
佐藤励が自身15度目のVを達成!
0ハンのスタート争いは最内から岩元が飛び出したかに見えたが、2コーナーで桝崎星が捲って先頭に立った。40線からは中村杏が先行し、小林瑞が続いた。しかし、すぐに佐藤励が小林瑞をパス。前の方では桝崎星が逃げていたが、思うようにペースが上がらない。40線から主導権を奪った中村杏だが、道中で佐藤励が差していく。そして、逃げる桝崎星も捕えて先頭を奪取。スタートで後手を踏み、最後方からの競争になった中山光が猛烈に追い上げてきたが、佐藤励は寄せ付けずゴールとなった。
この日、佐藤励は試走タイム3.25をマーク。エンジンをしっかりと仕上げることができた。また、レース道中も特に慌てることなく落ち着いて走れていた。スピードに乗って走ることができる佐藤励にとって、冬場になりかけのミッドナイトレースは最高の舞台となった。今後も本格的な冬の到来とともにスピードレースが増えていくだろうから、ますます佐藤励の見せ場が多くなってくる。
川口裕司が7度目の優勝
全レースが0メートルオープン戦のSG日本選手権は未勝利に終わったがスタートは切れていた川口裕司が、試走タイム3.27秒の8車中トップタイムで発走を迎えた今回決勝戦は、0ハンデ5車並びの4枠からダッシュして6周回逃走。6月7日ぶりとなる通算7度目のVを挙げた。
川口裕と同じく2日目・3日目に連勝して優出した落合巧が、乗って出るように2番手発進し、前半の周回は川口裕の背後を突こうとするシーンもあったが、勝敗の分かれ目は3周回2コーナーから3コーナーにかけて訪れた。川口裕がインから抜かれないように小さめのコースを取り始めて、落合巧は次の立ち上がりで切り返す態勢を作る準備として車を外へ振る作戦だったのか、しかし3コーナーで流れてしまい前との車間が開いてしまった。だが3番手以下の選手が迫ってくる気配はなく、そのまま2着でゴール。
桜井晴光も3番手の亀井政和に対して差しを狙おうとしたが入れず。10線の3車は勝負圏内へ上がれないまま終わった。
文/鈴木
ゴール前の逆転が決まった
最終日5日目は朝から小雨が降ったりやんだりの空模様で開催が実施されて、終盤レースは重走路となった。
決勝戦がスタートすると、以前は不得手だった雨走路で最近は好走の増えていた押田幸夫が1周回3コーナーから先頭に立って主導権。差された地元の青木隆浩が追走する展開。
永島潤太郎は稲原良太郎と小林悠樹の28期2名が重なるところを割れず、こちらも28期の田中哲が捲って先頭の2車を追う形になったが、永島も捲られた直後に車を外へ持ち出す瞬時の判断が的確、大正解だった。
勝負どころは4周回2コーナー。青木隆の内を田中哲が攻め込んだ更に外から永島が進んで逆転で2番手へ浮上。そしてトップを独走していた押田幸に少しずつ差を詰めると、ゴール寸前に大外を伸び勝ってチョイ差し。11月2日の山陽ミッドナイトから2節連続となる、通算5度目の優勝を飾った。
文/鈴木
井村淳一が今年2度目のV!
0ハンのスタート争いは外枠の本門が制して先行した。内枠の中原は後手を踏んでしまったが、レース中盤で本門を交わして先頭に立った。そこからは逃げる中原に本門が追走する展開だったが、後方から一車追い上げてきたのは井村。20線の3車並びの中枠から先行はできなかったが、序盤から鋭い動きを見せ、10線の2車を難なく攻略。その後もまずは本門を交わし、残るは中原だけになった。そして、5周3コーナーで中原のインに突っ込み先頭を奪取。そのままゴールとなった。
井村は今年6回目の優出にして2度目の優勝。その両方がミッドナイトレースでの優勝だ。井村の持ち味は豪快な攻めとスピード。どちらも走路温度が低い時の方が威力を増しやすい。そして、これからの季節は夜の時間帯ではなくても走路温度が低くなってくる。そうなると井村の活躍の場が大きく広がる。
永島潤太郎が鮮やかなカマシを決めた
前日からの雨が乾ききらず、曇り空のブチ走路で第1レースが開始した最終日4日目。第2レース以降は断続的に小雨が降ったが最終の第9レースは良走路に近いコンディションで実施された。
決勝戦が発走すると、0ハンデ5車並びの大外から永島潤太郎がダッシュ炸裂。数秒後の1周回バック線で2番手の西村龍太郎に5メートルほどの差を付けた時点で『勝負ついた』と感じさせる最高の展開に持ち込んだ。あとは6周回を逃げ切って、7月8日の山陽ミッドナイトぶりとなる通算4度目のVゴール。
付かず離れず続いた西村龍がそのまま2着に流れ込み、五所淳の抵抗を残り1周で突破した浜野淳が3着に押し上げた。
文/鈴木