスト3ハロンを37秒3でフィニッシュ。コミュニティも早めに動いてメンバー最速の上がりを駆使したが、3馬身差まで。村上忍騎手の絶妙のプレーが光った。
今年の主役はナリタポセイドンで異論はないだろう。距離不足が懸念された絆カップ(盛岡ダート1600m)を快勝。ナムラタイタンがスローに落としたが、きっちりゴール前で捕らえた。
ナリタポセイドンは東京ダート2100m2勝、中京1900m1勝とまさしくステイヤー。2500mはもってこいの舞台だが、身上とするのはマクリ脚。北上川大賞典は例外なく超スローに落ちて、残り800mからが勝負。そこでどの位置を取れるかが最大焦点となる。
鞍上はベテラン・関本淳騎手。レースの駆け引きには定評があり、どんなレースを見せてくれるか興味深い。
コミュニティは前回1着でようやく勢いを取り戻した。一昨年、桐花賞でナムラタイタンを破る金星を飾ったように水沢2000m以上がベストの条件。
昨年は村上忍騎手の奇襲に屈したが、今年は二の轍を踏まないはず。3度目の北上川大賞典挑戦で初制覇になるか。
ライズラインは史上8頭目の北上川大賞典2連覇を賭けて出走する。父は人気種牡馬の仲間入りを果たしたスクリーンヒーローの初年度産駒。重賞勝ち馬第1号となったのは、ほかでもないライズライン(若駒賞)だった。
かつてマイラーだったシロキングが3200mの天皇賞を優勝したとき、岡部幸雄騎手はこうコメントした。「1600mを2度走らせれば3200mもこなせる」と。昨年の北上川大賞典がそれだった。
当然だが、今年はマークがきつくなると思うが、自分の競馬をしたときのライズラインは本当に強い。どこでスパートをかけるかに注目。
アントニオピサは中央ダート4勝、南関東2勝と激戦区でしのぎを削ってきた。初戦をアッサリ逃げ切り、実力を誇示した。今回も逃げの手は必至。マイペースで逃げればアッサリまで十分。
◎①ナリタポセイドン
〇②コミュニティ
▲③ライズライン
△⑦アントニオピサ
<お奨めの1頭>
8R クインズジュエリー
移籍2戦目の水沢1300m戦を快勝。中央時代に短距離をメインに使われてきた実力を披露した。850mでも能力の違いを見せつける