
残り1周回の逆転劇
日中の雨は陽が暮れてから止んだが、決勝戦は重走路での争いとなった。
20線の内枠から先行した横田翔紀が0ハン山中充智を追う展開。その後ろに続いた亀井政和と石川哲也の間を割って早めに横田をマークする形を作れたのが鈴木聡太。2周回1コーナーで先頭に立った横田を、3周回3コーナーで捲って先頭に踊り出たが、ドラマは終盤に待っていた。
最終回2コーナーの立ち上がりでエンジン音・気配を感じ取ったのか、見えない追撃者を鈴木聡が外へ突っ張りにいったその内へ、松本康が切り返すように飛び込んで首位。2021年6月以来6度目の優勝となった。
文/鈴木
久門徹が有吉辰也を振り切った
雨雲が近傍を移動しながら、かろうじて良走路で実施された優勝戦。軽ハン2級車3名の動向も注目された。
40線2車は、今節3戦して全勝の田中賢を置いて外枠から松尾彩がダッシュ。ところが前の2級車たちへ追いつけない。10線の祐定響を交わした20線の村瀬月乃丞も、今回が初優出となった石橋啓士の逃げへ近づけない。そこへ追い上げてきた久門徹が次々と捌いて、レース終盤は有吉辰也の追撃を抑えて先頭ゴール。先月中旬の飯塚デイレースに続く今年2度目、通算38度目の優勝を飾った。
抜かれて3番手に下がった石橋啓は5周回2コーナーで滑り村瀬が浮上するも、すかさず田中賢がインを突いて3着に入った。
文/鈴木
永島潤太郎が復活の優勝を決めた!
0ハン単騎からの競争だった杉本は自分のペースで、自分のコース取りで軽快に逃げていた。直後に付けた重富は追走こそできたが、杉本を抜くまでにはいかなかった。逃げる杉本に追う重富で周回が重ねられていったが、後方から追ってくる選手が一人いた。30線3車の大外から好スタートを決めた永島が3番手に付けると、まずは重富を差し、そして最終3コーナーで杉本を捕えて優勝を決めた。
永島は今年に入ってからずっと好調が続いていたが、4月あたりから大きく調子を崩していた。なかなか立て直せず苦しんでいる時期が長く続いたが、前節あたりから良化の兆しが出ていた。そして今節は優勝。一気に状態を上向かせることができた。乗り手のセンスはかなり高いモノを持っている永島。さあ、ここから巻き返しが始まる。
鈴木圭一郎が七夕に77度目の優勝
スタート後に青島正樹と伊藤信夫の外を伸びて前へ出た鈴木圭一郎は、渡辺篤が浅田真吾のイン突いたところを狙いすました差し。逃げる高石光将を3周回で捕えると、あとは後続を離す一方。7月7日に通算77度目の優勝を、4戦4勝の完全Vで飾った。
先頭から大差の2着は渡辺篤、さらに大きく離れて伊藤信夫が追い上げて3着に入った。
文/鈴木
加賀谷建明が伊東玲衣を捕えて今年2度目のV!
40線最内の森はしっかりとスタートを決めたが、0ハン単騎から逃げる伊東を捕まえる前に加賀谷が差し込んでいく。その加賀谷は伊東との差を順当に詰め、5周3コーナーでインから交わして先頭に立った。森はその後、伊東を交わし山田達もイン続いて3着入線。3連単は18790円の高配当になった。
加賀谷は外枠勢に行かれないスタートを決めたのがまず最初の勝因。そこから同ハン勢が抜け出す前に道中で交わせたのも良かった。伊東と一対一に持ち込んでからも落ち着いて走れていた。好スタートを決め、スピードに乗せて走れた。加賀谷は自分の勝ちパターンに持ち込めた。今年は7回優出し、2度目の優勝となった。この後は地元でG1キューポラ杯が控えているが、最高の形で初日を迎えられそうだ。