
岩科鮮太が同期の金子大輔を封じた
他5車を圧倒する試走タイム28秒を計時した金子大輔と永井大介に車券のオッズも人気集中。しかし前団に伏兵が潜んでいた。
10線の大外枠から佐藤大地がカマシ飛び出したが1周回4コーナーでラインを少し外寄りへ外してしまい、その内へ入った岩科鮮太が2周回バック線で斎藤正悟を捌いて先頭を奪った。
最重ハンは、1周目イン戦で進みかけた金子大輔の外を永井大介が伸びて20線から先制。しかし2周回3コーナーで金子大が永井と斎藤正に対して長距離の突っ込みを敢行して、みごと成功。2番手から岩科を追う態勢を整えられた。そして周回ごとに差を縮めていったが5周回3コーナー、逃げる岩科への差しが届かず車間が開いてしまった。残り1周あまりは仕掛ける射程まで近づけず岩科が押し切り勝利。昨年3月以来、区切りの通算10度目Vを決めた。
文/鈴木
菅野仁翔が重ハン勢を振り切って優勝!
菅野は10線に3車並んだ中枠から飛び出すと、0ハン単騎の高橋義徳をあっさりパス。すぐさま大きなリードを作った。10線大外に置かれた浅倉は、20線の鈴木聡に叩かれて厳しい展開になった。先頭に立った菅野は悠々と逃げに入る。しかし、後ろからは鈴木聡が徐々に差を詰めにかかっていた。更にその後ろから佐久間も必死の追い。周回ごとに菅野のリードは少なくなっていたが、なんとか逃げ切ってゴール。鈴木聡が準優勝、佐久間が3着入線となった。注目の浅倉は序盤で自分の展開を作れなかったが、道中は踏ん張って4着だった。
この優勝戦は菅野がチャンスをしっかりとモノにした。10線には3車いたが、スタートで先行できそうだったし、その後もすぐに逃げ展開を作れそうだった。そのどちらも実際に見事にこなし、自身4度目の優勝を手繰り寄せた。今は最重ハンの20メートル前に置かれているが、今後はハンデがどんどん重くなってくるだろう。そうなった時の捌きが課題になってきそうだが、今の菅野の成長度合いならしっかりと身についていきそうだ。
佐藤励が自身15度目のVを達成!
0ハンのスタート争いは最内から岩元が飛び出したかに見えたが、2コーナーで桝崎星が捲って先頭に立った。40線からは中村杏が先行し、小林瑞が続いた。しかし、すぐに佐藤励が小林瑞をパス。前の方では桝崎星が逃げていたが、思うようにペースが上がらない。40線から主導権を奪った中村杏だが、道中で佐藤励が差していく。そして、逃げる桝崎星も捕えて先頭を奪取。スタートで後手を踏み、最後方からの競争になった中山光が猛烈に追い上げてきたが、佐藤励は寄せ付けずゴールとなった。
この日、佐藤励は試走タイム3.25をマーク。エンジンをしっかりと仕上げることができた。また、レース道中も特に慌てることなく落ち着いて走れていた。スピードに乗って走ることができる佐藤励にとって、冬場になりかけのミッドナイトレースは最高の舞台となった。今後も本格的な冬の到来とともにスピードレースが増えていくだろうから、ますます佐藤励の見せ場が多くなってくる。
川口裕司が7度目の優勝
全レースが0メートルオープン戦のSG日本選手権は未勝利に終わったがスタートは切れていた川口裕司が、試走タイム3.27秒の8車中トップタイムで発走を迎えた今回決勝戦は、0ハンデ5車並びの4枠からダッシュして6周回逃走。6月7日ぶりとなる通算7度目のVを挙げた。
川口裕と同じく2日目・3日目に連勝して優出した落合巧が、乗って出るように2番手発進し、前半の周回は川口裕の背後を突こうとするシーンもあったが、勝敗の分かれ目は3周回2コーナーから3コーナーにかけて訪れた。川口裕がインから抜かれないように小さめのコースを取り始めて、落合巧は次の立ち上がりで切り返す態勢を作る準備として車を外へ振る作戦だったのか、しかし3コーナーで流れてしまい前との車間が開いてしまった。だが3番手以下の選手が迫ってくる気配はなく、そのまま2着でゴール。
桜井晴光も3番手の亀井政和に対して差しを狙おうとしたが入れず。10線の3車は勝負圏内へ上がれないまま終わった。
文/鈴木
ゴール前の逆転が決まった
最終日5日目は朝から小雨が降ったりやんだりの空模様で開催が実施されて、終盤レースは重走路となった。
決勝戦がスタートすると、以前は不得手だった雨走路で最近は好走の増えていた押田幸夫が1周回3コーナーから先頭に立って主導権。差された地元の青木隆浩が追走する展開。
永島潤太郎は稲原良太郎と小林悠樹の28期2名が重なるところを割れず、こちらも28期の田中哲が捲って先頭の2車を追う形になったが、永島も捲られた直後に車を外へ持ち出す瞬時の判断が的確、大正解だった。
勝負どころは4周回2コーナー。青木隆の内を田中哲が攻め込んだ更に外から永島が進んで逆転で2番手へ浮上。そしてトップを独走していた押田幸に少しずつ差を詰めると、ゴール寸前に大外を伸び勝ってチョイ差し。11月2日の山陽ミッドナイトから2節連続となる、通算5度目の優勝を飾った。
文/鈴木