
<次走へのメモ>
6月11日 岩手ダービー ダイヤモンドカップ
(関口房朗氏)
『ダービーウィーク』のトリを務めた「岩手ダービー ダイヤモンドカップ」。当日はフサイチ軍団の総帥・関口房朗氏が水沢競馬場へ来場。9レース終了後には関口氏を囲んだトークショーが行われ、イベント会場に多くのファンが集まった。関口氏のユーモアあふれるトークに場内は沸きあがり、また“岩手でもフサイチの馬を2頭、預けます。男に二言はありません”と声高に話すと、ファンから大歓声と拍手が巻き起こった。
トークショーの中で関口氏は『競馬は夢とロマンがなければ』と熱く語っていたが、これこそが今の地方競馬に欠けていたことで、しかも最も重要なこと。自分自身も改めて肝に銘じなければならないなと思いました。
(岩手ダービー ダイヤモンドカップ 1着オウシュウクラウン)
1着 オウシュウクラウン
久々の水沢遠征でテンションが高くなったのか、「パドック、返し馬でイライラしていた」と小林騎手が語ったとおり、抜群のスタートを切って理想の2番手を追走したが、1周目2コーナーで早くも掛かって追走。逃げたのがダンディキングではなく、ダンストーンアレスでこれは想定外だったが、向正面まで折り合いに苦労し、3コーナーで早々とダンストーンアレスを交わして先頭。4コーナーまで持ったままで進み、サイレントエクセル、テンショウボスが接近してきたのを見てからスパート。しかし折り合いを欠いても気力は全く衰えず、直線で後続を再度突き放して待望の重賞タイトルを獲得した。
レース後、「折り合いが大変だったが、今年は体もしっかりして成長を実感する」と小林騎手。里帰り後、今回で3戦を消化したが、芝でもダートでも同世代では一歩抜けた存在となった。今後も岩手3歳戦線をリードしていくに違いない。
これでG?・ジャパンダートダービーの優先出走権を獲得した訳だが、地元レースをにらみながら慎重に決断したいと桜田浩三調教師。
2着 サイレントエクセル
冬期間の休み明け初戦となった重賞・日高賞で久々に本馬を見た時、馬体が寂しくなったな…が正直な感想だった。シーズン直前、順調さを欠いたというのが理由だったが、それでも勝って役者の違いを見せつけた。続く盛岡・やまびこ賞ではさらに体重が減り、デビュー以来、最低の436キロで出走し、テンショウボスの2着に敗れた。
しかし今回は輸送のない地元競馬でもあったが、442キロまで回復。見た目でも馬体に張りが戻っていた。それがレースにも結びつき、オウシュウクラウンをマークする3番手を追走。テンショウボスが仕掛けたのを見てスパートをかけて接戦となった2着争いでクビ差先着。レース内容も文句なしだった。オウシュウクラウンとの勝負付けは済まされたが、次位候補の有力馬の一角に復活した。
3着 テンショウボス
サイレントエクセルの直後につけ、先にスパート。「勝ちに行った分、最後の伸びが甘くなったが、納得のレース」と阿部騎手が語ったとおり、成長確かなところを見せた。ただ、今回は地元競馬にせよ前走比(やまびこ賞)プラス11キロ。若干太め残りだったかも。
6着 ダンディキング
得意の水沢に戻って2番人気に支持されたが、ダッシュがきかず1周目2コーナーで大外ダンストーンアレスに前をカットされる。それもあって中団からの競馬となってしまい、直線も伸び切れず6着に沈む。やはり逃げれなければこの馬の持ち味は生きないかもしれない。
安田記念、香港勢強かったですね。勝ったブリッシュラックのプレブル騎手、完勝の態勢にゴール板を過ぎる前からもうガッツポーズの動きに入っていましたが、あれくらい派手にやってくれれば見ている方も納得させられちゃいますよね。
しかし、外国の騎手というのは本当にああいう時のパフォーマンスが上手だなと思います。日本の騎手だと「馬に余計な負担をかける」とか言って何となく自粛ムードなんですけど、それはそれで正しいのでしょうが、G1なんかで淡々とゴールされるというのも、なんだかちょっと物足りない気がします。
岩手の月曜メインはサラ系B2級のみなづき賞です。ダート1800mに10頭が集まりましたが、今回はなにやら混戦の気配が濃いような気がします。
この条件の特別戦は“前走か前々走あたりで同じクラスを勝っている”タイプがやはり強いのですが、今回のメンバーではそれが皆無。あまつさえ、今シーズンまだ勝ち星無しという馬が過半数なのですから、これはもうドングリの背比べ状態、どの馬にも優勝のチャンスがありそうです。
そんな中で本命にお奨めしたいのがバブルガムトミーです。今シーズンはまだ勝ち星がないこの馬ですが、今年のこの馬の逃げには昨年以上の何かを、気迫のこもった熱さを感じます。1800mは少し長いかも、それに枠も外すぎるかも・・・と思うのは確かなのですが、あれだけの先行する意志があれば、いつかどこかで“やってくれそうな”気がしてなりません。同型多数でも、むしろ頭数が多く混戦になればなるほど粘りを増すタイプ。バブルガムトミーを追いかけるならここが狙い目、と見ます。
対抗はミカダンディー。さすがに8歳、以前ほどの勢いが無くなってきていますが、その分レース巧者らしさが出てきたのが強み。少々のペースの乱れでも乗り切ってしまえるのはさすがベテランというところ。内枠で先行馬の動きを見ながら行ける点も有利でしょう。
ガッサンダンディーは、この馬も今年は妙に勢いがあります。3歳の頃はもっと出世できると思って見ていた馬。遅ればせながらかつての走りを取り戻してくれたのなら、狙わないわけにはいかないでしょう。
トウカイタイトルは単騎逃げが条件だけに他の同型とのかねあいが課題。ただ、他の逃げ・先行馬は必ずしもハナにこだわるタイプではなく、この馬がハナを主張しきった場合は位置取りの折り合いがつく可能性があります。気持ちよく行ければ単まであっていい馬。
穴で一頭挙げるとしたらコトブキハローでしょうか。盛岡での近走は今ひとつ物足りない結果でしたが、この馬は左回りダート1−0−2−7に対し右回りダートは8−9−9−40と明らかな右回り巧者。追い込み脚質が今の水沢のコース状態に合うかどうかが不安も、この馬まで手を拡げてみていい気がします。
ということで買い目は7枠8番バブルガムトミーを軸に4、5、6、7番へ。恐らく力量差はそれほど無いと思いますので、連単式にはあまりこだわらない方がいいかと。
◇お奨めこの1頭
7レース・3歳B1級戦:1枠1番トミケンソリッド
とにかく岩手に来てからのレース内容が、いずれもワンサイドの圧勝。昇級戦になりますがタイム比較で遜色なし。鞍上の小林俊彦騎手は6/17・6/18と騎乗停止になりますので、その前のひと頑張りも期待できるか?相手はジュリアで。
4日、九州ダービー栄城賞から始まった「Derby Week」。小生も全国のダービー観戦(ついでに馬券も少々)を楽しんでいる。ダービーといえばその競馬場最大のイベント。「ダービー馬を持つのは一国の宰相になるよりも難しい」というイギリスの言い伝えがあるが、これまで地方競馬は自分らが誇るダービーの価値をあげていなかったのでは…と思えてならなかった。一番、感じていたのは地元だけで完結し、他場にアピールしなかったこと。それぞれ競馬場の将来を担っていく3歳馬を全国に発信できる絶好のチャンスにもかかわらず、である。もったいない話だ。
で、今回、おもしろい傾向だと思ったのは、4日、九州ダービー栄城賞・ユウワン(父ロイヤルタッチ)、6日、札幌ダービー北斗盃・フジノダイヒット(父バトルイニシャチブ)、7日、東京ダービー・ビービートルネード(父タヤスツヨシ)、8日、兵庫ダービー・チャンストウライ(父ブラックタキシード。ついでに2着ジョイーレは父がメイセイオペラ)。
そう、お気づきになった方もいると思う。父内国産馬が全国各地のダービーを制していたの。しかも一般論で言うが、生産界では決してメジャーな種牡馬でなかった(失礼)のも興味深かった。9日、東海ダービーは断然の1番人気に支持されたデヒア産駒ホウライミサイルが圧勝し、その流れは終わったが、これぞ地方のダービーらしい結果だったのではないか。
ちょっとディープな競馬ファンなら『私はあなたの父を知っています、見ています』だろう。改めて言うが、そんな地方競馬をアピールし、生産界、ファンを喜ばせて欲しいと思っているのだが。
さて本題。冒頭に書いたことに反するようで大変恐縮なのだが、岩手ダービー・ダイヤモンドカップのいち押しはオウシュウクラウンだ。
(写真はオウシュウクラウン=はまなす賞)
彼はUAEドバイ生まれのジェイドロバリー産駒。日本で生まれた産駒でもヤマカツスズラン、オースミジェット、タイキシャーロックなど活躍馬が多数いるが、彼は生粋のドバイっ子。2歳時に千葉のセリで売買された。
実は記者仲間と毎年、POG(ペーパーオーナーゲーム)をやっているのだが、デビューする遥か前、厩舎でスタッフと雑談している時、目の前をオウシュウクラウンが通り、思わず何という馬だ?と聞いてしまった。いわゆる一目ぼれ状態だった。青毛を光らせ、馬格もすばらしく大物感たっぷり。オーラがこちらにビンビンと伝わってきた。
小生、迷わずオウシュウクラウンを指名し、デビュー戦芝1000mを59秒4の好タイムで完勝。小林俊彦騎手をして、この馬はちょっとスケールが違うよと絶賛してくれた。小生、もう有頂天になってしまったのだが、以降は股関節炎のために伸び悩み、夏に2ヶ月の休養を余儀なくされた。
復帰後ももうひと息のレースを続けたが、12月、水沢の寒菊賞でようやく復活宣言。金杯3着後に南関東へ移籍し、初戦のブルーバードカップを快勝。続いてしらさぎ賞5着、クラウンカップ4着と使って岩手へ里帰りした。
再転入戦は5月15日、3歳B1級戦で有力馬がやまびこ賞、岩鷲賞へ回って手薄なメンバーだったこともあって1・8秒差の圧勝劇。これは当然と言えば当然だったが、盛岡ダート1600m1分39秒5は前々日の特別・やまびこ賞の勝ちタイム1分39秒7を上回る破格のものだった。続く芝特別・はまなす賞も出遅れながら、ブラックショコラを直線でアッサリ交わして快勝し、俄然、注目を集める存在となった。今回、コース替わりがカギを握るだろうが、寒菊賞でダンディキングを抑えて快勝しており、それも心配ないだろう。
一方、ダンディキングは懸念された盛岡コースで岩鷲賞2着。待望の重賞獲りを逃がしてしまったが、ムーンプライドと競り合い前半34秒台の超ハイペース。これではどんなスピード自慢でも終い一杯になるのも仕方なしだった。ここは得意の地元に戻って心機一転、マイペースの逃げに持ち込めば逆転のシーンも十分に考えられる。ちなみに父は渋い血統ファンには嬉しいダンディコマンド(その父はニホンピロウイナー)だ。
ティンバーカントリー産駒の大型馬テンショウボスは前走・やまびこ賞で待望の特別タイトルを獲得。一戦ごとにメキメキ力をつけてきた。現時点での完成度はともかく馬格、血統背景などを考えると、今後さらに飛躍する可能性を秘めている。
そのやまびこ賞で2着に敗れたのが牝馬サイレントエクセルだった。この時はテンショウボスに徹底的にマークされ、末をなくしたが、意外にも盛岡ダートは初だった。主戦場は水沢だけに巻き返しを考えておきたい。ちなみに父はダートで大活躍したウイングアローだ。
他はちょっと水をあけられた格好。押さえならファインゴール、ゴールデンパンジーあたりだろうが、今回は4頭に絞ってみたい。
3連単は2、7を1、2着折り返しに3着は4、1に流したい
馬複は2−7、2−4、1−2、4−7
<お奨めの1頭>
2レース トップクォーク
岩手3戦目でようやく初勝利を飾ったが、これは遅すぎたとも言える素質馬。2連勝は疑いないところ。
(文・松尾康司/写真・佐藤到)
今週10日(土)から戦いの舞台が水沢競馬場へと移り、初日のメインはB1級馬による1800m戦「第32回ジューンカップ」。
まずは水沢コースのおさらいをしてみたい。水沢競馬場は1周1200mのフラット(平坦)右回り。ホームストレッチ直線は約200mで追い込み一手が決まるケースは非常に稀。よって勝負どころは3コーナーの3ハロン標識。そこが攻防の分かれ目となり、ペースが一気に上がる。当日の馬場状態によって替わるケースもあるが、小回り平坦なので基本的に先行馬が有利。道中の位置取りがカギを握る。
今回の条件は水沢1800m。スタート地点は3コーナーカーブ近くで、スタートしてすぐコーナーに入るため、枠順が微妙に影響。先に行きたい馬が大外に入った場合、前半で脚を使ってしまい、終いでバテるケースも多い。逆に先行馬が内枠に入れば多少人気が低くても買ったほうが得策だ。
以上を念頭に置いてジューンカップの展望を考えてみよう。1800mはフルゲートが10頭(コーナー発走だから12頭立てではない)だが、上がり馬、適性上位馬、格上馬、一発屋などが入り混じって非常に難解な一戦で、馬券的には非常に面白くなった。
これらファクターからどれを重視するか―が勝敗の分かれ目だが、目下2連勝中のシラバスを中心に採ってみたい。
シラバスは中央6戦0勝後、昨年12月に岩手へ転入。当初、C3へ格付けされてメンバーも有利だったこともあってC3、C2クラスで5連勝を記録。今季の飛躍も期待されたが、いきなりB1級格付け。さすがに3ランクもアップすればペースに戸惑わない訳がなく、もうひと息のレースを繰り返していた。しかし、上昇続ける4歳馬はレースを使われながら徐々にペースにも慣れ始め、B1級平場、そして前走・芝特別「石桜杯」と快勝し、再び連勝態勢に入った。父がエルコンドルパサーという良血馬で、ここも突破ならオープン入り後も活躍が約束された。
対抗にマルカンジョオーを指名する。久々の3月、B2戦は8着に敗れたが、それを叩かれて変わり身抜群。ここ4戦は1、3、1、2着と安定した成績を残し、奥手のマーベラスサンデー産駒が本格化と解釈したい。しかも今回は絶好の1枠を引き当てた。
以下も首位十分の馬が粒ぞろい。マクロプランナーは調子ひと息のレースを繰り返していたが、前走「フレンドリーカップ・アンタレス賞」3着で復調の兆しを見せ、今回は2戦2勝の水沢1800m戦だ。
格上馬ナリタルートワン、ゲンパチコジーン、大崩なしエイシンアザレア。印は回らないが、アドマイヤウイング、ミナミノサニーオーも一発を秘めている。
3連単は7、1、6の三つ巴に7を1着固定で1、6を2着流し、3着に10、8、3と手広く
馬複は1−7、6−7、1−6、3−7、7−8
<お奨めの1頭>
3レース ゲイリーブリリアン
前走は1年4か月ぶりと長期休養明けの一戦だったが、アッサリ好タイムで逃げ切り。C3では力が違いそうだ
レース中、馬群の中を走る馬の写真を撮ると、馬が目をつぶった状態で写ることがよくあります。前の馬が蹴り上げる嵐のような砂の中を走っているのですから当然と言えば当然で、むしろ目を開けていられることのほうが不思議ですね。
ジョッキーの方はゴーグルや透明なプラスチック板のような対策を装備することができますが、それでもレース後の騎手を見ると口の中まで砂だらけ。つくづく大変だなぁと思いますが、馬はほぼダイレクトに砂をかぶっており、ましてあの大きくてつぶらな瞳ですからね。よく「この馬は砂かぶるのを嫌うから、先頭で逃げなければならない」などと言いますが、嫌わない馬ってよっぽど我慢強いのでしょう。
もしかしたら集団の中を走る馬はずっと目を閉じ、鞍上の手綱さばきに全てを任せて走っているのでは?(これぞ人馬の信頼関係!)とも考えて騎手や調教師の方に聞いてみたのですが、「いやーそんなことはねぇな。目ぇつぶってたらどこにぶっ飛んでくかわかんねぇよ」とのことでした。なんでもメンコがずれて視界を遮ってもパニックになるとか。
なるほど。するとかなり早いまばたきを繰り返しているのでしょうか。私のカメラはかなり高速での連写が可能な機種なのですが、続けて何コマも目つぶりになっていることも多くあります。これを見ると、目を見開いて前を確認しながらも、ときどき秒単位で長く目をつぶって飛んでくる砂に耐えているように思えます。
いずれにしても馬群の中はかなり激しいことになっていることは間違いありません。現在それを体験しているのはジョッキーだけですが、オッズパークがテスト中の「馬上カメラ中継」が実現すれば、わたしたちもその世界を味わうことができることでしょう。
ところで、最近はパシュファイヤーと呼ばれるネット状に目を覆う馬具を使う馬も増えていますね。これはブリンカーと同様レースに集中させる目的で装着するようですが、その形状のとおり砂を防ぐフィルターとしての効果も期待できます。次回は馬具のお話と写真をアップしようかと思います。