今週の岩手競馬は"南部杯ウィーク"。いよいよ佳境を迎える。昨年は薄暮競馬で実施。照明に照らされたダートコースは暗闇と鮮やかなコントラストをなし、まさに"黄金ロード"。3歳馬ルヴァンスレーブがゴールドドリームの追撃を封じ、劇的な主役交代を演出した。
それ以降、『強い3歳馬』がダート界を席巻。ルヴァンスレーヴはチャンピオンズカップも制し、JRA最優秀ダートホースに輝き、東京大賞典ではオメガパフュームが優勝。一気に世代交代の波が押し寄せた。
しかしゴールドドリームにも意地があった。フェブラリーステークスもインティに逃げ切られたが、かしわ記念で逆襲。3戦連続2着の屈辱を晴らし、GI5勝目をマークした。
今年の南部杯は4歳馬アルクトスが最大のライバルとなりそうだが、ほかの周囲網もなかなか強力。それでもゴールドドリームは主役を譲れないはず。3度目の南部杯を順当に制し、秋のGIシリーズに弾みをつけたいところ。
あと気になるのが今週末の天気。12日(土)、13日(日)は台風の影響で雨が降るのは確実だし、気温も下がりそうな予報。本番当日14日(月)は晴れ時々曇り予報だが、最低気温が7度、最高気温が19度。南部杯の発走時刻頃は16度ぐらいになりそうなので、盛岡へいらっしゃる方は厚着がお奨め。
特に盛岡競馬場は山中にあるため、下界よりも2~3度低いのが普通。我々も覚悟して南部杯を迎える。
12日メインはB2「オクトーバーカップ」(盛岡芝1600m)。以上の天候から、芝からダート変更の可能性もあり、それを念頭に入れて馬券検討をしてください。
カフェシュヴァルツは中央芝1600m~2000mを使われて3着2回4着2回。通算12戦で最低着順が7着。勝てなかったが、毎回ひと桁着順にまとめてきた。
転入戦は初ダートも原因だったと思うが、スタートで出遅れて一瞬ヒヤッとさせた。結果、エンドゲームが逃げ切りを決めたが、2着死守で面目。B2通用のメドは立った。
今度は芝に替わってエンジン全開。先行できるのも盛岡芝には打ってつけと言えるし、仮にダートに替わっても転入戦2着なら問題なし。両にらみで本命とした。
ハガキノハナは南関東C1から再転入2戦目から圧巻の3連勝。芝ダート1000mで抜群の切れを披露した。今度はマイル延長が課題だが、東京芝1400m5着、盛岡芝1600m4着なら守備範囲と判断。勢いに乗って距離も克服する。
アモーレジョディーは中央未勝利、名古屋C級から4か月の休養を経て転入。当初は休み明けで伸びひと息だったが、叩かれながら良化一途。1勝2着4回と抜群の安定感を誇っている。詰めが課題だが、盛岡芝1600mは2戦2着2回と適性を証明済み。
テルキーネスは転入後、ダートでは2着3回が最高だが、盛岡芝<3.2.4.6>と絶対の自信を持っている。今季2勝は芝1600m戦でマークし、スンナリ先行できれば強じんな粘りを発揮する。
カフジローズは中央芝1800m2着2回3着2回。初戦は生涯2度目のダート戦で基準外。芝で一変の可能性を秘めている。
コンバットミニスタは一連の重賞で入着を確保し、JRA交流でも3着。着実に成長をとげ、前回快勝。上昇一途をたどっている。芝替わりも問題なく、一気のシーンまで。
◎⑪カフェシュヴァルツ
〇⑨ハガキノハナ
▲⑧アモーレジョディー
△⑦テルキーネス
△③カフジローズ
△⑩コンバットミニスタ
<お奨めの1頭>
5R カフェアリアドネ
転入初戦を1着同着にまとめ、渋太い先行力を披露。コース2度目も加味すれば2連勝は疑いなし
★重賞 ダービーグランプリ/北海道リンノレジェンドが圧勝
10月6日に行われた3歳馬による地方競馬全国交流『ダービーグランプリ』は自ら逃げたリンノレジェンドがそのまま押し切って完勝。黒潮盃での強さをここでも見せつけました。
「レースの前は2,3番手からの競馬になるかと思っていた」と口をそろえた鞍上岡部誠騎手と管理する林和弘調教師。しかし予想以上の好スタートを切ったリンノレジェンドを控えさせる事無くそのままハナに立たせた岡部誠騎手は最後までスムーズにエスコート。最後まで先頭を譲らず2着以下に5馬身差を付ける完勝でダービーグランプリを制しました。
2着は金沢・タンクティーエー、3着は兵庫・バンローズキングス。岩手のヤマショウブラックは4着、ニューホープは5着でした。
10月7日のメインレースは9Rのダート1600m特別『区界賞』。ダービーグランプリが行われた日曜日は好天に恵まれましたが月曜はちょっとすっきりしない空模様になりそう。午後の冷え込みも感じるようになってきていますので現地で観戦する皆様は寒さ対策にお気を付けください。
区界賞の本命は(8)ジェイケイブラックとしました。
JRA未勝利から転入後3戦を3連勝。それもこの馬のキャリアから見てやや短いのではと思える1400mで余力を残した完勝の連続。これはすなわちこの馬の地力の高さの証明でしょう。
ここまでのレースを見た印象では終い切れるタイプというよりは息長く粘るタイプのよう。その点で1400mから1600mに距離が伸びるのは好材料になるでしょう。ここはこの距離でどんな走りを見せるか?1400mの時以上の強さを見せてくれるかどうか?が焦点になるレースだと思います。
とすれば相手は同型の先行タイプを採るか差し脚タイプを採るか?になります。ここは後者を採りましょう。という事で対抗は(6)ニシノヴォーカル。芝でも好走していますがダートももちろん問題なし。馬場傾向や展開に恵まれず差し届かない事もありますが、堅実な末脚は魅力十分。
同様に3番手も(2)ヒデノホープで。マイルあたりの距離で最後まで伸びる脚を使えるのがこの馬の武器。今季1勝ですがこの馬も展開に左右されやすいタイプですから着順はそれほど気にしなくて良いでしょう。
(1)アロースコルトンは転入初戦の前走が大差勝ち。ただ過去のキャリアを見ても勝ち星は1400mまでで2度走った1800mでは芝ダ共に大敗しています。そこはメイショウボーラー産駒らしいというべきところでしょうか。ここはまず自身との戦いかも。(3)カフェガーネットもマイル経験が豊富というキャリアではないもののここ2戦の内容は十分に現級通用のもの。この勢いが活かせれば上位の一角なら。
●9Rの買い目
馬単(8)→(6)、(8)→(2)、(8)→(1)、(8)→(3)
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6日、3歳秋のチャンピオンシップ総決算「第32回ダービーグランプリ」(盛岡ダート2000m)は復活して区切りの10年目を迎える。
2007年、馬インフルエンザ禍の中、地元重賞で実施した翌年から休止。しかし2010年、3年ぶりにダービーGPが復活。地元の☆ロックハンドスターが見事三冠を達成し、岩手の看板レース復活を祝福した。
翌年以降もカミノヌヴォー、ロッソコルサと地元が3連覇を飾ったが、2013年から南関東勢が4連覇。ジェネラルグラント、ドラゴンエアル、ストゥディウム、トロヴァオとそうそうたる顔ぶれがダービーGP史に名前を刻んだ。
一昨年はスーパーステションが高知フリビオンの追撃を封じて優勝。前年、トロヴァオに続いてカネヒキリ産駒が父仔制覇。ご存じのとおりスーパーステションは北海道で圧倒的な帝王に君臨している。余談だが、北海道所属馬の優勝は1991年、リバーストンキング以来、26年ぶり2度目の優勝だった。
昨年は開催取り止めの影響で12月10日に順延。チャイヤプーンが不来方賞2着の敗戦を糧に優勝。母サイレントエクセル(3着)の果たせなかったダービーグランプリ制覇を達成した。
今年は昨年より2ヵ月開催が早まり、舞台も盛岡競馬場。東日本大震災の影響で水沢競馬が開催できなかった2011年以来、8年ぶりとなった。
リンノレジェンドは大井1勝から北海道へ帰郷後、クラシックすべてに挑戦したが、リンゾウチャネルの壁が厚く北斗盃5着、北海優駿2着、王冠賞3着に敗れた。
それならば、と南関東・黒潮盃へ遠征。2番人気に支持され、好位抜け出しを決めて2着グリードパルフェに2馬身半差で完勝。待望の初重賞を手にした。
3歳秋のCSシリーズで黒潮盃はランク"A"なのでダービーグランプリを制するとボーナス1千万円を獲得。1着賞金1千万円と合わせて計2千万円。さらに種牡馬ドレフォン(今年度は3百万円)の配合権利も加わり、額面で計2300万円。
以上のことからダービーGPは何が何でも優勝したいところ。陣営は黒潮盃から直行を選び、万全の態勢で臨む。
バンローズキングスは兵庫チャンピオンシップ(JpnII)でクリソベリルの3着、兵庫ダービー優勝と実績一番。
MRO金賞はマイナス22キロの大幅体重減も影響して0秒1差3着。逆に兵庫オータムトロフィーはプラス28キロ。馬体は回復したが、この大幅増では実力発揮を期待するのは酷。それで0秒1差2着なら負けて強しの一戦と見ていいだろう。
今回も最大ネックは長距離輸送。金沢遠征時の反省を生かし、前日に盛岡入りするとのこと。体重維持ならアッサリの実力馬。やはり気になるのは当日の馬体重。
ヤマショウブラックは不来方賞、ダービーGP狙いで再転入。その不来方賞では夏負けの後遺症が残っていたのは事実。
小林俊彦調教師「あと2週間がほしかった」とコメントしたが、勝負どころからの反応がひと息。直線で先頭に立ったニューホープとの差は絶望的ともいえたが、驚異的な末脚でハナ差捕えて優勝。周囲の度肝を抜いた。
リンノレジェンドが優勝した黒潮盃でのタイム差2秒は大きいが、盛岡2000m2度目と地の利を生かしたいところ。
ニューホープは2歳時に重賞・若駒賞を優勝。その後、寒菊賞5着から笠松、金沢と転籍。岐阜金賞を快勝して里帰り。不来方賞では意表を突く2番手を追走。1番人気パンプキンズを徹底マークの戦法に出て直線で競り落とし、勝利目前だったが、ヤマショウブラックの強襲にハナ差屈した。
コース印象から明らかに盛岡向き。内の動向を見ながらレースを進める外枠も好材料となり、前走の雪辱に燃えている。
オオエフォーチュンは<2.2.7.2>と安定度抜群。一度着外はJRA・若葉ステークス10着のみ。驚異的な複勝率を誇る。半面、詰めの甘さが課題だが、いい脚を長く使えるのが持ち味。マーク欠かせない。
ビッグシューターは園田デビュー2連勝を飾った逸材。半年の戦列離脱が痛かったが、復帰3戦目の岐阜金賞2着で復調のメドが立った。
◎④リンノレジェンド
〇⑦バンローズキングス
▲②ヤマショウブラック
△⑩ニューホープ
△⑤オオエフォーチュン
△⑨ビッグシューター
<お奨めの1頭>
1R セイントレイチェル
1000m適性の高さを誇示して目下2連勝中。今回はすでに勝負付けの済んだメンバー構成なら、勝って下さいの一戦。迷わず追いかける手
藤田菜七子騎手がコパノキッキングとのコンビでJpnII「第53回東京盃」を見事逃げ切った。
フェブラリーステークスで初騎乗して5着。続く東京スプリントは出遅れを喫し、直線猛追したものの、キタサンミカヅキの0秒2差2着。
以上2戦の結果から8月12日、「第24回クラスターカップ」で1番人気に支持され、好スタートを決めて逃げたヒロシゲゴールドの2番手を追走。道中の手応えも上々だったが、直線で伸びを欠いてヤマニンアンプリメの3着。
レース後、藤田菜七子騎手はこうコメントした。「スタートが決まっていいポジションを取れたし、4コーナーまでは勝てそうな手応えだったが、直線を向いて伸びなかった。前につけたらいいか、脚を貯めた方がいいか。関係者の皆さんと相談の上、自分もじっくり考えたい」
東京盃で引き当てたのは2番枠。「どう乗ろうか最後まで悩んだが、ゲートを出た瞬間、ハナを主張しようと決めた」と勝利騎手インタビュー。
外からクルセイズスピリツも逃げようとしたが、コパノキッキング=藤田菜七子騎手の譲らない気迫を見て2番手に控える。あとは追い出しを残り300mまで我慢し、2着ブルドッグボスに4馬身差。フロックではないのは走破タイム1分10秒7でも証明。
良馬場でこのタイムは破格。2011年、JBCスプリントでスーニが記録した1分10秒1に0秒6に迫るタイムだった。
藤田菜七子騎手はコパノキッキングに騎乗4度目でしっかり結果を出した。お見事というほかはない。
5日メインはOROターフスプリント・トライアル準重賞「第19回ハーベストカップ」(盛岡芝1000m)。
ナリタスターワンは中央5勝・オープンから大井1000m5着後、6ヵ月の休養を経て転入。芝1000m路線を狙って岩手入りした。
芝1600m、芝1200m、ダート1200mでも勝っているが、重賞はすべて芝1200m戦。一昨年、テレビ西日本賞北九州記念(GIII)でダイアナヘイローの2着を確保した。
休み明けでいきなり準重賞挑戦だが、芝1000m戦は臨戦過程より適性重視がセオリー。このメンバーなら主軸した妥当だろう。
シャドウパーティーは昨ハーベストカップ3着から本番・OROターフスプリントで上がり34秒0の驚異的な末脚を披露。鮮やかな直線一気を決めた。
今年10歳。今季成績だけを見ると衰えが隠せない印象を受けるが、馬体の張りを維持。3着最高は条件が合わなかっただけと解釈していい。
ハーベストカップは待望の芝1000m戦。先行激化も確実なら今季初勝利も見えてきた。
ユイノルフィは転入後、ダートでは3着1回に対し、盛岡芝5勝。前走の芝1700mでもアッサリ逃げ切りを決めた。特に芝1000mは5戦3勝2着1回。昨年のハーベストカップではシャドウパーティーの猛追をしのいで2着に粘った。
芝1000mの外枠はポジションを取るのに脚を使い、基本は不利だが、今の馬場を考えるとむしろ好材料。同型をさばいて一気逃げ切りを決める。
スティンライクビーは再転入戦を好タイムで逃げ切り、幸先のいいスタート。今度は芝に替わるが、新潟芝1000m2着1回と問題なし。弾みつけて2連勝をもくろむ。
ウインプラージュは下級条件だったが、盛岡芝1000m3戦3勝。スピードはオープン相手でも引けを取らない。
ロックオンは中央芝1200m2勝。大井では3着最高だったが、芝短距離で一変の可能性がある。
◎⑥ナリタスターワン
〇⑪シャドウパーティー
▲⑩ユイノルフィ
△②スティンライクビー
△⑦ウインプラージュ
△⑤ロックオン
<お奨めの1頭>
5R プリンシパル
京都ダート1200mで5着を確保し、マークした1分14秒5はC2フリーパスのタイム。初戦からいける
いよいよ9月も最終日の9月30日です。いち消費者としては消費税が気にはなりますが、10月6日にはダービーグランプリ、続く10月14日にはマイルチャンピオンシップ南部杯と大レースが目白押しでもあり、10月が来てほしいような来てほしくないような・・・。
その最終日の盛岡メインは第9RのJRA1勝クラスとの条件交流『フレンドリーカップシリウス賞』です。芝1700mでJRA6頭・岩手勢6頭が競います。なおこのレースの発走は16時25分、この時期の通常のメインレースよりも早い時間になっていますのでご注意ください。
本命は(3)タイプムーンとしました。
JRA勢の有力馬はいずれも盛岡の芝で好走している経験を持っていますがこの馬は5月のフレンドリーカップで2着と、優勝経験がある馬に対しては不利にも見えます。
ただこの馬は直線伸び脚を発揮したもののより軽ハンデの馬に競り負けた形でレース内容的には悲観しなくていいもの。その後も1勝クラスで健闘していることで分かる通り地力はここでも上と見ます。
対抗は(5)マイネルバッカーノ。8月に盛岡芝の交流戦を勝った時は3歳未勝利条件、その時はやや粗削りな走りではありましたが素質馬をきっちり差し切っての快勝でした。今回はその時よりは相手強化ですが突破できる勢いはあるでしょう。
3番手もJRA勢から(4)マイネルベレーロを。この馬は昨年の同条件のレースで3着。6番人気3着という結果でしたが相手関係的には今年の条件交流戦よりレベルが高かったレースだったように思えますし、実際その後もローカルとはいえ1勝クラスでたびたび掲示番圏内を確保しているのですから力はあるはずです。展開ひとつで差し切るシーンまで。
ヒモとしてはまず(1)フリームーヴメント。これまではJRA時代から短距離主体で使われて来て、盛岡でも芝1000mの特別戦を勝ったりもしていますが、芝なら意外にマイルや1700mもこなせて勝ち負けにも加わっています。短距離の馬だと思われて盲点になるなら狙い目として面白いのでは。(7)サンエイヴィーナスも同様に芝なら比較的距離万能と言えるタイプ。最近はなかなか展開がハマらずにいますがJRA勢が作る流れにうまく乗れたら上位に食い込んでくるチャンスも生まれるのではないでしょうか。
●9Rの買い目
馬単(3)=(5)、(3)=(4)、(5)=(4)、(3)→(1)、(3)→(7)
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