★重賞 OROターフスプリントはエイシンテキサスV
10月20日に行われた芝の地方競馬全国交流『OROターフスプリント』は名古屋所属のエイシンテキサスが逃げ切り勝ち。鞍上の川崎・山林堂騎手は盛岡の地で自身の重賞初制覇を達成しました。
遠征馬6頭を迎えて行われたOROターフスプリントは今シーズン最後の芝重賞。それも1000mという距離とあってこの距離を狙う短距離巧者が集結しましたが、山林堂騎手を背にしたエイシンテキサスは好スタートからペースをコントロールして後続の追撃を抑え込み、最後も追い込んだタイセイプライドの猛追を退けてゴール。
勝ったエイシンテキサスは昨年のこのレースでは岩手所属として挑んで4着だった雪辱を、所属を替え1年越しで達成。そして山林堂騎手はデビュー以来初の重賞タイトル獲得ともなりました。
10月21日のメインレースは8Rになります。芝1700mの『OROターフ特別』。盛岡競馬のシーズンも終盤を迎え、芝レースも残り少なくなってきました。オープン級の芝特別はこれが最後。それだけに芝巧者たちにとっては力が入る一戦にもなりそうです。
本命は(10)マイネルスカイです。近走は少し大きめの着順の数字が続いていますが前走はダート、二走前は芝の交流重賞でのもので条件的に少し厳しかったのは確かでしょう。準重賞クラスの、つまり地元馬同士の芝戦であれば桂樹杯3着など上位の成績を残しており、今回の条件なら力不足は無いはずです。
対抗は(11)ウインルーカス。この馬もマイネルスカイ同様にダートではやや苦戦するものの芝では別の馬のように堅実。桂樹杯5着、今回と同じ条件になる9月のOROターフ特別でも2着ですからここで上位の力を持っているのは間違いなし。カギは大外枠がどういう影響を及ぼすか?でしょう。
(2)サンエイゴールドは3番手評価。芝重賞6勝・準重賞1勝の実績を誇る岩手の芝の王者なのですが今季は順調さを欠き前走が今季の初実戦。1700mはやや短いという戦績ですがOROターフ特別では常に上位を占めていますから問題は無いとして、やはり今季2戦目という点は割引材料にならざるを得ないでしょう。実績・実力を認めつつも今回は3番手まで。
あとは少し穴っぽく(1)アルカサル、(3)リュイールスター。最近の調子は決して悪くないし芝も本来得意という馬を押さえてみたいと思います。
●8Rの買い目
馬単(10)=(11)、(10)=(2)、(10)→(1)、(10)→(3)
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14日、南部杯の日、一つの記録が誕生した。第9R・B2戦に出走したシャーク(父デュランダル 母ユメノラッキー
母父ソルトレイク)が逃げ切りを決め、岩手通算30勝を達成した。
シャークは2012年4月、中央7戦0勝(うち1回は川崎条件交流)から転入。3歳C2の最下級編入にも恵まれて年間8勝をマーク。その後もタフに走り続け、4歳時3勝。5歳時7勝、6歳時7勝。7歳時はA級に上り詰めたため1勝のみにとどまったが、重賞(当時)・あすなろ賞で3着に健闘した。
8歳時にも2勝したが、昨年9歳時は年齢的な衰えと順調さを欠いて実戦7度のみ。3着2回が最高だったが、今年5月に1勝。大台30勝に王手をかけたが、そこからが生みの苦しみ。クラスもB1とB2を行き来し、2着2回もあったが、なかなか白星を手にすることができなかった。
しかし10月14日、南郷家全騎手とのコンビで鮮やかな逃げ切りを決め、ついに30勝を達成した。
転入後、調教を含め、ずっと世話をしてきた永田幸弘調教師補佐。「2年前から30勝が目標でしたが、なかなか勝てず苦労しました。年齢的なものもありますしね。改めて勝つことの大変さを実感しました。たぶん、自分が攻め馬で乗った中では一番落とされたと思います(笑)。年齢を重ねても俊敏なんですよ。これがデュランダルの血なんだなと思います。勝った後は達成感でずっとニコニコしていました。本当にうれしいです」
ホースマンにとって最大の喜びは『勝つこと』。それを30回もするのは至難の業。記憶に間違いなければ1990年に引退したアラブ・コウギョウハンター36勝、1995年に引退した伝説の名馬・トウケイニセイ39勝以来の岩手在籍30勝達成。条件クラスと言うなかれ。無事に走ってこその30勝。心から記録達成を祝福したい。
20日メインは地方競馬全国交流「第9回OROターフスプリント」(盛岡芝1000m)。トライアル・ハーベストカップ1、2着馬シャドウパーティー、ナリタスターワンがそろって回避。さらに遠征馬の力量適性比較が難しく、非常に難解な一戦となった。
迷った末の本命はコスモリョウゲツ。距離不足は盛岡芝適性でカバーできると見た。中央500万下から再転入後、芝2400m準重賞・かきつばた賞を快勝。一息入れた桂樹杯は2着に敗れたが、交流・OROカップを3馬身差で完勝。待望の重賞タイトルを獲得した。
中央500万下で頭打ちだったが、盛岡芝で持てる能力を発揮。7戦6勝2着1回は文句のつけようがない。残された課題は1000mだが、中央芝1200mを使っていればこなせるはず。何よりも勢いを重視した。
コスモロングソードも盛岡芝適性は引け取らず<7.4.2.3>。特に芝1000mは4戦2勝2着2回と絶対の自信を持っている。昨年はシャドウパーティーの大外一気に屈したが、2着を死守。休み明け3戦目で首位を奪取する。
タイセイプライドはOROカップ5着。盛岡芝にのめっていたのが痛かった。しかしコース2度目。また中央芝1400m2勝、芝1200m1勝と距離短縮は望むところ。
メイショウブイダンは中央芝1200m4勝・準オープンに在籍。北海道移籍後は5着最高だが、間違いなく芝でこそのタイプ。ここは全力投球の舞台。
ケンガイアは7月、3歳ダート1200m交流・ハヤテスプリントを快勝。2ヵ月休養明け後、OROカップへ参戦し、逃げて0秒6差4着。初芝を考えれば好走の部類。こちらも1000m短縮は大歓迎。同型をどうさばくかがカギ。
ユイノルフィはトライアル3着。理想は逃げだが、好位追走でも我慢できる。
◎⑪コスモリョウゲツ
〇②コスモロングソード
▲⑥タイセイプライド
△①メイショウブイダン
△⑦ケンガイア
△⑨ユイノルフィ
<お奨めの1頭>
2R マースルマン
移籍2戦目をハイタイムで圧勝。メンバー強化感もなく、2連勝はほぼ手中
14日、JpnI「第32回マイルチャンピオンシップ南部杯」は吉原寛人騎手が騎乗したサンライズノヴァが快勝。2着アルクトス、ゴールドドリームは3着に敗れた。
勝因は音無調教師のコメントがすべて。「これまでゲート出が悪く、それで競馬を苦しくしたが、今回はうまくいった。奇数番号で先入れだったが、我慢してくれた。中央ダートのマイルは芝スタートなので使えるレースが少ない。このコースも合ったんでしょう」
改めてレースリプレイを何度も見た。やはりスタートはあまり良くはなかった。しかし吉原騎手が先団まで押し上げ、ゴールドドリームの直後インにつけた。
スパートは勝負どころの3コーナー。早めスパートをかけ、モジアナフレイバーと一緒に進出したが、ゴールドドリームはそこで一瞬もたついて置かれたのが痛かった。そして4コーナーで逃げロンドンタウン、2番手ノボバカラ、内アルクトスの3頭の外につけ、残り200mで先頭。
あとは内で粘るアルクトスを交わして1馬身半差。人馬ともうれしい初G/JpnIタイトルを獲得した。
吉原寛人騎手「あまり後ろだと外を回るロスがあるので前目の競馬をしたいと先生(音無調教師)に話しました。(前半で脚を使わせたので)どれだけ馬が耐えれるかが心配だったが、手応えが良かったのでこれなら勝てると思いました」
続けて「またがった瞬間、馬格がすばらしく乗り味もすごくいい名馬だと思いました」
次走は白紙だそうだが、「今がいい状態なので1800mも使ってみようかと思っている」と音無調教師。ダート1800mといえば中京・チャンピオンズカップと勝手に解釈。そこでもひと皮むけたサンライズノヴァが観られるかもしれない。
19日メインはC1「五葉山賞」(盛岡芝1000m)。前哨戦の再現ムードが漂っているが、果たして...。
タイセイブランシュはデビュー3戦はダートを使ったが、矛先を変えて新潟芝1000mへ挑戦。休み明けだったにもかかわらず2着を確保し、2戦目は0秒5差5着。直後に岩手入りした。
初戦に五葉山賞ターフチャレンジを選び、1番人気はサフィロスに譲ったが、直線鮮やかに抜け出して快勝。芝1000m適性を存分に発揮した。
同レースの出走馬は9頭中5頭。上位5着馬までがエントリーしたが、初の盛岡芝で結果を出せば本命は当然のこと。2連勝を飾る。
ウインドショコラは転入後、ダートは3走前の1000m8着1度のみ。ほかはすべて芝を使って<2.2.1.1>。芝1000mも<1.2.1.0>と適性を証明済み。この条件は持ちタイムも大きなファクター。3走前に58秒9が光り、良馬場で逆転の可能性は十分ある。
マジェスティはデビュー戦・阪神芝2000m2着。以降3戦連続で4着を確保した。転入戦のもみじ賞は初の1000m戦。最短距離は1600mで前半はペースにとまどったが、メンバー最速タイの上がりで5着入線した。条件2度目と降格でアッサリまで。
サフィロスは南関東B2から転入。ダート1000mを連勝した。前走は逃げて3着に終わったが、久々の芝にも戸惑ったか。3歳時にアイビスサマーダッシュ(新潟芝1000m)6着の実績があり、反撃必至。
フラワーズアートは中央芝1800m3着、芝2000m2着。前々走2着で盛岡芝も問題ないことを証明したが、前走は1000mにてこずった印象。上昇の余地はある。
ミステリーモリオンは昨年、上級B2芝1000m・もみじ賞2着。今季は4着最高だが、得意の芝1000mで切れを発揮するか。
◎⑦タイセイブランシュ
〇⑧ウインドショコラ
▲②マジェスティ
△①サフィロス
△④フラワーズアート
△⑥ミステリーモリオン
<お奨めの1頭>
7R カフェアリアドネ
前走2着は相手が強すぎた。ここでは前走タイムでも抜けており、首位奪回に燃える
★重賞 若駒賞はグランコージーが勝って4連勝
10月13日に行われた岩手の2歳馬による重賞『若駒賞』。少頭数の戦いではありましたが1番人気グランコージーが快勝し、デビューから4連勝を達成しました。
少頭数ながらも転入間もない馬も多く力関係の把握が難しいと思えた若駒賞ですが、グランコージーは2番手追走から終始危なげない戦いで2着以下に3馬身差、完勝と言っていい内容で勝ち抜きました。ここにきて強さを増す一方のこの馬には今後とも注目でしょう。
10月14日はいよいよ南部杯。注目のJpnIは第11R、17時30分発走です。台風一過となった昨日は気温も上がり気味だったのですが今日は一気にこの時期の寒さになる模様。夕方には一時雨という予報もあり、現地観戦の際は天候の変化にお気を付けください。
さて南部杯。今年の自分の本命は(13)ゴールドドリームです。
南部杯は三度目の挑戦になる同馬は一昨年は5着、昨年は2着の結果。しかし一昨年はコパノリッキー、昨年はルヴァンスレーヴというダート界の強豪に阻まれた結果ですから、この馬自身の評価を下げる敗戦でなかったのは確かでしょう。
今年は帝王賞を回避してローテーションが若干狂ってしまった感がありますが、しかしもともと帝王賞後は一息入れて休み明けで南部杯だったでしょうから実質的な影響はほとんど無いはず。昨年までのような強敵がいないここは力が入るところ。
対抗は自分は敢えて(1)ミツバを狙います。一線級で戦うようになってからはずっとダート中距離以上を使われておりマイルへの対応が課題になるのは間違いないでしょう。ただこの馬は一昨年・昨年のマーキュリーCを連覇している盛岡巧者。コース適性の高さでカバーしてしまってもおかしくないはず。
注目のもう一頭が(4)アルクトスです。一線級と戦うようになって間がないものの前走の勝利は今回のメンバー相手でも遜色ないもの。550kg近い雄大な馬体を以前は持て余すようなレースもありましたが最近は逆にその身体をうまく使って勝ち切るようにもなっています。なによりプロキオンSからの路線は今の南部杯ではかしわ記念・帝王賞に次ぐ王道路線。この馬が勝っても何ら不思議ではないと思います。
印上は△一番手に留めざるを得なかったですが(3)サンライズノヴァの末脚にも当然警戒が必要でしょう。盛岡マイルは意外に先行決着になりがちなので差しというか追い込み一手のこの馬には展開の助けがまず必要。しかしその飛ぶように突っ込んで来る脚をここで見てみたいというのも正直な気持ち。展開向けば。(5)モジアナフレイバーは地方勢の中では最右翼の存在といえるでしょう。大井ばかりの経験で左回りも遠征も初めて、そこがカギですが、伸び盛りの勢いには油断せず目を向けておきたいところです。
●11Rの買い目
馬単(13)=(1)、(13)=(4)、(13)=(3)、(13)→(5)
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14日(月祝)、盛岡ダート1600mを舞台に行われるJpnI「第32回マイルチャンピオンシップ南部杯」の枠順が確定した。
△①ミツバ
...②ロジストーム
△③サンライズノヴァ
○④アルクトス
...⑤モジアナフレイバー
...⑥イッセイイチダイ
...⑦メイショウオセアン
...⑧レプランシュ
△⑨オールブラッシュ
...⑩ラモントルドール
...⑪ナラ
...⑫ソーディスイズラヴ
◎⑬ゴールドドリーム
▲⑭ロンドンタウン
...⑮ノボバカラ
...⑯パンプキンズ (印は松尾予想です)
ゴールドドリームは東京大賞典、フェブラリーステークスで出遅れたが、かしわ記念では好スタートを切った。今回は⑬番枠ならスタートはさほど影響ないとみていい。
逃げるのは⑮番枠でもノボバカラか。一昨年は逃げてコパノリッキーの2着に粘ったことからも、できればハナを取りたいところ。④番枠アルクトスは好枠を引き当て、早め3番手にはつけそうなムード。
興味深いのは初コンビを組むロンドンタウン=御神本訓史騎手。昨年、一昨年とコリアカップ連覇を果たしているが、昨年は2番手追走から向こう正面先頭。そのまま押し切って大差で圧勝した。また一昨年は逃げ切りを決め、クリソライトの追撃を完封。外⑭番枠に入ったが、行く気になれば先行できるタイプ。
休み明けの日本テレビ盃では逃げて3歳の怪物クリソベリルの2着を確保したが、御神本騎手はどんな戦法を採るのか。一連の成績からも上位争いは必至。展開でもカギを握る。
南部杯の発走は14日、17時30分。台風が非常に気になるが、無事に全馬が出走し、晴れた盛岡になって激戦を期待したい。
13日メインは岩手2歳クラシック一冠目「第39回若駒賞」(盛岡ダート1600m)。岩手デビュー馬が2頭に対し、北海道から転入組が5頭。ある程度は想定していたが、早くも若駒賞から岩手vs北海道の様相を呈している。
グランコージーはデビュー2連勝を飾り、直後に北海道BTC(浦川)へ移動。放牧と坂路で鍛え直した。その成果は帰郷戦でもはっきり。馬体重的にはそれほど変化はなかったが、一回り大きくなった印象。休養前のきゃしゃなイメージを完全払しょくした。
レースぶりも完ぺきだった。好スタートを決め、上がりもメンバー最速をマーク。2着に6馬身差をつけて圧勝した。その内容から距離延長も問題なし。無敗4連勝で若駒賞を制す。
ナーリーは今年のアイビスサマーダッシュ(新潟芝1000m)を快勝したライオンボスの弟。門別・新馬戦2着、2戦目10着から転入。1番人気はエイシンハルニレに譲ったが、出遅れながらも鮮やかな直線抜け出しで完勝。その一戦を叩かれてさらに気配上昇。スタートを決めれば逆転首位まで十分考えられる。
ホンコンノワールはジェネラーレウーノの弟。門別1000mの新馬戦を勝ち、重賞・栄冠賞7着。移籍初戦でいきなり重賞挑戦だが、転入直前に1700mを経験しているのが強み。加えて地区レベルを考えればアッサリまで。
エイシンハルニレはデビュー戦でコーラルツッキーの3着。同馬は先日のエーデルワイス賞(JpnIII)を制したハイレベル新馬戦だった。そして2戦目の門別1000mを快勝した。転入後は2、3着止まりだが、一変の可能性あり。
ラブロックは勝負どころで置かれるのが気になるが、馬格的にはまったく引けを取らない。レースに集中できれば上位を確保。
◎③グランコージー
〇⑤ナーリー
▲④ホンコンノワール
△①エイシンハルニレ
△⑥ラブロック
<お奨めの1頭>
2R ストームウォリアー
転入初戦を好タイムで完勝。地力の違いを見せつけた。今度も同じ1200m戦なら連勝疑いなし