
山本翔が次節につながる快走を見せた!
3連勝で優出した0ハン単騎の中村晋は、ペースを上げることができず吉松憲に交わされてしまう。その吉松憲はマイペースの逃げに入っていた。20線は外枠の野本がスタート先行したが、1周を回る頃には山本翔が逆転していた。その山本翔はまず中村晋を交わすと、吉松憲との一対一の態勢に持ち込んだ。慌てて仕掛けることはせずチャンスどころを探っていると、残り1周の青旗でインに入っていく。そして、そのままゴール。後ろでは角南が吉松憲をゴール前でチョイ差しを決め準優勝となった。
山本翔はスタートで野本に行かれはしたが、落ち着いて対処できていた。試走が一番時計タイだったので、乗っていて余裕があったのかも。今年は6回の優出の内、3回目の優勝となった。優出の回数の割に優勝の回数が多い。これは大事なレースでの勝負強さを証明している。山本翔の次節はG2小林啓二杯。まだ記念のタイトルを獲得していないが、今の好リズムなら初タイトル獲得となるかもしれない。
有吉辰也が今年2度目の優勝を決めた!
0ハンから逃げた稲原良は好ペースで軽快な走りを見せていた。10線から先行した中村颯は、そのペースに付いていくのが一杯。他の選手もほぼ車を押し上げることができないでいたが、有吉だけはジワリと番手を上げていた。無理のない落ち着いた仕掛けで1車ずつ交わして行くと、逃げていた稲原良も冷静にパス。試走タイム断トツで一番人気に推されていたが、しっかりと期待に応えてみせた。
今年はすでに18回の優出があった有吉。その中で優勝は1回と、優勝戦実績ではやや物足りなかったが、19回目の優出で今年2度目の優勝を決めた。今は何節も連続で優出できており、エンジンは高い位置で安定している。乗り手の方も好リズム。次はG2小林啓二杯が待っているが、初日から好走を見せてくれそうだ。
伊藤信夫が久しぶりに優勝を決めた!
試走一番時計の伊藤信は33を叩き出し、二番手以下に3つ以上のタイム差をつけた。スタートも30線大外からカマシを決め、絶好の展開に持ち込めた。その後のレース運びも落ち着いたもの。前団では逃げる今田を和田が交わしていたが、伊藤信は楽に先頭まで浮上することができた。2着には和田が残り、3着は鈴木健を交わした花田が入線した。
伊藤信は約1年ぶりの優勝となった。本人の実力を考えればもっと前に優勝していてもおかしくないが、優勝するというのはそれだけ簡単ではないという事か。これで伊藤信は通算94V。100Vの大記録まであと6に迫った。すぐに達成とまではいかないだろうが、ゆっくりとでも着実に数字を積み重ねていくだろう。
今年4度目の優勝! 木山優輝
濡れ走路の中で行われた優勝戦。試走タイムでは劣ってたが石本圭耶が人気を背負うオッズ。北原岳哲や木山優輝は試走の感じもタイムも良かった。2連単は2-3、2-5、2-1の順 3連単は2-3-5が一番人気だった。まずは竹中修二が逃げ石本が続く展開。丹村司は後退して、北原も石本に離され加減。そこへインをスルスル上がってきたのが木山。石本が竹中修を交わし先頭立つも木山が突っ込み先頭へ。石本に逆転できる力は残っておらず、竹中修が3着に粘った。滝下隼平はスタート後に大きく流れ、唯一のSGホルダーである田中茂は見せ場なく終了。
優勝した木山は自身6度の優勝のうち今年V4の荒稼ぎ。このあとは16日からのデイレースへ参戦予定。
残り1周回の逆転劇
日中の雨は陽が暮れてから止んだが、決勝戦は重走路での争いとなった。
20線の内枠から先行した横田翔紀が0ハン山中充智を追う展開。その後ろに続いた亀井政和と石川哲也の間を割って早めに横田をマークする形を作れたのが鈴木聡太。2周回1コーナーで先頭に立った横田を、3周回3コーナーで捲って先頭に踊り出たが、ドラマは終盤に待っていた。
最終回2コーナーの立ち上がりでエンジン音・気配を感じ取ったのか、見えない追撃者を鈴木聡が外へ突っ張りにいったその内へ、松本康が切り返すように飛び込んで首位。2021年6月以来6度目の優勝となった。
文/鈴木