日本一を決めるファイナリスト8人出揃う!
SG日本選手権もついに最終日を向かえ、11月4日に優勝戦が行われる。準決は波乱があったものの、豪華な顔ぶれが出揃った。優勝戦を予想するべく、まずは準決を振り返ってみたい。
9R...スタートは高橋義弘が飛び出したがすぐさま荒尾聡が交わして独走。人気の青山周平は6番手スタートと出遅れたが、そこから脅威の巻き返しを見せ、最後は高橋義弘を差し込んで優出を決めた。
10R...トップスタートの藤岡一樹が逃げ態勢を作るが、2番手に出た中村雅人が楽に捌いて逃げ切る。3番手に付けていた伊藤信夫が終盤で藤岡を交わして優出。人気の浦田信輔はスタート遅れたのが響いたのか攻めに焦りが出て、結果追い込み届かなかった。
11R...序盤で主導権を取った濱野がそのまま押し切り、2番手に付けた内山高秀が終始マークする展開。そのままゴールを迎えた。その背景には池田政和、高橋貢、岡部聡の落車があった。
12R...スタートこそ佐藤裕二が出かかったが、永井大介が張り込みいきなりの独走。木村武之がマークするも周回ごとに少しずつ離されていく。後ろでは田中茂が松尾啓史を交わす動きがあったが、優出は永井と木村の2人となった。
優勝戦の本命に推すのは永井大介。予選道中の動きも全く問題ないし、準決も圧倒的なタイムをマークした。今年に入ってから全てのSGを獲っており、更に日本選手権に関してはこれまで3連覇中。今回勝つと日本選手権4連覇の偉業達成、更に年間SGグランドスラムに王手となる。本人も相当気合が入っていると思われる。その永井が2枠の好位に入ったのだから本命以外には考えられない。
相手候補筆頭は青山周平。3日目、準決でやや不安な動きを見せていたが、2日目には素晴らしい走りを見せていた。優勝戦は6枠とやや遠い位置になったが、ここ一番でのスタートの切れは抜群。2~3番手に出てくるようなら十分勝負圏内にあるとみていい。
次は中村雅人。エンジンの仕上がりが上々だし、スタートも切れてきている。優勝戦の枠番選択でも1番に3枠を取っており、序盤の好展開が期待される。元々、後半追い込みタイプなので10周戦は好材料となる。
そして、荒尾聡と木村武之。荒尾はスタート巧者で、1枠に入ったのだからトップスタートを決めそう。問題はそのあとのペース。準決以上のエンジンに仕上げてくれば後続を離していく展開もあり得る。木村の方は、準決こそ永井に離される展開だったが、それは永井の仕上がりが良すぎたため。永井以外の選手には引けを取っていないし、大舞台になるほど力を出せる選手なので一発には注意したい。
他の濱野淳、伊藤信夫、内山高秀は機力的にやや劣勢とみているが、当日の試走で大幅アップするようなら警戒が必要。
◎永井大介
○青山周平
△中村雅人
△荒尾聡
▲木村武之
日本一を決めるシリーズ開幕!
伝統のSG日本選手権が10月31日から始まる。この開催は全レースが0メートルオープン戦で行なわれるため、実質上の実力ナンバー1を決める大会だ。予選、準決までは枠番こそ抽選で決まるので、多少の運不運はあるが、基本的には条件は全選手同じで白熱した戦いが期待される。
各地区ごとにランク上位3名、更に他に気になる選手の近況を追ってみたい。
まずは開催レース場となる伊勢崎から。ランク最上位は高橋貢。前走は地元の一般開催で1着、1着、1着で優出し、優勝戦は雨で3着。優勝こそ逃してしまったが、エンジンの仕上がりはマズマズ良い状態にある。2番手の早川清太郎も1着、2着、1着で優出し優勝戦は5着。だいぶ安定感が出てきた模様。3番手の浅香潤は優出できなかったが、初日、2日目は1着だったので大崩れはしていない。他で気になるのは岩沼靖郎。前走の地元開催で約1年半振りに優勝。重走路だったとは言え、スタート決めて、高橋貢を振り切っての優勝なので、今回に向けて勢いが付いたことだろう。
次は今、最も充実している船橋地区。ランク最上位は永井大介。前走は地元開催で優勝戦こそ凡走に終わったが、ここ最近の流れは悪くない。また、日本選手権は現在3連覇中で、今回は4連覇がかかっている。本人も気合の入り方が違うだろう。2番手は青山周平。前走は地元開催で優勝戦3着に終わった。しかし、その前の浜松のGⅠで優勝しているし、エンジン自体は高い位置で安定している。スタートの切れも悪くないので、0オープン戦で持ち味をいかんなく発揮してくる。3番手は中村雅人。前走は地元の開催で優勝。永井や青山とはワンランク上のエンジンに仕上げてきた。この流れのまま、この大会に乗り込みたいところ。
次は川口地区。ランク最上位は若井友和。前走は浜松GⅠだったが、成績はピリッとしなかった。今回に向けては整備が急務と思われる。2番手は佐藤裕二。前走はやはり浜松のGⅠ。初日に反則してしまったが、その後は着をまとめている。スタートは得意なのでオープン戦向きの選手と言える。3番手は森且行。前走は地元開催で準決以外はソコソコの成績。それまでがずっと悪かったので、流れとしては上向きと言える。他では高橋義弘に注目。今年に入ってからずっと苦しんでいる姿が長かったが、近況はようやく上向いてきている。スピードタイプなので、スタートさえ飛び出せばかなりハイペースで走れそう。
浜松地区の最上位は金子大輔。前走は地元のGⅠで優勝戦まで進んで6着。大崩れはしていないが、大きな大会となるともう一つ上のエンジンが必要か。ただし、伊勢崎走路は2年前にSGを獲った思い出の地。走路との相性は良いので大幅良化もあり得る。2番手は木村武之。前走は地元のGⅠで準決は3着になってしまったが、それ以外は悪くなかった。木村も伊勢崎走路は4年前にSG、しかも日本選手権を獲っているので、今回に向けての思い入れはあるだろう。3番手は伊藤信夫。やはり前走は地元GⅠだが、エンジン的にはイマイチだ。整備を要する状態。
飯塚地区からは好調車が多数参戦。ランク最上位は浦田信輔。前走は山陽開催で完全Vを決めた。船橋のGⅠで自落してからの良走路では7走中、1着が6回、2着が1回で3着以下がない。安定感は浦田の代名詞だが、近況は更にそれが高まった様子。2番手は荒尾聡。現在、地元開催で2連続優勝中。仕上がりはかなり良いと言える。また、スタート力も全国ナンバー3には入るので、全レースオープン戦の今回は大活躍が必至だ。3番手は田中茂。前走は地元開催で2日目に落車してしまったが、動きは問題なさそう。
最後に山陽地区。ランク最上位は松尾啓史。前走は地元開催で準優勝。ここ何ヶ月かの動きを見てもエンジンが大崩れすることはない。走りに派手な仕掛けはないが、冷静沈着に追い込んで行けるセールスポイントは魅力。2番手は藤岡一樹。近況は、いい日と悪い日が混在していてエンジンに安定感が欠けている。ただ、大舞台で大きな力を発揮できる選手なので、一発には常に注意したい。3番手は濱野淳。前走は伊勢崎開催だった。準決はやや不安の残る内容で、更に不成立になってしまったが、当地との相性は抜群なので立て直しに期待したい。他では、岩崎亮一が前走も伊勢崎で、準優勝している。レース間隔も空いておらず、前走のデータはアドバンテージになるハズ。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔船橋 S-1(25期)〕
青山 周平〔船橋 S-2(31期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-3(23期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
中村 雅人〔船橋 S-5(28期)〕
金子 大輔〔浜松 S-6(29期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-7(22期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-8(26期)〕
A級とB級に分かれてダブルトーナメント戦開幕!
今節は直後にSG日本選手権がある関係でS級選手は不在。A級選手48人、B級選手48人が別々の勝ち上がり方式により進出し、優勝戦が2つ行われる。楽しみも2倍だ。
まずはA級戦から今節出場する中で、各地区のランク最上位の選手の近況を追ってみる。
地元となる川口は佐藤摩弥が同地区でランク最上位。最近の成績はと言うと、日によって良かったり悪かったりとやや波がある。しかし、ずっと悪いわけではないので、何かキッカケを掴めれば成績も安定してくると思われる。課題と思われてたハンデを背負ったときの走りも、日に日に良くなっており着実な成長が窺える。
次に船橋地区。ランク最上位は武藤博臣。S級不在の開催にSG覇者が参戦するのだから、当然注目は集まる。近況のエンジンはあまり良いとは言えないが、圧倒的な実績を誇っているので人気に推されると思われる。
伊勢崎からは北渡瀬充。近況はエンジンが上向き。スピード的には、今節参戦する選手の中でも5本の指には入るだろう。スタートも悪くないので一気の抜け出しからすぐさま独走状態に入るか。
浜松では渡邊篤が最上位。前走は地元のGⅠ秋のスピード王で、後半2日間は状態上向いていた。デビュー前から評判が高かった同選手は、1級車に乗ってからも確実に力を付けてきている。
飯塚は鐘ヶ江将平。前述の渡邊と同期で、スピードにはかなりの素質が窺える。エンジン状態が安定してくれば、豪快な捲りで追い込んで行きそうだ。
山陽からは人見剛志。前走は伊勢崎開催で3着、1着、1着で優出し、雨の優勝戦では7着だった。重走路はやや苦手としているが、晴れに関してはエンジン好調。更に、今回参戦する選手の中で、人を捌く腕はおそらくナンバー1。最近のエンジン状態を今回も出せれば、優勝に最も近い存在なのではないかと思っている。
地区に関係なく、他に注目のA級選手は、近況乗れてる感がある山田徹(川口)。地元でエンジン絶好調だった今田真輔(浜松)。今開催の中では上位級の越智尚寿(飯塚)もエンジン状態はマズマズ良い。同じく飯塚の片岡賢児も直線の伸びが良い。
続いてB級戦の考察。
優勝候補筆頭はなんと言っても田中賢(伊勢崎)。ちょっと前まではS級選手として走っていたが、採点方法の基準により今期はB級選手として斡旋。底力が圧倒的に違うのに加えて、近況はエンジンも好調。よほどの事がない限り優勝できるのではないかと思われる。2番手に挙げられるのは、船橋の平塚雅樹。こちらも採点方法の基準により今期はB級となったが、実力的にはA級並み。近況はエンジンがあまり良くないが、B級だけの戦いとなれば十分通用する。この2人がB級戦を引っ張って行く存在になりそう。
他にB級戦で注目は、スピードある高石光将(川口)、かつては船橋四天王の一人に挙げられた阿久津正夫(船橋)、ツボに入ったときの独走力に定評がある渡辺京二(伊勢崎)と小田雄一朗(伊勢崎)、近況はエンジン状態上向きの水口寿治(飯塚)、試走タイムが出なくても粘り強い走りで高配当を提供する篠原俊治(山陽)あたりか。
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主な出場予定選手
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佐藤 摩弥〔川口 A-49(31期)〕
柴山 信行〔川口 A-68(19期)〕
石井 大志〔川口 A-70(24期)〕
武藤 博臣〔船橋 A-50(28期)〕
北渡瀬 充〔伊勢崎 A-51(25期)〕
渡邊 篤〔浜松 A-4(31期)〕
鐘ヶ江 将平〔飯塚 A-31(31期)〕
人見 剛志〔山陽 A-61(28期)〕
浦田を中心に飯塚勢が多数来襲するが地元勢も総力戦の構え!
今節は全てのレースで7車立て。更に、ハンデ差も小さくなるので最重ハンが勝ちやすくなっている。当然、車券も当たりやすくなるので予想はしやすい。まず地元S級陣の動向を追う。
ランク筆頭は松尾啓史。前走は浜松のGⅠ秋のスピード王。予選道中をしっかりこなして優出し、4着となった。この節では勝ち星がなかったが全体的にエンジンは良さそうだった。藤岡一樹は飯塚一般開催が前走。準決で5着となって優出は逃したが、4走中1着が2回。前々節の船橋GⅠの最終日から状態は上向きにある。佐々木啓は前走が浜松のGⅠ。優勝戦まで進んで3着だった。浜松は相性がいいのもあるが、エンジンも良い状態で安定している。岡部聡の前走は船橋のGⅠ。雨の準決で1着を取り優勝戦まで進んだ。晴れの動きも悪くはないので今節も期待できる。角南一如は浜松のGⅠが前走だが、なかなか調子は上がってきてない。
A級の中では丹村飛竜が上昇ムード。前走の川口一般開催では優勝戦まで進んで3着だった。グリップを開けて走るタイプなので、走路にタイヤが喰い付きだすこの時期は成績が良くなる傾向ある。他では、畑吉広が前走の浜松GⅠで健闘していた。近況、成長が著しいのは松井大和。攻めに積極さが出てきており、車をナカに向けたら迷いなく突っ込んで行けている。
外来勢で注目は浦田信輔。船橋のGⅠで珍しく自落してしまったが、その後の良走路は5走して1着4本、2着1本とオール連対。抜群の安定感を示している。同地区の久門徹は現在、地元で3連続優出中。優勝こそないがエンジンの推移は悪くない。他では辻大樹が相変わらず好調キープしているし、内山雄介、松尾学、中原誠あたりも元気だ。
伊勢崎からは三浦康平や桜井晴光が参戦する。この両者はスピードタイプなので、気温が冷え込みだすこの時期は狙い。浜松からは岩科州が注目。試走タイムが出なくても、腕だけで前団を突破して行く強さがある。
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主な出場予定選手
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松尾 啓史〔山陽 S-8(26期)〕
藤岡 一樹〔山陽 S-18(29期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-20(23期)〕
岡部 聡〔山陽 S-23(19期)〕
角南 一如〔山陽 S-25(27期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-3(23期)〕
久門 徹〔飯塚 S-34(26期)〕
岩科 州〔浜松 A-17(27期)〕
永井や青山を中心としたシリーズ!
今節の開催は全レースで7車立て。更に、ハンデがいつもより短くなる傾向があるので、重ハン中心のレースが多くなる。車券が当たりやすくなるので嬉しさは増す。
今節が終わると次にSG日本選手権が控えており、それに出場予定の選手は今節が最終仕上げの開催となるので整備には余念がないハズ。まずは地元主力勢の動きを追いたい。
全国ランク1位の永井大介は、地元のGⅠオート祭を優勝後、浜松のGⅠ秋のスピード王に参戦。雨の準決で3着となり優勝戦には進めなかったが、機力的には悪い状態にはない。ランク2位の青山周平は、地元のGⅠで優勝戦4着だった後に、永井と同じく浜松のGⅠに参戦し優勝。得意バンクの浜松でしっかり仕事をこなした。この2人が今回もシリーズを引っ張っていく存在になりそう。
他のS級陣はと言うと、まず中村雅人。前走は地元のGⅠ。永井に捌かれて準優勝となってしまったが、エンジンの仕上がりは良かったし今回も心配はない。また、池田政和も前走は地元のGⅠで優勝戦まで進み、3着と結果を残している。片平巧は浜松のGⅠが前走で、準決は雨で結果を出せなかったが、晴れに関してはマズマズの動き。西原智昭は浜松のGⅠで2日目に反則を取られてしまった。エンジンの方ももうちょっと欲しい状態か。岩田行雄は地元のGⅠ以来で、エンジンやはりもうちょっとの状態。
総じて地元のS級選手は良い状態にあると言える。A級の中で調子が良いのは、谷川一貴、深沢隆、山田真弘あたりか。
外来勢は飯塚の篠原睦がランクが一番高くS級21位。前走は浜松のGⅠで2日目に1着。他も3、4着となっており悪くはないがもう少しと言った状態。同地区の2番手は竹谷隆。前走は地元一般開催を補充選手として3走し、全てで1着。メンバー的に軽かったとは言え、しっかり追い込めているので、今回も期待できる。また、飯塚からの選手で注目したいのは阿部仁志。地元で連続優出し、2回とも準優勝。悲願の初優勝まであと一歩のところまで来ている。
川口からは青木治親、中野憲人、平田雅崇と3人のS級選手が参戦。青木、中野はエンジン状態がイマイチだが、平田は前走の浜松GⅠで優出し5着。状態は上向いてきているか。他では増田伸一の状態が良いし、君和田裕二も力を付けてきている。
伊勢崎と浜松からは12人参戦する予定だが、全体的に状態はイマイチ。整備での立て直しに期待したい。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔船橋 S-1(25期)〕
青山 周平〔船橋 S-2(31期)〕
中村 雅人〔船橋 S-5(28期)〕
池田 政和〔船橋 S-15(23期)〕
片平 巧〔船橋 S-24(19期)〕
青木 治親〔川口 S-39(29期)〕
笠木 美孝〔浜松 S-44(22期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-21(26期)〕