水沢競馬場にはいよいよ本格的な冬が到来しました。ここ記者席から見る競馬場にはあちこちに白い雪がつもり、いかにも“冬っ!”という雰囲気になってきました。
気になるコース状態ですが、昨日はびしゃびしゃの田んぼになっていましたが、今日はずいぶん回復して水が浮いているところも減ってきました。明日はさらに良化すると思われます。しかしタイムが速い状態は相変わらず。高速決着についてこれない馬は人気でも消えていますので、馬券検討の際はご注意ください。
買い目は3番テンショウボスから9番ボスアミーゴが本線。できれば6番コスモダークを含めてBOXで。この3頭を中心に2番5番を追加して、少し手広く狙いましょう。この条件が絶対的に得意というタイプはいませんから、ヒモ荒れ・裏目も逃さず。
◇お奨めこの一頭
5R:タイガーマスク
当たり前すぎて申し訳ないが、ここはこの馬の勝ち方を見るレース。
24日(土)第6レース(発走13時20分)に“ハートマーク”トレジャースマイルが出走します。キャリア豊富なメンバーに加え、デビュー戦850mから1300mへ距離が一気延長されるなど厳しい条件がそろっていますが、前回5着より上の着順を期待したいところ。応援をよろしくお願いします。
メインはA1級二組によるエクセレント競走、10頭立て。このレースは日高軽種馬農協が協賛シリーズ第3弾、優勝馬主にはアドマイヤボスの配合権利が与えられる。
トーホウライデンを主軸視するのが妥当だろう。シーズン当初は馬体重が大幅に減り、レースでもやや精彩を欠いていたが、馬体回復とともに復調急。6月から浦和交流戦を含めて圧巻の4連勝をマークした。
(トーホウライデン 写真・佐藤到)
その勢いを駆ってマイル特別・すずらん賞へ駒を進め、1枠を引き当てたこともあって積極的に先行。コスモスパーブに直線で交わされたが2着を確保してオープンでも通用のメドが十分に立った。続くA1級では出遅れが響いて6着に沈んだが、1000万レース・オッズパークグランプリへも挑戦した。
しかし笠松のミツアキタービン、岩手一線級テンショウボス、サイレントエクセルなど一流馬がそろった上、驚異のレコード決着ではさすがに一たまりもなく1・5秒差の7着に敗れた。とは言え、いかに軽い馬場だったにせよ水沢1600mで1分40秒ジャストをマークできる馬はそうそういない。正直、ピーク時に比べると迫力が薄れてしまった印象は否定できないが、今回は明らかに恵まれた組み合わせとなった。
メタモルキングの毎回好走には本当に頭が下がる。前回も3番手をキープし、直線でも粘り強さを発揮。サンシャインヘイロの豪脚が久々に唸って大外強襲に屈したが、それでも2着を死守し、自身の連続連対を6に伸ばした。これで今季<4.8.2.0>。次第にメンバーが強化されながらも、年間を通して崩れない安定度は賞賛に値する。
ミサキノハンターは今季未勝利どころか4着が最高と昨年の勢いが影を潜めてしまった。しかし調子そのものは決して悪い訳ではなく、このメンバー相手ならアッサリあって不思議なし。しかも水沢1600mを最も得意とするだけに、成績度外視で狙ってみたくなる。
ドントコイタカトモは目下2連勝と好調サイクルをキープ。今回からA1戦へ復帰するが、先行して二の脚を駆使する得意技に持ち込む。以上4頭の争いと見るが、もつれた際にチュードサンデーが浮上のシーンがあるかも。
◎ ?トーホウライデン
○ ?メタモルキング
▲ ?ミサキノハンター
△ ?ドントコイタカトモ
△ ?チュードサンデー
3連単は1、5の1、2着折り返しから7、10へ
馬複は1−5、1−7、1−10、5−7
<お奨めの1頭>
7レース ステキナリング
連勝は4でストップしたが、タイム差なし2着に惜敗。この安定感が最大の武器となる
今週の日曜日、南部駒賞のレースが終わって水沢競馬場の記者席にいた私に、盛岡からメールが届きました。
「いま雪降ってる。」
…!! 来ました〜この季節。そうこうしているうちに水沢でも雪が舞い始め、帰りの高速でもチラホラ。幸い『テシオ』の社用車は既にスタッドレスタイヤに交換してあったし、盛岡に着いてもまだ積雪とまではいっていなかったので全く焦る場面はありませんでしたが、いよいよ覚悟しなければならない時期になりました。私は冬という季節が大好きなのであまり冬をしんどく感じることはないのですが、やはりいろいろと支障をきたしますからねぇ。交通渋滞とか、水道管の凍結とか…もちろん競馬開催への影響も大きいです。
明くる月曜朝起きてみると、初雪にしてはこれがなかなかの積雪で場所によっては数cmほど積もっていました。この日は自車で水沢へ向かいながらふとラジオをつけてみると、東北自動車道は水沢の南で通行止めとのこと。水沢はそんなに降っているのか?と思わず岩手競馬テレホンサービスに確認してしまいました。結果、レースは通常通り行われたのですが、これからは時々こんな心配をしなければならなくなりますね。そういえば、通常行われている勝馬投票券の前日発売ですが、天候不良による開催中止の可能性を考えて、今シーズンはもうやらないそうです。ご利用のみなさまはお気を付けくださいませ。
さてそんな水沢競馬場。月曜日の雪景色をパノラマ写真風に撮ってみました。困りものとはいえ、やっぱりいいですね雪景色は。特に遠くの山にさらっと積もった雪が太陽の光に輝いているあたりがきれいです。これからどんどん雪が多くなると思いますが、やはり冬はこうでなくては。去年のような暖冬だと、地球が暖かくなってるんじゃないかと心配になりますしね。
ところで、この写真。5枚の写真を横につないで合成しています。合成には某社の画像結合ソフトを使ってみましたが、いやいや、きれいに繋がるもんですね。歪みが少ないレンズで水平にパンして撮影するという、いちばん繋ぎやすい条件とはいえ、つなぎ目がまったく見えないじゃないですか。昔、アナログ銀塩写真の時代はプリントした写真を重ねてカッターで切り、切り口を黒く塗って…と相当苦労したことが、今では画像を選択して実行ボタンをクリックするだけとは!
って、こんなこと言ってるとオジサンになっちゃいますよね。ある写真家はカメラを上下左右にズレの無いように振る装置を開発し、縦横にたくさんの画像を合成して作品をつくっています。(1作品が10ギガとかになるそうです)新しいことをいちはやく取り入れる能力は見習わねばなりません。
パノラマ結合ソフトはデジカメを買うとオマケで付いてきたり、ネット上でフリー配布されているものもありますよ。興味を持った方は試してみては。
(文/写真・佐藤 到)
23日メインはA2級馬による短距離特別「第8回白神賞」(水沢1400m)、10頭立て。好調馬がそろったが、ウエスタンフォルスを主軸に指名する。
近3走2、5、2着と足踏み状態が続くが、前々走5着は守備範囲を越えた1800mの距離に泣いたもの。また前走はエアルーアのクビ差2着に敗れたが、これも1600m戦で最後の踏ん張りが足りなかったため。
しかし今回は最も得意とする1400mが舞台。過去、同距離は8戦6勝2着1回。唯一の着外11着は今年1月、浦和遠征した条件交流戦で、この時は長距離輸送、初コースなどのハンデが重なったもので仕方なしの結果。それ以外ではすべて連対を果たし、水沢1400mも信頼のコース。しかも当日は雨、もしくは雪の影響で軽い馬場が予想され、そうなればウエスタンフォルスに願ったりかなったりの条件となるはずだ。
逆転首位まで十分なのがエアルーアだろう。中央9戦0勝ながら着外が一度もない上、2着2回3着2回。勝てないのが不思議なぐらい常に上位に食い込み、2ヶ月ぶりの実戦をモノともせず岩手転入初戦をアッサリ快勝。中央で毎回勝ち負けを演じてきた実績はダテではなかった。
レースぶりも好位キープからあっさり直線抜け出しを決め、非常にスマート。距離短縮も中央ダート1000m戦で2、4着にまとめており、まったく不安材料にはならない。しかも今回はハイペース模様が必至で自在性に富んだ脚質も魅力となる。
トウショウグローズは控える競馬もこなすが、理想はやはり逃げ。8枠はちょっと微妙だが、1600mでも我慢できるし、1400m戦は通算10勝(水沢1400mは3戦1勝2着2回)と自信の距離。
ヤマトスピリットも引き続き好気配を保っている。今季<4.5.1.1>の成績がそれを裏付けており、前回もラストで鋭く伸びてタイム差なし2着にまとめた。ただ、今回は1400mがネック。道中でややもたつくケースが多く、マイル以上で本領を発揮するタイプだけに直線シャープに伸びてきても届かない可能性もある。その点で若干割り引いた。
他にも水沢コースを主戦場に活躍トーホウドンファン、前回3着でダートでも通用を証明サイレントステージなど伏兵も散在する一戦となった。
◎ ?ウエスタンフォルス
○ ?エアルーア
▲ ?トウショウグローズ
△ ?ヤマトスピリット
△ ?トーホウドンファン
△ ?サイレントステージ
3連単は5、1の1、2着折り返しから8、2、6、10へ流し
馬複は1−5、5−8、2−5、5−6、5−10
<お奨めの1頭>
3レース フサイチギンガ
岩手期待の星が幾多の試行錯誤を乗り越え、ついにデビューする。左側にだけあるブリンカーが苦労の一端で陣営の努力に敬意を払いたい。まずは無事に走り、初陣を飾ることを祈るのみ
11月18日 社台SS協賛・フジキセキ賞「第35回南部駒賞」(2歳・地方競馬全国交流 水沢1600m)
(南部駒賞ゴール 写真・佐藤到)
1着 トーホウノゾミ
バトルアイが逃げ2番手にテンショウベスト、その外にジェベルロバーツ。トーホウノゾミは終始4番手インをキープし、道中の手応えも申し分なし。バトルアイが向正面で失速、替わってテンショウベストが先頭に立つと各馬がスパート。
ジェベルロバーツの手応えが怪しくなって3コーナーで一杯となったところ、トーホウノゾミは外に出そうとしたが、若干前が詰まったため内で再度我慢。4コーナーではテンショウベストの外に持ち出して内テンショウベスト、中トーホウノゾミ、外から強襲ライトオブマリアの叩き合いとなったが、クビ差制して快勝。待望のビッグタイトルを手に入れた。
「テン乗りだったが、非常に乗りやすい馬だったし、1枠も幸いした。道中は前の2頭(テンショウベスト、ジェベルロバーツ)を交わせれば勝てると思って乗ったが、直線でいい脚を使ってくれた。自分自身、久々の重賞制覇なのでとても嬉しい」と沢田騎手。
トーホウノゾミはトーホウエンペラーの2年目産駒。芝では振るわなかったが、ダートに替わって徐々に頭角。4走前の特別・りんどう賞で2着に入り高配当を演出し、続くプリンセスカップは3着に敗れたが、牝馬限定の前回・水沢1400m戦を快勝して今回に臨んだ。岩手が生んだG?ホース、トーホウエンペラーは産駒二世代目で初重賞制覇を誕生させた。
2着 ライトオブマリア
前半は無理をせず7番手を追走。向正面からジワジワとスパートをかけて先陣に接近。4コーナーで外に持ち出したときには勝てそうな勢いだったが、インから伸びられてしまっては仕方なし。
「いいスタートを切れた。1、2コーナーでごちゃついたが、馬はリラックスしていたので心配なかった。テン乗りだったので慎重にならざるを得なかったが、思い切って攻めていけば着順が換わったかも。乗った感触ではもっと距離が長くてもいいでは」と山口竜一騎手。
これまでの2歳戦線は総じてハイペース傾向が強かったが、今回は戦前から落ち着いた流れが予想され、追い込みタイプのライトオブマリアには向かない見方もあった。しかし山口騎手はそれを見込んで道中は離されずに3コーナー手前からスパート。さすがハイレベル北海道で揉まれてきただけあり、反応鋭く伸びてきた。エーデルワイス賞12番人気4着をどう評価するか難しかったが、今回の結果は地区レベルと見るべきだろう。
3着 テンショウベスト
前回は出遅れを喫したが、今回は好ダッシュを決めてバトルアイの2番手を追走。3コーナーでバトルアイが失速して早め先頭に立ち、あとはそのまま緩めずセーフティリードを取り脚色も衰えなかったが、ゴール寸前で内と外から交わされて3着。
「1ハロン勝負でこれまで負けていたので、早めスパートをかけた。結果、負けたけれど内容には納得」の村松騎手のコメントどおり、持ち味を出し切って3着なら仕方なし。
4着 シュロ
若干出負けして若干前が詰まったため6番手を追走。「向正面で外に出したらガーッと行ってしまった」(阿部騎手)が、最後まで気力は衰えず4着に入線した。「この馬はまだまだ強くなります」と阿部騎手。
11着 ジェベルロバーツ
圧倒的な1番人気に支持され、3番手外の理想的な展開に持ち込んだと思ったが、3コーナーで早くも手応えが怪しくなって失速11着。これまでのレースぶりからは考えられないような大敗。中間の調教も順調そのものだったが、初の水沢1600m(前2走は1600m、1700mだったが、芝が舞台)が響いたか、一息入れたローテーションが裏目に出たのか…。これまで連対パーフェクトと抜群の安定感を誇っていたが、その片りんすら窺えなかった。