
青山周平が完全V
0ハンは3車並びの大外枠から菅野仁翔がカマシ先行。単独10線の野本佳章は1周回バックストレッチで森村亮を交わすと、独走していた菅野を3周回イン差して先頭。少し離れて三浦康平が2番手を追走する隊列に。
青山周平はひとつ内枠の高橋貢にスタート突っ張られて8番手からの展開となったが、2周目に高橋貢を捌くと着実に番手を上げていき、三浦と菅野をまとめ差し。タイヤのグリップが効かなくなったか5周回4コーナー外へハラんだ野本の内に入り先頭へ躍り出た。野本は6周回1コーナーでも車が外を向いてしまい、三浦が2着へ浮上。
青山周は通算98度目の優勝。史上11人目の100V達成が目前に近づいてきた。このあとはG2若獅子杯争奪戦(山陽)→SG全日本選抜(川口)→G1開設記念グランプリ(川口)と約1カ月間のグレードレース連戦へ突入する。
文/鈴木
阿部剛士の逆転劇
3連単・2連単の売れゆきは金子大輔の首位、小林瑞季の首位、若井友和の首位、池田政和の首位の順に人気となった。0ハン両名は3連複・2連複がそこそこ売れた程度で人気は低かった。
その0ハン2車は外枠の山際真介が大きくスタート先行。阿部剛士は10メートル後ろの池田政和に1周回1コーナーで叩かれかけた。だがここでかろうじてスタート残したことは結果的にきわめて大きかった。
すぐに態勢を立て直した阿部剛は、早くも2周回ホームストレッチで山際に対して反撃の差し。残りの5周回をマイペースで逃げ切った。2020年10月以来7度目の優勝は、通算333回目の勝利となった。
池田政は阿部剛を叩きそこねて車速が下がり、1周回3コーナーで小林瑞季がイン突進。2番手で粘り続ける山際真介に抵抗されたが5周回3コーナーで2番手へ浮上。
今年の川口2節7戦無敗で決戦に臨んだ金子大輔は、試走タイムが準決勝戦の28秒から優勝戦31秒に低下し、レース道中もコース取りが定まらず後方のまま見せ場を作れなかった。
文/鈴木
3年ぶりV! 鐘ヶ江将平が振り切る
しとしと降る雨に濡れた飯塚走路。外が効くのか、内が効くのか分かりにくい難しい走路での優勝戦。有吉辰也と荒尾聡の折り返し76、67に岩見貴史が加わり3車で人気を背負う。スタートは岩見が出たが、インから鐘ヶ江将平が抵抗し新村嘉之をあっさり交わす。有吉と荒尾は外コース使って追ったが、鐘ヶ江は先頭を譲らずにトップチェッカー。荒尾は有吉に抑え込まれた。鐘ヶ江は21年3月26日のミッドナイト以来、通算11度目の優勝。弾みをつけて2月8日からの山陽の若獅子杯に乗り込む。
地元エースの松尾啓史がV
3日制の最終日はお昼ごろに降雨があり、1Rの時点で雨はすでに上がっていたものの12R優勝戦まで全レース重走路で実施された。
決勝のスタートが切られると0ハンは大外枠の永島潤太郎が鋭発。序盤は大きくリードを取ったが3周目あたりからペースが下がったようで、2番手発進した松尾彩が2車身ほどまで接近。しかし不安定な走路状態ということもあり仕掛けどころを掴めない。
そうこうしているうちに松尾啓史が追いついてきて、6周ホームストレッチから1~2コーナーにかけて両車を捲りきった。これで3日間3戦3勝の完全優勝。昨年5月以来となる通算38度目の優勝を決めた。
0ハン最内の1枠ながらスタート3番手に遅れた林弘明も終盤に先頭争いへ加わり、松尾彩を捌いて3着。
松尾啓史とともに今節無敗で臨んだ丸山智史は、前日の準決勝戦で新走路における自己最高タイムを更新したようにエンジンの仕上がりは高かったが、得意な方ではない雨走路に沈んだ。
文/鈴木
佐久間健光が1年半ぶりに優勝
前日の準決勝戦で小林啓二(引退)の史上最多勝利数「1636勝」と並んだ高橋貢が、試走タイムを準決勝戦の29秒から優勝戦は24秒まで上昇させて、3連単・2連単とも1番人気に推された。7000人近い来場のファンから新記録達成の期待も集めたのは間違いない。
20線内枠の石川哲也がスタートで前輪を浮かせて、1コーナーへ先に突入したのは佐久間健光。
節間ずっとドドド(車の振動)が止まらないと悩んでいた岩沼靖郎を引き離して、準決勝戦で本走の自己最高タイムを更新した新井裕貴が大きく逃げるが、追い上げた佐久間が終盤に捕えて先頭へ。2022年9月ぶり10度目の優勝を飾った。勝ち時計は3.356秒。
高橋貢は3.348秒で差を詰めたが2着。それでも最大の強敵と目された中村雅人には影をも踏ませなかった。
早ければ来月2日~4日に開催される伊勢崎デイレースで、またひとつ大記録を歴史に刻むだろう。
文/鈴木