地元エースの松尾啓史がV
3日制の最終日はお昼ごろに降雨があり、1Rの時点で雨はすでに上がっていたものの12R優勝戦まで全レース重走路で実施された。
決勝のスタートが切られると0ハンは大外枠の永島潤太郎が鋭発。序盤は大きくリードを取ったが3周目あたりからペースが下がったようで、2番手発進した松尾彩が2車身ほどまで接近。しかし不安定な走路状態ということもあり仕掛けどころを掴めない。
そうこうしているうちに松尾啓史が追いついてきて、6周ホームストレッチから1~2コーナーにかけて両車を捲りきった。これで3日間3戦3勝の完全優勝。昨年5月以来となる通算38度目の優勝を決めた。
0ハン最内の1枠ながらスタート3番手に遅れた林弘明も終盤に先頭争いへ加わり、松尾彩を捌いて3着。
松尾啓史とともに今節無敗で臨んだ丸山智史は、前日の準決勝戦で新走路における自己最高タイムを更新したようにエンジンの仕上がりは高かったが、得意な方ではない雨走路に沈んだ。
文/鈴木
佐久間健光が1年半ぶりに優勝
前日の準決勝戦で小林啓二(引退)の史上最多勝利数「1636勝」と並んだ高橋貢が、試走タイムを準決勝戦の29秒から優勝戦は24秒まで上昇させて、3連単・2連単とも1番人気に推された。7000人近い来場のファンから新記録達成の期待も集めたのは間違いない。
20線内枠の石川哲也がスタートで前輪を浮かせて、1コーナーへ先に突入したのは佐久間健光。
節間ずっとドドド(車の振動)が止まらないと悩んでいた岩沼靖郎を引き離して、準決勝戦で本走の自己最高タイムを更新した新井裕貴が大きく逃げるが、追い上げた佐久間が終盤に捕えて先頭へ。2022年9月ぶり10度目の優勝を飾った。勝ち時計は3.356秒。
高橋貢は3.348秒で差を詰めたが2着。それでも最大の強敵と目された中村雅人には影をも踏ませなかった。
早ければ来月2日~4日に開催される伊勢崎デイレースで、またひとつ大記録を歴史に刻むだろう。
文/鈴木
荒尾聡が貫禄の走りを見せた!
0ハンから先行したのは田中正樹。田中正の逃げでレースは始まった。10線から先行したのは岩見貴史で、吉松優輝を攻略にかかっていたが、荒尾聡が外から交わして2番手を奪取。そこからは田中正と荒尾の一騎打ちになった。そして、4周3コーナーで荒尾が田中正のインに突っ込む。荒尾は先頭に立ち、長田稚也の追い込みを振り切ってゴール。
荒尾はほぼ磐石のレース運びだった。十分なスタートが切れたし、中盤でも落ち着いて乗れていた。田中正を交わすところでも全く危なげなく冷静な差し。早くも今年の初優勝を決めてみせた。今後も安定感ある走りと成績を残していけそう。このレースでもう一人、良い走りを見せたのは長田稚。追い込み届かず準優勝だったが、2番手に立ってからは荒尾との距離を詰めていた。スタートがもう少し切れていたら、違う結果になっていたかも。長田稚も今年、注目の1車と言える。
山本将之が速攻からブッチ切りゴール!
山陽オートで行われたミッドナイトレースは地元の33期・山本将之が優勝した。初日からオール1着の完全V。優勝戦のレース内容も文句のつけようのない圧勝劇だった。
レースは0ハン単騎の五所淳の逃げで始まったが、10線に4車並んだ内から3番目の山本将がトップスタートを決め、五所を追う一番手になった。そして、2周3コーナーで外から五所をパス。その後は後続をこれでもか、と引きちぎってみせた。10線から2番手に出た永島潤太郎が五所を差して準優勝。3着には桝崎陽介が食い込んだ。
山本将は前節の優出3着からの勢いそのままに今節も大暴れ。通算で3回目の優勝となった。同期では黒川京介や中村杏亮の活躍が目立っているが、今年はそこに山本将も加わってきそうな予感を思わせるミッドナイトの優勝戦だった。
角翔太郎が2022年ぶりの優勝
小雨のブチ走路で開始した最終日は雨が強まった時もあったが、第10レースには走路が回復して第12レースの決戦も良走路でおこなわれた。
先行争いがカギになると話していた角翔太郎が、スタート巧者である五所淳の内枠から鋭く飛び出した。
試走の周回中に前に目標がいないためタイムの出にくいとされる1号車で、角は7車中トップタイの試走3.29秒を計時。レースでもそのスピードを発揮して後続とのリードを一気に拡げる。同期の山本将之がレース中盤に2番手へ上がったが差が詰まる気配はない。同じく試走タイム3.29秒の松尾啓史が猛然と追い上げてきて最終3コーナーで山本将を捌いて2着。
角は自己ベスト3.351秒に迫る3.352秒の好時計で6周回を逃げ切り、デビューから通算3度目の優勝を手にした。
文/鈴木