地元の牙城死守へ、人見剛志が孤軍奮闘!
元気一杯の若手ナンバー1を決めるべく、ファイナリスト8人がついに出揃った。ハンデ位置とエンジンの仕上がり状態を考えると、誰にでもチャンスはある。また若手には、特有の大駆けがあるだけに、優勝争いは混沌としている。
まずは優勝戦のハンデ構成を見てみる。0ハンに3車、10線に5車。スタート予想をすると、0ハンからは大外に置かれた廣瀬勝光が飛び出すと思われる。内の2車もスタートは不得手ではないが、今節は廣瀬がスタートはよく切れている。続いて10線。ここは枠ナリと予想。最内の人見から順番に出て行きそう。
レース展開の想定としては、0ハンからカマシて出て行く廣瀬に藤波直也と渡邊篤が続く形。そこへ10線から枠ナリにスタートを切った人見が仕掛けて行く。早めに先頭に立つ人見が10線の外枠勢を振り切ると予想。
このレースは見所がが多い。0ハン3車はいづれも快速派。先に独走に入れる選手がそれなりの活躍を見せると思われる。また、10線には船橋の中村雅人と青山周平が控えている。どちらも記念開催の優勝戦で8周戦となるのは好材料。オートレースの醍醐味を感じさせる走りを披露してくれるだろう。順当に考えれば、この中村か青山が本命に推されて当然と言える。
しかし、当ブログでは人見を本命に推す。まず、エンジン状態。準決4個レースの中でも最もよい上がりタイムをマークした。エンジンの仕上がり差がレース結果に大きく影響する記念開催の優勝戦で、これは大きなプラスとなる。次に、地元開催の利。地元選手だといつも以上の力が発揮されることがある。最後に潜在能力の高さ。人見はこれまでの実績以上の技量の持ち主だとの評判を得ている。
◎人見剛志
○中村雅人
△青山周平
△廣瀬勝光
▲金子大輔
若手主体による限界ギリギリのバトル開幕!
先日、川口で行なわれたGⅡ名匠戦とは間逆の企画レース、GⅡ若獅子杯争奪戦が11月23日から山陽で開催される。冬場の食いつく走路状況を背景に、壮絶なスピード戦が繰り広げられる。各地区別にS級選手を中心に動向を追ってみる。
まずは開催される山陽から。S級はただ一人で藤岡一樹のみ。前走は飯塚で1着、1着、1着で優出し、雨の優勝戦は4着だった。その優勝戦では展開が厳しかっただけ。車の仕上がりは他と引けを取っていなかったので、今回も期待できる。他に、A級で調子がいいのは松生信二。前走は浜松で好結果を出している。
船橋地区は層が厚い。デビューから今まで前評判に違わぬ活躍を見せている青山周平は、エンジン状態がずっと良い。地元でなかなか優勝できない傾向はあるが、基本的に苦手なレース場はない。2番手の中村雅人は、前走は地元で優出し4着。状態としてはハイレベルにある。その同期の西原智昭は、前走が地元開催で優勝。厳しいメンバーの中での優勝だったので、また一段と自信に繋がったことだろう。もう一人のS級の鈴木聡太は、前走が浜松だったが物足りない動きだった。
川口からはS級選手が最多参戦。ランク上位は大木光で前走は浜松。しっかり優出している。大木も長らくエンジン状態が安定している一人だ。高橋義弘もここ何節かで調子を上げている。その同期、青木治親と平田雅崇は本来の実力を考えれば、近況はピリッとしてない。31期の岩田裕臣はスランプ気味だったが、前走あたりから回復傾向が見られる。A級では山田達也の活躍が目立っている。
伊勢崎からのS級選手は早川清太郎ただ一人。前走は地元のSGだったが、活躍できなかった。スタートに課題があり、連日のオープン戦では苦しい展開になっていたが、通常のハンデ戦なら強烈な追い込みを見せてくる。他にも、三浦康平、田村治郎、渋沢憲司など快速派が多いので注目したい。
浜松からは金子大輔、佐藤貴也、岩科鮮太らが参戦。金子の前走は飯塚で優出し6着。佐藤は地元開催で優出し4着。岩科は優勝戦には進めなかったが、エンジンはマズマズ良い。他に、渡辺篤、辰巳裕樹、藤波直也らの31期勢も力を付けているので楽しみ。
飯塚からは、S級は岩見貴史だけ。伊勢崎SG以来で久々のレースになるが、その時のエンジンはソコソコ良かった。他には伸び盛りの鐘ヶ江将平、中尾貴志、内山雄介がいるし、近況エンジンが安定しているのは辻大樹、阿部仁志などでスピード戦も得意だ。
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主な出場予定選手
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藤岡 一樹〔山陽 S-18(29期)〕
青山 周平〔船橋 S-2(31期)〕
中村 雅人〔船橋 S-5(28期)〕
大木 光〔川口 S-35(28期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-16(29期)〕
金子 大輔〔浜松 S-6(29期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-36(29期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-45(29期)〕
オートレース7、最終節が川口で開催!
各場1節ずつ試験的に行なわれた全レース7車立て、更に通常よりハンデの大幅な変動があったオートレース7も、今回の川口開催をもってイベント終了。これまでの傾向から本来最重ハンの選手が順当に勝ち上がっている。配当面で物足りなさはあるものの、車券的には非常に買いやすくなっている。
今回、地元S級選手は全部で4人。各選手の動向から追ってみたい。
まずは佐藤裕二。前走は地元のGⅡ名匠戦で、補充参戦で3走した。白星は1回だけだったが、エンジンの仕上がりはマズマズ良く、今回も期待できる。次に、森且行だが、前走は伊勢崎のSGで3日目に落車。その後1着、5着と勝ち星も挙げているので、それほど心配はないか。鈴木清は前走がGⅡ名匠戦だが、動きはあまり良くなかった。今回、何らかの対応策を講じてくるだろうから、整備での立て直しに期待したい。最後は中野憲人。前走は伊勢崎のSGだったが、成績は振るわなかった。しかし、それは苦手なオープン戦だったこともあるので、通常のハンデ戦なら力を出せる。
S級以外でも元気な地元選手は多い。
筆頭は石井大志。前走が地元の開催で久々に優勝している。今のエンジンなら多少展開に不利があったとしても巻き返して行ける。伊勢崎のSGから調子が良かった秋田貴弘は、前走がGⅡ名匠戦。ここでもエンジン良かったが準決でフライングをしてしまった。しかし、車の方は問題なさそう。他では、牛沢和彦がGⅡ名匠戦で優出しているし、柴山信行や加賀谷建明が上昇中。篠崎実も相変わらず元気一杯だ。
外来勢では、内山高秀が注目の存在。伊勢崎のSGで優出した後、地元開催でも優出。優勝戦での成績は良くなかったが連続優出中で勢いはある。梅内幹雄や永富高志、別府敬剛らは川口連続参戦になるのでアドバンテージがある。
伊勢崎から参戦は岩沼靖郎。SGの最終日で1着を取っており昇り調子。山陽からは岩崎亮一や西村龍太郎が参戦するが、近況はイマイチの状態。浜松からは岩科州が参戦。エンジン自体はマズマズの状態で安定している。
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主な出場予定選手
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佐藤 裕二〔川口 S-17(24期)〕
森 且行〔川口 S-22(25期)〕
鈴木 清〔川口 S-31(23期)〕
内山 高秀〔船橋 S-14(26期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-26(25期)〕
別府 敬剛〔飯塚 A-1(23期)〕
岩科 州〔浜松 A-17(27期)〕
岩沼 靖郎〔伊勢崎 A-20(25期)〕
S級選手12人と、他B級による異色の開催!
今節はレース様態が通常開催とは大きく違う点が何点かある。まず、7車立て。これは各レース場で試験的に行なわれている。次に、ハンデ差も通常とは異なりそう。そして、今節特筆すべき重大な点は、A級選手は不在。S級選手が12人の参戦。他は全てB級選手による戦いになっている。おそらく予選中は、S級選手が各レースに1人ずつ7枠に入り、他はB級選手6人でのバトルになりそう。車券的にはアタマ固定で買えるレースが多くなるということ。
まずはS級12人の近況を追ってみる。
地元ランク最上位は荒尾聡。前走は伊勢崎でのSG日本選手権。順当に優勝戦まで勝ち上がり、優勝戦では3着という結果だった。優勝できなかった悔しさはあるだろうが、試走タイムが劣勢だったのを考慮すれば、3着は上出来だったのではないだろうか。エンジンの仕上がりは悪くない。
次に田中茂。前走はやはり日本選手権で、スタートを含めて序盤の展開に苦しんでいたが、エンジンの方はそこまで悪くはない。今回は強烈な追い込みを見せてくれそう。篠原睦も前走は日本選手権。シリーズで2勝を挙げたが、準決では惜しくも3着で優出はならなかった。しかし、エンジンはずっと安定している。東小野正道も直前は日本選手権で、初日に白星を挙げたが、その後はやや下降。今回のB級相手なら問題はないか。桝崎陽介も日本選手権帰りで、エンジンの仕上がりにずっと苦しんでいたが、最終日に1着を取れた。久門徹は日本選手権で白星はなかったが、エンジン自体はマズマズで、その前までの動きも悪くなかったから問題はない。
外来勢では全国ランク1位の永井大介が優勝候補筆頭。SG後の地元開催は、ブチ走路の準決で追い込みが決まらず優出モレとなってしまった。しかし、完全な晴れの動きには不安を感じさせないので、今節も順当に勝ち上がって行きそう。同期の若井友和が川口から参戦。前走は日本選手権で1着2本。仕上がりは悪くない。伊勢崎からは高橋貢。地元のSGの準決で不利を受け落車してしまった不運はあるが、最終日はキッチリ決めた。浜松の金子大輔は、直前のSGでは本人にとって不本意な成績だったと思われる。今回の巻き返しに期待。山陽からは松尾啓史と藤岡一樹が参戦。松尾は完調ではないが、ソコソコの仕上がり。藤岡の方は徐々に車速が出てきている模様。
今回、大勢いるB級の中から注意したい選手をピックアップ。
地元からはエンジン状態が良い水口寿治、スピード自体はソコソコ良い井上智詞。インをしっかり回れる船橋の佐野末公、上昇気配の松永幸二。独走が魅力の川口の鈴木健。レースでは試走以上の走りを見せる伊勢崎の深沢悟。粘り強い浜松の石田智之や、最高齢勝利記録を塗り替え続けている谷口武彦。腕がシッカリしている山陽の別府末彦、A級並のスピードがある畦坪孝雄あたりに注目。
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主な出場予定選手
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荒尾 聡〔飯塚 S-4(27期)〕
田中 茂〔飯塚 S-12(26期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-21(26期)〕
永井 大介〔船橋 S-1(25期)〕
若井 友和〔川口 S-11(25期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-7(22期)〕
金子 大輔〔浜松 S-6(29期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-8(26期)〕
浦田信輔が名匠戦を制す!
良走路で行なわれたGⅡ名匠戦の優勝戦は、飯塚の浦田信輔が制した。試走タイムから他を圧倒する3・30。次に好タイムを出したのが池田政和と片平巧の3・33なので、実に3ツも機力で上回っていた。
レース展開は0ハンから飛び出した五所淳に湯浅浩がマークする形。それを10線から好スタートを決めた浦田が難なく捌いてあっさり先頭に立つ。その後はマイペースの走りでゴールイン。後方では五所と湯浅が重なって走っていたため苦労していた片平が、1車ずつ割り込んで交わし2着に入った。10線のもう一人、池田は道中の進み方がイマイチで5着に終わった。
今回は名匠戦で若手の参加がなかった開催。最も若い期の23期が戦前の予想通り活躍した。更に、その中でも現在23期ナンバー1の浦田が優勝。SGの優勝戦でも好勝負ができる浦田なので、今回の優勝は順当だったのかもしれない。年末のスーパースター王座決定戦に弾みがついたことだろう。
GⅡではいろいろな企画が用意されていて、いつもとは趣が違った開催になることが多い。今回の名匠戦も、グリップ開け開けのレースとは違った迫力ある競り合いが多く見られた。これからも楽しい企画が用意されることを期待したい。
今月の23日からは、山陽で若獅子杯争奪戦が行なわれる。インが混み合う展開とは異なった、ハイスピードのバトルが繰り広げられると思われる。こちらも楽しみにしたいところだ。