7日(日)メインは2歳牝馬による盛岡ダート1400m戦「第24回プリンセスカップ」、10頭立て。現時点で2歳トップを突っ走るジェベルロバーツの登録もあったが、JRA・いちょうステークス(東京)へ挑戦する予定で、当然だが自重。
一転して混戦模様となったが、ジェベルロバーツ不在でも非常に興味深いメンバーとなった。カギを握るのは1戦1勝セイントクイーン。ダートで一時代を築いたゴールドアリュールの初年度産駒で、すでに子供たちは芝ダートを問わずに活躍中だが、このセイントクイーンもデビュー戦芝1000mをアッサリ逃げ切って圧勝。今季一番時計となる58秒7を叩き出した。
今回は初ダート、1400m距離延長と不確定要素が多かったために▲評価としたが、ここも勝つようなら将来も約束されたもの。ここは先物買いの手も十分にあるだろう。
本命は一連のキャリアからミラクルジョンコに落ち着く。新馬芝1000mを快勝後、特別2戦・若鮎賞5着。ビギナーズカップ5着。また前走・重賞ジュニアグランプリでも積極的なレース運びを見せたが、4コーナーで早めに交わされてそのまま失速するかと思ったが、内で渋太く粘ってジェベルロバーツから0・5秒差4着。このレース内容は評価でき、その時の上位3頭が不在の今回、絶好のチャンスを迎えたと言っていいだろう。
相手筆頭はサチノマオ。デビュー戦3着から一戦ごとに着順を上げて3戦目に初勝利をマーク。前回、ジュニアグランプリでは4着ミラクルジョンコから0・2秒差6着。特別を飛び越し、初の重賞挑戦だったことを考えればマズマズの結果。しかも今度は適性高いダートへ戻って本領発揮のシーンまで。
続く評価は前記セイントクイーンだが、りんどう賞2、3着トーホウノゾミ、ピンクゴールドも軽視できない。りんどう賞は前半35秒台の超ハイペースとなり、前が総崩れ。展開に恵まれた印象もあったが、それでも上位入線を素直に評価するべきだろう。逆にハイペースで失速8着アイリッシュクインも一戦のみで見限るのは早計かも。
◎ ?ミラクルジョンコ
○ ?サチノマオ
▲ ?セイントクイーン
△ ?トーホウノゾミ
△ ?ピンクゴールド
△ ?アイリッシュクイン
3連単は6、2、4のボックス。あとは6、2の1、2着折り返しから広めに流したい
馬複は2−6、4−6、2−4、3−6、1−6
<お奨めの1頭>
9レース ステキナリング
M&Kジョッキーズカップ第二戦は目下2連勝と絶好調、ステキナリングが制する
6日メインは「M&Kジョッキーズカップ」。毎年、南部杯ウィーク好例となった岩手の所属騎手と九州、佐賀・荒尾騎手との交流レースだが、第一戦はB1級馬による盛岡ダート1800mを舞台に行われ、7日の第二戦は第9レース・C2級(盛岡ダート1600m)、8日の第三戦は第9レース・B2級(盛岡芝1700m)で実施する。なお全3戦シリーズだが、総合ポイントで争われるものではなく単発。せっかくのシリーズなのだから、ファンにも分かりやすい総合ポイント制を導入した方がいいと思うのだが…。
主軸にウエストサンオペラ=関本浩司を指名する。昨シーズンまでなかなか勝ち切れず通算2勝のみに止まっていたが、今季は早くも3勝マーク。総じてメイセイオペラ産駒は奥手タイプが多いが、ウエストサンオペラもその典型。秘めた素質が全面開花した。
最大の特長はいい脚を長く使える点。小回り水沢だと届かないケースが多いが、直線の長い盛岡は<5.4.0.5>と5勝すべてを荒稼ぎしており、絶対の自信を持っている。コース替わりの前回(盛岡ダート1600m)もしっかり2着を確保したが、今回の舞台は2戦2勝の盛岡ダート1800m戦とベストの条件。豪快なマクリを期待する。
逆転筆頭はミススズラン=小林俊彦。今シーズンはB1級へ降格してメンバーにも恵まれて1勝2着3回3着2回。唯一の着外10着はオープン牝馬特別・フェアリーカップに挑戦したもので基準外。自己の条件のB1では毎回堅実に着を拾っている。
何度も騎乗経験がある小林騎手を引き当てたのも心強いが一つだけネックがある。詰めの甘さだ。4コーナーまでは抜群の手応えで楽勝ペースかと思わせるのだが、最後の伸びがひと息。それが今季も1勝のみに止まっている理由で、これを小林騎手がどう御すか。興味はそこに尽きる。
サンデーカーニバル=菅原勲はB1級へ昇級初戦となるが、終いの脚が実にシャープ。前々走の盛岡ダート1600m戦で2着に食い込んでいる。前回は距離不足(盛岡ダート1400m)にも泣いて5着止まりだったが、タイム差は0・5秒。マークした1分28秒9もB1級で通用のタイムだった。懸念材料は水沢5勝に対して盛岡は未勝利。前々走の2着が最高だが、好調サイクルの今なら克服十分と見る。
マルワグランディ=村島俊策もマイペースに持ち込めば非常に渋太い。スンナリ逃げた前々走(盛岡ダート1800m)、前走(盛岡芝1600m)と目下逃げ切り2連勝がそれを証明している。今回も好枠3番枠を引き当て、同型をさばいて一気逃げ切りを決めたいところだ。
以下、距離1800mは気持ち長いが折り合いもつくダンストーンアレス=村上忍、ハイペースで台頭十分トーホウハヤテ=下條知之も軽視はできない。
◎ ?ウエストサンオペラ
○ ?ミススズラン
▲ ?サンデーカーニバル
△ ?マルワグランディ
△ ?ダンストーンアレス
△ ?トーホウハヤテ
3連単は8、5の1、2着折り返しから11、3を厚め。あとは6、1を押さえ
馬複は5−8、8−11、3−8、5−11、6−8
<お奨めの1頭>
6レース エプソムブラスト
転入初戦ははるか前をトーセンコマチが突っ走っていたが、前回は順当勝ち。ここも実力の違いを見せつける。
いや〜、コスモバルク!貫禄の走りでしたね。戦前にはもう年齢的に厳しいんじゃないかとか、天皇賞にピークを合わせるために仕上がり途上なんじゃないかとか、ちょっとだけ穴予想に色気を出す向きもあったようですが、そんなことはお構いなしに、すっきりと勝ってくれました。
中央や他地区の馬であっても、岩手で走った馬にはそれまでよりも親近感を持つようになりますよね。そんな馬たちが大きなレースで活躍してくれれば嬉しいもの。アグネスデジタル然り、ユートピア然りです。コスモバルクもこのまま天皇賞でも好走してくれることを願わずにはいれません。OROの芝の評価もますます高まるでしょうしね。
それにしてもパドックに集まったファンの多さは凄かった。馬を曳いていた厩務員さんも組合職員のみなさんも、驚きとても喜んでいました。
ところが数字で見ると、入場者数は通常の中央Jpn.I発売日と変わらないんだそうですね。一瞬、そんなはずは…と思いましたが、しかしこれも考えてみれば当然のこと。JRAのレースであればモニターの見えるところならどこでもいいわけですが、この日の来場者はみんな生のスターホースを見るために集まった人々ですから。パドックで撮影している私の視界では、これほど沢山の人が詰めかけたのは久しぶりという感じでしたよ。武豊ゴールドアリュールのダービーグランプリ以来か、それともメイセイオペラかなどと考えていました。今回のような場合は馬券売り上げにはつながらないのでしょうが(私も単勝100円の記念馬券だけ買いました)、それでも競馬場が盛り上がるというのはホントに楽しいことだなぁとしみじみ感じましたね。
今週は月も変わっていよいよ南部杯。岩手最大の交流レースが本来のJpn.Iで開催されることがとても有り難く思われます。こちらも続けて盛り上がっていきましょう!
さて先日書きましたテシオPOG2007のリニューアル版ですが、新たにスタートした「岩手競馬サポーターズネット(週刊テシオ情報局)」ホームページで募集が開始されました。こちらをよろしくお願いします。
先週は2歳一般戦3レースに計6頭のPOG馬が出走し、このうちファイアアラームがついに初白星を挙げました。またダンストーンリゲル、リュウノウィンダム、ギンバンジョオーも入着を記録しており、今後の期待が高まっています。粒ぞろいの2歳馬たち。さあオーナーの貴方はどの馬をチョイスしますか?
(文・写真/佐藤 到)
<次走へのメモ>
9月30日 第9回OROカップ(3歳以上・地方競馬全国交流 盛岡芝1700m)
(写真・佐藤到)
1着 コスモバルク
本場(盛岡競馬場)の入場者数が6324人。当日は秋のG?シリーズ開幕初戦・スプリンターズステークスが行われ、いわゆる通常のJRA・G?発売日とほぼ同様の入場者数にも思え、コスモバルク効果は一見すると分からないが、街中場外ウマっこ大通の来場者数が激減。生のレース、コスモバルク見たさにオーロパークへ駆けつけたことはありあり。それは5、6レース終了後に実施した五十嵐冬樹騎手トークショーでも明白だった。
普段からパドック脇で予想イベント「勝ちそーリベンジ」を行っているが、ファンの数が段違い。小生もイベント出演者だったのだが、人の波に圧倒されるような凄い熱気に包まれ、五十嵐騎手のコメント一つ一つにものすごい歓声が上がっていた。やはりスターホース、スタージョッキーがいるとムードは一変。コスモバルク効果はあったなんてものじゃなく、効果絶大だった。
本題に入る。コスモバルクの馬体重は瑞穂賞(旭川・9月13日)からマイナス9キロの507キロで出走。この時期になるとコスモバルクは馬体を絞るのに苦労するそうだが、今回はビッグレッドファーム真歌から盛岡競馬場へ直行。これまでとは違ったケースでコスモバルクも若干戸惑った模様。また土曜日に芝コースでスクーリングを消化したが、その日は土曜日のレース日。どうやら遠くで聞こえるファンファーレにも反応した模様で、陣営の想定以上に馬体重が減っていた。それでも507キロは許容範囲だし、パドックでも気合いを表に出していはいたが、激しい発汗するほどでもなく状態的にはまったく問題なさそうだった。
戦前、大方はスピードの違いでコスモバルクが逃げると踏んでいたが、五十嵐騎手はスッと控えて3番手外をキープ。逃げたのはオグリホットで先手を奪うや、スローペースに落とす。そのため2コーナー過ぎからコスモバルクはやや掛かり気味になるシーンもあったが、五十嵐騎手がうまくなだめる。
3コーナー手前で2番手のトミケンマイルズが失速して替わってコスモバルクが進出。あとはいつでも交わせる態勢を取り、4コーナーではオグリホットの外に並びかける。その時、五十嵐騎手が一鞭を入れて気合いをつけると待ってましたとばかり、コスモバルクは鋭く反応。あっという間に後続を突き放し、4馬身差をつけて余裕のゴール。期せずして場内から歓声ではなく無事に走ったこと、期待に応えて勝ったことに対する拍手が巻き起こった。
「ペースが遅かったのは分かっていたが、前で競馬ができているので心配はなかった。3コーナーで早めに動いたのは調教師の指示。最後は遊び遊びで走っていたが、能力が違うので余裕十分だった。久々に勝てたことは素直にうれしい。G?へ向けても弾みがつきました」と五十嵐騎手。
2着 ボスアミーゴ
スローの流れで団子状態だったが、いつもどおり前半は中団のうしろにつけ、向正面からジワジワ進出。3コーナー過ぎから一気にスパートをかけてコスモバルクに並ぼうとしたが、そこからはエンジンの違いがマザマザ。コスモバルクとの力差は如何ともし難かったが、展開不向きの流れでひとまず2着確保なら上々。さらに飛躍を期待したい。
3着 オグリホット
コスモバルクが行く気がないと判断し、果敢に逃げの手に出てスローに落とす。道中、絶妙のペースに持ち込んだが、直線入り口直後で早くもコスモバルクに突き放されてしまっては苦しい。「前々で勝負をしたかった。コスモバルクがいなければボスアミーゴに先着できたはずだが、盛岡の芝は非常に合う」と尾島騎手。
岩手もここ数日めっきり秋らしさが増してきました。カレンダーはもう10月、例年なら東北は秋も過ぎつつある頃で「晩秋」といってもいい時期なのですが、つい先日まで30度を超えたりしてちっとも秋らしくなかったもので、突然時計の進み方が速くなったかのようなこの気候の変化に人間の方が追いつかない状況です。
昨年は、南部杯の日・10月9日には岩手山に初冠雪がありました。ま、その後全くの暖冬でほとんど雪が降らない冬にはなったのですが。今年は冬の訪れは早そうです。
月曜のメインレースはサラ系A1級のエクセレント競走です。エアウィードなど重賞級の面々も登録していましたが実際の出走はまずまず普通のエクセレント競走のメンバーに。であればここはコスモスパーブから狙っていっていいでしょう。
前走の青藍賞は馬インフルエンザによって無念の除外となったコスモスパーブ。しかし、症状が重かったという訳ではなく、出走前日の全頭検査によって陽性となったために除外されたもので、それまでは調教もバリバリこなして順調そのものでした。
まあ、中間一頓挫あった事にかわりないとはいえ、むしろ月1ペースのローテーションに戻ったから良かったともいえるわけで、ここはしっかり走りぬいて再スタートといきたいところです。普通に走れば力上位なのは明らかです。
対抗はもう一頭のコスモ、コスモダークでどうでしょうか。距離に不安はないですし、土曜日の高速決着を見ているとコース状態はこの馬に味方しそう。
怖いのはニシノグレイシャでしょう。やや成績を落としつつの転入ですがそれほど大負けしているわけではないし、ここ2年ほどリタイアすることなく順調に使われている点もプラスに評価できる点。今回の条件はベストといえるもので、いきなり勝ち負けも十分でしょう。単穴として評価。
マンジュデンツルギは決して盛岡が苦手ではなく、あくまで流れ次第。さすがに大きな上積みはないでしょうが、好調モードなのは確か。オリエントボスは距離は折り合い次第でこなせるし、軽いコースもプラス。こちらは同型の出方ひとつでしょう
買い目は3枠3番コスモスパーブ、1枠1番コスモダーク、7枠8番ニシノグレイシャの2頭をBOXで。6番・7番はヒモに加えつつ余裕があればBOXの中に。裏目がおいしそうな雰囲気ですし、ここは手広く、当てる事を優先で。
◇お奨めこの一頭
7R:フウハク
これが古馬編入初戦となる3歳馬だが、最近の内容ならここでも通用する。相手は盛岡所属の3頭へ。