鈴木圭一郎が一人旅を演じそう!
飯塚オートで行われているGIIオーバルチャンピオンカップは、優勝戦のメンバーが出揃った。今回の競争条件に当てはまるように、若手がメインの優勝戦となった。
準決4個レースは、その全てでスピードレースになった。ナイターレースで気温が低くなる事、それに伴い走路温度が下がる事、更に飯塚オートは新走路でタイヤが食いつきやすい事。この3つの条件がスピードレースを誘発している。
準決の上がりタイムで最も良かったのは滝下隼平の3・309。次いで鈴木圭一郎の3・318。こういった数字は近年のSG優勝戦でもなかなか見られない。優勝するには捌きの腕ではなく、むしろスピードの方が大事になってくる今回のシリーズ。エンジン状態と、それを操る技量がモノを言う。今回、最もエンジンが仕上がっているのは滝下。準決のタイムにそれが表れている。優勝戦は0Mオープン戦となった。誰が優勝を勝ち取るのか。
並びは最内から篠原睦、丹村飛竜、岩科鮮太、滝下、鈴木圭、田中茂、早川清太郎、鈴木聡太となった。肝心のスタート争いだが、純粋なスタート力評価で言えば鈴木圭と篠原が上位。次いで、丹村と早川。田中茂と鈴木太がその次で。岩科と滝下が劣勢な部類。
エンジンの仕上がりや今節の気配を見ていると、優勝戦でトップスタートを切りそうなのは鈴木圭。そして、最内の篠原が出る。次に丹村か。早川もこの中では巧者の部類だが、7枠ではどうか。4番手には滝下を推したい。スタートの安定感には疑問が残るが、準決では見事な飛び出しを見せた。エンジン力の裏づけがあってのことだろう。他は差のない争い。
トップスタートを切るとみた鈴木圭の引っ張りだが、準決の動きを見る限り追ってこれる選手は少ない。と言うより滝下以外ではリードを広げられる一方。その滝下は、よくて4番手発進と見ている。レース中盤で2番手に立ったとしても、その時には鈴木圭が大きなリードを作っていそう。鈴木圭は自分の展開を作るとみて本命とする。
相手には滝下を挙げる。スタートには注文つくが、序盤である程度の位置に付けられれば勝負圏内に入ってこれる。何よりエンジンの仕上がりが素晴らしい。準決同様のスタートを決め、いきなりの独走に入るようだと、伊藤信夫が持つオートレース界の上がりタイムレコード、3・284に迫る数値を出せるのではないか。次に丹村。準決の上がりタイムは物足りないが、それは9Rでの事。もっと冷えてくる時間帯のレースならタイム上昇も見込める。今節はスタートの切れも悪くない。2枠から好ダッシュを見せるか。そして岩科。岩科もスタートは安定しないが、今節はいつも以上には切れている。多少、強引な突っ込みを見せる事もあるので、前を走る車を交わす射程圏内に入ってくると、迷わずインに飛び込んでくる。最後に篠原。準決の上がりタイムは微妙だが、最内から先行も考えられる。トップスタートを決め、後続が激しく競り合うようだとチャンスもある。
◎鈴木圭一郎
○滝下隼平
△丹村飛竜
△岩科鮮太
▲篠原睦
GIIオーバルチャンピオンカップが開幕!
飯塚オートで不定期に開催されているGIIオーバルチャンピオンカップが、12月5日から5日間の日程で行われる。前回行われたのが昨年の4月。この時は有吉辰也が優勝。近3開催は全て地元勢の中から優勝者が出ているが、今回はどうなるか。注目選手を挙げていく。
地元エース格は荒尾聡。近況の動きは悪くなく、前走の浜松GIでも優出し3着入線。エンジンは高位で安定している。この大会は前々回の覇者であり、2015年にも制している。今回は同大会3度目の優勝へ向けて初日から激走する。前回覇者の有吉はエンジン状態が並。決して悪くはないが、GIIで優勝争いをするとなると上積みは必要。
浦田信輔、篠原睦らもエンジン状態は並でピリッとはしない。ただし、少しでも良くなれば、浦田は強烈な差しで番手を上げてくるし、篠原は鋭いスタートからの速攻に期待できる。地元S級は他に田中茂、久門徹、岩見貴史など粒揃い。特に注目は重富大輔で、競争タイムが出やすい今の気候や走路状況に走りがマッチしている。
外来勢で最も注目なのは鈴木圭一郎。前走の地元GIでは見事に優勝している。優勝戦では先行した高橋貢が早めに抜け出し、セーフティとも言えるリードを作っていたが、鈴木圭は2番手に立ってから怒涛の追い込みを見せ、ゴール前できっちり捕まえてみせた。良い勝ち方で臨める今回は、初日から快走に期待できる。
浜松勢では伊藤信夫と金子大輔も好調。伊藤信は前走の伊勢崎一般開催で優勝。優勝戦は記念レースの優勝戦並みのメンバーが40線に7車並んでいたが、レース序盤で抜け出すと後続を離しての優勝だった。上がりタイムは3・344。スピードキングが完全に復活している。金子は、その伊勢崎優勝戦で4着。ハンデ位置的には厳しい所に置かれていたが奮闘していた。更にその前の地元GIでも優出し4着。流れとしては悪くない。
金子と同期の丹村飛竜も上昇ムード。前走の飯塚3日間一般開催ではオール連対での優勝を飾っている。今回と同じナイター戦で上がり3・346の好タイムをマークしていた。同じレース場、同じ時間帯でアドバンテージは大きい。
他に有力どころは早川清太郎、中村雅人、佐藤摩弥など。早川は浜松GIではいい所がなかったが、その後の地元では初日から連勝で優出3着。地元走路での活躍が目立つ早川だが、飯塚オートでは2009年にGIIを制しており、相性としては悪くない走路。中村は今年まだ優勝はないが、近況はエンジンが中堅上位で推移。今年の初優勝が記念になる可能性もある。佐藤摩は、前走の浜松GIでは準決こそ重走路で8着だったが、それ以外の4走は1着2本を含むオール連対。エンジン自体は悪くない。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
荒尾 聡〔飯塚 S-3(27期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-5(23期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-7(29期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-23(29期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-12(24期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-10(31期)〕
若武者・中山光の勢いが止まらない!
前回の川口オートは中山光の動向に注目が集まった。それまで2連続優勝を遂げていた中山光は、前走から最重ハンにハンデが重化。この位置でどこまで戦えるかが大きなポイントだったが、完全に杞憂に終わった。
中山光は前走の初日こそ2着だったが、その後の3走は全て1着。優勝戦では同ハン外枠の岩崎亮一が前を走るシーンも一時あったが、そこからスピードを乗せて逆転。そのままの勢いで先頭まで行ってしまった。最重ハンから追い上げて行けるのだから、車を交わす技術も悪くはないのだが、それ以上にスピードが際立っている。冬場でタイムが出やすい状況なのも加味して、走りの特徴がレース結果につながっている。今回からは最重ハンの中でも、より位置が外に置かれる可能性も出てくるが、ここでどれだけの走りができるか。今の中山光なら全てを克服してしまいそうなパワーがある。今回も大注目の1車だ。
そうそう簡単にやられたくないのはランク上位陣。今回、最もランクが上なのは永井大介。前走は準決で被害があり優出はできなかったが、それ以外の3走は永井らしい走りができていた。今年はこれまで優勝が2回と、永井の実力を考えれば物足りない数字だが、年末のSSに向けてそろそろ結果も出しておきたい。
大木光、山田達也、鈴木清の3者は前走が地元の補充参戦。3者とも3走していた。大木と山田達は1着2本を含むオール連対。1走目は重走路でともに1着。その後の良走路でもしっかりと追い込めていた。鈴木清は1走目の重走路は3着だったが、その後の良走路2走は1着。3者ともエンジンは十分な機力を有し、重走路にも対応できている印象。補充参戦の前回とは違い、今回は勝ち上がり権利があるので、優勝戦まで顔を出してくる可能性は高い。
他に地元S級は佐藤裕二と平田雅崇。どちらも前走の準決は3着だったが、シリーズを通して見ればある程度戦えていた印象。今回に向けても不安は少ない。
外来S級は浜松から佐藤貴也と木村武之。山陽から岩崎亮一と長田恭徳。佐藤貴と木村武は前走が地元のGI。どちらも優勝戦まで進めなかったので、納得いくシリーズにはならなかったが、シリーズ中に1勝はできており、エンジンが全くダメなわけではない。ちょっとした調整のズレにより結果が出なかった。しっかり合わせられれば問題はない。走路温度が下がってるこの時期なら、試走で言えば30を切るタイムは出しておきたい。岩崎と長田の前走は今回と同じ川口オート。岩崎はここで優出。今年はまだ優勝がなく、優出も2回。前走の優出で良い流れに乗りたい。長田は前走で凡走が続いたので、立て直しを図りたい。
A級では増田伸一が前走の地元で優出し3着。予選準決の3走は全て1着だったように、エンジンはすこぶる良い。ハンデ位置的にも魅力十分だ。B級では永瀬敏一が前走で優出。捌き自体はA級に匹敵するモノを持っているので、レース序盤の展開さえこなせば上位着が望める。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
永井 大介〔川口 S-13(25期)〕
大木 光〔川口 S-17(28期)〕
山田 達也〔川口 S-19(28期)〕
鈴木 清〔川口 S-33(23期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-15(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-24(26期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-29(25期)〕
長田 恭徳〔山陽 S-37(32期)〕
まだまだ続く飯塚オートのリレー開催!
29日が最終日だった飯塚オートのナイターだが、30日から再びミッドナイトレースが始まる。出場選手はほぼ、連続での戦いになる。前回で動きが良かった選手が今回も活躍しそうだが、整備で立て直してくる選手もいるだろうから予想は簡単にはいかない。
前回のナイターで優出しての参戦は田中茂、森本優佑、田中進、藤川幸宏など。田中茂は今回出場する中で最もランク上位。近況はエンジンが安定しており、田中茂らしい走りができている。前回よりも出場選手が減り、メンバーが手薄になる今回はチャンス倍増。優出はノルマになるし、優勝争いにも参加してくるだろう。
森本はここ最近、着実に力を付けている。元々、車速はある方だったが、ここにきて完全にスピードレーサーの仲間入りができている。走路温度が下がる事に加え、新走路となった飯塚オートでのびのびと走れている様子だ。田中進も同様に、スピードが出やすい条件で好成績を残せている。走り的にもスピードが乗りやすい大きなコース取りなのが特徴。反面、差しをほぼ使わないスタイルは、番手を上げにくい局面もしばしば。そういった時にどう対処してくるか。藤川は以前ほどレース後半のタレが少なくなった。現在は最重ハンの20M前で走っているが、前回の準決などは上がり3・374を叩き出していた。今のハンデ位置でこのタイムを出されたら、後ろから追う選手にとっては酷なもの。今回はハンデ重化があるのかどうかは注目ポイント。
地元S級は田中茂の他に久門徹、岩見貴史、別府敬剛、重富大輔。久門は前走では平凡な成績に終わったが、その前の浜松GIでは優勝戦まで進んでいた。エンジン自体は悪くないので、ちょっとした調整で上向かせてくる可能性はある。岩見も前走はイマイチだったが、その前の山陽では優出し3着。武器のスタートが決まれば、一気に展開が楽になる。別府は前走で準決6着。ただし、その前までは連続優出しており、今回で再び流れを引き戻せるか。重富大はコーナースピードの豊かさが持ち味。ミッドナイト、新走路の2点は重富大にとって有利に働く。
外来S級は渡辺篤と岡部聡。渡辺は調子にムラが大きいタイプ。前走ではいい所がなかったが、今回は急に良くなるケースも十分。エンジンが良くなればレース序盤から積極的に仕掛けていくだろう。岡部は以前ほどの安定感は見られていないが、随処で捌きの巧さを見せている。混戦で最大の能力を発揮できるタイプで、今回のようなスピード戦にどう対応してくるかは見もの。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
田中 茂〔飯塚 S-22(26期)〕
久門 徹〔飯塚 S-28(26期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-32(29期)〕
別府 敬剛〔飯塚 S-38(23期)〕
重富 大輔〔飯塚 S-39(27期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-31(31期)〕
岡部 聡〔山陽 S-44(19期)〕
藤川 幸宏〔飯塚 A-91(29期)〕
地元3強を中心にシリーズが展開されていく!
伊勢崎オートは約三週間ぶりの開催。前回はSGの直後の開催でA級、B級勢がシリーズを盛り上げたが、今回は地元3強を含む主力が多く参戦。前回とはまた違ったレース展開が繰り広げられる。
全国ランク1位の青山周平は、前走の浜松一般開催では優勝戦まで進出し6着。優勝戦では展開が厳しくなった。それでも近況は30を切る試走タイムが出ており、エンジンは高い位置で安定。ほとんどのレースで1着を取れている。今回は約一ヶ月ぶりの地元での競争とあって、気合いを入れ直して臨んでくるだろう。
地元3強の他2人は高橋貢と早川清太郎。高橋貢の前走は浜松GIだった。ここでは重走路の準決をこなし優出。そこでは2着入線の準優勝だった。スタートからダッシュを決め、早々と先頭に立つ絶好の展開。優勝までありそうな動きだったが、猛追してきた鈴木圭一郎にゴール前で捕まってしまった。負けはしたが、絶対王者の健在っぷりが目立ったレースだった。その前の川口のSGでも優出し3着。近況は良い流れに乗れている。今回はメンバーが大幅に軽くなる一般開催。当面の宿敵は青山となる。早川の前走も浜松GIだった。しかし、そこでは初日から全く折り合いが付かず凡走続き。地元は約一ヶ月前に準優勝しているだけに、地元に帰ってエンジンの立て直しを図る。
他に地元S級は内山高秀、吉原恭佑、西原智昭、新井恵匠。吉原と西原、新井恵は前走が浜松GI。吉原はシリーズ中に2勝を挙げていたが、肝心の準決は5着止まり。新井恵も健闘していたが、思うような結果は残せなかった。西原もイマイチだったが、最終日には白星を挙げており、今回へ向けて一応の体裁は保てた。
外来S級は伊藤信夫、金子大輔、青島正樹などが有力。いずれも前走は浜松GIだった。伊藤信は初日から良い流れだったが、重走路の準決は5着で優出はならなかった。逆に金子は、その準決をこなして優勝戦進出。優勝戦ではハンデ位置が厳しかった事もあり4着止まり。それでもエンジンの方はマズマズだった。青島は準決3着だったが、シリーズを通して見れば悪くない着取り。近況は良い走りができている。
中村友和、丸山智史、緒方浩一もS級として参戦。3者ともエンジン状態はもう一つで、上積みが必要な状況。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-4(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-7(29期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-30(32期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-12(24期)〕
金子 大輔〔浜松 S-14(29期)〕
丸山 智史〔山陽 S-21(31期)〕
緒方 浩一〔山陽 S-46(30期)〕