25日メインは「第41回ウイナーカップ」。カテゴリーは3歳。水沢1400mを舞台に行われ、岩手版・残念ダービー。
重賞に昇格したのは2012年。盛岡芝から水沢1400mへ舞台が替わったのが2009年で1番人気ダンストンジール、10年も1番人気ダークライが優勝した。そして1年のブランクから重賞となったが、過去5年で1番人気で優勝したのは一昨年(2015年)のスペクトル1頭のみ。
ほかはすべて1番人気が吹っ飛び、高配当が続出した。昨年も1着・チャイヨー(2番人気)→2着・リュウノファンタジ(5番人気)→3着・スクリーンハッピー(9番人気)と入線し、3連単7万3200円。1番人気トドイワガーデンは5着に沈んだ。
参考までに15年以前の3連単は2850円、14年10万1560円、13年27万4610円、12年22万5320円だった。果たして今年も大波乱となるか、本命サイドで決着するか。
中心はオールザベスト。北海道2勝2着6回から鳴り物入りで転入。初戦を快勝し、2戦目・寒菊賞はベンテンコゾウの2着。そして3戦目・金杯を圧勝し、待望のタイトルを獲得した。
今季は奥州弥生賞から始動。ベンテンコゾウにはかなわなかったが、2着確保。スプリングカップは1番人気3着に終わったが、調子も若干落ちた印象だった。
続いて盛岡1800m・やまびこ賞へ駒を進めたが、2番手から失速8着。初の左回りに手こずって終始、外へモタれっ放し。距離も長かったようで以降の盛岡開催をスキップ。ウイナーカップに照準を合わせて調整を進めてきた。
櫻田康二調教師「血統的にも1600mまでがベストかもしれません。2ヵ月ほどレース間隔は開きましたが、ずっと乗り込んできたので状態は問題なし。一杯に追って万全の態勢で臨みます」
父スペイツタウンの代表産駒は今年のユニコーンステークス、2歳時に全日本2歳優駿、エーデルワイス賞を制したリエノテソーロ、クラスターカップを優勝したドスライス。やはりオールザベストはスピード色が強いと見ていいだろう。
相手に迷ったが、筆頭はグラマシー。中央未勝利から名古屋へ移籍後、5戦4勝3着1回の成績で牝馬交流・留守杯日高賞へ参戦。ダンストンレガーメに屈したが、積極的にレースを作って見せ場十分。負けて強しのクビ差2着だった。
その後、岩手へ転入して初戦を快勝。岩手ダービーダイヤモンドカップへ挑戦したが、後方のまま10着。まったく「らしさ」を出せずに終わった。敗因は自分の競馬ができなかったことに尽き、コース替わりと距離短縮で巻き返しに期待する。
ブラックロードは南関東2勝から転入。2戦着外に沈んだが、芝2400m重賞・サファイア賞を逃げ切り快勝。待望の重賞タイトルを手にした。
今度は1400mが舞台だが、初勝利を大井1400mでマークなら問題なし。先行馬が多く、今回に限れば揉まれない外枠はプラスに作用するはず。
ミスターシーバスはムラな面があり、アテにできないタイプだが、芝・はまなす賞、サファイア賞は展開も向かなかった。水沢に戻って反撃に転じる。
ヤコウレッシャは通算4勝のうち2勝が1400m戦。適条件は見逃せない。あとは気分良く逃げた時のニードアフレンドを警戒。
◎③オールザベスト
〇②グラマシー
▲⑩ブラックロード
△④ミスターシーバス
△①ヤコウレッシャ
△⑧ニードアフレンド
<お奨めの1頭>
7R スターマイボーイ
転入初戦をアッサリ逃げ切って圧勝。ここも単騎逃げが打てるメンバー構成で2連勝濃厚
先週18日、古馬伝統の「第45回一條記念 みちのく大賞典」はエンパイアペガサスが完勝。単勝1・4倍の圧倒的1番人気に応え、2着アントニオピサに2馬身半差。マーキュリーカップの切符を手に入れた。
道中は逃げたアントニオピサの2番手をピッタリ追走。4角手前で先頭に立ち、横綱相撲でみちのく王の座に就いた。
村上忍騎手「アントニオピサの逃げをマークする形はイメージどおり。今回は小回り水沢ですから3コーナーからスパートをかけたら、手応えがすばらしかった。4コーナーで勝利を確信しました。
前回・あすなろ賞は反応ひと息でしたが、ひと叩きされて変わり身を見せてくれた。マーキュリーカップではさらにいい状態で臨めると思います」
佐藤祐司調教師「今回は輸送もなかったので体重が増えていたが、あすなろ賞より数段上の状態で臨めました。マーキュリーカップ挑戦は時期尚早かもしれないが、現時点でどこまでやれるかを試してみたいと思っています」
マーキュリーカップ(JpnIII)は7月17日。今年から「メイセイオペラ記念 マーキュリーカップ」と名称変更となったが、メイセイオペラが初グレードを獲得したのが同レースで4歳夏。エンパイアペガサスの挑戦が楽しみだ。
24日メインはB2特別「ジューンカップ」。水沢2000mがカギを握る一戦となる。
テンエイヒーローは金沢7勝、南関東5勝・B3から転入。最下級C2編入に恵まれて初戦快勝、2戦2着から目下2連勝中。B2もアッサリ突破した。
距離経験は1800mまでだが、船橋1700m1勝、船橋1800m4着なら大丈夫。血統的にも父ステイゴールド、母父ブライアンズタイムならむしろ望むところ。直線豪快に突き抜ける。
リオサリナスは相手なりに駆ける堅実さが身上。今シーズンも前走4着以外はすべて馬券対象。B1でも勝ち負けを演じている。
課題は勝ち味の遅さだが、それを相殺するのが2000m延長。いい脚を長く使えるのが武器となるはず。
この2頭をまとめて負かすとすればシーセクション。中央未勝利、佐賀7勝・C1から転入。当初はクラスがきつく着外の連続だったが、移籍7戦目に岩手初勝利をあげると2着1回から2連勝。目を見張る成長力を披露した。
直後に脚部不安が発生して8ヵ月半のリタイアが痛かったが、今年5月末に復帰。2戦3着から今回のジューンカップに挑戦する。
持ち味は先行力と粘り。距離経験ないが、スロー確実の2000mは間違いなく向きそう。自分の競馬に徹し、特別制覇に意欲満々。
ディープチルも軽視できない。成績安定しないのは追い込み馬の宿命だが、ここ2戦2、1着にまとめて上昇一途。2000mを意識して長めに乗り込まれ、ロングスパートを決めるか。
トウショウマナーズは中央1勝、金沢A級から1年8ヵ月の長期休養を経て転入。2戦目を豪快なまくりで快勝した。前走9着が物足りないが、出遅れもこたえたか。巻き返し一考。
シンボリダムールは笠松C級からの転入だが、3着1回を盛岡ダート1800mでマーク。距離が合うかも。
◎⑧テンエイヒーロー
〇⑥リオサリナス
▲④シーセクション
△⑩ディープチル
△⑨トウショウマナーズ
△②シンボリダムール
<お奨めの1頭>
8R レオチェックメイト
前走、鮮やかなマクリを決めて完勝。走破タイムも文句なしだった。水沢に替わっても信頼の主軸
★重賞・一條記念みちのく大賞典/エンパイアペガサスが優勝
岩手競馬の伝統の一戦『一條記念みちのく大賞典』は1番人気エンパイアペガサスが優勝。第45代目の"みちのくの王者"の座に就きました。
今回もアントニオピサが逃げ、エンパイアペガサスが二番手につけるというあすなろ賞同様の展開。スローペースの中での2000m戦となり、先行二騎の並び、そして直後で追う数頭の隊列もそのままに勝負所にさしかかり、あすなろ賞のようなゴール直前までの叩き合いも想像されましたが、今回は早めに交わして突き放しにかかったエンパイアペガサスが危なげなくリードを拡げて快勝。改めて岩手の古馬で最強をアピールしました。
★オッズパークLOTO 5重勝/6月19日(対象8R~12R)
買い目:3,7→2,8→1、9→3,4→4
8R/評価A: 3番 評価B: 7番、10番
9R/評価A: 2番、 8番 評価B: 6番 穴:1番
10R/評価A: 9番、 1番 評価B: 2番 穴:10番
11R/評価A: 3番 評価B: 4番、 5番 穴:6番
12R/評価A: 4番 評価B: 1番、 5番 穴:10番
18日メインは「第45回一條記念 みちのく大賞典」。この一條記念とは岩手の偉大なホースマン・一條牧夫、友吉親子に敬意を表して冠名となった。
一條牧夫氏は駒場農学校(現・東大農学部)の第一回生(明治10年)。最大の功労は日本の馬匹改良に貢献したこと。明治維新以降、富国強兵のもと、海外に比べて小柄だった在来種にアングロノルマン種、ハクニー種などを掛け合わせて大型化に務めた。
一方、友吉氏は当時、ヨーロッパ偏重だった生産界にアメリカの血を日本へ導入。その輸入牝馬から数々の優駿が誕生。その基礎を作った。
それだけではない。旧盛岡競馬場(緑ヶ丘)の創設にも関わり、盛岡競馬の発展に寄与した。
あくまでも想像の域を出ないが、緑ヶ丘時代の盛岡競馬場の向う正面は3コーナーまで長い上り坂があった。地形を生かしたとも言われるが、坂路が競走馬を鍛えるのに必要―と友吉氏が設計段階で進言したに違いない。
スイフトセイダイ、グレートホープ、トウケイニセイなど岩手競馬史に残る強豪が誕生したのは、決して偶然ではない。坂路によって彼らはさらに鍛えられた。その遺伝子は今のOROパークの坂にも受け継がれている。
今年のみちのく大賞典は水沢2000mが舞台。もちろんテーマはポスト・ナムラタイタンだが、最も至近距離にいるのがエンパイアペガサス。
履歴は語らなくていいだろう。報知グランプリカップ(船橋)を優勝後、一旦放牧に出て岩手へ里帰り。3ヵ月半の休養後、予定どおり重賞・あすなろ賞へ出走。圧倒的1番人気に支持された。
しかしスローで逃げたアントニオピサを捕えるのに手こずり、ゴール寸前でクビ差交わした。この内容をどう評価するか。
物足りないと思う向きもあるだろうが、久々でもキッチリ勝つのが底力と解釈。エンパイアメーカー産駒の大型馬がひと叩きされて今度こそ圧倒的な強さを披露してほしい。
アントニオピサは昨年転入後、2勝2着5回。その5回ともすべて重賞が舞台。距離の長短を問わずコンスタントに結果を出してきた。
ただ、ワンペースのため切れる脚がないのが勝ち切れないところ。シアンモア記念5着はスタートで後手を踏んだもので基準外。2000mの長丁場を味方に逆転を狙う。
ブラックサンダーは南関東B1から転入。初戦は落馬のアクシデントがあったが、シアンモア記念で内を突いて0秒1差3着。そしてメンバーが甘くなった前回を完勝した。
今回は鞍上に吉原寛人騎手を指名。9歳だが、一戦ごとに良化気配が顕著ならアッサリあっても不思議はない。
プリムラブルガリスは中央芝5勝。移籍当初は力の要るダートが不安だったが、初戦を快勝。2戦目・シアンモア記念はユッコの2着。惜しくも重賞制覇はならなかった。
その後はみちのく大賞典までじっくり待機。距離経験が1600mまでだったが、岩手初戦で1800mを完勝なら2000mも大丈夫。
コミュニティはナムラタイタンに戦いを挑み続け、3年前の桐花賞を優勝。また水沢2000mで行われた一昨年のみちのく大賞典を10馬身差で圧勝した。今季は2着止まりだが、ベストの舞台で巻き返しを狙う。
◎⑦エンパイアペガサス
〇④アントニオピサ
▲⑧ブラックサンダー
△⑤プリムラブルガリス
△③コミュニティ
<お奨めの1頭>
6R マストワン
岩手転入後、3戦2勝2着1回。2勝はいずれも破格のタイムだった。水沢1300mもすでに経験済み。ここもフリーパス
先週から水沢競馬がスタート。我々はもちろんのこと、ジョッキーたちも手探りだったと思うが、先行有利の傾向が強かった。
開催替わり初日6月10日は逃げた馬が9勝2着1回(全11R)、11日は6勝2着1回(全12R)、12日は6勝(全12R)。
特に10日は逃げ切りの連続だったため、11日はハイペースの流れが多かったが、それでも6勝。同じく12日も同様に追い込みが決まるケースもあったが、逃げ馬の勝率5割は強烈。また差しで決まったレースでも内で我慢した馬が活躍した。
以上が前半3日間(10日~12日)の傾向だったが、今週はどうなるか。実際に走ってみないと分からない―が正直なところだが、いち早く傾向をつかむのが勝利への道。
17日(土)第1Rは絶対的な本命ワタシヲミテネがいるのでデータ圏外だが、第2Rは手頃なメンバー構成。この結果が一日の傾向につながるはずだから、しっかりチェックしてほしい。
メイン10RはC1「焼石岳賞」(水沢1600m)。先行馬はノリノリハッピーとセイユニコーンの2頭。展開からもセイユニコーンの主軸視が妥当だろう。
中央1勝2着2回、南関東C1から転入。格付けにも恵まれて6戦4勝。特に前走は2着に7馬身差の大差をつけて圧勝した。
ただ、不安がない訳ではない。2度の敗戦は気難しさをのぞかせたから。ゲートに課題を抱えているため、内枠がちょっと微妙。スタート決めれば何も問題ないが、逆に出遅れて包まれた際にどうなるか。好枠、先行馬の有利さを生かせるなら連勝濃厚。まずは発馬に注目。
アクティブボスはムラなタイプ。父バゴ、母父プリサイスエンドの血統からもうかがい知れるが、好、凡走の落差が激しい。
しかし今季はB1からC2へ降格。メンバーも大幅に甘くなって3勝2着2回。C1でも2連勝を飾り、前走・SJTシルバーサドル賞も4馬身差で完勝した。
差しタイプゆえ流れが速くなってくれた方がいいが、集中力を切らさなければ自力で切り開けるのが持ち味。逆転3連勝も十分。
ホクレアネイチャーは前走競走除外。球節が腫れたため無理をしなかったが、大事にならなかったのが幸い。快調な追い切りを消化して意欲満々。2頭に割って入るシーンまで。
レディアントデイズは現在C1在籍だが、芝を求めてB2へ挑戦。2戦連続で3着を確保した。勝負どころ置かれるのが痛いが、直線で確実に台頭。3走前に水沢1600mを勝っており、再現を狙う。
トーホクフェアリーはB2から降格した前走3着。上昇ムードに乗っている。詰めの甘さがつきまとうが、有力馬がもたつけば台頭あり。
プラウドワンダーは目下2連勝と絶好調。自慢のマクリ脚が冴え渡っている。実績の低い水沢1600m戦で評価を下げたが、今の勢いは見逃せない。
◎②セイユニコーン
〇⑪アクティブボス
▲③ホクレアネイチャー
△⑫レディアントデイズ
△⑩トーホクフェアリー
△①プラウドワンダー
<お奨めの1頭>
1R ワタシヲミテネ
転入初戦を2着にまとめ、上々の滑り出し。小柄な牝馬だが、前走タイムがここでは抜けている。順当に勝機をモノにする