再び変調の永井大介、ここが正念場!
先のGIキューポラ杯から間隔を空けず、4日間の一般開催が行われる川口オート。当然の事ながら、メンバーはだいぶ薄くなるが永井大介や金子大輔などの銘柄級は参戦。SからB級までバラエティに富んだハンデ構成で、オートレースの醍醐味が感じられるシリーズになりそう。
今回出場する中で、エンジン的に突き抜けてる選手は不在だが、実力的には永井と金子が一歩抜き出ている。その永井は前走のGIで優出を逃してしまった。更に、最終日のレースは、近年では珍しく反則妨害で失格。自分のエンジン状態と前を走る車との距離感を掴み誤り、中途半端な突っ込みになってしまった。これは1流選手にとっては致命的なミス。精神面で、マイナスの方向に働かなければいいが...。しかし、その前の節で優勝しているので、流れが完全に悪いわけではない。永井らしい走りは決して失わないでもらいたい。もう一人の主力、金子も前走は川口のGIだった。初日から連勝発進したものの中盤から失速。優勝戦までは進めなかった。ただし、今回は一般開催なので、エンジン的には十分戦えるレベルにある。
S級で、前走で優勝戦まで進んでいたのは松尾啓史と新井恵匠。飯塚の3日間開催で、松尾が3着、新井が4着だった。2人とも予選準決を1着で突破しており流れは良い。特に、松尾は今期のランキングがイマイチなため、優勝戦の濃いメンバーの中では恵まれたハンデ位置に置かれることが多いので、優勝戦まで進んだ時は特注だ。新井は波に乗るとしばらく好調が続くタイプ。前走の優出でリズムを掴んでくるか。この優勝戦には、A級ではあるが穴見和正も進出していた。しかも準優勝を含め、シリーズ中はオール連対。徹底したイン走法は見ものだ。
他のS級は山田達也、佐藤裕二、鈴木清、西村龍太郎の4人。山田のエンジンはマズマズで、レース後半の追い込みは強烈だ。序盤さえ、もう少しこなせればもっと成績が付いてくるだろう。佐藤と鈴木は、武器のスタートは決まっているものの、道中の伸びはもう少し欲しい状態。しかし、地元開催なので大幅な整備もやりやすい。突如、エンジン上昇もあり得るので、連日試走からは目が離せない。西村は調子の波が激しい選手。前走はパッとしなかったからとは言え、新たな節では初日から快進撃を見せることもある。
A級では谷島俊行が、前走の地元GIで優出しており上り調子。ハンデが軽い今は狙い時だが、今節から重化する可能性もある。ハンデの変動には注視したい。君和田裕二も長らくエンジン好調。強豪相手でも車は伸び負けていない。序盤の位置取りも巧くなっており、成績がだいぶ安定してきた。笠木美孝はS級にいてもおかしくない走力の持ち主。鮮やかなスタートからの素早い攻めが得意。桜木公和も地元で調子を上げてきている。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
永井 大介〔川口 S-5(25期)〕
山田 達也〔川口 S-24(28期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-25(24期)〕
鈴木 清〔川口 S-33(23期)〕
金子 大輔〔浜松 S-6(29期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-41(30期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-42(26期)〕
西村 龍太郎〔山陽 S-43(25期)〕
高橋貢が地元勢をまとめ上げる!
今回出場する選手は地元伊勢崎がメイン。外来もやってくるが、ほとんどは地元選手の構成。S級で、絶好調の選手は不在。エンジンに差がなければ、経験と腕で高橋貢が中心になる。A級の中に、調子を上げてる選手もいるので紹介していきたい。
まずは地元の絶対エース・高橋貢。前走は川口のGIだったが、5日間シリーズで1勝を挙げたものの、全体的には物足りない結果に終わってしまった。しかし、この開催は川口ナイター。消音マフラーを装着してのレースとなったので、セッティング的に良いところが見つからなかっただけ。地元に帰れば、いつもの調整でエンジンを上向かせてくるハズ。もう一人の地元S級は西原智昭。近況は成績がパッとしないが、大崩れしているわけではない。ちょっとした所で立て直し可能な状態。
外来のS級勢も、絶好調の車はいないが、藤岡一樹がようやく上向いてきた。前走の飯塚3日間開催をオール2着でまとめた。優勝戦に乗るには準決で1着が条件だったため、優出はならなかったが、ここ最近のスランプを考えれば良化の兆しが出てきたと言っていい。かつての爆発的な走りを見られる日も近い。
他のS級選手はエンジンが並。それでもナイターの食い付く走路を味方に、高橋義弘が快速を披露してくれるかもしれない。また、エンジンが仕上がらなくても腕一本で浮上できるのは浜野淳。伊勢崎ナイターとの相性は抜群だ。岩崎亮一は良い時と比べると下降気味だが、一般開催なら戦える動き。人見剛志は節ごとにエンジンが変動するタイプ。前走の川口GIはイマイチだったが、今回は急に良くなることもある。斎藤撤二は道中の走りは悪くない。スタートを含め、序盤さえこなせれば結果が付いてくる。
A級では内山雄介が急上昇。前走の地元開催で自身2度目の優勝を決めてきた。3日間シリーズでオール連対と、安定感も出てきている。エンジンが良い今のうちに1着を量産したいところ。ただ、一つの懸念はハンデの変動。優勝時は最重ハンの10M前だったが、今節から最重ハンになる可能性が高い。それでも優勝した勢いを維持したまま、今回に臨めるのは心強い。その優勝戦に乗っていたのは別府末彦。数節まえにスランプを脱出してからは、だいぶ好成績を残せるようになっている。桜井晴光は前走の川口で優出しており、本来のスピードを発揮できる状態。こちらも最重ハンの10M前に置かれるようなら積極的に狙ってみたい。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
高橋 貢〔伊勢崎 S-2(22期)〕
西原 智昭〔伊勢崎 S-34(28期)〕
浜野 淳〔山陽 S-11(24期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-18(25期)〕
人見 剛志〔山陽 S-37(28期)〕
藤岡 一樹〔山陽 S-44(29期)〕
高橋 義弘〔川口 S-14(29期)〕
斎藤 撤二〔川口 S-45(25期)〕
今節は3日間の短期決戦!
今回は平日3日間開催。初日がいきなり最終予選となり、全く気が抜けない状況。地元は鈴木圭一郎、木村武之ら主力が出場するのに対し、外来は青山周平や篠原睦などが目玉選手。どのような攻防が繰り広げられるのか。
地元主力の鈴木圭と木村は前走が川口のGIだった。この大会で、木村は見事に優勝。シリーズ序盤からエンジンを高いレベルにまで仕上げ、木村らしい走りを披露していた。走るレース場が変わるとは言え、間隔は空いていないので勢いそのままに今回に臨める。鈴木は準決で精彩を欠き、4着に終わった。優勝戦には進めなかったが、最終日はキッチリ1着を取っていたので、エンジン的には心配なさそう。
佐藤貴也、伊藤信夫、遠藤誠の3人は前走が地元の4日間開催。最も成績が良かったのは遠藤で、優勝戦まで進み7着の結果。予選中に2勝を挙げるなど、エンジン自体は上々の仕上がりだった。佐藤と伊藤は優勝戦まで進めなかったが、準決以外の3日間はオール3連対を果たしている。エンジンは悪くなさそう。
外来勢で注目の青山は、前走が川口4日間開催。雨の準決で4着になり、優勝戦までは進めなかったが、それ以外の3日間は良い動きを示していた。良走路に限って言えば、ほぼ万全の仕上がり。もちろん雨でも連対率は高いので、それほど心配はない。もう一人の注目は篠原。前走の地元3日間開催ではオール3連対の安定感。近況に限らず、年間を通してエンジンを高いレベルで維持できている。
外来S級は他に岡部聡、桝崎陽介、田村治郎の3人。安定した成績を残しているのは岡部。前走の飯塚3日間開催でもオール3連対の好内容。エンジンの仕上がりは良く、同ハンからスタート行けなくても道中で巻き返して行ける状態にある。桝崎は一時期の好調っぷりがなくなってはいるが、十分レースに参加できており、ゴールまで諦めずに追って行く姿勢には好感が持てる。田村もエンジンはソコソコだが、ここ半年で4回の反則行為の累積があり、今節が終わるまでは特に無理はできない状況。これがレースにどう作用するかだ。
A級では、竹谷隆、丹村飛竜がエンジン良い。共に前走は飯塚3日間開催で、優勝戦まで進んでいる。竹谷はここ何節かエンジンが良い状態で安定しており、雨での無類の強さに加え、良走路でも後方からの追い込みが決まっている。丹村もエンジンがずっと良い。ただし、優勝戦で反則してしまったので、それが精神的にどれだけ影響を与えるかどうか。
B級では、岸萌水の成長が著しい。前走の地元では準優勝している。それも4日間開催で2勝を挙げるオール連対。単騎の逃げに関してはかなり完成度が上がってきている。これからは前に何車か置いてのレースも増えるだろうから、捌きの面が課題になってくると思われる。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
鈴木 圭一郎〔浜松 S-7(32期)〕
木村 武之〔浜松 S-13(26期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-16(29期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-3(31期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-32(30期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-9(26期)〕
桝崎 陽介〔飯塚 S-19(28期)〕
岡部 聡〔山陽 S-26(19期)〕
今年度ミッドナイト第4弾!
今年のミッドナイトレースもこれで4節目。今節は各レース7車立てで、全6レースが行なわれる。参加する選手は全部で42名。その中でS級は5人の予定。さて、優勝争いに名乗りを挙げるのは...。
今節出場する中で最も状態が良いのは鐘ヶ江将平。前走の地元4日間開催で、自身2度目の優勝を決めた。元々、スピードには定評があった。課題のスタートも良くなっていたが、捌きの面は不安視されていた。その捌きも、近況はだいぶ身に付けてきており、追い込むレースでも成績が上がってきた。今回はミッドナイトレース。タイヤが走路に喰い付きやすい条件で、鐘ヶ江は最も持ち味を出せる。連続優勝に期待したい。もう一人の地元S級は岩見貴史。近況は大きな着を取っておらず、ある程度の成績でまとめている。エンジンがいいのはもちろんの事、晴れ雨問わず巧くこなせるのが強み。スタート良し、スピード良し、重走路良し、いつでも狙える貴重な選手。
外来S級は前田淳、内山高秀、吉原恭佑の3人。前田は地元で準優勝した後に、今回の飯塚で3走し、マズマズの結果。エンジン的にはだいぶ戦えるレベルになってきた。今回は最重ハンの外寄りに置かれる事が多いと思われるが、そこからでもダッシュを決めて好位を奪えるスタート力が武器。その後もインを強烈に攻め込んで行ける。内山と吉原は、本来の実力を考えれば近況はイマイチ。エンジンの底上げが急務となる。
A級で注目なのは西村義正。前走の地元3日間開催で久々に優勝を決めた。道中の捌きはしっかりしており、今はエンジン自体も好調。田中進と井村淳一も車は伸びてる。2人とも外めのコース取りで車速に乗ってくるタイプだ。渋沢憲司はスタートの切れ味が鋭い速攻タイプ。同ハンに数車並んでいても先行できる強みがある。中畠哲也やインコースを抑え込んで粘るタイプ。良走路ならば渋太く乗ってくる。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
岩見 貴史〔飯塚 S-36(29期)〕
鐘ヶ江 将平〔飯塚 S-40(31期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-35(26期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-46(32期)〕
前田 淳〔山陽 S-28(27期)〕
西村 義正〔山陽 A-58(17期)〕
渋沢 憲司〔伊勢崎 A-93(29期)〕
田中 進〔飯塚 A-99(27期)〕
木村武之が圧巻の走りでVゴール!
川口の第40回GIキューポラ杯は浜松の木村武之が制した。10線外枠から好ダッシュを見せ、前団を一気に交わしてハナを奪う。そこからは一人旅。戦前の予想通りの走りを見せつけた。
0ハンからは北渡瀬充が飛び出したが、マーク追走の牧野貴博が交わして先頭を奪取。しかし、序盤の攻めが素早かった木村武之があっさりと捌く。試走タイムはそこまで突き抜けていなかったが、一人で走り出してからはグングンとペースが上がった。まさに文句なしの圧勝。存在感を十分に見せ付けた。
今回は準決で波乱があり、優勝戦のメンバーはいつもの記念とは違っていた。木村にとって絶好の優勝チャンス。そこをしっかりと逃さず、モノにするあたりはさすが百戦錬磨の木村。取りこぼしはしない。ファンからの人気にもしっかりと応えた。
準優勝は早川清太郎。序盤の展開はけっして楽ではなかったが、冷静に中団を交わし、追撃態勢を整える。牧野が軽快に走っていたが、射程内に捉えると落ち着いて態勢を作り、交わして行く。2番手に立ってからは、前を走る木村との差が大きく、先頭までは行けなかったが、近況の好調っぷりと示す結果となった。黒岩明と池田政和は序盤こそマアマアだったが、道中の伸びを欠き圏内に入るまではいかなかった。
デビューしてから常に高いレベルでの走りを見せ続けている木村武之。今回はGIだったが、SGの大舞台でも活躍し続けるだろう走りを見せてくれた。オートレース界にとって宝と言えるレーサーの一人である。