木村武之が自在に攻めて栄冠のゴールへ!
川口のGIキューポラ杯も優勝戦の日を迎えた。厳しい4日間を戦い抜き、大舞台まで進出した8名。準決は波乱があり、優勝戦はいつもとは違い、やや異色の顔ぶれとなった。まずは準決4個レースを振り返る。
9R...大木光がフライングで再発走。古木賢が逃げ態勢を作るも、エンジン仕上がった木村武之が早めに捕まえて独走。2着には、福村唯倫と古木を差した岩田行雄が浮上。8枠の荒尾聡はタイヤが終始滑り、全く追い込めずに終わった。
10R...軽快に逃げる間中大輔に、北渡瀬充がマーク追走から差し込む。これはコーナー流れ、池田政和がインを付いて首位浮上。その後は北渡瀬が間中に競り勝ち2着ゴール。8枠の金子大輔は後方で動けなかった。
11R...逃げる牧野貴博を黒岩明が差して独走態勢。牧野はそのまま2着に残る。鈴木圭一郎は好スタートからいい位置に付けていたが車は伸びず、レース終盤では山田達也に差し込まれてしまう。8枠の高橋貢は何もできなかった。
12R...0ハン先行の谷島俊行が逃げ切る。追走の深谷輝が益春菜のイン攻めにあい落車。青島正樹と佐藤裕二は進みが甘く、早川清太郎が突破して行く。試走タイム出た滝下隼平と、実力者の永井大介は展開的に厳しくなった。
優勝戦はいずれもエンジン好調車だが、その中で一つ抜け出しているのは木村武之。次いで、池田政和と黒岩明。そして、早川清太郎。他の4車はそれほど差はないか。
0ハンから先行するのは北渡瀬か谷島。それに牧野が続く形。10線は岩田か黒岩の先行。そこに木村が乗って行く形になると思われる。
総合的に考えて優勝に最も近いのは木村。今節はエンジンが仕上がり、本来の走りができている。準決でも上がりタイムで一番時計を叩き出した。序盤の仕掛けも決まっており、あっさりと抜け出してブッチ切るとみた。相手には黒岩を推す。ここ数ヶ月はエンジンが良いこともあるが、乗り手の方も成長がうかがえる。26期と、決して若い方の期ではないが、ここにきて走りが数段に良くなっている。先手先手の攻めができれば、記念初制覇も見えてくる。
他で怖いのは早川と池田。序盤の展開は厳しくなりそうだが、スピードがあり、記念の優勝戦で2周延びるのは好材料。記念レースでの勝ち方を良く知っているので、木村が0ハンに手間取るようならチャンスが生まれてくる。最後に北渡瀬。成績はムラな方だが、ここ一番での勝負強さには定評がある。0ハンから先行するようなら大逃げを見せるかもしれない。
◎木村武之
○黒岩明
△早川清太郎
△池田政和
▲北渡瀬充
川口ナイターGIキューポラ杯開幕!
毎年、この時期に行なわれる川口の伝統GIキューポラ杯だが、今年はナイターレース。このところ気温が上がってきているので、昼間のレースよりは快適に観戦できる。メンバーも各地から強豪が勢揃い。熱戦を制すのは...。
前回の川口開催で、久々に優勝を決めたのは永井大介。4月に川口所属になってから初めての優勝。大崩れはしていなかったが、優勝できないでいたもどかしさを一気に振り払ってしまった。一度、リズムを掴むと好調の波に乗るのが得意な永井。ここから快進撃を見せてくれそう。
その優勝戦で惜しくも2着になったのは大木光。4日目シリーズをオール2着でまとめる安定感を誇っていた。優勝戦では永井のインを窺う素振りもあり、気持ちの面で積極的な姿勢が見られた。中村雅人も優勝戦まで進み6着。優勝戦では動きがニブかったが、そこまでの3日間はオール1着。エンジン面は心配ないだろう。他にも、若井友和、平田雅崇、山際真介、秋田貴弘らが優出しており、いずれもが好調を示していた。優勝戦までは進めなかったが、前々回の川口開催で優勝した池田政和や、レース後半の動きが良い山田達也なども活躍が見込まれる。
外来勢で最も注目なのは木村武之。前走の地元開催で完全優勝を決めてきた。優勝戦は好メンバーだったが、好枠から一気の攻めを見せて快勝。今後につながる価値ある勝利だった。他に優勝戦に乗っていたのは高橋貢、金子大輔、荒尾聡、早川清太郎。高橋は、優勝戦でも強烈な追い込みを見せて3着まで浮上。他の3車は優勝戦では展開が厳しく、好結果を残せなかったが、予選道中の動きを見る限り、車の方は良さそうだった。特に、早川はこのところ完全に波に乗っている。不安視されていたスタートも良くなっているので、レースがだいぶ楽になっている。
若手の注目、鈴木圭一郎は前走の地元の準決で珍しく反則失格。しかし、それ以外の3日間は全て1着。精神面でも悪影響はなさそう。エンジンの方はもちろん高位で推移している。山陽勢は、岩崎亮一が好調をキープ。前走の地元3日間開催でもしっかりと優出。ここではA級の五所淳も優勝戦まで進んでいた。佐々木啓、角南一如、浜野淳らもけっしてエンジン悪い部類ではなく、ちょっとした事で上昇する可能性は十分。人見剛志も鋭い追い込みを見せてくれそう。
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主な出場予定選手
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中村雅人〔川口 S-1(28期)〕
永井大介〔川口 S-5(25期)〕
高橋貢〔伊勢崎 S-2(22期)〕
早川清太郎〔伊勢崎 S-10(29期)〕
金子大輔〔浜松 S-6(29期)〕
鈴木圭一郎〔浜松 S-7(32期)〕
木村武之〔浜松 S-13(26期)〕
荒尾聡〔飯塚 S-8(27期)〕
浜野淳〔山陽 S-11(24期)〕
堅調・篠原睦がシリーズリーダーに!
今節参加するS級選手は8名とやや少なめ。A級が大半を占めるが、優勝争いとなると、やはりS級陣の出番となる。S級各選手の近況と、A級の中から優勝戦まで進みそうな選手を挙げていく。
安定感がウリの篠原睦の近況は、その言葉が表すとおり安定そのもの。前走の伊勢崎GIIでは、予選道中を無難に乗り切りキッチリと優出を果たした。今年はこれまで17節を消化し、11回の優出を決めている。出場するシリーズの半分以上は優勝戦まで進出。その内、優勝は2回だが、優勝戦では全て5着以内でまとめている。今節も高レベルのエンジンを駆って、優勝戦まで進む可能性は高い。
近況の勢いで言えば前田淳と松尾啓史も負けてはいない。前走の地元山陽で共に優勝戦まで進んでいる。松尾はここまで4節連続優出中。今節はランクが良くないので、ハンデ位置的に恵まれている点も大きい。前田はエンジンの好不調が大きく、軽いスランプに入っている時もあったが、前走の地元で準優勝しており、ようやく良化ムードとなってきた。
今回の地元で、篠原の他にS級は桝崎陽介と岩見貴史。前走は共に山陽で、優勝戦までは進めなかったが、3日間のシリーズでオール3連対を決めている。エンジンはマズマズの位置で安定している。岩見は同ハンに数車並んでも先行できるスタート力が武器。桝崎はレース後半まで諦めずに追い込んでくるスタイルで活躍している。
岡部聡と新井恵匠はエンジン悪くはないが、もう少し欲しい現状。藤岡一樹は前走からエンジンを乗り換え、それまでのエンジンよりはいくらか良くなっている。これからの調整次第では、まだまだ良化が見込める。
A級では丹村飛竜が良い。地元のGIIを制したあたりから成績が安定してきて、前走の地元開催でも優出。課題だったスタートが大幅に良化されているのが大きな要因。岡本博幸も前走の地元で優出。インコースをしっかり走れるタイプなので、ハンデ的に前の方に置かれたときの重ハン勢は苦戦が想定される。
B級では、夏場に活躍が目立つ城戸徹や磯部真樹らに注目。走路温度が上がってくれば、かなりの逃げ粘りを見せることができる。0ハンで単騎か、同ハンから先行できそうな番組では積極的に狙っていきたい。
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主な出場予定選手
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篠原 睦〔飯塚 S-9(26期)〕
桝崎 陽介〔飯塚 S-19(28期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-36(29期)〕
岡部 聡〔山陽 S-26(19期)〕
前田 淳〔山陽 S-28(27期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-42(26期)〕
藤岡 一樹〔山陽 S-44(29期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-41(30期)〕
勢い絶頂・早川清太郎の走りに注目!
今回出場するS級陣は、前走が伊勢崎のナイターGII稲妻賞だった選手が多い。その中でも、素晴らしい走りで稲妻賞を制した早川清太郎が参戦。他にも優勝戦まで進んだ選手が多数参戦するので、レースは自然と激化するハズ。地元勢も級別を問わず、好調な選手がいるので紹介していく。
まずは稲妻賞を制した早川清太郎。稲妻賞Vの前も3節連続で優出しており、優勝も1回あった。エンジンは高位で安定中。今回も主力として数えられるが、一つだけ不安要素を挙げるなら、ここ4節はずっと地元で走っていた点。ナイターレースが続いていて、今回は昼間のレース。これにどこまで対応できるかが大きなカギになりそう。
稲妻賞で優出したのは他に、佐藤貴也、荒尾聡、高橋貢、白次義孝の4人。佐藤はこのところエンジンが上昇してきて、優勝戦でも渋太い走りを見せていた。エンジンと共に、乗り手の方も切れ味が鋭くなっている。荒尾もエンジンはマズマズの状態で推移。武器のスタート力も健在で、得意の速攻を披露できる状態。高橋貢は、優勝戦の展開は厳しくなったが、このところエンジン状態は良い。白次は独走に入れる展開で持ち味を出せる。ハンデ的に前に置かれる構成なら要注意だ。
その稲妻賞で、準決3着になり優勝戦には乗れなかった金子大輔だが、準決以外はオール連対を果たしており、エンジン面は心配なし。久門徹、吉原恭佑はエンジン的に足りてない状態。整備で上向かせたいところ。
鈴木圭一郎、木村武之ら地元主力勢は、前走の地元開催で優出できなかったが、準決以外の日はオール連対でまとめており、エンジンは問題ない。今回も強烈な走りを見せてくれる。青島正樹は、前走の地元2日目に反則をしてしまったが、それ以外の3日間は全て1着。状態は悪くない。伊藤信夫と遠藤誠は、前走の川口開催で優出。エンジンをある程度の位置で保っている。
A級では岩科鮮太が、前走の飯塚一般開催で優勝してきた。優勝戦は不安定な走路だったが、しっかりと乗り切り約6年ぶりに勝利の美酒。これを弾みに波に乗りたい。その優勝戦で2着だった松山茂靖、3着だった小林頼介らも上昇ムードにある。
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主な出場予定選手
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金子 大輔〔浜松 S-6(29期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-7(32期)〕
木村 武之〔浜松 S-13(26期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-16(29期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-22(24期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-2(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-10(29期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-8(27期)〕
充実地元S級陣の走りに注目!
地元S級陣はほぼ勢揃い。佐藤裕二と斎藤撤二以外は全て参戦で、更にエンジン的にも状態の良い選手が多い。対する外来は青山周平が絶好調。佐々木啓も安定した成績を残しており、地元勢に襲いかかる。
中村雅人と青山周平は前走の伊勢崎GIIで優出。2人ともハンデ位置もレース展開も厳しかったが、中村は道中の動きが良く、2着まで追い上げていけた。青山は終始後方のままで苦しんでいた。しかし、どちらもシリーズ通してエンジンは良い状態で安定していたので、今回も期待できる。
前回の川口開催で、移籍後の地元初優勝を決めたのは池田政和。4日間シリーズをオール連対でまとめた。ここにきてエンジンが大幅に良くなっており、前回の動きを出せれば連続優勝の目も出てくる。その優勝戦で3着だったのは永井大介。永井は川口に移籍してからまだ優勝はゼロ。優勝戦には3回乗って、いずれも3着だった。ただし、良走路では3連対をほぼ外しておらず、安定感は流石の一言。この辺で優勝できれば、再び快進撃を見せてくれるかもしれない。同じく優勝戦に乗っていたのは山際真介と塚本浩司。どちらも展開を生かし、スピードで勝負するタイプ。
若手勢の高橋義弘、山田達也、大木光、平田雅崇らはエンジン完調ではないものの、十分レースでは通用するレベルにある。森且行と若井友和は前走の地元の準決だけイマイチだったが、それ以外の日は悪くない内容。長らくスランプに入っていた益春菜も、前走あたりから良化の兆しが出てきている。中野憲人も長期欠場明けから徐々にレース勘が戻っている。鈴木清は現状ではもうチョイ欲しいところか。
青山以外の外来勢では佐々木啓に注目。前走の浜松では準優勝。しかも、優勝戦までの3日間はオール1着。レース場ごとに整備のデータを持っており、どこに行ってもエンジン調整に余念がない。それが高い位置でエンジンを安定させる秘訣。今回も川口の走路にしっかりと合わせてくるハズだ。西原智昭と内山高秀の両者はエンジンもう一つ。ただし、決して悪い部類ではないので、ちょっとしたところで上積みをしてくる可能性は大。
A級では、連続優出は途切れてしまったが黒岩明が依然好調をキープ。地元の記念を制してから、更に飛躍を遂げている佐藤摩弥。最重ハンの10M前に置かれると更に速攻に磨きがかかる新井淳に期待したい。
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主な出場予定選手
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中村 雅人〔川口 S-1(28期)〕
永井 大介〔川口 S-5(25期)〕
高橋 義弘〔川口 S-14(29期)〕
森 且行〔川口 S-15(25期)〕
池田 政和〔川口 S-23(23期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-3(31期)〕
西原 智昭〔伊勢崎 S-34(28期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-12(23期)〕