ベンテンコゾウの北海道三冠達成はならなかった。7月28日、門別1800m。最大難関だった2000m・北海優駿を制し、三冠に王手をかけたが、スタートで出遅れ。
3枠に入ったため内に包まれるのを避け、村上忍騎手は一旦下げてうまく外に持ち出す。ひとまず自己ポジションを確保したが、反応ひと息。3コーナーから追い始めたが、スーパーステションとの差は詰まらず、逆に離される一方。ゴール前ではストーンリバーに交わされて7馬身、3馬身差の3着に敗れた。
王冠賞は北海優駿から距離が1ハロン短縮。ベンテンコゾウには好材料だったが、レース前から不安要素があった。岩手にもいきなり酷暑が襲って夏負け気味。その状態での輸送もこたえたに違いない。
史上5頭目の北海道3冠馬の勲章を手にすることはできなかったが、3度の遠征は大きな一石を投じたのは確実。ベンテンコゾウ、お疲れさまでした。
30日メインは芝2400m交流「第39回せきれい賞」。今年は北海道から2頭、浦和から3頭、川崎から1頭。迎え撃つ岩手勢8頭のフルゲート14頭で行われる。
本命はサンエイゴールド。昨年3着の雪辱を晴らす。3歳芝重賞・はまなす賞、サファイア賞、オパールカップ(交流)で3連勝を飾り、古馬挑戦せきれい賞へ臨んだが、早め先頭に立ったパーティメーカーの0秒1差3着。レースキャリアの差を見せつけられた。
サンエイゴールドは今年4歳。注目してほしいのは昨せきれい賞時が473キロで出走だったが
、今年は500キロを超えて2連勝。一回り、いや二回りも成長していたことに気付く。それがパワーアップの源となり、今季2連勝。雨が若干心配だが、勝てる条件はそろった。
逆転筆頭はパーティメーカー。昨年は短夜賞12頭立て12着から参戦。6番人気の低評価もやむなしだったが、鮮やかな抜け出しを決めて快勝。ジュニアグランプリに続いて盛岡芝交流2勝目を飾った。
この勝利は適性以外、何ものでもなし。今年は文月杯7着から臨むが、走り頃の休み明け3戦目。せきれい賞2連覇に照準ピタリ。
ジャストフォファンは昨年の3歳・オパールカップで逃げてサンエイゴールドの2着。生涯初めての芝を問題にしなかった。続く王冠賞ではスティールキングの三冠を阻止して優勝。オパールCの健闘がダテではなかったことを証明した。芝2400mも自分の競馬ができれば克服十分。
エデンロックも不気味な存在。デビュー2戦目、札幌2歳ステークスで0秒7差3着。芝3勝から南関東へ移籍し、2戦とも大敗だったが、芝が舞台なら反撃必至。札幌は盛岡芝と同じ洋芝も強調材料となる。
ヒロノプリンスも中央芝3勝。昨年、金沢からOROカップへ参戦して0秒4差3着。適性はすでに証明済みに加え、転入初戦の水沢1900mを完勝。弾みもついた。
ブラックロードは3歳芝重賞2勝から挑戦。2400mをサファイア賞で勝っている点と55キロのハンデが強み。経験値では劣るが、未知の魅力を秘める。
◎③サンエイゴールド
〇②パーティメーカー
▲⑪ジャストフォファン
△④エデンロック
△⑤ヒロノプリンス
△⑨ブラックロード
<お奨めの1頭>
11R セイザン
前走はクインズトロブラボの逃げ切りに屈したが、2着確保で面目。安定度で群を抜き、軸に打ってつけ
7月23日(日)第3R・C2戦でハンサムボーイが好位キープから直線抜け出しを決めて快勝。鞍上・関本淳騎手が地方競馬通算2000勝を達成した。
関本淳騎手は1982年4月17日、上山競馬でデビュー。2003年11月、同競馬場の廃止に伴い、2004年から岩手競馬で騎乗。騎乗35年目で2000勝を達成した。
上山競馬デビューで2000勝を達成したのは小国博行騎手(引退・現ホッカイドウ競馬調教師)以来、史上2人目。岩手競馬では史上4人目の快挙となった。
関本淳騎手「35年もかかってしまいましたが、ようやく2000勝を達成することができました。どんなヘタな騎手でも長く乗っていれば2000勝できるということなんでしょうね。
あと1勝までもたついて若手からも急かされましたが、今日の馬場(不良)はハンサムボーイに合うと思ってたのでひそかに狙っていました。
2000勝を達成できたのはいい馬に乗せていただいたおかげ。このペースでいければ65歳に3000勝を達成できそうです。
プロ野球と同じく戦力外と言われたら引退するしかありません。騎手も乗ってなんぼの世界ですから、依頼がある限り乗り続けたいと思っています」
謙遜しているのは関本淳騎手ならでは。心から記録達成を祝福したい。2000勝といえば、園田のゴールデンジョッキーカップの資格も今回獲得した。仮に招待されたら、関本淳騎手はどんなコメントをしてくれるのか。今から楽しみだ。
29日メインは青藍賞トライアル「第40回すずらん賞」(盛岡ダート1600m)。1着馬から3着馬に優先出走権が与えられる。
当初、岩手13戦12勝1着1回チェリーピッカーの登録があった。仮に出走すれば本命視まで考えていた。12勝すべてワンサイド決着。強烈な破壊力で最下級からオープンまで上り詰めたが、挫石のために自重。復帰を焦らず待ちたい。
チェリーピッカーの見送りにより、組み立てが一気に変わった。どの馬も一長一短。勝って不思議ないし、負けても納得のメンバー構成となった。
迷った末の結論はメイショウオセアン。移籍初戦でいきなり重賞制覇を飾ると踏んだ。
根拠は過去実績。中央ダート1400m4勝、1200m1勝。オープンに在籍。黒船賞大差しんがり負け後、1年の休養を余儀なくされたが、復帰後も先行力は健在。粘り切れず9、11、11着だが、タイム差は1秒前後。
このメンバーなら勝ち負けできる計算だし、絶好の1枠を引き当てたのも強運。逃げ切り十分。
アントニオピサは後方からの競馬となったシアンモア記念以外は今シーズンすべて馬券対象。距離不足の栗駒賞でも3着を死守した。
つきまとうのは詰めの甘さだが、強豪相手にも好勝負を演じてきた地力で待望の重賞制覇のシーンまで。
コスモジョイジョイは前走、チェリーピッカーの連勝をストップさせ、絶好調を誇っている。初重賞挑戦で相手が一気に強化されたが、勢いで突破するか。今回もっとも熱い視線を集める。
イーグルカザンは転入初戦で赤松杯を圧勝。2着アントニオピサに6馬身差をつけて重賞タイトルを獲得した。その後は4着止まりだったが、岩鷲賞で2着に肉薄3着。再上昇は確実。
オメガスパーキングは強烈な差し脚が武器。B1からの挑戦だが、昨年のあすなろ賞2着と格負けなし。流れ速くなれば2キロのアドバンテージも生かして直線台頭。
◎①メイショウオセアン
〇⑥アントニオピサ
▲⑧コスモジョイジョイ
△⑦イーグルカザン
△②オメガスパーキング
<お奨めの1頭>
9R レイズアスマイル
目下2連勝中。苦手水沢を克服し、ベストの1200m戦を完勝。負担重量が据え置きなら中心不動
★関本淳騎手が地方通算2000勝を達成
7月23日の盛岡第3レースでハンサムボーイ号に騎乗した関本淳騎手が優勝。これが地方通算2000勝達成となりました。
関本淳騎手は上山競馬でデビューして2004年から岩手競馬に移籍。デビューから35年目での偉業達成となりました。
★オッズパークLOTO 5重勝/7月24日(対象8R~12R)
買い目:1,4→7→4、5→7,8→2,3
8R/評価A: 1番 評価B: 4番 穴:11番
9R/評価A: 7番 評価B: 8番 穴: 9番
10R/評価A: 4番 評価B: 5番、 6番 穴: 3番
11R/評価A: 8番 評価B: 7番 穴:10番
12R/評価A: 2番 評価B: 3番 穴:1番
昨日に続いてメイセイオペラデーの話。当日は「マーキュリーカップ」と「ジャパンジョッキーズカップ」のダブルメイン。チームJRA、チームEAST(地方・東日本)、チームWEST(地方・西日本)の対抗戦となって今回で3回目。
馬と人が争うのに対し、チームの合計ポイントで争うスタイルは、イギリス・アスコット競馬場で行われる「シャーガーカップ」を範に取ったもの。
各ジョッキーは緊張感の中に、和気あいあいとした雰囲気が漂っているのもチームマッチならでは。騎手もファンもお祭りを楽しんでいた。
優勝したのはチームEAST。特に3戦目は1着・桑村真明(北海道)、2着・矢野貴之(大井)、3着・藤田弘治(金沢)と1、2、3フィニッシュを決め、賞金100万円を獲得。個人(優秀騎手賞)もチームEASTの矢野貴之騎手(大井)が優勝した。
チームEASTキャプテン・山本聡哉騎手「3戦目(騎乗馬なし)は何もしませんでしたが、メンバーに賞金の話をしたら俄然、みんなが頑張ってくれました」
一方、矢野貴之騎手「未勝利だったので偉そうなことを言えませんが、3戦(3、5、2着)ともうまくまとめることができました。未勝利で優勝もボクらしいと思います。
毎年、副賞の豚1頭はファンにプレゼントする習わしなのは噂で聞いています。賞金をいただけただけで満足です。
盛岡はいつもいい思いをさせてもらっていますし、乗りやすくて好きなコース。
これからもこのようなレースに選ばれるためにも頑張りたいと思います」
23日メインはB1級「レインボーカップ」(盛岡芝1600m)。主軸はロケットボールで異論がないだろう。
昨年10月、秋嶺賞4着後、脚部不安のために休養したが、復帰戦を快勝。続いてJRA条件交流を3着にまとめ、一度7着をはさんで前哨戦・レインボーカップ・ターフチャレンジを快勝。スローの流れをはねのけ、地力を誇示した。
昨年、レインボーカップ優勝から重賞・桂樹杯3着。オープンでも勝ち負けを考えればB1では相手有利は明らか。
ウインミラージュは前走、ロケットボールのクビ差2着。絶妙のペースで逃げたが、惜しくも勝利を手にすることができなかった。
しかし、それ以前の成績を考えれば大健闘。芝で反応が一変した。前哨戦が芝1700mに対し、今度は1600mへ短縮。距離が100mでも短くなるのは好材料だろう。大外を引いたが、スンナリ先手なら再び粘りを発揮。
2頭をまとめて負かすとすればディクタム。3ヵ月半ぶりの実戦だが、乗り込み万全。姉が桜花賞馬ラインクラフト。中央未勝利ながら函館芝1800mで2着2回。走る素地は十分ある。
フィールザオーロラは徐々に調子を上げて水沢1600m2着。適性は間違いなく芝にあり、流れに乗れれば連対あるかも。
ラブミーリルはジューンカップ大敗直後だが、気配落ちなし。それ以前の芝で2、1着。芝ならマーク欠かせない。
ニーマルキングは前走、離された4着だったが、中央芝2勝。格が不気味。
◎④ロケットボール
〇⑫ウインミラージュ
▲①ディクタム
△⑨フィールザオーロラ
△⑦ラブミーリル
△③ニーマルキング
<お奨めの1頭>
4R マタンギ
名古屋B級から移籍初戦を0秒8差で圧勝。C2では地力の違いが明白。距離延長も問題ない
先週17日、盛岡ダート2000mを舞台にJpnIII「メイセイオペラ記念 第21回マーキュリーカップ」が行われ、ミツバが3頭の叩き合いを制して初重賞を手にした。
逃げたのは予想どおりドリームキラリ。2番手外にクリノスターオー、3番手外にディアデルレイ、内にピオネロがつけ、ミツバは1頭置いて6番手外を追走した。
勝負どころでミツバは反応ひと息だったが、直線を向いて外から鋭伸。直線入り口でクリノスターオーが先頭に立ったが、ドリームキラリとの間をピオネロが割って抜け出し、3頭がそのままゴールに入ったが、外ミツバがピオネロの追撃をクビ差封じた。
ミツバは昨年亡くなったカネヒキリ産駒。500万下脱出するまで時間がかかったが、ここ2年で急成長。昨年6月からでも5勝をマークし、奥手が素質を開花させた。
特にダート2000m以上は今回を含めて6戦4勝。まさに典型的なステイヤーに出世した。ダートホースにしては460キロ台と小柄だが、これも長距離向きの裏付け。
加用正調教師「まずは一休みして秋には大きいところへ向かいたい」とコメント。2000mでどんな活躍するか、楽しみな1頭が出現した。
22日メインはB1二組「震災復興 子ども達に夢と笑顔を」(盛岡ダート1600m)。岩手初戦を2着にまとめたミュークロールに勝機到来と見る。
ミュークロールは父ゴールドアリュール、母父エンパイアメーカー。牝馬ながら500キロを優に超す好馬体を父母から受け継いだ。
中央デビューで未勝利ながらダート1800mで3着2回。その後、園田へ移籍して5戦3勝から再び中央入り。500万下で6着最高で岩手へ新天地を求めてきた。
初戦はマツリダインゴットに逃げ切られたが、0秒1差2着。捕え切れなかったあたりに未勝利の理由が垣間見えたが、まずは上々の滑り出し。順当に白星を手にする。
ヒロノエンペラーは中央ダート2勝、南関東1勝・C1から転入。2戦4着から2着を確保し、4戦目の盛岡ダ1600m戦を完勝した。
前走は2秒4差4着と離された入線だったが、勝ったヴィグラスムーヴが強かったし、水沢回りは反応がひと息。あまり器用なタイプではない。
しかし今度は前々走で完勝した盛岡マイルが舞台。コース広くコーナー2つなら自信の能力を発揮。巻き返し必至と見るべき。
メテオライトは中央1000万下から転入2戦目、重賞・みちのく大賞典で2着。未勝利ながら2着6回と抜群の安定感を披露した。
ところが秋に入って急ブレーキ。最高5着止まりと完全にスランプ状態となり、今シーズンも尾を引いていたが、徐々に復調ムード。そろそろ格上復活のシーンありそう。
トーホクアローはウマノジョーの兄(全兄弟)。大舞台でも何度も着を拾っているが、追い込み馬ゆえ弱い相手でも勝ち切れないのが最大ネック。現状はハイペース条件。
あとは折り合いついた際のノンシュガー、スンナリの流れで距離克服フジノピューマ押さえ。
◎⑦ミュークロール
〇①ヒロノエンペラー
▲④メテオライト
△⑧トーホクアロー
△②ノンシュガー
△⑥フジノピューマ
<お奨めの1頭>
3R アドマイヤテンホウ
盛岡に替わってマクリさく裂。骨折で休養していた齋藤雄一騎手に、復帰戦勝利をプレゼントした。もう一丁いける