14日(日)メイン10レースはオープン馬による芝2400m戦「第1回パンジー賞」、9頭立て。10月28日に同じ条件下で実施する地方競馬全国交流・第1回きんもくせい賞があり、このレースで岩手代表がほぼ決定する。
(せきれい賞ゴール 1着・サイレントグリーン 写真・佐藤到)
カギを握るのは芝適性プラス、距離適性。この両方を兼ね備えているのがサイレントグリーンだ。盛岡芝2400m<6.1.1.0>。04年のかきつばた賞、重賞・せきれい賞を皮切りに両レースを3度制覇。昨年はジェーピーバトルの台頭と自身の体調もひと息だったため3、2着に終わったが、他はすべて芝2400m戦を勝っている。逆に忙しい競馬となる芝1600m、芝1700mが未勝利。つまり、盛岡芝2400mのスペシャリストがサイレントグリーンなのである。
今季もかきつばた賞を2着マルタカキラリーに6馬身差、またせきれい賞はコスモダークに2馬身半差と完勝。過去データからはほとんど死角は見当たらない。このパンジー賞はサイレントグリーンのために新設されたといっても過言ではない。
軸は確定。相手捜しが焦点となるが、コスモダークが一番手にふさわしい。4走前、川崎代表で重賞・せきれい賞に参戦。当時、南関東A2以下で凡走を繰り返していたため、8番人気と低評価だったが、中団キープから直線グイグイ伸びて2着を確保。高配当の主役を演じた。
そのレース内容を見て盛岡芝が合うと判断。ちょうど南関東では頭打ちの印象で、9月に岩手転入した。初戦はジュリアの2着に食い込み、前回は後方から差を詰めて5着。ダートでもマズマズの成績を残し、今度は待ちに待った「芝」レースを迎えた。
マツリダワルツは3歳重賞・不来方賞で2着など牝馬ながら世代?2の存在。ダービーグランプリはセイントセーリング相手に積極的なレース運びを見せて勝ちに行ったが、その分、終いが甘くなって4着。しかし敗れて尚強しをアピールし、前回の芝2400mの3歳特別・サファイア賞では貫禄の違いを見せつけて完勝した。
元々、芝適性の高さには定評があったが、一つだけ気になるところは走破タイム2分34秒4が平凡。かきつばた賞の優勝タイムが2分30秒5、せきれい賞2分32秒6。どちらもサイレントグリーンのタイムだが、せきれい賞と比較しても1・8秒も違うことになる。競馬は生き物ゆえタイムだけでは語れないが、マツリダワルツがどこまで自己タイムを短縮できるか。それを考えて▲評価とした。
ハルサンヒコは激しい雨が降る中で行われたダービーグランプリを圧勝。悲願の重賞タイトルをついに手中にした。ラスト1000mからペースが一気に速くなり、いかにもハルサンヒコ向きの流れになったとは言え、4馬身差は見事。弾みがついたのは誰の目にも明らかだ。芝は認定競走(1000m)を2度使って10、5着と実績はないが、当時と今では馬がまったく別。加えてゆったりと流れる2400mも合い、芝実績を度外視で狙ってみたくなる。
他では前半の芝2400mで活躍したマルタカキラリー、中央3勝がすべて2000m以上でマークのガッサンカーネギーも押さえたいところだ。
◎ ?サイレントグリーン
○ ?コスモダーク
▲ ?マツリダワルツ
△ ?ハルサンヒコ
△ ?マルタカキラリー
△ ?ガッサンカーネギー
3連単は7を1着固定に1、6、4のフォーメーション。2、3はあくまでも押さえ
馬複は1−7、6−7、4−7、2−7
<お奨めの1頭>
8レース ユーセイキャロル
特別・姫神賞を含めて目下3連勝中。昇級戦となるが、前回タイムが抜けている。
13日(土)メインはB3級馬による芝1700m戦「第8回区界(くざかい)特別」、9頭立て。勝敗の分かれ目は芝適性で、盛岡芝の過去実績が大きくモノを言うだろう。
主軸にマイネピルエットを指名。今シーズンの2勝はいずれも芝でマークし、B3平場戦で1勝、そして前走、芝2400mで行われたハーベストカップ。これはB2条件特別だったが、格下から挑戦。B2牡馬の負担重量が56キロ、マイネピルエットは牝馬で1キロ軽減されて53キロで出走できたことも大きかったが、後方待機策から3コーナーからスパート。4コーナーでは早くも3番手まで進出して直線鮮やかに抜け出した。
(ハーベストCゴール 1着マイネピルエット 写真・佐藤到)
今回は自己条件ということで54キロと1キロ負担は増えたが、メンバーは当然だが楽になっている。ダートでは詰めに課題を残しているが、得意の芝なら信頼度は高い。
逆転筆頭はタイキランデヴー。中央3戦未勝利から今年3月に転入。最下級スタートからスタートし、初戦は久々が響いて4着に敗れたものの以降3連勝をマーク。その後は一進一退を繰り返しているが、盛岡芝は2戦2勝とパーフェクト。6月の芝1600m戦では1分37秒3の好タイムを叩き出している。ネックはメンバー強化と初の芝1700mだが、これまでの芝2戦は完勝と言っていい内容。しかも先に行きたいタイプが絶好の2番枠を引き当て、マイペースの逃げ切りも十分。
イブキサンシロウも芝は2戦2勝。しかもこちらは2戦とも芝1700mでマークしたもので、距離適性なら一番と見て差し支えない。川崎デビュー8勝後、中央2戦0勝から再び南関東へ。その後は1勝のみに止まり、金沢1勝を経て今年3月、岩手へやってきた。転入格付けがC3と恵まれたにもかかわらず一進一退を繰り返しているが、芝に替わると動きが一変する。父イブキマイカグラ譲りのシャープな切れを身上とし、惚れ惚れするようなまくり脚を披露する。
ケージールドルフは前々走の芝1700m戦で逃げて0・1秒差3着と好走。その後は3ヶ月の休養を余儀なくされ、復帰戦の前回は6着。元々テッポー実績はないが、叩き2戦目で気配も上昇。今季は着止まりに終わっているが、印象は明らかに芝向き。一発の可能性を秘めている。
3歳牝馬フレア、ナイトタイムも軽視はできない。フレアは芝1000mデビュー戦を快勝後、長いスランプに陥っていたが、ここにきて復活の気配十分。しかも今回は待ちに待った芝が舞台なら軽快な先行力が生きる局面。一方のナイトタイムも芝は3戦1勝2着1回。5着1回も3歳特別・ガーベラ賞で適性比較ならここでも見劣りはしない。
◎ ?マイネピルエット
○ ?タイキランデヴー
▲ ?イブキサンシロウ
△ ?ケージールドルフ
△ ?フレア
△ ?ナイトタイム
3連単は7、2の1、2着折り返しから5を厚めに。あとは1、8、6を押さえ
馬複は2−7、5−7、2−5、7−8
<お奨めの1頭>
11レース ゴールデンパンジー
再転入後は1勝のみだが、ここでは底力が違う。今回は最も得意とする1400m戦でエンジン全開
南部杯が終わりましたね。結果はまぁ順当ということで何の文句もないのですが、それにしてもあの天気はどうにかならないのでしょうか? ……ってどうにもならんのは分かっているのですが (-_-;)、撮影にはまったく厳しい条件でした。競馬というスポーツは、雨や雪が降ってもまず中止になることはありません。雨に濡れるのはまぁ覚悟しているのですが、暗い空の少ない光で走る馬を写すというのは、撮影には都合の悪い条件がいろいろ揃って撮影者にとっては辛い状態なのです。南部杯は、今年のメインレースの中では一番暗かったのではないでしょうか。
あれ、そういえば昨年の今頃もこんな愚痴を書いてなかったかな?日没が早まってくるこの時期以降は、毎年ますます悩むんですよね。もちろんこれは競馬だけではなく、室内スポーツやナイターで行われる試合を撮影するカメラマンは誰もが苦しんでいる、逆に言えばスポーツ系のカメラマンにとっては当然の事なのですけどね。先日、大雨の富士スピードウェイで行われたフォーミュラ1日本GPのカメラマンたちもさぞ大変だったでしょう。なにしろあちらはMAX300km/hオーバーですから…。
そんな天候不順な南部杯でしたが、お客さんはけっこう入ってくれたように思います。今回のような連休中の開催時は、面白いことに天気が良すぎると入場者数はイマイチ伸びないのだそうです。気持ちよく晴れた空を見れば、ドライブやアウトドアレジャーに気持ちが傾いてしまうのも無理はないですね。やや雲が多くて、平地では雨の心配は無いけれど八幡平アスピーテラインに紅葉を見に行っても霧がかかって良く見えないかもしれないね、ぐらいが岩手競馬にとっては一番いいのかもしれません。
一方、土日は好天に恵まれましたが、日曜のメインに行われた2歳牝馬の特別戦プリンセスカップでは、ピンクゴールドが見事に優勝を果たしました。テシオPOG2007の対象馬では2頭目の特別勝ちです。オーナーのみなさん、おめでとうございます!
なお同POGは現在、『テシオ』の改変に伴い再募集中となっており、またピンクゴールドは、新たにスタートする「ホッカイドウ&岩手コラボPOG」でも対象馬となっています。みなさまどしどしご応募下さいませ。詳しくは岩手競馬サポーターズネットtesio.jpをご覧下さいm(_ _)m
話は変わりますが、上のゴール写真の背景で、パトロールタワーの中程で光っているオレンジ色の光は何だかご存知でしょうか?これは「放馬警報」と言いまして、落馬などで空馬が発生したときに馬場管理委員がスイッチを押し、注意を喚起するものです。放馬した馬はたいてい自分で馬場の出口から下馬所のほうに戻ってくるか、もしくはコースを走り続けるので係員が制止します。(これがなかなか止まらないときもあるんですが)
このレースではスタート時に2頭がつまずいて騎手が落馬し、うち1頭は真面目にも自発的に(?)馬群の外をあがって逃げ馬の直後まで進出してしまいました。逃げたセイントクイーンや、空馬を外から交わそうとしたマツリダベストには少し影響があったかもしれませんね。ところがこれらを内から差したピンクゴールドの小林俊彦騎手は、「ゴール写真で空馬に負けていたり被っていたらカッコ悪いから頑張って交わした」のだそうです。トシヒコさん、私たちカメラマンのことまで考えてくれてありがとう!
(文/写真・佐藤 到)
10月8日 第20回マイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn? 盛岡ダート1600m)
(南部杯ゴール 写真・佐藤到)
1着 ブルーコンコルド
帝王賞2着以来、3ヶ月ぶりの実戦だったが、マイナス2キロで出走。これについて服部調教師は「体重的には506キロだったが、今秋緒戦なのでビッシリと仕上げた訳ではない。外見ができた感じで、これから段階を経て中味がついてくる」と語り、100%ではないが、納得の馬体重だったようだ。
レースはブルーコンコルド2番枠、キングスゾーン11番枠が微妙に影響する。戦前から強力な逃げ馬が不在でスローに近い流れだろうと言われ、そのとおり各馬がけん制しあう中、キングスゾーンが先手を取ったが、半馬身差直後インにブルーコンコルドがつける。「完全に被されそうだったら、前に行こうと思っていた」(幸騎手)そうだが、ずっとその間隔で3コーナーに入る。
フェブラリーステークスの時が顕著だったが、ブルーコンコルドは左回りだとコーナーでささるクセがあり、幸騎手の手が動く。その一方でキングスゾーン、そして3コーナー過ぎからスパートをかけたカフェオリンポスが、4コーナーで完全に先頭に立つシーンもあった。しかし、直線を向いてからはブルーコンコルドの独壇場。最内を突いてグイグイ抜け出してラスト150mで先頭に立ち、大外を強襲したワイルドワンダーの追撃も半馬身差封じて快勝。堂々、南部杯2連覇を果たした。
次走はJBCクラシック(大井)。そして幸騎手は「JRAのG?も是非、取らしてやりたい」とも語り、今後の動向にも目が離せない。
また服部調教師「JBC3連覇、それも3階級制覇にやってみたい」とコメントした。その3階級とは一昨年のJBCスプリント(名古屋)、昨年のJBCマイル(川崎)、そして今年、大井で開催するJBCクラシック(2000m)。これは前人未到であり、今後もあり得ないことだから是非、達成してほしい。
2着 ワイルドワンダー
ブルーコンコルドをマークする形で5番手インをキープ。道中は馬群の中にいたが、直線を向いて大外に進路を選んで一気に伸びてきたが、半馬身差届かず2着に敗れた。岩田騎手「自分のレースをして力を出せただけに悔しい。向正面で何度か行きたがったが、それで最後伸び切れなかったかも」。
先にも記したが、前半はスローペース。その流れを意識して岩田騎手はいつもより早め追走に心がけ、直線でも鋭くは伸びていた。しかしレースの上がり3ハロンが35秒3。ダートでこの上がりでは、ワイルドワンダーがいかに末脚の爆発力を持っていても如何ともし難かった。とは言え初のG?、初の地方ダートで半馬身差2着なら収穫は大きいのではないか。これでG?でも勝てることを証明した。
3着 カフェオリンポス
終始4、5番手の外につけて3コーナーからスパートをかけて直線入り口でキングスゾーンと一旦先頭に立ったが、ラスト150mで突き放される。しかしキングスゾーンとの叩き合いではクビ差先着した。
「補欠4番手だったので、ギリギリ間に合わせた状態。それが響いたが、もともとの実力を考えればこのぐらい走ると思っていた」と勝浦騎手。
たしかに3歳時、ジャパンダートダービー優勝以降、グレードタイトルには縁がなかったが、ダートオープンで3勝、フェブラリーステークスでも0・7秒差4着にまとめたことを考えれば納得。今回は5ヶ月ぶりの実戦で、これからどんどん良化するに違いない。
4着 キングスゾーン
他の出方をうかがい、押し出される格好で逃げの手へ。しかし内からブルーコンコルドに終始つつかれる流れではさすがに苦しい。それでも見せ場を十分に作ったのだから、収穫は大きいはず。
「5歳馬だが、まだまだ力をつけている。これまでと同じような戦いをできたが、最後は瞬発力の差。それでもG?でいい競馬ができたのでこれからも楽しみ」安部幸夫騎手。次走は予定どおりJBCクラシック。
5着 サンライズバッカス
スタートで出遅れ、後方3番手からの競馬。直線を向いてようやくエンジンがかかったが、後方から差を詰めるだけに終わった。「久々の影響。中間も強い追い切り2本しかできなかったし、動きもひと息。でもこれで変わってくれると思う」と安藤勝己騎手。こちらもJBCクラシックへ向かう。
月曜のメインレースはマイルチャンピオンシップ南部杯Jpn1。馬インフルエンザ騒動で実施が危ぶまれた時期もありましたが無事開催の運びとなり、全国からの強豪が盛岡マイルで覇を競う姿を見ることができるようになりました。
早速予想に行きましょう。JRA5頭・地方他地区5頭・岩手4頭。計14頭が競うこのレース、中でもJRA勢は5頭中4頭がG1馬という強力な布陣でやって来ました。
中でも実績が目を惹くのはブルーコンコルド。昨年のこのレースの覇者はその後さらに3つのG1タイトルをコレクションに加え、計G15勝のNo.1ホースとして再来しました。
本命はこのブルーコンコルドです。以前は「1400mなら最強」でもマイル以上だとなかなか勝てなかった同馬ですが、折り合いに進境が出ると共にマイルどころか中距離でも勝ち星を手に。マイル戦も安心して見ていられるようになりました。
7歳となった今年ですが、ここまでのレースはむしろ堅実味を増した感。G11勝、2着2回の実績はもちろん言うまでもなし。難点があるとすれば6月以来の休み明けという点で、もともと休み明けは走る馬ですが、7歳という年齢で以前のようにきちっと仕上がるかどうか。しかし伝え聞く状態からは仕上がりに特に不安はないようです。
対抗はサンライズバッカス。3歳時はカネヒキリと互角に戦った馬ながら4歳の昨年は全くの不振。それが今年は見事に復活を遂げ、G11勝、3着1回5着1回ならもうトップクラスの走りを取り戻したと見ていいでしょう。
今回は、ブルーコンコルドとの今年の対戦成績と、この馬は休み明けに大きな体重変動があって力を出し切れない事があるのを考慮してあちらを本命・こちらを対抗としましたが、Jpnランキングでは両馬115ポンドの対等の評価をされているとおり実力は互角。状態さえ問題なければ優勝を争えます。
もう一頭は、これもJRAのワイルドワンダーを。サンライズバッカスらと同世代の5歳馬ですが昨年まではやや地味なキャリア。それが今年は一気に開花し、現在ダート重賞連勝中です。
この馬にとってはやはり距離が課題になるのではないでしょうか。1800mのアンタレスSでも勝ってはいますが、やはりこの馬の本質はマイル以下の短距離馬では。脚質からも、上記2頭が流れをつくればこの馬の展開にならないかも。そんな事で3番手評価としましたが、嵌れば突き抜けてもおかしくない力があり、いずれこの馬の走りには注目したいですね。
この3頭は強力と見ますが、地方勢から加えるならまずサイレントエクセル。冬女らしく涼しくなるにつれて調子が上昇、体調自体は昨年のダービーグランプリ時に近づいてきました。前走の勝ちタイム1分38秒7がこの馬の盛岡マイルのベストタイム、例年1分36秒台前半で決まるこのレースでは厳しいですが、DG同様無欲のレースができれば詰め寄る事も可能。月曜日には天気が崩れそうなのもプラスになるのでは。
もう一頭はキングスゾーン。勝ち星のほとんどは1400m戦、マイルは少し長いという実績ですが、今年は以前よりも粘りの利いた走りをするようになっています。先行して流れに乗ればそう簡単に崩れないのでは。
買い目は2枠2番ブルーコンコルドと7枠12番サンライズバッカスを連単の裏表で。以下は3着候補としてフォーメーションをセット。
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◇お奨めこの一頭
9R:ハナケンロマン
芝は久々だが、以前の内容からは距離が伸びれば問題ないはず。力はもちろんここでも通用で、他にも強豪がいるがだからこそ強気で狙ってみたい。