森且行がSG日本選手権初制覇!
川口オートで行われていたSG第52回日本選手権オートレースは、地元の25期・森且行が優勝した。森はこれがSG初優勝。オートレース最高峰の大会で悲願のSG制覇を成し遂げた。
大会最終日は1Rこそ重走路での競争となったが、徐々に走路は回復。7Rあたりからはほぼ良走路での競争だった。優勝戦の前には軽く雨がパラついていたが、競争には影響なく、良走路のタイムが計時された。試走は鈴木圭一郎が一番時計で26。次いで高橋貢が27、荒尾聡が29、中村雅人と金子大輔と森且行が30、木村武之が31、山田達也が34だった。
レースのカギを握る0Mオープンでのスタート争いは、4枠から鈴木圭が先行。これに7枠から森が乗っていく。荒尾が3番手に付け、以下は金子、山田達、木村武、高橋貢、中村と1コーナーを旋回して行った。
序盤で逃げ態勢を作った鈴木圭ではあったが、思うようにペースが上がらない。2番手発進の森は付かず離れずの追走を見せていく。しかし、3番手発進の荒尾がインを突いて2番手を奪取。鈴木圭と一対一の態勢に持ち込む。そして、大きな動きがあった。荒尾が鈴木圭を差しにかかるが、この時に車体が接触し2人とも落車。3番手を走っていた森がトップに躍り出た。その時、残り周回は半分を切っていた。森の後ろに付けていたのは金子。残りの周回で森にプレッシャーをかけにいくが、最後まで交わし切るまでは行かず森が先頭でゴール線を通過した。
ついに森は大仕事をやってのけた。デビューしてからずっと夢見ていたオートレース頂点の座にたどり着いた。これは本人にとって相当、感慨深いモノがあっただろう。ファンのみならず日本人の誰もが知っている大人気アイドルグループを脱退してまでなったオートレーサー。そこで最も格式高いタイトルを手に入れた。先頭でゴールした時は、これまでの人生で最高の瞬間だっただろう。これまで数々のドラマを生んできたオートレース史の中でも、燦然と輝く今回の日本選手権。これからもオートレース界は感動を与え続けてくれるだろう。
3年ぶり3度目の選手権Vへ、鈴木圭一郎が王手!
オートレース界の日本一を決めるSG日本選手権。その名に相応しく、準決では激しいバトルが繰り広げられ波乱も多かった。天候的にも第7Rの試走が終わってから降雨。走路が濡れた状態で準決第一弾の9Rが始まり、10Rでは少し乾き始める。11Rでは良走路並みの競争タイムが出る状態だったが、最終12Rでは再び降雨で、競争はブチ走路で行われた。
フライングも多かった。まず9Rでは泉田修佑が、そして10Rでは若井友和と加賀谷建明、そして12Rでは青山周平がまさかのフライング。大会3連覇の夢は準決の競争を終えずに断たれてしまった。
そんな準決を戦い抜き、優出を決めた8人は優勝戦の内枠から順に中村雅人、金子大輔、高橋貢、鈴木圭一郎、木村武之、荒尾聡、森且行、山田達也となった。
単純なスタート力は鈴木圭と荒尾が互角で、その少し下に木村武か。次のグループが中村、高橋貢、森。金子と山田達はこの中では劣勢の部類。
枠番を加味してのスタート争いを想定すると、おそらく鈴木圭がトップスタート。これに木村武と荒尾が乗って出る。中村、高橋貢、森と続き、金子と山田達が後方からの展開。
レースは先行しそうな鈴木圭が引っ張る。このペースだが、今節は初日に3・348の上がりタイムを叩き出しており、これが今シリーズの最高時計。準決でもしっかりとタイムが出ていたので、一人で走る展開なら誰も追い付けない計算。そこで当ブログでの本命には鈴木圭を推す。
相手は木村武。鈴木圭のスタートに乗って行けそうで、2番手からの競争ができそう。鈴木圭に引き離されてしまうと逆転は難しくなるが、鈴木圭がペースを上げる前にインに飛び込めれば先頭に立てる。木村武の今シリーズの上がり最高時計は3・354。1回先頭に立てれば簡単には抜かれないスピードがある。2013年以来、3度目となる選手権Vを目指す。
次に中村。スタート争いでどこまで踏ん張れるかは多少疑問残るが、3~4番手までに出られれば十分勝負圏内。SGの優勝戦で10周戦になるのはスタミナがある中村にとって好材料。2014年以来の選手権Vとなるか。そして荒尾。スタート力は健在で、トップスタートまで十分望める相手。6枠から先行するようだと、インコースを抑えての逃げに入れる。近年はSG優勝が多く、選手権初Vも可能な状態。最後に高橋貢。全盛期ほどの威力はないと見られがちだが、それでもSGの優勝戦まで進出してくる技術は確かなモノがある。2004年以来、5度目の優勝となるか。
◎鈴木圭一郎
○木村武之
△中村雅人
△荒尾聡
▲高橋貢
昼間の歓喜を真夜中でも!
今回の飯塚ミッドナイト3日間開催は、昼間に川口で行われているSG日本選手権と日程が重なる。昼のレースで車券を取り損ねたファンにとっては、その夜にすぐリベンジの機会が訪れる。もちろん昼のレースでいい思いをしたファンにしてみれば、更なる上乗せのチャンス。いかようにもミッドナイトレースを楽しめる。出場する選手はA級以下となるが、それぞれ走りには特徴があり、レース展開を予想する要素になってくれる。気になる選手をピックアップ。
今回出場する中で最もランクが上なのは地元の森本優佑。ここ数節はスピード面での強化が図られ、前走では試走30を切るタイムを叩き出していたし、優勝戦まで進んでいた。ミッドナイトの時間帯になれば、更なるペースアップもありそうで、車速に乗った走りを披露できそう。同じくスピードが出ているのは高宗良次や佐藤裕児。高宗は、捌きに関してはまだ荒削りな面はあるが、追い込むレースでも少しずつ結果を出せるようになってきた。前走では初日から3連勝で優勝戦まで進んでいる。佐藤裕児はレース後半に伸びが止まる傾向あったが、それも少しずつ改善されつつある。どちらもミッドナイト向きの走りなので、初日から注目したい。
攻めに破壊力あるのは松尾隆広や田中輝義。松尾隆は前走の2日目に勢い余って反則妨害となってしまったが、エンジン自体は良さそうだった。田中輝は前々走のミッドナイトで優出。その後の開催でもまあまあだった。まだ優勝経験はないが、いつしてもおかしくないだけの技量は持っている。メンバーが手薄な今回は絶好のチャンス。
最近、調子が上がっているのは青山文敏と藤川幸宏。飯塚オートが新走路になってから成績が上向いてきた。青山は前走の4日間は初日から連勝。準決も2着で優勝戦進出を果たしていた。藤川も初日こそ4着だったが、そこから準決を含めて連勝。エンジン上昇中だし、ハンデ的にも軽い印象があるので、今が一番の狙い目。
近況はイマイチだが、リズムを掴んだ時の爆発力があるのは井村淳一。元々ミッドナイトでは良く動く方なので、今回を機に巻き返しのキッカケを掴みたい。同様に牧瀬嘉葵も乱調気味の近況を今回あたりで覆したいところ。長らく続いた軽いスランプを脱出しつつあるのは辻大樹。少しずつだが成績が上向いてきた。まだ車券的にそこまで人気にならない今は、狙って妙味ある選手。
B級にも注目したい選手は何人かいる。試走タイムは出ない方だが、レースで先頭に立ってしまえば後続を封じ込める走りができるのは川端孝。車券的に人気になりづらいので、穴党向けと言える。鋭いスタートからの速攻に期待できるのは松尾学や井上秀則。インコースをしっかりと回れるので、後続に差されにくいのも特徴だ。吉松優輝は近況まずまず。成長盛りの今は、ひとレースごとに走力を増してきている。
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主な出場予定選手
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森本 優佑〔飯塚 A-28(31期)〕
井村 淳一〔飯塚 A-42(28期)〕
松尾 隆広〔飯塚 A-46(28期)〕
高宗 良次〔飯塚 A-58(32期)〕
藤川 幸宏〔飯塚 A-91(29期)〕
辻 大樹〔飯塚 A-106(28期)〕
田中 輝義〔飯塚 A-98(29期)〕
青山 文敏〔飯塚 A-125(16期)〕
頂点を決める戦い・SG日本選手権が開幕!
第52回目を数えるSG日本選手権オートレース。オート界のナンバー1を決める戦いは全レース、0Mオープン戦で行われる。ハンデに助けられることなく、選手の実力がそのままレース結果に反映する。直近2大会は青山周平が優勝しており、今回は3連覇がかかっている。それに待ったをかける選手は現れるのか。
先述の青山は絶好調。今年は出場するほとんどのレースで優勝戦まで進んでいる。個々の競争を見ても1着率が高く、車券の対象から外れることは少ない。スタート、スピード、捌き、重走路のどれを取っても最高級の技量で、よほどの不利でもない限りは優勝戦まで進んでくるだろう。3連覇も十分あり得る。
対抗格の一番手は鈴木圭一郎。最近は約2ヶ月、優勝からは遠ざかっているが、優出はほぼ外していない。今年は大事な所で青山に負けるシーンが目立っているが、日本選手権は2016、2017年の覇者。3年ぶりに3度目の優勝を目指す。エンジン自体は問題なく、この時期なら試走30を切るタイムを出しておきたい。
地元川口勢は中村雅人や永井大介が有力。中村は一時期、調子を欠いていたが、10月に入ってからは本来の捌きが見られるようになった。スタートに頼らなくてもいい追い込み力は健在で、2014年以来の選手権優勝を目論む。永井は今年の前半はイマイチな状態が続いていたが、6月に主戦車の『ダビド・ビジャ』に乗り戻ってからは調子が戻った印象ある。選手権は過去に4度制している。2015年以来となる優勝を果たすか。
伊勢崎勢は青山の他に高橋貢、早川清太郎に期待がかかる。高橋貢は夏場に苦しんでいたが、前走から『ウルフ』に乗り戻っている。過去に数々のタイトルを奪取したエンジンで、気持ちの方も新たに選手権に臨むか。早川は未だにSGとは無縁だが、SG準優勝は2度ある。一昨年の選手権もその一つで、その時より早川の総合戦力はアップしているので、そろそろSGタイトル戴冠となってもなんらおかしくない。
浜松勢は鈴木圭の他に伊藤信夫、佐藤貴也、木村武之などが怖い存在。伊藤信は今年のSGオートレースグランプリで、13年ぶりにSG優勝を決めた。まだまだスピードは豊かで、オープン戦でスタートが決まればブッチ切るシーンが見られるかも。佐藤貴は近況まずまずの推移。全国屈指のスタート力を持っているので選手権向きと言える。木村武は近況上向き。10月入ってから3回優出し、その内2回は優勝を決めている。選手権は2009、2013年の覇者で、3回あるSG優勝の内、2回は選手権。相性のいい大会だ。
飯塚勢は荒尾聡がリーダー。今年はコンスタントに結果を出せており、4月に行われたSGオールスターオートレースでは4度目のSG優勝を決めている。佐藤貴と同様に、スタート力には定評があるので、今回の大会のルールにぴったりと当てはまる。先頭に立ってからもインを抑えつつペースを上げる走りができる。他には浦田信輔や篠原睦も楽しみ。
山陽勢は佐々木啓が長らく好調が続いている。今年は中止となった優勝戦も含めれば17回の優出がある。今回出場するメンバーの中で、スタート力は並だが、道中の追い込みが利くエンジン状態なので、予選道中は着をまとめて優出の可能性も十分。松尾啓史、丹村飛竜といた実力者も、エンジンが仕上がれば上位争いに参加してこれる。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-3(27期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-4(22期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
永井 大介〔川口 S-13(25期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-8(23期)〕
木村 武之〔浜松 S-24(26期)〕
力量は拮抗で混戦模様のアフター6ナイター!
伊勢崎オートはナイター開催が終わってすぐ、今回のアフター6ナイターが始まる。参加する選手ほぼ、前回のナイターにも出場しており、6日間連続での競走となる選手が多い。今回は出場する選手の走りの特徴にスポットを当てて展望していく。
まずは今回出場する中でランクトップの栗原俊介。スタートはそこそこ巧く、攻めの方も積極的。エンジンがある程度仕上がれば、混戦でも強気に突破していく精神力がある。重走路もこなす方なので、走路状態の急変化も心配はない。今回はランク上位の走りを見せる事ができるか。
戸塚尚起は、これといって弱点がないのが特徴。雨が苦手な訳ではなく、スタートが甘い訳ではなく、捌きがない訳でもない。そつのない走りができ、レース展開が向けば上位着でまとめられるだけの技量がある。鈴木将光はパワーある走りがウリ。以前はスタートに課題を残していたが、それもだいぶ克服され、並のスタートが切れるようになった。道中は大きなコースを走って車速を乗せてくる。重走路は得意な部類なので、雨が降れば連対率が高まる。新井淳は典型的な速攻タイプ。同ハンに数車置かれていても、更には内枠だろうが外枠だろうがトップスタートを決めるケースが多い。そこからは差しを主体にした攻めで番手を上げていく。
岩沼靖郎はスピードタイプ。早々と独走の展開に持ち込むと、強豪相手でも振り切れる車速がある。今はだいぶハンデが軽くなっている印象。この機会を活かさない手はない。木村享平は走りにムラあるが、時折り爆発力ある走りを見せることができる。インが混み合っていても、アウトから豪快に交わしていくシーンが度々見られる。
川口の広瀬勝光も木村享と似たようなタイプ。スタートは枠ナリにしっかりと出ることができるし、道中でスピードに乗せるのも巧い。ただ、前が数車重なっていると攻略に手間取ってしまうことも多い。独走力なら石井大志や相馬康夫。どちらもスタートが不安な面あるが、レース序盤で軌道に乗れればハイペースの流れに持ち込める。
和田健吾はパワータイプ。惨敗するケースも多いが、厳しい展開と思える時でも果敢な攻めで進出していくことがある。成長盛りの33期は花田一輝や稲川聖也、伊藤正真、田崎萌、高橋絵莉子らが参戦。花田と稲川はアウトを回ってスピードに乗せることが巧くなってきた。伊藤正真はスタートで遅れることも多いが、それを補えるだけの車速がある。田崎と高橋絵はスタートが早い。道中の攻めは慎重になることが多いが、早めに抜け出せるようなら車券に貢献できる。
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主な出場予定選手
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栗原 俊介〔伊勢崎 A-49(31期)〕
戸塚 尚起〔伊勢崎 A-55(24期)〕
鈴木 将光〔伊勢崎 A-64(27期)〕
新井 淳〔伊勢崎 A-76(23期)〕
岩沼 靖郎〔伊勢崎 A-78(25期)〕
木村 享平〔伊勢崎 A-84(31期)〕
広瀬 勝光〔川口 A-92(30期)〕
和田 健吾〔浜松 A-104(28期)〕