3日メインは2歳重賞「第35回ビギナーズカップ」(水沢1400m)。芝・若鮎賞に続く、第二弾の2歳重賞で若駒賞、南部駒賞、金杯にもつながる重要な一戦。
古くはスイフトセイダイ、ユキノビジン(桜花賞、オークスでベガの2着)。2歳三冠を制したワタリシンセイキ、そして今年のクラスターカップで2着惜敗したラブバレットも歴代勝ち馬に名前を連ねている。
昨年はサンエイリシャールが優勝し、続いて若駒賞も圧勝した。今年はどの馬が2歳ダート戦線をリードするか。
実はサンエイキャピタル(父シスターミニスター)が出走すれば、迷うことなく本命を打つつもりだった。サマーセールで1458万円(税込)で落札され、デビュー戦・芝1000mを2馬身半差で完勝。タイム1分0秒6は強調できるものではなかったが、スケールの大きさにびっくり。今年の一番馬になる予感を抱かせた。
今回は自重したが、攻め馬は再開したと大場・水沢TM。復帰を心待ちにしたい。
本命は"サンエイ"繋がりではないが、サンエイエンジェル。デビュー戦はサンエイヴィーナスの2着だったが、芝1000m59秒7の好タイムをマーク。
2戦目・水沢1300mはソエで出走取消。若鮎賞で復帰したが、久々とハイペースがこたえて7着。正直ガッカリした面もあったが、前走・水沢1400mで出遅れながらも2着。
勝ったブレシアイルに5馬身と大きく離されたが、差し競馬をできることを証明。収穫ある一戦だった。今度こそ首位を奪取する。
ブレシアイルはデビュー戦から1、8、1着。典型的な逃げ馬でマークがきつすぎた若鮎賞はブービー負けを喫したが、ダートに替わった前走を逃げ切り圧勝。自らハイペースを形成しながら、そのまま押し切った。
今回と同じ1400mを勝っているのが何よりも強み。同型いても自慢のスピードで2連勝を飾るか。
プリヴィレッジは2、3、3着だが、中身は前記2頭に決して劣るものではなかった。
若鮎賞は逃げたブレシアイルを潰しに行き、前が総崩れの中で3着に粘った。また前走もブレシアイルを早めに捕えにかかってサンエイエンジェルの交わされた3着。表現を変えると勝ちに行っての結果。敗れて強しだった。
勝ち負けは展開一つ。ペース落ち着けばアッサリも十分あり得る。
ミズサンゼウスはデビュー戦・芝1000m1秒1差3着、2戦目・盛岡ダート1200mハナ差2着、3戦目・大差2秒1着。この成績どおり一戦ごとに進化を遂げている。序列が定まっていない2歳戦。弾みついて一気に重賞を手にするか。
ドリームシイは盛岡ダート1200m2連勝。芝9着をはさんで水沢3、4着。コース適性に若干不安があるが、ブレシアイルより内3枠で出鼻を叩けるようなら粘りを発揮する可能性がある。
◎⑦サンエイエンジェル
〇⑤ブレシアイル
▲⑥プリヴィレッジ
△②ミズサンゼウス
△③ドリームシイ
<お奨めの1頭>
4R ネオヴィンチトーレ
転入後、アッサリ2連勝をマーク。時計以上に強さが際立っていた。1400m延長も難なくこなす
先週27日、"GRANDAME-JAPAN2017"「第43回ビューチフルドリーマーカップ」はジュエルクイーンが優勝。堂々2連覇を飾り、グランダム古馬の暫定首位に立った。
吉原寛人騎手「自分でペースを作りたかったので3番手外につけた。
後ろから来る馬をねじ伏せられるタイミングでスパートをかけたが、思った以上に差を詰められた。前走の疲れが残っていたからだと思うが、並ばれたあとがジュエルクイーンの強いところ。今回もしっかり結果を出してくれました」
ブリーダーズゴールドカップから中9日の強行軍に加え、長距離輸送の影響でマイナス18キロと大幅体重減だったが、それでも勝つのが底力。スパンコールの外強襲をクビ差退けた。
次走はもちろんレディスプレリュード。"GRANDAME-JAPAN2017"古馬シーズン総合優勝。昨年、総合2位の雪辱を期待したい。
それにしても吉原寛人騎手には脱帽するばかり。今回のジュエルクイーンでビューチフルドリーマーカップへ6年連続で騎乗して2012年・センゲンコスモ3着、2013年・アスカリーブル2着、2014年・アスカリーブル優勝、2015年・ジュエルクイーン2着、2016年・ジュエルクイーン優勝。そして今年17年・ジュエルクイーン2連覇。
5年連続で連対を果たし、2勝2着3回3着1回。騎乗依頼を受けて結果をしっかり出す、まさに仕事人。今後も岩手でも"吉原旋風"が吹くに違いない。
月が変わって9月2日メインはB2級馬による水沢1300m戦「セプテンバーカップ」。前哨戦の1400m戦1、2着コパノチャールズ、レイズアスマイルの再戦ムードが濃厚だ。
コパノチャールズは南関東B3から転入後、これまで8戦4勝。4度の敗戦ははっきりしている。岩手初戦は1600mが長かったため5着。また芝1000mが合わず7、4着。あとはC1条件からB1・盛岡ダ1200mへ強気の挑戦4着だが、勝ち馬とは0秒1差。
以上の敗戦以外はすべて白星。特に水沢戦は4戦3勝。1400m以下では3戦3勝と絶対の自信を持っている。
前走も4番手インキープからレイズアスマイルをアッサリ交わして快勝した。短距離ならどんな展開にも対応できるのが強み。2連勝を飾る。
レイズアスマイルの充実ぶりも目につく。5走前、水沢1600mでコース初勝利を飾り、盛岡で2連勝。今季3勝2着2回と安定度抜群。
前走はコパノチャールズに完敗だったが、折り合いを気にしなくていい短距離戦で全能力を発揮。今回に限れば外9番枠は前半で無理に脚を使わなくて良く、好材料。内の動きを見て雪辱を果たすか。
ヒライズミナンバーは春のポンポンと2連勝をマークしたが、以降は条件も厳しくなって凡走の連続。
しかし水沢に替わった前走、鮮やかな逃げ切りを決めて快勝。9頭立て9番人気で好配当を演出した。
終わってみれば納得。ハナを取れれば強じんな粘りを発揮するのが持ち味。平坦水沢で威力はさらに増す。
今回はマークが厳しくなるだろうが、距離短縮で相殺。自分の競馬ができれば2頭に割って入るシーンまで。
チャンピオンムーンは中央未勝利ながら福島ダート1150mで2着1回。南関東移籍後も船橋1200m1勝をマークした。距離適性を前面にアッサリまで。
タイセイマジックは前走コパノチャールズ、レイズアスマイルに完敗6着だったが、距離が短ければ短いほど本領発揮。前崩れなら軽視できない。
サンノゼはただ1頭の3歳馬。モロさと強さが同居しているが、スピードは互角以上。前走9着だったが、3歳A級に在籍。一発の可能性あり。
◎⑤コパノチャールズ
〇⑨レイズアスマイル
▲②ヒライズミナンバー
△⑦チャンピオンムーン
△①タイセイマジック
△⑧サンノゼ
<お奨めの1頭>
2R スズマッカートニー
東京ダート1300mで1分18秒7の持ちタイム。逃げる脚もあり、初戦勝ちに疑いなし
★重賞・ビューチフルドリーマーカップ/ジュエルクイーンが連覇
8月27日に行われた牝馬の地方競馬全国交流『ビューチフルドリーマーカップ』は1番人気のホッカイドウ競馬・ジュエルクイーンが岩手スパンコールの追撃を振り切って優勝しました。
一昨年2着、昨年は優勝しているジュエルクイーン。今年は昨年より厳しいローテーションの影響か-18kgの馬体重が心配されましたが、レースではいつも通りの力強さで好位から押しきる形での勝利。自身の重賞8勝目を挙げました。
2着は岩手のスパンコール、以下3着ミラクルフラワー、4着ユッコと地元勢が上位に食い込んだものの、このレースとしては7年連続で他地区勢がタイトルを獲得して終わりました。
買い目:4、7→4→1、2→5、8→4,1
7R/評価A: 6番 評価B: 1番 穴:3番
8R/評価A: 4番、 3番 評価B: 2番 穴:9番
9R/評価A: 4番 評価B: 7番、 3番 穴:6番
10R/評価A: 6番 評価B: 5番 穴:2番、1番
11R/評価A: 7番 評価B: 1番 穴:10番
今年で43回目を数える牝馬の最高峰「ビューチフルドリーマーカップ」は小岩井農場が輸入した"グレートマザー(偉大なる基礎牝馬)"に敬意を表して創設。
重賞へ格上げされたのは2000年、第26回から。前日にお伝えした菅原雅文騎手(故人)=ラフレシアダンサーが優勝した。
またグランダム・ジャパン(GRANDAME-JAPAN)に組み込まれたのが2010年。初年度は岩手マイネべリンダが逃げ切ったが、北海道5勝、船橋1勝。7年連続で遠征馬に凱歌が上がっている。
今年は遠征馬6頭、岩手4頭の争い。北海道勢が3連覇なるか、船橋勢が3年ぶりの優勝なるか、8年ぶりに地元岩手が優勝するか。
ジュエルクイーンは当初、回避の可能性が高かった。ブリーダーズゴールドカップから中9日。仮に入着を果たしていれば見送ったかもしれないが、急きょ出走が決定した。
ヒダカソウカップ2連覇を果たし、しかもレコードのおまけつき。ノースクイーンカップも完勝と充実一途。なおさら陣営にしてみれば6着は想定外だった。
牝馬に連闘、船移動を含めた長距離輸送は大変だろうが、それでも絶対能力が違うのは明らか。ビューチフルドリーマーカップ2連覇を果たし、グランダムジャパン古馬の暫定トップに立つ。
ユッコは牡馬顔負けのタフさが身上。今年春2戦は時計のかかる馬場に手こずっていたが、3戦目から3連勝。シアンモア記念を制し、待望の初タイトルを手にした。
北海道・ヒダカソウC、ノースクイーンCでジュエルクイーンに完敗4、5着だったが、地元に戻って盛岡ダ1800m戦を逃げ切り勝ち。遠征の反動がまったくなかったことを証明した。
昨年はジュエルクイーンの0秒1差(半馬身)2着。メンバー最速の上がりであわやのシーンを作った。これが地の利。今年はさらにパワーアップしたのは明らかで逆転の目も出てきた。あとは時計のかかる馬場にならないことを祈るのみ。
マテリアメディカは重賞制覇こそないが、積極的にビッグレースへ挑戦。黒潮盃3着、ロジータ記念4着が光る。
昨年末以降はA2で頭打ちのレースを繰り返していたが、兵庫サマークイーン賞で3着。先日、金沢で行われた読売レディス杯を制したプリンセスバリュー(2着 優勝はディアマルコ)に半馬身差まで肉薄した。
地区レベルは厳然とした事実。メンバーが甘くなって首位奪取のシーンまで。
ミラクルフラワーは昨年と同じくトライアル・フェアリーカップを完勝して臨む。昨年は8着だったが、控える競馬で勝負どころから失速。その反省を生かして村上忍騎手が巻き返しを狙っている。
シャインプラチナムは昨年、中央未勝利から北海道へトレード。B級で2勝し、ノースクイーンCで4着。一戦ごとに成長を続けている。父キンシャサノキセキ、母プラチナローズ。姉はもちろんジュエルクイーン。姉妹1、2の可能性も十分ある。
◎③ジュエルクイーン
〇①ユッコ
▲⑥マテリアメディカ
△⑩ミラクルフラワー
△⑧シャインプラチナム
<お奨めの1頭>
2R ビクトリーソング
前々走の中山ダート1200mで1分13秒8をマークして4着。4月以来の実戦だが、能力の違いで圧倒する
岩手競馬の元騎手だった菅原雅文さんが亡くなった。1973年生まれ、43歳の若さだった。
デビューは1991年6月10日。1995年、1996年と桂樹杯(当時・オープン特別)2連覇を果たしたビンゴモルト。1999年、ひまわり賞、2000年にビューチフルドリーマーカップと重賞2勝したラフレシアダンサーが印象深かった。
2004年1月2日、落馬による大ケガで1年9ヵ月もの長期休養から2005年9月17日、奇跡的に復帰。その年7勝、翌年20勝をマークして2007年1月26日に騎手免許を返上した。
勝負服は胴青・袖黄・赤ひし形。この場を借りてご冥福をお祈りいたします。
26日メインはC1級馬による水沢1600m戦「田瀬湖賞」。3歳のエントリーこそなかったが、C1の好調馬が各世代から出走。どの馬が勝っても不思議ないメンバー構成となった。
主軸にセイザンを指名。中央6戦0勝から3歳10月に転入。4勝2着1回の成績を収めて再び中央入り。福島ダート1200m16頭立て11着から再転入。2勝2着3回と連対100%を続けている。
特に前走はワンドロップが逃げ切ったが、とても届かない位置から一気に突っ込んで2着。クビ差まで肉薄し、改めて底力を誇示した。前々走はB2で2着確保。総合力で一歩リードと見る。
ステイブレイズは昨年B2戦2戦3着からC2へ降格。5月までに3勝したが、騎手交流戦3着後、3戦連続で着外。調子を崩してしまったが、前走ハイペースをしのいで快勝。ようやくシャープさを取り戻した。速い時計勝負に一抹の不安があるが、復調を重視。
ヤマニンピエドールは南関東2勝・C2から転入。初戦を2着にまとめ、2戦連続4着。伸びを欠いたが、流れも向かなかった。おそらくマイルがベスト。折り合いさえうまくつけば単まで。
ランフォージンは中央2勝→名古屋→南関東→名古屋→高知と転籍して岩手入り。これまですべて3着以上と抜群の安定感を誇っている。追い込み脚質ゆえ取りこぼしもあるが、直線で確実に台頭。ハイペースで一気。
シンソウノマドンナはずっと凡走の連続だったが、ここ2戦3着。持ち味の先行粘りがよみがえりつつある。しかも逃げたい馬が願ってもない内2番枠。マイペースに持ち込めばシーズン初勝利も夢ではない。
トウカイチャームは近4走2勝2着2回。元A級の格上ぶりを発揮。大外を引いたので割り引いたが、スンナリなら残り目十分。
◎⑧セイザン
〇⑦ステイブレイズ
▲⑤ヤマニンピエドール
△③ランフォージン
△②シンソウノマドンナ
△⑨トウカイチャーム
<お奨めの1頭>
11R チェリーピッカー
連勝は12でストップしたが、前回快勝で軌道修正。ついにオープン入りを果たしたが、1600mまでなら重賞級の大物