好調・浦田信輔を中心に23期勢が活躍の予感!
今節は外来のS級選手が2人、地元のS級選手も6人の予定でA級選手が多く参戦する。手薄なS級陣に取って代わってA級の中から優勝者が出る可能性も高い。注目選手の近況を追う。
少ないS級の中でも、ひときわ輝きを放っているのが地元大将格・浦田信輔。前走は川口のGIで、優勝を決めている。それも準決の2着以外はオール1着。準完全優勝の内容だった。走路温度が熱くなるこの時期でも、持ち味の追い込みは衰えていなかった。どのレース場に行っても、高いエンジン状態を保てるのは大きな強み。今回は地元走路だし、当然シリーズの核になる。
その浦田と共に牙城を守るべく地元S級陣はと言うと不安残りな選手が多い。地元ランクトップは荒尾聡だが、前走の最終日に不利を受けて落車。多少、良化の兆しが出てきていただけに残念。大きな影響がなければいいが...。有吉辰也は、まだ本調子を取り戻していない。長期欠場していたので、感覚が戻るまで時間がかかるのは仕方のないことだが、早めに本来の姿を見せて欲しい。東小野正道と永冨高志は成績がややムラ傾向。しかし、良いレースを見せる日もあるので、その時の動きを持続できれば優勝争いに参加できそう。竹谷隆はエンジン下降気味。整備での立て直しに期待したい。
外来のS級は23期の2人。山陽からは佐々木啓で、前走は川口のGI。このところの好調を示すかのように、しっかり優出した。優勝戦では5着だったが、まあエンジン状態はマズマズ良いところで安定していると見ていい。川口の鈴木清の近況は試走タイムが出ない傾向あるが、レースではそれなりの動きを見せている。しかし、前走で反則しているので、それが走りにどう影響するのかが気になる。
A級の中では岩見貴史が好調。地元で優勝した直後の山陽開催では、初日にいきなり反則して失権となってしまったが、今回は再び地元走路なので問題はないか。その岩見が優勝したレースで一緒に走っていたのは、鐘ヶ江将平と宮地朗。鐘ヶ江は走りがだいぶ安定してきている。元々持っているスピードに経験が加味された形。宮地は走路が熱くなるこの時期は、インコースをしっかりと抑えて活躍できるタイプ。共に今節も見せ場を作りそう。
他では、近況1着を多く取っている細野俊介や、川口のGIで健闘していた内山雄介、地元船橋の開催で好走を連発していた牧野貴博あたりの動向に注目。B級では西久保英幸や福田義久、磯部真樹らの山陽勢が連に絡みそう。
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主な出場予定選手
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荒尾 聡〔飯塚 S-3(27期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-5(25期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-8(23期)〕
東小野 正道〔飯塚 S-32(25期)〕
永冨 高志〔飯塚 S-41(17期)〕
竹谷 隆〔飯塚 S-47(23期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-20(23期)〕
鈴木 清〔川口 S-34(23期)〕
今節は地元勢の層が厚く、外来勢は厳しいか!
地元のエース高橋貢の前節は4節振りに優出し、やや復調の兆しが見えてきたか。それでも本来の実力を考えれば物足りない内容だ。前節を足がかりに、本領発揮といきたいところ。今節は地元のS級選手が勢揃いなので、強いリーダーシップを示してもらいたい。
その高橋に付いて行きたいのが早川清太郎。前走は川口のGⅠで優出した。その優勝戦は不安視されていたスタートでやはり後手を踏み、最後方からのレースになってしまった。それでも鋭い追い込みを見せて4着まで食い込んだのは流石。持ち味は十分に見せてくれた。このレース内容から、エンジン状態は良いものと思われる。地元のナイター戦になってどうかだが、もう今年のナイターのセッティングも出ていることだろう。同じく、ナイターとなってどうかなのは田村治郎。前走の船橋一般開催では見事優勝。優勝戦は最重ハンの最内という絶好の位置だったが、外枠勢のメンバーが強力な事を考えると、やはり立派の一言。かなりの自信に繋がったことだろう。もう一人のS級・浅香潤は近況はやや成績がムラ傾向。エンジンの安定が図れると、成績の安定にも繋がるのだが。
対する外来勢で最も勢いがあるのは池田政和。前走は川口のGⅠで準優勝。優勝戦は好枠から速攻を決め、後続を振り切るかに見えたが浦田信輔に捕まってしまった。しかし、浦田以外は振り切ることができたので、エンジン状態は上々。ナイターで走路が食い付く方が、池田にとっては走りやすいだろう。同地区の五十嵐一夫も、近況はマズマズ。前走は地元開催で着をまとめていた。早船歩はややエンジン不足か。得意の速攻が決まっていない。
山陽地区からは岩崎亮一が参戦。前走の川口GⅠはイマイチな結果に終わったが、その前の飯塚GⅡでは嬉しい記念初優勝を経験している。伊勢崎との相性も悪くはないので、活躍が期待できる。藤岡一樹はややスランプに入っている。試走タイムからして良くない。エンジン良くなればS級らしいタイムが出るので、試走タイムには注意を払いたい。
A級では、飯塚の井村淳一が好調。前走は地元のナイター開催で準優勝している。レース場が違うとは言え、同じナイター開催なのはアドバンテージになるだろう。エンジンが良い時は、攻めも強気なのが井村選手の特徴。同じグループの牧瀬嘉葵もエンジン状態がマズマズ。思い切った走りを見せてくれるだろう。山陽の池田康範も、前走の地元GⅠで健闘していた。その勢いが続いていれば今回も結果を残せる。
B級では、前走こそイマイチだった地元の栗原俊介だが、その前の節では優勝している。このところ地元走路ばかり走っているので、調整もしやすいことだろう。また、船橋の新人・片野利沙は、飯塚で行なわれた新人王決定戦で準優勝している。ここ何節かでの急成長は目覚しいモノがあるので、その走りには注目したい。
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主な出場予定選手
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高橋 貢〔伊勢崎 S-4(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-19(29期)〕
浅香 潤〔伊勢崎 S-29(23期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-45(30期)〕
池田 政和〔船橋 S-23(23期)〕
五十嵐 一夫〔船橋 S-37(21期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-21(25期)〕
藤岡 一樹〔山陽 S-22(29期)〕
26期期別戦もあり、今節は楽しみ2つ!
今節は通常の勝ち上がりに加え、26期生のみによる戦い、26期期別戦が組まれている。26期と言えば2級車時代から数々の伝説的レースを生み、センスの高い選手が多い期。これまでの実績で言えば木村武之が一歩抜け出ている。すんなりと木村が26期代表になるのか、はたまた他の選手がその座を脅かすのか。
まずは通常の開催から。今節の最も注目すべき選手は、全国ランクナンバー1の青山周平。前走の地元開催では優勝戦まで進んだものの、厳しい展開になってしまい5着に終わってしまった。しかし、その前の山陽GⅠではしっかり優勝していたし、エンジン自体は悪いわけではないので今節も中心選手となるだろう。また、川口からは高橋義弘が参戦。前走の地元GⅠではシッカリ優出。ハンデ位置的に優勝もありそうだったが、優勝戦では仕上がりを欠いていた。それでも今回のような一般開催なら機力は十分。活躍してくれるだろう。
これら外来S級を迎え撃つ地元勢のリーダーは金子大輔。前走の川口GⅠではイマイチな結果に終わったが、その前の地元開催では久々に優勝を決めていた。今回も地元走路でのレースなので、調子を取り戻す可能性は大。同期の佐藤貴也は前走の飯塚ナイターで優出。エンジン状態は良いので、金子と共に地元の牙城を守る存在になる。他にS級は伊藤信夫と岩科鮮太がいるが、エンジン的にはやや低調気味。素早い立て直しを図る。
26期期別戦の方では、地元の木村武之が中心になる。前走こそイマイチな成績に終わったが、ここ数年は同期の中で間違いなく一番の活躍を見せている。開催が地元ということを加味しても、26期戦の優勝候補筆頭に挙げられる。相手となるのは田中茂。前走は地元開催で優出し3着。近況のエンジン推移もマズマズだ。SG獲得では木村を一つ上回っており、実に4回を数える。レーススタイルは速攻タイプの木村に対し、追い込みタイプの田中。そんな構図だ。その2人よりも数年先にSGを制したのは久門徹。近況はやや迫力が薄れている感じはあるが、大舞台での経験は現在でも活きている。
SG優勝こそないが、篠原睦はデビューしてから大きなスランプもなく、堅実な成績を残し続けている。武器となるスタート力は健在で、あっさりと抜け出す走りをよく見せる。また、主な実績はGⅠの優勝1回の内山高秀と松尾啓史だが、内山はデビュー時の走りを思い出すと、今では考えられない成長を見せているし、松尾の方は捌き巧者で定評があり、混戦になるレース展開だと無類の強さを発揮する。
その他でも深谷輝、桜井晴光、山際真介、松山茂靖などのスピード派や、満村陽司や山崎進などの捌きタイプと、個性がハッキリしているのが26期生の特徴だ。
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主な出場予定選手
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金子 大輔〔浜松 S-7(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-9(26期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-17(24期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-26(29期)〕
青山 周平〔船橋 S-1(31期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-10(26期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-12(26期)〕
高橋 義弘〔川口 S-25(29期)〕
3日間の短期決戦は地元VS飯塚の様相!
今節の山陽開催は平日3日間の短期決戦。初日は主力が分散されるだろうから、車券的には当てやすくなる。山陽と飯塚の選手が大多数を占めるが、他の地区からも好調な選手はいるので近況の動向を追ってみる。
地元のS級は全部で4選手。ランク筆頭は浜野淳で、前走は船橋の一般開催だった。しっかりと優出し、優勝戦では4着。これは展開的に厳しかったのもあると思われる。実際には試走タイムが優勝戦のメンバーの中で一番時計だったので、エンジン的には高い状態にありそう。同じ船橋開催で優出したのは角南一如。角南は優勝戦で3着だった。前を走る田村治郎と片平巧が重なっていたため、仕掛けどころがなかったが、やはりエンジン状態は良さそうだった。岡部聡の前走は飯塚のナイター開催。優出はならなかったが、最終日は特別選抜戦で2着に入っている。エンジンはこのところマズマズの状態が続いており、今節も特に心配はなさそう。人見剛志は前走が飯塚のGIIで準決4着。このところ中間着が目立っている。
外来S級は荒尾聡がランク最上位。前走は地元のナイターで優出。優勝戦は4着になったが、今年のこれまでの動きを考えればマズマズか。もちろん完全復活はしていないので、ここからのエンジン底上げは必要だろう。船橋の西原智昭も前走は地元開催で優出。優勝戦は珍しくスタートを失敗してしまい6着だった。しかし、エンジン自体はここ何節も安定している。今節も初日から飛ばしてくるだろう。浜松の青島正樹は前走が飯塚GII。2連勝を決めた後の3日目からは動きがイマイチになってしまった。それでも今節のように一般開催なら十分通用する動き。
S級以外では岩見貴史に注目。近況はずっとエンジンが良い状態だったが、前走の地元ナイターではしっかり結果を残し優勝。武器のスタートに、エンジン好調の裏づけがあるのだから強みは多い。最重ハンからハンデが重くなることはないが、より外枠からのレースになる可能性がある。それでも、スタートが早いので克服は可能。32期新人の中では鈴木圭一郎がその実力を示した。前走の飯塚ナイターでは、32期新人王決定戦も組まれていた。その番組で見事優勝したのが、この鈴木圭一郎なのだ。同期の中でもナンバー1を噂されていたが、それを形として残した。スタートも早いので、1級車に混じっても遜色ない活躍ができそう。その番組で3位に入ったのが浜松の中村友和。同じ地区の鈴木宏和と共に浜松地区を盛り上げている。
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主な出場予定選手
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浜野 淳〔山陽 S-11(24期)〕
岡部 聡〔山陽 S-16(19期)〕
人見 剛志〔山陽 S-44(28期)〕
角南 一如〔山陽 S-46(27期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-3(27期)〕
青島 正樹〔浜松 S-30(22期)〕
西原 智昭〔船橋 S-40(28期)〕
五所 淳〔山陽 A-5(23期)〕
浦田信輔が熱走路の激戦を制す!
前半レースから軽ハン勢の健闘が目立った川口最終日は、終盤での態勢の変化が乏しいレース内容が多かった。しかし、優勝戦での浦田だけは違っていた。持ち味の追い込みを披露してくれた。
優勝戦のレース展開は、まず0ハンの高石光将が逃げていた。シリーズを通して軽快な逃げを見せていた高石なので、優勝戦でもかなりの逃げが期待された。しかし、その高石を早めに捕らえたのは池田政和。20線最内の高橋義弘が10M前の吉松憲治を叩くスタートを切り、素早く高石を追う形を作ろうとしたが、ピタリと続いた池田が一発で高橋を差した。その後は逃げる高石を捕え、今度は自分が逃げる番に。ペースを上げて逃げ切るかと思ったが、20線から悪くないスタートを切った浦田がマーク追走から差し込み、栄冠のゴールを決めた。当ブログで本命に推した中村雅人は、必死の追い込みを見せていたが及ばず3着となった。
試走タイムこそ中村の34に一歩及ばなかった35の浦田だが、2連単では浦田の方が人気だった。やはり、走路が熱くなるこの時期は少しでも先攻めができる内枠の方が有利なのだろう。一番人気に応えた浦田は流石の一言。SGオールスターでのファン投票でも常に上位にいる理由が分かる。ファンからの期待が厚ければ厚いほど、しっかりとその期待に応えることができる選手だ。もちろんそのためのエンジン作りにも余念がない。常日頃からオートレースに真摯に向き合ってるからこそ、確かな結果が残せるのだと思われる。
このレースでは池田の頑張りも目立った。絶頂時のスピードこそないが、ハンデ位置によってはまだまだ戦えることを証明した。エンジンがもう少しでも仕上がれば、十分優勝のチャンスあった。早川清太郎も惜しかった。課題のスタートさえ並に切れていれば...。最後方からのレースではいかにも厳しい。それでも4着まで追い上げてきたのは、しっかりとした捌きの証明になる。