先週報告したとおり、賞金アップにより昨シーズンの格付けに比べて変動幅が大きくなった。単純に1勝=1着賞金10万円が20万円に上がったのだから当然のこと。
昨年の2勝分が加わり、同じC2でも一気にジャンプアップしているのが目につく。4月2日の例で言うと4Rに出走するネオヴァモスは前走C2一八組で勝ったことでC2十組へ。5RのヒラボクビクトリーはC2十七組で勝ち、今度はC2九組へ。距離も1300mから1400mに替わった。
最も顕著なケースは翌3日、7Rへ出走予定のタイムアラウド。特別開催初日にC2十七組で勝利し、二戦目はC2六組で連勝。これによって今回はC2の最上級である一組に格付けされた。
タイムアラウドは元B1だから突破する可能性が高いが、以上は昨年までには見られなかったケースだ。
ただ、誤解しないでほしい。決して悪いことではなく、賞金アップは無条件に歓迎すべきこと。何事も条件が替わると落ち着くまでには少し時間がかかる。おそらく2ヵ月ぐらい過ぎれば平常に戻るはず。
そこで考えることは馬券対策。前回1着だったからといって鵜呑みにしてはいけない。メンバーがどうだったか。タイムはどうだったか。このクラスで通用するか否か。1着馬は基本、人気を集めるが、取捨をどうするか。小生も以上のことを頭に叩き込んで予想をしたいと思っている。
2日メインは3歳牝馬重賞「第42回あやめ賞」(M3 水沢1400m)。ニードアフレンドに初タイトルを手にする絶好のチャンスを迎えた。
北海道2勝から鳴り物入りで転入。初戦の若鮎賞は着外に沈んだが、初芝にとまどったのが敗因。ダートに替わって7馬身差で圧勝した。
これで軌道に乗るかと思ったが、豈(あに)はからんや。初戦からパドックで入れ込みが激しく発汗も半端じゃなかった。以降はレースに集中できず凡走を繰り返していた。
それでも徐々に気負いがなくなり、12月24日の水沢1400m戦で岩手2勝目をマーク。続いて金杯でも3着に頑張った。
そして前走・奥州弥生賞で今季始動。パドックでじっくりチェックしたが、周回するたびに気合いを出し始めていたが許容範囲内。適度の緊張感と落ち着きが功を奏し、一線級牡馬相手に4着に粘った。
今回は牝馬同士の戦い。しかも2勝マークの水沢1400m戦。大外を引き当てたのはちょっと痛かったが、スピード上位は明らかだ。
ただ逃げ馬ゆえもろい面があるのは確か。ほかもつけ入る余地は十分あり、逆転一番手はメドゥシアナ。
デビュー戦の芝1000mは4着だったが、距離が1600mに延びた若鮎賞を快勝。目にも鮮やかな直線一気を決めた。
続くジュニアグランプリは無念の出走取消。調子も崩したが、ダートに替わって2戦2着。プリンセスカップで強烈な末脚で2着をもぎ取った。勝ったスターインパルスはその後、浦和桜花賞を制するほどの実力牝馬。レースレベルは推して知るべしだった。
今回、3ヵ月ぶりの実戦。差しタイプで自分で競馬を作れないのがネックだが、行き脚ついてからの伸びがシャープ。アッサリまで考えられる。
ダンストンレガーメも実績は引けを取らない。北海道代表で臨んだ知床賞を優勝。プリンセスカップもメドゥシアナとは0秒1差3着。深い馬場対応がネックだが、克服できれば重賞2勝目を手にできる。
セカンドネイチャーは北海道未勝利からの転入だったが、一戦ごとに地力アップ。終盤を3勝3着1回にまとめ、今季につながるレースを披露した。初重賞挑戦で制覇するか注目が集まる。
ダートが不安だが、芝交流・ジュニアグランプリ馬ダズンフラワー、特別開催を快勝センザンルビーも軽視できない。
◎⑪ニードアフレンド
〇④メドゥシアナ
▲①セカンドネイチャー
△⑨ダンストンレガーメ
△②センザンルビー
△⑤ダズンフラワー
<お奨めの1頭>
4R ビッグバンドジャズ
一昨年の道営記念3着馬が最下級へ降格。最短距離が1600m。長い距離で実力を発揮した追い込み馬が1300m戦。果たしてこなせるかも興味深い
2017年度の岩手競馬が4月1日からスタートを切る。特別開催から賞金が増額され、明るいムードが漂っているのは確実。今年はどんなスターホースが誕生するか興味深い。
さっそく開幕初日に恒例の3歳重賞「第42回スプリングカップ」(M3 水沢1600m)が行われる。
昨年は"遅れてきた大器"エンパイアペガサスが重賞初挑戦。既存勢力との対決が最大焦点だったが、6馬身差で圧勝。以降も連勝街道を突っ走り、不来方賞まで重賞5連勝。自身の連勝も8に伸ばし、勇躍ダービーグランプリに名乗り。
生涯初めての交流戦だったが、トロヴァオの2着に善戦。水沢競馬場が大いに盛り上がった。
それがフロックでなかったことは、南関東移籍3戦目で報知グランプリカップ優勝で証明。今や全国から動向が注目される1頭にまで出世した。
スプリングカップはエンパイアペガサスの例を引き出すまでもなく、出世の登竜門。岩手クラシックの王道を歩むのはどの馬か、注目の一戦となった。
前哨戦・奥州弥生賞を5馬身差で圧勝したベンテンコゾウは北斗盃(4月18日 門別1600m)へ挑戦を表明。よって今回は第2グループから抜け出し、主役に躍り出る馬捜しが最大のテーマとなる。
中心はオールザベスト。北海道2勝2着6回から転入。寒菊賞はベンテンコゾウに完敗だったが、不在の金杯を快勝。待望の初タイトルを手にした。
冬休み明け初戦の奥州弥生賞もベンテンコゾウには水を開けられたが、2着を確保。ここは負けられない一戦といっていいだろう。
サンエイリシャールは叩かれながら徐々に頭角を現し、デビュー5戦目にビギナーズカップ、続いて若駒賞を優勝。2歳戦をリードした。
その後は伸びを欠くレースが続いたが、金杯2着で復調ムード。奥州弥生賞を見送り、休養十分。万全の態勢でスプリングカップへ臨む。
メモリーダンスは金杯4着後、テンコートレセンへ移動。先輩ラブバレット、同期ベンテンコゾウといっしょに坂路で鍛え直した。
相手なりに駆ける堅実さの半面、詰めの甘さが課題。テンコー坂路で一皮むけたかを確かめる一戦となる。血統から距離が延びれば延びるほどいいタイプ。今後は2000m戦が主流となるだけに、マイル戦でも良成績を残したいところ。
キングジャガーは奥手だったのだろう。初勝利まで7戦を要したが、終盤に連勝。大井移籍後も1勝2着2回と地力アップしたのは間違いない。激戦区で揉まれてきた経験がここでは最大の武器となる。
コンバットパンチも同じケース。南関東2戦のキャリアを生かし、里帰り初戦の奥州弥生賞3着。終いのいい脚が目についた。前がやり合うようだと台頭十分。
◎⑤オールザベスト
〇⑨サンエイリシャール
▲④メモリーダンス
△⑦キングジャガー
△③コンバットパンチ
<お奨めの1頭>
3R レッドブラッサム
前走は勝ったタイムアラウドが強すぎた。メンバーが大幅に緩和され、今度こそ首位を奪取する
岩手競馬の2016シーズンは今日の3月27日でラストとなります。他の主催者さんは暦年の、1月1日~12月31日で区切る所も多いですが、岩手は冬季休催が入る事もあって4月~翌年3月の年度で区切ります。なので3月開催最終日が"シーズンラスト"。2017シーズンは4月1日スタートとなります。今週の来週・・・ではありますが、新しいシーズンの開幕にご期待ください!
ただし、騎手・調教師の記録は1月の開催終了で区切って3月開催から新たにスタートしていますし競走馬のクラス分けも同様。実質的な"新シーズン"はもう始まってもいます。
加えて今年は、4月1日付で全国一斉に変更が加えられる基準もあったりも(見習い騎手の減量基準)するんですよね。その辺、ちょっと分かりづらい部分かと思いましたので改めてここでご説明してみました。
シーズンまたぎのこの時期は「あれ?こんなルールだったっけ?」という事が多くありそうです。戸惑わない様に、馬券検討に集中しましょう!
今日のメインレースは9R、A級一組の『桃花特別』。早くも古馬トップクラスが登場するだけでなく4月8日に行われる重賞・赤松杯の前哨戦にも位置づけられそうな戦いになりました。有力馬の春緒戦は要チェックです。
本命は(7)ミラクルフラワー。同じマイルのトウケイニセイ記念を逃げ切ったようにこの辺の距離での先行力は牡馬を凌ぐものがあります。今開催は先行馬有利の決着が続く事でもあり、また自分の形に持ち込めれば少々競りあってもしぶといタイプでもありますから、上位争いしてくれると考えて良いでしょう。
対抗はやはり(6)アントニオピサでしょう。昨冬は重賞で3連続2着。それだけ言うと一見勝ち切れないだけに感じますが、2500m、2000m、そして1600mとそれぞれ違う距離でそれぞれの距離のスペシャリストと渡りあってのこの結果だった、といえば評価が変わるはず。地力面ではここでも最右翼。当然この馬にも勝機、と見るべき。
三番手は(10)コミュニティを。マイルはちょっと短いですが、時計がかかる馬場で前が止まる展開になれば差は無い形に。昨冬終盤、調子を上げながら来た勢いが続くならなお良し。
キャリア的にヒモの筆頭にしかできないのですが(4)サプライズハッピーも面白い存在では無いでしょうか。この馬も一息後を立ち直りつつの冬休み。その流れは好感がもてますし、この距離なら展開ひとつで上位突入有りでは。もう一頭は(3)リトルキング。重賞上位クラスと同ハンデはちょっと不利な材料か。しかし元々巧く流れに乗ってのタイプ、一線級の馬たちが作る流れに乗れたらチャンスも。
●9Rの買い目
馬単(7)=(6)、(7)=(10)、(7)=(4)、(7)→(3)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
★オッズパークLOTO 5重勝/3月27日(対象6R~10R)
6R/評価A: 3番 評価B: 6番 穴:2番
7R/評価A: 6番、 3番 評価B: 4番、 5番
8R/評価A: 5番、10番 評価B: 9番 穴:7番
9R/評価A: 7番、 6番 評価B:10番 穴:4番
10R/評価A: 9番、 7番 評価B: 6番 穴:4番
今年度(2016年度)、岩手競馬の売上が前年比、二ケタ以上伸び、計画値も大幅に超えた現在、行われている特別開催が始まる前に250億円を突破。2014年度に実施したJBC盛岡をすでに超え、完全に底を脱した。これもすべてファン皆さんのおかげ。感謝の念に堪えない。
その売り上げを受けて特別開催から賞金がアップしたのをお気づきだろうか。C2最下級の1着賞金が10万円から20万円。一気に倍増した。
他の条件クラス、2歳、3歳の賞金も軒並みアップ。ファンには直接関係はないが、出走手当も上がった。
C2クラスの最低賞金が20万円となったのは2006年、存廃問題に揺れた年以来のこと。今後の活性化につながるのは確実だと思う。
そこで馬券を検討する際に、一つ留意してほしいことがある。岩手競馬の格付けは特別開催からさかのぼり地元所属馬は前15走、転入馬は前20走の獲得賞金によって基本決まるが、賞金アップが少なからず影響する。
賞金増額によって従来のクラス変動よりも振れ幅が大きくなるからだ。単純にC2級の1着賞金が10万円から20万円にアップしたということは2勝分に相当。馬によっては条件が2ランク上がるケースもあり、一気にメンバーが強化される。まだ想定段階だが、実際にはどうなるのか。みなさんもしっかりチェックしてほしい。
26日メインはオープン「スプリント特別」(水沢1400m)。今後のスプリント戦線を占う興味深い顔ぶれがそろった。
主軸は過去実績を重視してエーシンシャラク。昨年も特別開催の水沢1400m・スプリント特別を快勝。幸先のいいスタートを切り、以降も短距離戦線で活躍した。
しかし7月以降は精彩を欠き、思い切って休養。リフレッシュに専念させたが、これが奏功。終盤に3勝2着1回と勢いを取り戻した。
元々、盛岡の上り坂があまり得手ではなく、反応の良さは水沢コース。今回の条件はベストといっても過言ではない。今年9歳を迎えたが、レース運びのうまさはぴか一。芦毛健在をアピールする。
ゴットフリートは今回の結果次第ではダート路線でも台風の目に可能性を秘めている。中央デビュー2連勝を飾り、朝日杯FSはロゴタイプの3着。ほかに共同通信杯2着、京成杯オータムハンデ3着などエリートコースを歩んだ。
最終的に準オープンに在籍し、岩手へトレード。転入初戦のトウケイニセイ記念が初ダートだったが、向う正面でマクリ脚を披露。ダートでもやれそうな予感を抱かせた。
もちろん実績はメンバー中随一。結果だけではなく、レース内容にも注目してみたい。
スペクトルはロールボヌールと同期だったが、重賞4勝をマーク。ウイナーカップを逃げ切り、これからと思った矢先、蹄骨を骨折。1年3ヵ月の休養を余儀なくされた。
復帰は昨年10月。当初は久々の影響が大きく逃げバテが続いたが、一戦ごとに良化。最終3戦を2着2回1着にまとめ、復調のメドが立った。
天性のスピードを身上とするタイプで1400mはもちろん大歓迎。距離を味方に逃げ切りを狙う。
タイセイアニマートはダート1800m1勝。ほかにダート1400mで3着2回の成績から転入。クラスはきついが、岩手で一変する可能性を秘めている。
ウインミラージュは芝短距離で新境地を切り開いたが、ダートもソコソコこなせる。軽視禁物。あとは大型馬パールフューチャーを押さえたい。
◎⑤エーシンシャラク
〇②ゴットフリート
▲⑦スペクトル
△⑨タイセイアニマート
△⑧ウインミラージュ
△④パールフューチャー
<お奨めの1頭>
5R ステイブレイズ
前走は勝った相手が強すぎた。ここでは時計が抜けており、勝機ガッチリとつかむ
先週から岩手競馬が再開。初日18日、いきなり3歳重賞「奥州弥生賞」が行われ、サンエイリシャールを除く一線級が勢ぞろいした中、2歳最優秀馬ベンテンコゾウが5馬身差で圧勝した。
ベンテンコゾウは前回報告したとおり寒菊賞完勝後、テンコートレセンへ移動。坂路で鍛え直した。
今回、2ヵ月半ぶりの再会が楽しみだった。かつてはメイセイオペラが、そしてラブバレットが飛躍のきっかけをつかんだテンコートレセンでどんな成長をとげたか。装鞍所に来たベンテンコゾウを隈なくチェックした。
驚いたのは胸前と後肢がすごく立派になっていたこと。体高的な伸びは感じられなかったのだが、それは厚みの増し方が強烈だったからかもしれない。とにかく胸前、後肢の発達がすばらしかった。いい筋肉がついたなと思った。
個人的な感想だが、同じサウスヴィグラス産駒ナムラタイタンに似てきたような気がする。おそらく体高はこれから伸びるだろうが、完成期はどんな感じになるのか。成長した姿を見て惚れ惚れとした。
心配はゲートだったが、今回よりによって最内1枠で先入れ。若駒賞のように暴れないか固唾を呑んで見守ったが、無難に出てひと安心。スタート後、内に包まれて若干掛かったが、それも村上忍騎手がうまく外に出してクリアー。あとは能力の違いを見せつけて余裕でゴールへ入った。
次走目標は当初の予定どおり、門別のクラシック一冠目・北斗盃。長距離輸送、初コースなど課題は多いが、将来を考えれば避けて通れないこと。夢の全国制覇へ向けて期待を込めて見守りたい。
25日メインはA級馬による水沢1600m戦「春分特別」。二組戦だが、重賞路線にもつながる好メンバーがそろった。
主軸は牝馬ユッコ。中央1勝500万下から転入だったが、オープン勝ちを含めて2勝。牝馬全国交流・ビューチフルドリーマーカップでも優勝ジュエルクイーンに0秒1差2着。ファン投票・桐花賞でも4着に善戦した。
佐藤雅彦きゅう舎でこのようなケースは少なくない。ユッコも独自の調整方法で秘めた素質を開花させた。
身上とするのはシャープな切れ。次開催に第一弾の古馬重賞「赤松杯」を控え、牡馬戦線に殴り込みをかけるか注目。
逆転筆頭はスマートレジェンド。こちらも抜群の破壊力が武器。移籍4戦目のJRA500万下、岩手B1の条件交流・プロキオン賞で鮮やかな直線一気を決めて快勝した。
課題だった水沢コースもスローに泣いた前々走をはさんで1勝2着2回。ベストはコース広い盛岡だが、水沢もこなせるようになったのが強み。流れ構わず自慢のマクリをさく裂させる。
4歳馬で注目一番手はウインバーニング。中央ダート3着2回、大井交流2着から転入。移籍2戦目の3歳重賞・不来方賞でエンパイアペガサスの2着を確保した。
エンパイアペガサスはその後、ダービーグランプリ2着。南関東重賞・報知グランプリカップ逃げ切りを果たし、世代レベルは推して知るべし。このメンバーで勝ち負けを演じるようなら今後の活躍も約束された。
メテオライトは10月以降、精彩を欠いたが、伝統のみちのく大賞典2着。冬休みでリフレッシュができればアッサリあって不思議はない。
ニーマルキングも終盤に息切れした感じだったが、転入初戦で前記スマートレジェンドの追撃を封じて完勝。勢い取り戻せれば反撃十分。
トーホクアローは強豪相手にも入着を確保する反面、詰めの甘さがつきまとう。突き抜けるには展開の手助けが必要だが、マークを欠かせない。
◎⑦ユッコ
〇⑧スマートレジェンド
▲⑩ウインバーニング
△⑤メテオライト
△⑥ニーマルキング
△①トーホクアロー
<お奨めの1頭>
3R アンブリッジローズ
降格初戦は惜しくもハナ差2着。ここでは前走タイムが抜けており、今度こそ首位を奪取できる