7月1日から、このオッズパークで馬券を購入できる競馬場がグンと増えましたね。北はばんえい競馬から南は荒尾競馬まで、日本中の競馬が楽しめるようになりました。
これらの競馬場、個人的にも行った事があるところばかりなので、こうしてラインナップに加わるとなんだかいろいろ思い出しちゃいます。金沢で食べたお寿司(競馬場の中にお寿司屋さんがあるんですよ)、名古屋のみそカツ(店によって微妙に味が違います)、園田のタコ天(ここは食べ物の匂いで溢れている)、福山の尾道ラーメン(卵トッピングがおすすめ)、高知の鯨カツ(お店が開いてない時があるので注意)・・・。
食べ物ばかりだなって?いや、やっぱり地場の食べ物が美味しいかどうかも、その競馬場の重要なポイントなんですよ!ここは是非とも強調しておきたい。
もちろんばんえい競馬も笠松も佐賀も荒尾も、美味しいものがたくさんありました。ネットで見ているのも楽しいですが、生の各競馬場もみないい所ですので、皆さん機会があったら足を運んでみて下さい。実際に行ってみないと現地の美味しいものは食べられませんから!
月曜の岩手のメインレースは牝馬限定の三陸リアス特別です。牝馬限定戦、それも中位〜下級条件のそれはえてして「牝馬相手なら常に優位」という馬が一頭二頭いるものですが、古馬の牝馬限定戦は今シーズンこれが初めて。どの馬がそうなるかはこれから分かってくる事ですので、今回は、これまで戦ってきた相手関係と比較しながら力上位な馬を探さなくてはならないでしょう。
そこで今回の本命は6枠8番のミチノクレットを推したいと思います。昨シーズン後半はA2級でも戦えていただけあって、B3級に降級した今シーズンは安定した成績。特に水沢では、3月の特別開催分を含めても4戦して2−1−1−0と堅実な成績を残しています。また、4走前に敗れたマルカンジョオーはその後牡馬と混合のB1級特別を勝っている馬ですし、5走前に破ったナムラジュピターはB2〜B3で上位安定の成績を残せる馬。となるとそんな相手と戦ってきたミチノクレットも、B3級では十分に力上位、牝馬同士ならなおさらという事が出来ます。
今シーズンのミチノクレットは、状態云々以上に馬がものすごく“走る気”を出しているんですよね。気迫の点では昨年後半の頃を上回っているのではないかと思います。今回は久々の特別タイトル奪取のチャンスと見ます。
そして対抗はキタノソナタ。昨年12月に岩手に移籍してきて以来、9戦して一度も掲示板を外していない堅実派。そして今シーズンは4戦3勝2着1回と好走を続けています。
この馬、走破タイム的にややミチノクレットに劣るかな、という事で対抗格にしましたが、戦ってきた相手もなかなか強力ですし、タイムの面も、おそらく相手なりに走るタイプなので気にしなくて良いのではとも思います。こちらも単のチャンスは十分あるでしょう。
以下、得意の水沢最終日に奮起を期待したいキーネ、B3降級がプラスに働いているコンゴウココロマチ。アクアフェアリーも、以前ほど水沢苦手感はなくなっています。
買い目は8番ミチノクレットから2、6、7、12へ。絞る時は6、7、8か7、8、12という形で。
◇お奨めこの一頭
最終11R・エクセレント競走のグローリサンディ。調子自体はここのところ悪くなかったのですが、芝の2400mやダートの1400mはこの馬にはちょっと合わなかった印象。1600mでこのメンバーなら楽なレースができそうです。相手は、前走は内で詰まってしまったマイニングプレスで。
7月2日メインは地方競馬全国交流重賞「第18回栗駒賞」。水沢1400mを舞台に行われるこの栗駒賞は、G?「第11回クラスターカップ」(1着賞金3000万円 盛岡ダート1200m)へもつながる道で、北海道からタイギャラント、南関東からハタノアドニス(船橋)、バニヤンドリーム(大井)、ベルモントソレイユ(大井)の4頭が参戦する。
当初、東海地区からもパワフルボーイ(笠松)、ケイアイダンシング(名古屋)のエントリーもあったが、出走を回避。よって岩手から繰り上がり7頭、そして遠征馬4頭のフルゲート12頭で覇を競い合うことになった。
すごく難解な一戦となったなぁ…が、まず正直な感想だ。地区レベル、年齢、臨戦過程と各馬が一長一短のメンバーだが、過去実績ならハタノアドニスで断然だろう。3年前(2003年)にこの栗駒賞を制し、同年、G?・東京盃も優勝。そしてJBCスプリント(大井開催)でも結果は4着だったが、1番人気に支持されたほどの馬。また昨年のJBCスプリント(名古屋開催)で9番人気ながら、ブルーコンコルドの2着に食らいつき古豪健在を多くのファンの前でアピールした。
しかしその後はG?・兵庫ゴールドトロフィー8着、根岸ステークス16着と大敗を続け、4ヶ月の休養明けの前走G?・さきたま杯でも後方のまま12着としんがり負けを喫している。この一戦を叩かれた上積みはあるだろうが、やはり10歳の高齢馬。本命にはするのは難しく▲に落ち着くのではないだろうか。
では何が本命か?悩んだ末の結論は北海道のタイギャラントになった。中央7勝(うち2勝は地方交流)馬で、中央で走った5勝がすべてダート1200〜1400mに集中するダート短距離のスペシャリスト。ダートグレードでは3年前のプロキオンステークス4着が最高だが、オープン特別・霜月ステークス(2004年 東京ダート1400m)でも勝ち星をマークしている。
またホッカイドウ競馬へ移籍後も重賞・赤レンガ賞はジンクライシスの2着、前走・アドマイヤボス賞(オープン)では1着圧勝した。こちらも9歳の高齢馬だが、何と言っても順調度で勝るし、今回のダート1400m(小回りだが)はベストの条件。ここを勝ってクラスターカップの権利を取りたいところでもある。
逆転筆頭はベルモントソレイユと見た。南関東の重特路線を歩み、2年前には重賞・テレビ埼玉杯を優勝、ナイキアディライトを3着に退けている。気になるのはG?・黒船賞(高知)以来、3ヶ月ぶりの実戦だが、乗り込み量は豊富だと聞いたし、管理する調教師は岩手出身の高橋三郎氏。騎手時代からサブちゃんの愛称で親しまれ、調教師へ転業後も数々の強豪を輩出。先日のみちのく大賞典でも愛馬コアレスハンターを優勝に導いている。
また先にも記したが3年前、今回も参戦したハタノアドニス(当時)で栗駒賞を優勝した実績も見逃せない。サブちゃんが今度はベルモントソレイユで大駆けを目論んでいる。
一方、地元岩手の期待はトライアル姫神賞1、2着タイキシェンロン、ベルモントシーザーに集まる。タイキシェンロンは今季4戦1勝2着3回。みちのく大賞典2着で地元の意地を見せ、前回はベストの水沢1400m戦・姫神賞を順当勝ち。これで同条件は5戦4勝3着1回と絶対の自信を持っている。ただ、正直に言えば昨年ほどの破壊力が感じられないのも事実。
ベルモントシーザーは岩手で水を得た魚のように活躍中だ。南関東ではA2で頭打ちだったが、岩手転入後は<2.1.1.0>。距離が懸念されたみちのく大賞典でも3着に健闘。前回・姫神賞でも前がふさがるきつい競馬になったが、2着を死守した。このメンバーでは格的に見劣るが、勢いに乗っているのを重視したい。
バニヤンドリームも決して軽視はできない。B1級で優勝したばかりだが、マイル以下は<9.5.2.1>と驚異的な連対率。ベルモントシーザー同様、格比較では若干落ちるが、距離適正はもしかすると一番かもしれない。
こんな感じだから、本当に難しい一戦となったが、逆にどの馬が勝っても不思議なし。馬券的には非常におもしろい一戦であることは間違いない。
3連単はタイギャラントを軸に決めつけて1着固定。3から4、7、1、12、2と2、3着は広めに押さえたい
馬複は3−4、3−7、1−3、3−12、2−3
<お奨めの1頭>
11レース シラバス
シーズン当初は伸び切れずに終わっていたが、ここにきて完全復活。水沢マイル4戦3勝も強気にさせる
28日、大井競馬場で行われたG?「第29回帝王賞」を取材した。昨年、東京大賞典以来、久々に3万人を超えたファンがスタンドを埋め尽くし、アジュディミツオー、カネヒキリのマッチレースに大歓声が巻き起こった。
まさに歴史に残る名勝負となった。国内ダート最強馬のメンツを賭けた戦いに、私も酔いしれた。逃げ込みを図るアジュディミツオー、それに襲いかかろうとするカネヒキリ。その瞬間、ファンと馬と騎手が一体となった。これぞ競馬の醍醐味、現場にいたことを幸せに思った。
ホームとアウェー。確かにそれも大きかった。それまでアジュディミツオーはカネヒキリに3戦全敗だったが、舞台はJRA東京競馬場。今回はアジュディミツオーには自分の庭とも言える大井競馬場だが、ダート2000mを2分2秒1で駆け抜けるなんて驚異的だ。
一方のカネヒキリはアウェーの立場だったし、ドバイ帰り初戦で遠征疲れも懸念された。パドックでそのカネヒキリをずっと注視していたが、体の輪郭がちょっとぼやけていたように思う(もちろん主観で、だが)。それでも目の輝きは失っていなかった。私は前々からカネヒキリの瞳に惚れているのだが、実にいい目をしていた。
カネヒキリは追撃むなしく2着に敗れた。しかし決して完調とは言えなくてもアドマイヤドンの従来レコードを上回る2分2秒3をマークしてしまうのだから、さすがだ。本当にいいレースだった。
さて本題。7月1日メインはA2級特別「第7回ねむの木賞」、水沢ダート1600m。1着馬には同条件で行われるオープン特別・すずらん賞への優先出走権が与えられる。
主軸にミサキノハンターを指名する。再転入初戦・水沢マイル戦を2着にまとめたが、続く盛岡2戦はいずれも4着。これは左回り、一方は芝が合わなかったとの見方もできるが、どうやらそれだけではないようだ。
水沢に戻った前走は行きたいだけ行かせ、後続を離して逃げた。直線に入っても脚色は衰えず、2着ブルーオスカーに4馬身差をつける圧勝劇を演じたが、これがベストの戦法だったようだ。と言うのは脚をためる競馬はあまり向かず、多少ペースが速くなってもセーフティリードを保ち、そのまま押し切るのがこの馬の勝ちパターン。前回は1800m戦で絶好の1枠、今回は5枠だが、強力な逃げ馬が不在で再現の可能性は非常に高い。
逆転筆頭格はマルショウロイヤルだ。昨シーズンは8勝マークと荒稼ぎしたが、今季はA1級スタートもあってなかなか勝ち切れなかったが、前走は降格したこともあって2着(A1、2混合でマルショウロイヤルは負担重量55キロ)。また調子のほうも上向いてきたし、水沢マイル<4.4.4.8>の安定した成績も心強い。
この2頭に割って入ろうとするのがサンシャインヘイロ。4月16日のA2戦で1着に入り、3連単173万540円の岩手3連単最高配当記録を叩き出した張本人だが、その後は一戦置きの好、凡走。それに当てはめると今回は凡走の順番だが、元々が常識にかからないタイプ。それだけに軽視すると痛い目にあう。
以下は前回、逃げて0・1秒差の僅差4着に敗れたドラグーン、再転入5戦目で白星をマークしたパワーポリティクスの序列。
3連単は5、1の1、2着折り返しに9、8、6へ3着流し
馬複は1−5、5−9、5−8、5−6
<お奨めの1頭>
1レース コネコノオヒゲ
子猫のお髭? 転入初戦を3着にまとめ、今回はメンバー的にもチャンス。負けたら大事なお髭、切っちゃうぞ
既に色々なところで報道されていますし、近日発売になるテシオ最新号でもカラーの特集ページが組まれていますが、やっぱり私も取り上げたいので…。
先週24日、元宇都宮競馬所属の3000勝ジョッキー、内田利雄騎手の岩手騎乗が今年も始まりました。思えば昨年のちょうど同じ時期、地方競馬初のフリージョッキーを目指し活動を始めた内田騎手が、その第一歩を踏み出したのがここ岩手での短期所属という形。それは交渉や手続き上の問題など様々あった結果なのでしょうが、初めに岩手に来てくれて、また岩手が最初に受け入れたということを、岩手のファンも関係者も非常に喜ばしく思ったものです。
さて7レースのパドックに姿を現した内田騎手。かの有名な『100万ドルの流し目』は健在でした。「おーい、今年も頼むぞー」の声が飛び暖かい雰囲気で迎えたパドックのファンらに向かって、にこやかな目線でぐるりと一回り。カメラが向けられた場所には特に重点的に視線を注ぎます。これはファンばかりでなく、私たちプロカメラマンにも向けてくれるんですね。それも日本一と言われるファンサービス精神の一環。内田さん曰く、「あんまりたくさんカメラがあると、どこを見ていいか分からなくて困っちゃうんですよ」なのだそうですが、カメラマンにとって非常に有り難い方であります。
これもご存知の方はご存知だと思いますが、内田騎手愛用のヘルメット(枠色のカバーを被せる下の、メット本体の部分)には、「ミスターピンク」のイラストが描かれています。これは内田騎手のファンで、イラストレーターをなさっている方が描いてくれたそうですが、今年はこれがひとつ増えていました。本年バージョンは派手な虹色の部分がカバーの下からちらっと見えているので、パドックで「おや、あれは何?」と思った方もいるのではないでしょうか。
内田利雄騎手は先週の3日間だけで既に3勝もあげてしまいました。炸裂するベテランの技に、岩手の騎手らも意地を見せようと発奮しているのがそのレースぶりから窺えます。どんなスポーツでもそうですが、外からの刺激があると試合が面白くなり、またプレイヤーもひとつ成長するきっかけになるのではないでしょうか。内田騎手はこうして全国の競馬場を巡りながら、地方競馬全体の充実に貢献しているということになりますね。まだ所属の叶っていない北海道や九州などの地区でも、早く騎乗できれば良いと思います。
ただ個人的には、毎年1度か2度は岩手に来て欲しいというのが本音ですが。
(文・写真/佐藤到)
先週24日から岩手で騎乗開始した内田利雄騎手が、初日から派手なパフォーマンスを披露してくれた。騎乗一鞍目となった第7レース、マイネパトリシアで鮮やかな逃げ切りを決めるや、最終11レースでも8番人気の低評価を覆し、ビクトリームワンでこれまた逃げ切り圧勝。この馬は過去、ダート戦で2着すら入ったことがなかったが、それが信じられないような強いレースを見せてくれた。また翌日25日にも1勝をマークし、早々と3勝を稼ぎ“ピンクの魔術師”ぶりを如何なく発揮した。今後の活躍にも注目していきたい。
<次走へのメモ>
6月24日 第32回あやめ賞
1着 サイレントエクセル
ムーンプライドが大逃げを打ち、3番手を追走するゴールデンパンジーの直後につける。これは相手がゴールデンパンジー、1頭だけと踏んだ戦法でいつでも交わせる構えだった。その読みどおり、3コーナー過ぎから2頭のマッチレース模様となったが、直線では能力の違いマザマザ。後続をどんどん突き放し、2着に9馬身差の大差をつけて圧勝した。「以前に比べてスタートが良くなり、レースがしやすくなった。直線、追ってから反応が素晴らしい馬なので、安心して乗れる」(板垣騎手)。いずれ牝馬同士では力が違いすぎる。
2着 ゴールデンパンジー
3番手キープも3コーナー過ぎ先頭のイメージどおりだったが、終始サイレントエクセルにマークされる苦しい展開。マイナス15キロと大幅に体重を減らしたが、2走前には466キロで走っていたので470キロは許容範囲か。パドックでもそんなに細くは映らなかった。今回で言えば相手が強すぎたもので、ひとまず2着確保なら上出来だろう。
3着 ピグレット
道中は4番手インの経済コースを回り、渋太く3着。春先は菜の花賞10着、やまびこ賞9着と大敗したが、一戦ごとに地力アップ。アジュディケーティング×パークリージエントとダートの申し子的な血統。もっとキャリアを積んでいけば、さらに好勝負に持ち込めるに違いない。
6月25日 第32回サマーカップ
1着 オウシュウクラウン
ダンディキング、ジャパンアケボノがハイペースを形成し、スタンド前では4番手インに入れる。3コーナーでは内ダンディキング、中テンショウボス、外オウシュウクラウンが併せ馬のような形となり、4コーナーでその2頭を突き放す。それで勝負は決着し、直線余裕たっぷりでゴールに入った。初の1900mも何ら問題にせず、岩手の同世代では抜けた存在で、腰に疲れさえ出なければほぼ敵なしだろう。
2着 ブラックショコラ
今回からブリンカーを着用。「もっさりスタートだったので最後方で待機し、それで折り合いがついた」(村松騎手)。向正面なかほどからロングスパートをかけ、前にいた馬をごぼう抜き。ゴール前でテンショウボスをキッチリ交わして2着を確保した。元々、切れる脚が武器だが、この戦法ならブラックホーク産駒でも1900mは持つ。
3着 テンショウボス
オウシュウクラウンより前の競馬は意外だったが、「調子があまり良くない」(阿部騎手)と判断しての積極策か。向正面で手が動き、手ごたえはひと息だったため、最後で脚が上がってしまった。それでもブラックショコラから半馬身差ならよく持ち堪えたと言っていい。
4着 ダンディキング
前半2ハロンで結構、脚を使ったため直線で失速。これが逃げ馬の宿命だけに離された4着も仕方なし。水沢条件でマイペースならば巻き返す可能性はある。