期別戦シリーズ第1戦~27期予選
来年の2月下旬に期別対抗決定戦が行われるが、今節はその27期代表を決める企画レースが盛り込まれている。今回出場する27期の24人のうち、最終日に行われる期別決定戦で上位3名が、来年2月下旬の期別対抗決定戦の27期代表として参戦する。全12レースのうち3個レースが27期トライアル戦、残り9個レースが通常の戦いとなるので楽しみは2倍となる。
まずは27期戦に出場する選手の動向から。
デビュー時から27期のトップとしてひた走る荒尾聡だが、近況の状況は良くない。近況と言うより去年末からずっと調子を欠いている。しかし、車の仕上がりはイマイチでも同期戦となったらまた別か。同期でトップの成績を残しているプライドが、簡単に負けは許さないだろう。多少、エンジンは劣勢でも気力で乗り切りそうだ。この企画レースの中心となる存在であることには変わりない。
次に、27期でGⅠを獲っている選手を挙げる。一番状態が良いのは前田淳。伊勢崎でGⅡを制すると、船橋で行われたGⅠでも優出し3着。今、乗りに乗っている選手の一人だろう。その船橋GⅠを過去に2度制している角南一如は、川口でのSG準優勝の後は成績イマイチ。シリーズを通して徐々に良くなっていくタイプなので、初日や2日目が良くなくても注意が必要だ。もう一人のGⅠ覇者は早船歩。前走は過去に制したことがあるGⅠだったが、準決モレになってしまった。それでも、残り2日間は上向いてきた様子。
27期の他の選手で注目は重富大輔。前走の川口で優出している。浜松勢も好調が多い。浅田真吾は前々走の山陽で優勝しているし、石貝武之、木村直幸らは軽快な逃げを見せていた。船橋勢も、道中で渋太さが出てきた押田和也やスピードが魅力の新村嘉之らがいる。川口勢では好調続いている田辺誠や、落車の影響は見られない阿部剛士などが活躍しそう。
本戦の核となるのは浦田信輔。前走は船橋のGⅠでしっかり優出している。優勝こそしていないが、エンジン自体は高い位置でキープできている。篠原睦、田中茂、久門徹の26期勢も前走は船橋GⅠ。完全に仕上がっている状態ではないが、普通に戦えるくらいの動きはある。竹谷隆はややエンジン下降気味か。東小野正道はまだ安定せず、良くなったり悪くなったりだ。
外来のS級は、岩崎亮一がマズマズ堅調の様子。同地区の松尾啓史は、近況の成績こそイマイチだが車自体は良くなってきている模様。
A級で最も注目なのは深谷輝。地元の一般開催で優勝している。元々、スピードには定評があったが、スタートを含めて序盤に不安があった。最重ハンでも内寄りになることが多いので、枠ナリスタートさえ切れれば今節も活躍できる。他では辻大樹、鈴木慶太、鐘ヶ江将平、稲原良太郎あたりが好調で狙い目だ。
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主な出場予定選手
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荒尾 聡〔飯塚 S-3(27期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-8(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-12(26期)〕
田中 茂〔飯塚 S-24(26期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-10(26期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-21(25期)〕
前田 淳〔山陽 S-33(27期)〕
早船 歩〔船橋 S-48(27期)〕
今回は準決が8個、1着のみが優出の変則勝ち上がり!
永井大介の優勝で幕を閉じたGⅠ黒潮杯の興奮が冷めやらぬまま行われる今回3日間の一般開催。2日目は5R~12Rまでが準決という魅力たくさんの勝ち上がりとなる。
今、最も流れが良いのは永井大介。直前の黒潮杯で見事優勝している。枠順的にやや恵まれた感はあったが、しっかり勝ち切った。エンジンも仕上げてきた。レース間隔が空いておらず、その勢いのまま今回に臨める強みは大きい。
黒潮杯の優勝戦で見せ場を作ったのは西原智昭。永井にはやられてしまったが、番手争いで前田淳に競り勝って準優勝を決めた。爆発的なスタート力は大きな武器であり、道中の伸びもかなりのモノを示していたので今回も活躍の予感。その優勝戦で8枠に入った青山周平はさすがに展開が厳しく4着止まりだったが、中村雅人らを捌いての浮上は価値がある。エンジンは完全に仕上がってる状態ではないが、けっして悪くはないので、全国ランク1位の走りを見せてくれそう。
地元S級では池田政和や内山高秀も参戦するが、前走の動きを見るとやや不満か。ただし、今回の一般開催なら十分通用しそうだし、準決も主力が分散されるので優出できそうだ。
外来のS級は川口からのみ。山田達也と大木光は前走で優出はできていないが、準決ではマズマズの走りをしていたし、エンジン的にはそこまで悪くはないか。高橋義弘は明らかにエンジン不足。本来のスピードある走りができていない。外めのコースを開け開けで走るタイプなので、走路温度の上昇は大敵になる。タイヤが食い付きにくくなるためだ。それでも、エンジンの調整次第では上位争いに参加してくる可能性もあるので、その動向には注意を払いたい。
A級の中では梅内幹雄が好調。前走の黒潮杯でも優出を決めていた。優勝戦は8着になってしまったが、車群から離されることなくゴールしているので心配はない。エンジン的にはここ何節も安定している。多少の不安要素であるスタートさえこなせば善戦につながる。他にもスピードある武藤博臣や平川博康、ゆるやかに成長している新井恵匠と鈴木一馬、走りに安定感が出てきた鈴木圭一郎らにも注目を。
川口勢では、抜群のスタート力を誇る佐藤摩弥は前走から連続参戦。その同期の中山透もスピードが出てきた。速攻を見せそうな谷島俊行、掛川和人、篠崎実に注意。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔船橋 S-1(31期)〕
永井 大介〔船橋 S-2(25期)〕
内山 高秀〔船橋 S-13(26期)〕
池田 政和〔船橋 S-23(23期)〕
西原 智昭〔船橋 S-40(28期)〕
高橋 義弘〔川口 S-25(29期)〕
山田 達也〔川口 S-31(28期)〕
大木 光〔川口 S-36(28期)〕
前節から約1週間、再び浜松開催!
今回はS級選手は少なめで、A級やB級の選手にも優勝チャンスは十分巡ってくる。と言うのはS級の中で、強烈にエンジン仕上がってる選手は不在だからだ。混沌としたシリーズを制するのは誰か。
まずは地元のS級の動向だが、ランク筆頭は金子大輔。今の車に乗り替わってから少しずつ良くなってきたかに見えたが、近況はまた一息付いている。以前のような走りができる状態にならない。もちろん整備の手は緩めていないので、早めにエンジン仕上がる事を願う。むしろ、同期の佐藤貴也の方が勢いは良い。前走は伊勢崎のGⅡで優出し、3着に入った。エンジンが良いのはもちろんだが、乗り手のリズムも良い。以前の果敢な仕掛けが戻ってきている。青島正樹も前回の地元開催で優出しているので、状態としてはマズマズか。今回が復帰2節目となる伊藤信夫は、まだまだ本来の走りができる状態ではないが、1走ごとに良くなっている様子は窺えるので、今節あたりで本格化に近づけたい。
外来勢はランク最上位が浜野淳だが、前走で落車している。しかし、その後の2走は共に1着でまとめている。まだ完全に安心できる訳ではないので、初日の試走は注意して見てみたい。伊勢崎の早川清太郎も動きとしてはもう一つ。けっして不調ではないが、並から上の動きになっていない。エンジン仕上がれば強烈な攻めができる選手なので、立て直しに期待したい。
外来勢の中では川口勢が近況では流れが良い。佐藤裕二や中野憲人は、前走で共に優出。準優勝と3着という成績だった。この勢いを活かして今回も活躍しそうだ。
A級の中にも注目の選手はいる。ここ何節かで渡辺篤の動きが良くなっている。スタートの切れも上向いたし、独走でのスピードが付いてきた。ハンデ的にも恵まれているので、積極的に狙っていきたい。斎藤正悟も前節の動きは良かった。持ち味である速攻が決まっていたので今回も楽しみ。スピード出てきた関口隆広や、以前の捌きが戻りつつある長谷晴久にも注意したい。
若手では内山雄介や森本優佑がスピードに乗って気持ちよく走れている印象。また、この時期はだいぶ走路温度が上がるので、上村敏明、石田智之、滝沢健、中畠哲也、藤田明彦らB級選手でも十分車券に絡むチャンスが生まれてくる。
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主な出場予定選手
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金子 大輔〔浜松 S-7(29期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-17(24期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-26(29期)〕
青島 正樹〔浜松 S-30(22期)〕
浜野 淳〔山陽 S-11(24期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-18(24期)〕
中野 憲人〔川口 S-39(24期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-19(29期)〕
永井大介が2度目の黒潮杯制覇!
レース展開は、西原智昭が森且行を交わし逃げ態勢に入るかに見えたが、永井大介があっさり捌き、そのまま独走だった。後ろでは西原が前田淳との競り合いを制し2着確保。青山周平が中村雅人を捌いて浮上してきたが、4着一杯の状態。浦田信輔は見せ場がなかった。
このレースは好枠に入った永井が、きっちり勝ちきった形。ランキングから言えば7枠に入ってもおかしくない永井だが、準決までの動きを考慮してか5枠に入った。この位置なら永井は負けられない。エンジンも優勝戦までにしっかり仕上げてきた。常日頃から整備に真摯に取り組んでいる結果と言えよう。また、スタートも良かった。永井はそのスピードに評価が行きがちだが、スタート力も間違いなく全国5本の指には入る。スタートを決め、ブッチ切りの勝利。永井の勝ちパターンに当てはまった。
西原、前田の健闘も光った。前田に関しては伊勢崎でGⅡを制した勢いは持続していたし、西原も持ち味の爆発力を披露した。また、4着止まりだったが、青山の追い込みも良かった。近況絶好調の中村を難なく捌くあたり、秘めたるポテンシャルを感じた。これからの大舞台でもレースを大いに盛り上げてくれることだろう。
波に乗ってる中村雅人がGⅠ黒潮杯を制すか!
厳しい準決勝戦を戦い終え、ついにファイナリスト8人が出揃った。優勝戦の日も気温が上がる見込みが高く、レースと共にワクワク感もヒートアップしそう。
気温の上昇と共に、走路温度が高くなるこの時期は、選手にとって滑りとの戦いになる。特にレース後半では滑りがひどくなり、前の車を抜くのが困難になる。できるだけレース前半で好位置を確保したいところ。優勝戦は0ハンに1車、10ハンに7車となるので、10ハンの選手にとってはスタートが大きなカギになる。内枠勢にスタートを課題としている選手は不在で、外枠勢のカマシはなさそうか。枠ナリスタートになりそう。
レース展開としては0ハンからマイペースに逃げる梅内幹雄を目標にして、10ハン勢が追い込みを見せる。追い込む1番手は最内の森且行。それに西原智昭、前田淳が乗って行く形。外枠勢が何周目で浮上してくるか。
当ブログでの本命には中村雅人を推す。準決の動きだと、レース後半に不安があるようだが、ここまで4節連続優勝しており流れはかなり良いと言える。整備でレース後半まで動きを持続させることができれば、栄冠はグッと近づく。本来、周回が延びるのは好材料となる選手なので、優勝戦は8周回をフルに活かして先頭まで浮上しそうだ。
相手候補には浦田信輔を挙げたい。追い込みが利きづらい準決の熱走路でも、鋭い突っ込みを見せていた。浦田も周回が延びるのは好材料なので、レース後半の追い込みに期待したい。その次に挙げるのは永井大介。車の仕上がりには一抹の不安があるが、この枠なら好勝負必至。と言うより、エンジンがいつもの仕上がりなら、負けられない位置だ。優勝戦までにどこまで車を立て直してくるかがカギになるだろう。最後は青山周平。エンジンがイマイチな事に加えて、このそうそうたるメンバーの大外ではいかにも厳しい。しかし、まだまだその潜在能力は計り知れないモノがあるので、ミラクルを見せてくれるかもしれない。
内枠勢にも、もちろんチャンスはある。爆発力ある西原がトップスタートを切るようだと、ハイペースの逃げになりそうだし、前田淳が飛び出すようだと伊勢崎のGⅡに続いて記念連覇もありうる。
◎中村雅人
○浦田信輔
△永井大介
△青山周平
▲西原智昭