
桜木公和の見事な逆転劇
1月から1級車に乗り換わった36期の浜野翼が自身初めての優出を果たして、3連単・2連単とも1番人気。差のないオッズで松尾隆広も上位人気に推された。
その浜野翼が単独0ハンから主導権を握り、2周目で離され始めた10線の竹中修二を捲った松尾隆広が3周目には浜野翼に対して差しを狙ったが入りきれず、3周回バックストレッチでは田中茂が松尾隆の内へ仕掛ける気配を見せたが、両者の間を割って伸びたのが桜木公和。2周目に捌かれた田中茂を逆転して2番手へ上がると、最終回3コーナーついに浜野翼の内へ切り込み敢行。付いて回っていた田中茂が再びイン飛び込もうとしたが、桜木と浜野翼はグリップ全開でなんとかしのいで先着ゴール。
桜木の前回Vは2022年3月の山陽ミッドナイト。この節は天候が不安定で、桜木は初日3着のあと晴雨取り混ぜて3日間を3連勝。今回も雨に連日見舞われるなか桜木は2着2回で優出すると、最終日も濡れたり半乾きになったりした走路変化に対応して最後は1着を勝ち取った。
文/鈴木
吉林直都が快速を見せつけ1級車で初V!
10線のスタート争いは鈴木辰が出だしは良かったが、チェンジを入れてからは吉林が伸びた。そのまま2周1コーナーで木部を捲ると、後続を引き離しにかかった。後ろでは栗原佳が石貝を交わし、吉林を追う態勢を整えたが、差を詰める前に鈴木圭にやられてしまう。鈴木圭は2番手に立てたものの、前を走る吉林との差は大きく2着が一杯だった。
吉林はハンデチャンスをしっかりとモノにした。上がりタイムも3・370をマークし、同期の栗原佳よりも数字が良かった。前節では栗原佳が完全優勝したが、今回は吉林。これからハンデは重くなっていくが、そうなったとしても十分通用しそうなセンスは感じられた。現在、浜松で不動のエースは鈴木圭だが、吉林や栗原佳が頭角を現してきているのでエースの座を脅かす存在になりそう。
濡れた走路を速攻で制した岡部聡
年明け初笑いは浜松が栗原佳祐、川口が黒川京介と若手主導の傾向で山陽ミッドナイトも36期の石田啓貴に期待が集まるも、濡れ走路ゆえに断トツ試走の岡部聡から矢野正剛と石田を絡めた3車で人気オッズを形成。3連単は621、623、625。2連単は62、6=1に64も10倍を切っていた。
石田を矢野が捲ったが、岡部の攻めが早く2周でトップへ立ってしまう。石田は後退し、矢野を長田恭が追う展開で態勢決まる。あとは一列棒状で岡部は2022年6月24日以来の優勝(意外)。通算87度目のVとなり2025年の滑り出しとしては最高の形に。終わってみれば唯一のSGホルダーゆえに勝って当たり前だったのだが...。
このあとは1月16日~の山陽ナイター開催に出場予定の岡部聡。今年はぜひともオートレースを引っ張っていただきたい。
黒川京介が2025年の初頭を飾った
0ハンデオープンや10メートルオープン以上にスタートラインに対する角度がある20線6車並びの大外枠でも、黒川京介のダッシュ力がライバルたちを上回った。1周回1~2コーナーいきなり同ハン5車の前へ出た黒川は、0ハン2車並びの外枠から先手で逃げた高塚義明を早くも2周回で捕えると、あとは後続を引き離す一方のタイムアタック状態。川口レース場における自身の最高タイム本走3.310秒を塗り替えて、3.304秒で圧勝した。
上和田拓海が道中2番手まで追い上げたが、6周回1コーナーで若井友和がイン突っ込んで2着に入った。
文/鈴木
栗原佳祐が1級車デビュー節に完全V
3連単の人気は2号車の首位が上位を占めて、栗原佳祐の能力と勢いへの期待が表れていた。
最大のポイントであったスタートは栗原佳が内枠から先行。3号車の白次義孝はすぐに後退し、4号車の鈴木将光も引き離されて、栗原佳は0ハン赤堀翼を直撃できる絶好の展開に持ち込めた。
3周回4コーナーで赤堀のコース取りが大きくなり、栗原佳は満を持して先頭へ立った。そこへ迫ってきたのは、同ハンを捌いて追い上げた伊藤信夫。最終6周目では栗原佳に対して切り返す態勢を作れる距離まで近づいたが、今度は伊藤信が2コーナーの立ち上がりで車が外へ振られて車間が開き万事休す。
栗原佳は4度目の優勝。4日制の今節を4戦全勝し、通算55度目の1着ゴールを駆け抜けた。今月下旬には浜松デイレース『G2ウィナーズカップ』に1級車では初めてグレードレースへ挑戦する。
文/鈴木