
藤川幸宏が7年ぶり優勝
他者より頭ひとつ抜け出た試走タイムを出した長田稚也が1番人気。しかし発走すると長田稚の外枠から佐藤貴也が強烈な飛び出しを決めて、1周回バックストレッチで田中正樹と丹村司の間に割って入ると、穴人気の押田和也へ2周回1コーナーで突っ込み、軽ハン2車の逃げを追う展開に持ち込んだ。
しかし藤川幸宏の逃げペースは速かった。文字通り影をも踏ませぬ逃走劇で大差の圧勝。2017年4月以来5度目の優勝を飾った。
文/鈴木
鈴木圭一郎が走力の高さをこれでもかと見せつけた!
良走路で始まった山陽最終日だが、第5Rの試走後に雨が降り一時は重走路になった。しかし、そこから走路が徐々に回復し、優勝戦は良走路で行われた。試走一番時計は鈴木圭の30、次いで鈴木宏の32。他は36~39と数字を落としていた。
0ハン単騎の田中崇は序盤からペースを上げ、大きなリードを作れた。レース中盤は吉松憲が重富を交わし2番手に立ったが、前を走る田中崇は遥か彼方。中団を冷静に捌いていた鈴木圭は吉松憲を交わし2番手に立つ。この時も、先頭を走る田中崇との差は大きかった。残り2周で追い詰めることはできても追い抜くまではどうかという距離。しかし、結果的にはゴール前でチョイ差しが決まり鈴木圭が田中崇を捕えてみせた。
絶望的とも思えた車間を詰めて優勝した鈴木圭は驚異。一度雨が降って走路温度が下がったことは、追う側の鈴木圭にしてみれば有利に働いたか。それでもあれほどの差を克服したのは見事だった。鈴木圭は前節の山陽G2に続いて連続優勝となり、次のSGオートレースグランプリに大きな弾みがついた。
昼夜W優勝へ佐藤摩弥 微差届かず...
1日2開催のダブルヘッダーでオートレースの歴史に新たな1ページ、佐藤摩弥が『昼夜W優勝』という快挙なるかに注目が集まった川口ナイトレースは豪雨により1Rと2Rは中止、3Rからの開始。7Rあたりから乾いた部分が見え始めたが優勝戦の8Rまでには乾かなかった。試走出た押田幸夫と佐藤摩弥で人気を分けたオッズ。3連単は7-2-5、7-6-5、2-7-5、2連単は7-2、7-6、2-7が人気になっていた。
カマシ決めた佐藤摩が高石光将の後ろで滑ってしまい山田真弘が逆転し、広瀬勝光と押田幸をインから抜いて先頭へ立つ。佐藤摩も立て直し追ったが山田真の背中には届かず、W優勝の夢は断たれてしまった。が、『敗れてなお強し』をファンの心に焼き付けたのは確か。
山田真は昨年11月以来の通算V22。この『レイジールーク』に乗り換わってから連に絡んで万車券が多い印象を受ける。このあとは8月5日からの川口デイレースを走った後に伊勢崎ナイターSG「オートレースグランプリ」へ歩を進める。
佐藤摩がスタートでほぼ決着をつけた!
0ハンから先行したのは早津康。10線は最内の森が先行したが、大外の佐藤摩も若井、加賀谷、永井を包んで出る好スタートを決めた。逃げ展開を作った早津康はマイペースで逃げていたが、佐藤摩が森や早船などを次々攻略すると早津康との一対一の態勢に持ち込んだ。そして、4周3コーナーで早津康のインに飛び込み先頭に立った。そのまま快走を見せ、優勝を決めてみせた。後ろでは森が早津康を交わして準優勝。
佐藤摩の勝因は何と言ってもスタートだろう。若井や永井らの強豪より先に行けたのだからレース展開はだいぶ楽になった。仮に行けていなければ道中で交わさなくてはならず、独走の早津康を捕まえ切れたかどうか分からない。佐藤摩が最大の武器であるスタート力を遺憾なく発揮してみせた。この後は地元一般開催を挟んで、伊勢崎のSGオートレースグランプリへの流れになる。良いリズムで乗りこめそうだ。
試走通りに動いて松尾隆広がV奪取!
走路温度は33度と高めのミッドナイト優勝戦で一番試走を出したのは松尾隆広。人気は展開面から竹中修二と花元初美の軽ハンも売れており、一発力ある木村享平も人気の一角に食い込んだ。3連単は6-2-4、2-6-4が20倍。2連単は6-2、2-6、6-5と3連単とは少し違う売れ筋に。
スタートで北原岳哲がカマシを狙ったが伸び切れず、インに入った松尾隆が好位を奪う。花元初に竹中修は仕掛ける距離に届かないまま周回を重ねる。アウトコース伸びた松尾隆が竹中修、花元初を1車ずつ交わして先頭へ。木村享や町田龍は見せ場作れなかった。松尾隆はおよそ1年ぶりの優勝で通算V7を飾った。