青山周平が平成チャンピオンカップを制す!
11R発売中に軽く小雨が降ったが、12Rの優勝戦には影響のない走路状態になった。それでも、試走タイムは突き抜けて出る選手はいなく、一番時計は青山周平と佐々木啓の3・33。次が、松尾啓史と中山透の3・34。中山がスタート残せるかどうかが一つの焦点になった。
結果から言えば、10線から数車が勢いよく飛び出した。まず岩崎亮一が、丹村飛竜が、そして青山が。中山は自分のリズムを作ることなく、後退を余儀なくされた。代わって逃げ態勢に入ったのは岩崎。しかし、試走3・35の機力では、後続を突き放すには物足りなかった。その岩崎を交わしたのは、3・33の試走タイムを叩き出した佐々木。これはペースが上がるかに見えた。しかし、後続の展開が味方しなかった。その真後ろに位置取りしたのは青山。残りの周回もたくさんあったことから、慌てず騒がず冷静に隙を窺っていた。そして、しっかりふところを取って、仕掛けの態勢を作り、きれいに差し込んで行った。そこからは佐々木の追走を振り切ってゴール。
3番手で粘っていた岩崎は、最終回3コーナーで佐藤裕二に差されて後退。佐藤が3着に入った。松尾も追い上げを見せていたが、中盤でパタっとアシが止まってしまった。
青山が久々に記念レースで優勝を成し遂げた。このところ記念の優勝戦では、惜しいところまで行ってながら勝ちきれないレースが多かったので、格別に嬉しかっただろう。このレースでは青山に一つの成長が見られた。今までは、前を走る車を抜くときでも、インからインのコース取りで交わすことが多かった。それは、格下相手なら通用するが、全国トップ20に入ってくる選手にはなかなか通用しないことが多い。そのため最近のレースでは、前を走る車を抜けなかったり、無理やり突っ込んで回り切れないケースが多かったが、今回の優勝戦では前を走る佐々木を冷静に抜く態勢を作ってから交わしていた。この点は大きな成長と言える。元々、持っていたスピードとスタート力。それに、この落ち着いた捌きが加わったのだから、これからの大レースが楽しみになった。記念のタイトルを量産してくれることだろう。
青山周平がナンバー1の存在感を誇示する!
GⅠ第20回平成チャンピオンカップも優勝戦を迎えた。優勝戦を占うべく、準決の内容を簡単に振り返る。
9R...今節ハンデチャンスだった丹村飛竜がスタート先行から逃げ切り。中野政則のピタリマークを新井恵匠は仕掛けられず、佐々木啓が最終回3コーナーで中野のイン突っ込んで2着へ。優勝戦のキップを掴んだ。
10R...スタート残した中山透がブッチ切る。穴見和正が畑吉広を交わし、前田淳を終始ブロックする。高橋貢は伸びを欠いて凡走。試走良かった中野憲人は、スタートも頑張ったが前団を割り切れず。
11R...池浦一博がマイペースで逃げるも、20線から好スタートを切った佐藤裕二が交わし、インを締めて青山周平を抑え込む。
12R...先行の新村嘉之を緒方浩一が差すも、10線から好スタートを切った岩崎亮一が渾身の突っ込み。その後、浮上してきた松尾啓史を抑え切ってゴール。片平巧は猛追見せたが、及ばなかった。
優勝戦ではハンデの変動があった。最重ハンの20M前で走っていた中山、更に最重ハンの10M前で走っていた丹村が共に10Mハンデが重くなる形になった。と、なると優勝戦の予想にも大きな影響を及ぼしてくる。
まずは、単独0ハンの中山がスタートを残せるかどうか。今節に関してはスタートをこなしている中山だが、今度はすぐ後ろに最重ハンが控えてのハンデ構成。今までより集中しなければ、きっちり残せる確率も低くなってしまう。逆に、スタート残してしまえば、快速を発揮して逃げ切りも十分あり得よう。しかし、当ブログでは中山にとって厳しい展開になると予想する。
10Mから飛び出すのは穴見か岩崎。丹村も最内で位置はよいのだが、今節は準決まで最重ハンの10M前で何とかスタートを残している状態だった。ここは最内に置かれても、外枠勢に包まれる可能性大だ。穴見、岩崎がどこまで道中で車を進めるかに焦点が置かれる。両者とも、準決までは仕上がりが良いとは言えなかった。
当ブログでの本命には青山を推す。車的には仕上がりきっていない感はあるが、大外とは言え10線ならカマシ気味に出て1周バックストレッチで好位置を奪うことは可能。そこから素早い攻めを見せて首位を奪取する。先頭に立てば、自分のコース取りでペースを上げてくる。
相手には松尾を挙げたい。本来、追い込み型なので、優勝戦で2周延びるのは好材料。前団の動きを見ながら、内外自在に捌いて行きそうだ。その次は、佐々木。ここ何節もエンジンは安定している。今回は地元開催なので、いつも以上に気合が入ってもおかしくない。優勝戦でハンデが重くなったとは言え、怖いのは丹村。元々、最重ハンで走っていた選手なので、スタートで踏ん張れれば上位争いに参加できる。
◎青山周平
○松尾啓史
△佐々木啓
△丹村飛竜
▲中山透
GI第20回平成チャンピオンカップ開幕!
今年で20回を数えるGI平成チャンピオンカップが、6月28日~7月2日の5日間で開催される。各地区から優秀な選手が参戦し、厳しいレースが展開される。優勝争いに加わってきそうな選手の近況を追ってみる。
地元S級陣は、全体的にこのところ安定している。ランク筆頭の松尾啓史は、前走が船橋のGI。シリーズを通してパッとしなかったが、課題のドドドが解消すれば高い素質を見せてくるだろう。そのGIでは、3人の山陽選手が優出。優勝戦で一番結果が良かったのは岡部聡の4着。シリーズを通して1着はなかったものの、エンジンは安定しており成績もまとまっている。今は好調時と言えるだろう。他の2人は、岩崎亮一と佐々木啓で、6着と7着だった。岩崎は予選中から鋭い追い込みを見せており、試走タイムも出ていた。佐々木は船橋GIに限らず、ここ何節かはどこへ行っても好成績を修めている。
角南一如は優出こそならなかったが、5日間をオール3、4着と大崩はしていない。近況は、その節の初日よりも、日を追うごとに後半良くなっていく傾向がある。浜野淳、前田淳、人見剛志の3人はエンジンやや不調。更に、藤岡一樹に関してはエンジンひどい状態。この4人は地元開催の利で、立て直しに期待。
外来で最も注目したいのは青山周平。現適用全国ランクで1位。前走は地元のGIで、準優勝だった。優勝戦はスタート飛び出したものの、永井大介に差し込まれ、押さえ込まれてしまった。しかし、GIで準優勝なのだから、エンジンは良い状態にあると言える。今回のGIの優勝最有力候補だ。同地区からは内山高秀や片平巧も参戦。内山は地元GIの準決で3着になり、優出はならなかったが、エンジン自体はソコソコ良い。片平は前走が復帰戦だったが、復帰直後のわりには悪くなかったし、この平成チャンピオンも過去に2回獲っている。
伊勢崎からのS級はただ一人。高橋貢の前走は船橋GIだが、高橋にしては今一つか。5日間で1着が2本あったが、エンジン的には仕上がってはいない。今節も本人の納得がいくまで整備を続けてくるだろう。
浜松からは木村武之が有力。前走の船橋では、3日目にフライングをしてしまい失権となってしまった。エンジン的にはマズマズ良かっただけに残念だ。今回はそのリベンジをしたいところ。あとはスタートでフライングの影響が出なければいいが...。同地区の青島正樹や岩科鮮太は、仕上がり的に今一つだが、青島には速攻に、岩科には強攻があるので注意したい。
飯塚のランク筆頭は有吉辰也。しかし、まだ以前のような走りはできていない。長期戦線離脱による影響は大きいものと思われる。しかし、レースを重ねるごとに感覚が戻ってくるので、また華麗な走りを見られる日も近いかもしれない。同地区の東小野正道は、前走の船橋で反則をしてしまったので、当面は無理な走りはできないか。桝崎陽介はエンジンがパッとしない。整備には積極的に取り組む方なので、立て直して欲しい。
最後に川口地区からは、佐藤裕二、平田雅崇、中野憲人、青木治親が参戦。状態が良いのは佐藤か。それほど試走タイムが出なくても、レースではインを鋭く突いて行くシーンが見られる。中野もレース展開がスローになったり、混戦になるようなら見せ場を作ってくる。青木は現状では良走路での戦いは厳しいが、雨が降れば「水を得た魚」のように乗ってくる。
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主な出場予定選手
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松尾 啓史〔山陽 S-10(26期)〕
浜野 淳〔山陽 S-11(24期)〕
岡部 聡〔山陽 S-16(19期)〕
青山 周平〔船橋 S-1(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-4(22期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-5(25期)〕
木村 武之〔浜松 S-9(26期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-18(24期)〕
若手不在で、ベテランの捌き合戦!
今節あっせんされている選手は19期以前のみ。若手のような開け開けレースは見られないかもしれないが、激しい混戦による腕の見せ合いが見ものになる。オールドファンにとっては、昔のような競り合いの方がレースを楽しめるかも。
今回最も状態が良い選手は岩田行雄。往年の勢いは薄れているが、前走の地元プレミアムカップでは2勝をあげる活躍。試走タイムも出ており、エンジンの仕上がりは良い。闘争心も、今回出場する選手の中で最高クラスの状態を保持。今回のメンバーなら厳しい攻めを見せてくれそう。
闘争心の高さで言えば、地元の篠崎実も負けてない。試走タイムが出なくても、気合で乗り切るタイプ。今回のようなメンバーなら、尚更気持ちも入ってくるだろう。地元開催のプラスアルファを考えれば、優勝戦まで駒を進めてくる可能性は高い。同じように、闘争心が高いのは飯塚の安藤定実。4月に川口で行われたSGオールスターでも大活躍を見せた。他の車に競りかけられると、よけい持ち味を出せる選手で負けん気は強い。試走タイムが出なくて人気薄になるなら積極的に狙っていきたい。
今回最も若い期である19期からは須賀学が好調。前走の船橋GIで2勝をあげる活躍。スタートも早く、今回の中では若々しい走りを見せてくれるか。他にスタート巧者と言えば、船橋の阿久津正夫、それに浜松の鈴木辰己か。どちらも全盛期には全国に名を馳せた看板選手だった。鋭い切れ味のスタートを見せて欲しい。
梅雨のこの時期は天気が不安定で、いつ雨が降ってきてもおかしくない。今回の中で雨巧者は、川口の釜本憲司、中田義明。伊勢崎の鈴木幸治、船橋の芝崎茂信、飯塚の水崎正二あたり。走路が濡れてるレースなら、見せ場を作ってくれるだろう。
気温が上がって熱走路になれば、B級の中でも車券に絡める選手が出てくる。特に、山陽地区の藤本剛は好調が続いているし、藤田明彦は夏場に活躍する選手。原菊太郎や白川秀行は状態上向きだし、西久保英幸も先頭に立てれば変則走法で後続を翻弄できる。
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主な出場予定選手
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篠崎 実〔川口 A-17(9期)〕
柴山 信行〔川口 A-106(19期)〕
福田 茂〔川口 A-128(12期)〕
岩田 行雄〔船橋 A-11(15期)〕
須賀 学〔浜松 A-24(19期)〕
鈴木 辰己〔浜松 A-82期)〕
青山 文敏〔飯塚 A-54(16期)〕
米里 信秀〔伊勢崎 A-125(19期)〕
永井大介がプレミアムカップを連覇!
第1Rは重走路で行われた22日は、第5レースまでにだいぶ走路が乾いてきたが、再び降雨。しかし、この雨もすぐに上がり、またまた走路が乾きだし、優勝戦はほぼ良走路で行われた。
試走最高時計は3・30の青山周平。次いで、永井大介の3・31。浦田信輔、三浦康平が3・32の3番時計タイ。3・33が岡部聡、佐々木啓、岩崎亮一の山陽勢で。中村雅人は3・34と試走最低時計になってしまった。
スタート飛び出したのは青山だったが、2番手に付けた永井が2周1コーナーで青山のインに突っ込んだ。そこからの永井は我慢の競争。ピタリマークしてくる青山を残りの7周抑え切り、そのままゴール。青山にしてみれば3番手に付けていた浦田が再三インを狙う素振りがあったため、しっかり態勢を作って永井に仕掛けることができなかった。当ブログ本命に推した中村は、終始後方のままだった。
このレースでも永井のレース運びの上手さが際立った。青山を抜いた後の永井は、インをきっちり抑え込んで走った。それは、後続の攻めをけん制しての走り。インに突け入る隙を与えず、尚且つペースを上げて走っていた。多彩な走りを身に付けている永井は、当分快進撃を続けそうだ。
若手青山の今後の課題はレース経験か。いろんな展開にも対応できる柔軟さがあれば、かなりのタイトルを手にする事ができるだろう。スピードに関しては間違いなく全国3位には入る。今後の成長に期待したい。
浦田は前2車が重なる厳しい展開だったが、インしっかり回って3着を確保。前がバラければ必ず仕掛けてきたハズだ。外枠の4車はやはり展開的に苦しくなってしまった。