緒方浩一が嬉しい記念初優勝!
前日の天気予報通りで、この日は1レースから重走路。優勝戦になっても走路が乾くことはなかった。コースを先取りした選手が有利になる山陽の重走路を制したのは、記念初優出だった地元30期の緒方浩一。
レース展開は、単騎の0ハンだった緒方が小さいコース取りながらペースを上げて押し切り。後続を全く寄せ付けない独走だった。2番手集団を形成したのは篠原睦と松尾啓史だけで、松尾が1回篠原のインに突っ込むが、流れて差し返されてしまった。3番手集団には好スタートの浦田信輔が粘っていたが、金子大輔と永井大介が交わしただけ。2番手集団には大きく離されたままだった。
追い込みが効きづらい山陽の重走路では、試走一番時計を出した永井もなかなか攻め上げて行くことが難しかった。序盤で好位に付けた篠原や松尾でさえ緒方に差を詰めることができなかった。いろいろな条件が緒方に味方したのもあるが、初めての大舞台でミスなく乗り切った緒方は見事だった。
デビューしたての頃は同期の中でも上位の活躍を見せていた緒方だったが、2級車時代の後半と1級車になってからは、思うような走りができずに苦しんでいる時期が長かった。しかし、元々のセンスは高かったので、何かのきっかけで大化けする可能性を感じさせていた。今回のGⅠ優勝は本人にとって大きな自信となったことだろう。準決の走りを見る限り、晴れでもスピードが出てきているので今後の活躍にも期待したい。
エンジン急上昇の永井大介を本命視!
雨が多い山陽オートでは珍しく4日間オール晴れで行われてきたスピード王決定戦もついに優勝戦を迎えた。厳しい準決を勝ち上がった素晴らしいメンバーによる激しいバトルになりそう。
優勝戦に乗ってる8人の中で、実に6人が年末のスーパースターに出場するため整備に余念がない。その中でも準決で一番の仕上がりを見せたのは船橋の永井大介。この日の試走一番時計の28を出しており、本人も納得いく仕上がりになった。準決のレースでもシッカリ追って行けたので、当ブログでも本命に推したい。
レース展開としては、0ハンの緒方浩一がマイペースの逃げを見せる。10線はほぼ枠ナリに出ると予想。ただし、永井だけはカマシ気味に出る。浅香潤や篠原睦が緒方を追って行く状況だが、エンジン的に交わすまでは行かなそう。その間に好位に付けた永井が浅香や篠原を捌いて、逃走の緒方を捕える展開。
もちろん他の4人も黙っていない。特に浦田信輔は、準決で永井と同じ上がりタイムの3・375をマーク。今節は久々のレースで、3日目までは乗り手の方が完調ではなかったが、ようやく感覚も取り戻してきた様子。スタートで永井に対して先行すれば、強烈な差しを連発して争覇圏内に浮上してくる。記念の優勝戦で8周回になるのは好材料だ。
同タイプの中村雅人も捌きがしっかりしているので、8周回は好材料。ただし、エンジンの仕上がりに関してはイマイチ不足な感じ。試走で30を切るようでなくては厳しい戦いを強いられるだろう。枠順的に魅力を感じるのは金子大輔。山陽は前節のGⅡ若獅子杯を制しており好相性。エンジン的にも準決前に大幅に手を入れて良化の兆しが出ている。松尾啓史も年末のスーパースターへ向けて車を仕上げてきているので、序盤の展開次第では連対もあり得る。
優勝戦当日の天気予報は朝方まで雨となっており、優勝戦までに走路が乾かない可能性もある。重走路かブチ走路か。山陽の走路は雨が上がっても乾きにくいため、ブチ走路になる可能性が高そう。そこで、雨やブチ走路の予想も軽くしておきたい。
山陽の重走路はコースが一本道になりやすく、早い段階でいいコースを走れる選手にチャンスが生まれる。緒方が雨やブチには自信を持っており、相当の逃げを見せそう。ただし、雨予想の本命は金子にしたい。理由は山陽の前節の若獅子を雨で優勝しているからだ。その時は自在のコース取りで追い込んでいた。山陽の雨走路に自信も付いたことだろう。また、篠原も雨ならチャンス倍増。枠的にもよいので、早いうちに緒方をマーク追撃態勢に持ち込める。永井も山陽でプレミアムカップを雨で優勝しているので好勝負ができそう。
晴予想
◎永井大介
○浦田信輔
△中村雅人
△金子大輔
▲松尾啓史
雨予想
◎金子大輔
○緒方浩一
△篠原睦
△永井大介
▲松尾啓史
山陽伝統のGⅠスピード王決定戦開幕!
毎年12月に山陽で行なわれるスピード王決定戦も今回で48回目を迎えた。この時期はタイヤが走路に食い付くため、数々のスピードバトルが繰り広げられてきた。今回も各地区から好調な車が参戦し、熱い戦いが見られそうだ。
S級選手の動向を中心に追ってみたい。まずは地元勢から。
地元でランク最上位は松尾啓史。前走は飯塚のオートレース7に参戦。1着、1着、1着で優出し、優勝戦では2着の準優勝だった。調子の波が穏やかな選手で、今は好調時なので積極的に狙ってみたい。2番手の藤岡一樹は前走が地元のGⅡ若獅子杯。藤岡らしいスピードに乗った走りが見られた。濱野淳は前走が浜松のGⅡ。なかなか良い結果を出せないでいたが、最終日はしっかり1着と調子を上げてきているか。岩崎亮一は前走が川口のオートレース7。1着、1着、1着で優出し、優勝戦も3着。仕上がりの良さを示している。前田淳は前走が浜松のGⅡ。1着こそなかったが、準決で2着に入りキッチリ優出。マズマズと言える。
逆に佐々木啓、角南一如は調子が上がってきてない様子。岡部聡も堅実な走りはできているが、1着がないのが気になる所。
地元のA級では穴見和正が船橋に参戦してきて優出7着。乗れてる選手が多い船橋で優勝戦まで進んだのは価値がある。他では、人見剛志が前走、地元の若獅子杯で優出しており存在感を示している。
外来勢では船橋地区が強烈。全国ランク1位の永井大介は、前走の地元開催で優出5着とやや不安の残る内容だったが、しっかり合わせてくれば優勝候補筆頭に挙げられる。中村雅人は前走が山陽のGⅡ若獅子杯で優出し6着。優勝戦は重走路で力を出し切れなかったが、晴れに関しては好仕上がりだ。黒岩明は前走の地元開催で準優勝。ここ2節で4着以下を1回も取っておらず、エンジンの安定ぶりが際立っている。
川口地区も好調車が多い。ランク筆頭の若井友和は前走の地元開催で優出し3着。なかなか鋭い追い込みを見せていた。森且行は前走が浜松のGⅡ。初日、2日目は1着だったが、その後はイマイチ。しかし、試走タイム自体は出ているのでエンジン基本的には悪くない。同じ大会に参戦していた深谷輝は優出し5着。スタートも良くなっていたし、車の伸びもかなり良かった。
伊勢崎からは早川清太郎と浅香潤がS級で参戦だが、共にリズムを掴めていない様子。早めの立て直しに期待したい。逆に、A級の猿谷敦が絶好調。前走の浜松のGⅡでは大活躍していた。
浜松地区で最も注目するべき存在は金子大輔。前走の地元GⅡは優出したものの4着だったが、その前の山陽GⅡ若獅子杯では見事優勝している。優勝戦の雨の難走路もこなしているし、予選中も晴れで結果を出している。その時のデータが大いに参考なるだろう。伊藤信夫は地元のGⅡで優出8着だったが、エンジンがしっかり合えば戦えることを証明している。青島正樹は前節で珍しく2日連続で反則してしまった。同期の笠木美孝は少しずつ調子が上がってきた模様。
最後に飯塚地区からは浦田信輔に注目。前走は川口のGⅡ名匠戦だったが、前評判通りの走りで見事優勝。エンジンも晴れに関しては全く不安のない動向を示している。篠原睦も状態は良い。前走は浜松のGⅡだったが、しっかり優勝戦まで進んで3着。常に不安要素であるドドドが出なければ、得意の速攻からペースを上げる。
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主な出場予定選手
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松尾 啓史〔山陽 S-8(26期)〕
藤岡 一樹〔山陽 S-18(29期)〕
濱野 淳〔山陽 S-19(24期)〕
永井 大介〔船橋 S-1(25期)〕
若井 友和〔川口 S-11(25期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-16(29期)〕
金子 大輔〔浜松 S-6(29期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-3(23期)〕
絶好調の選手が不在で乱戦ムード!?
今節はエンジンの仕上がり絶好調の選手がいないので、逆に優勝争いは混沌としている。S級選手に限らず、誰にでもチャンスあるので全選手が目の色を変えてくるだろう。まずは地元選手の動向を追ってみたい。
混戦模様の中でも、優勝に最も近い存在は地元ランク上位の佐藤裕二。現在2連続優出中で、前々節は優勝している。前回の優勝戦は5着とイマイチだったが、成績はここ11走中7連対。その内6本は1着だ。だいぶ安定した動きを見せている。前回の開催から間も経っていないので、この佐藤がシリーズを引っ張って行く存在になる。
他の地元S級は青木治親、平田雅崇、高橋義弘の29期勢。青木の前走は浜松のGⅡだが、序盤からリズムを掴めていなかった。平田、高橋義は共に前走が山陽のGⅡ若獅子杯だが、両者とも納得の行く内容ではなかったハズだ。ただ、高橋義に関してはそれ以前の成績が良化してきているし、それほど問題なさそう。平田の方は本人の能力を考えれば、もっと戦えてもいいハズだ。
S級以外では、山田達也が前走の山陽GⅡはイマイチだったが、その前は浜松の一般開催で準優勝しており、悪くない状態。秋田貴弘も気温が下がってきてからは、持ち味の捲りが決まっている様子。篠崎実は、相変わらず元気一杯の走りを見せているし、且元滋紀も豊富な経験をレースで生かしている。
B級では、単騎で逃げると粘り強い鈴木健や丸山浩信、高石光将に注意したいところ。まだ32期新人もここに来て急速に力を付けているので注目したい。
外来勢は飯塚地区が層が厚い。S級選手は東小野正道、桝崎陽介の2名だが、A級の中でもスピードある選手が多い。東小野の前走は地元のオートレース7で4日間をオール連対している。桝崎の方も優勝戦には乗っていないものの、マズマズの成績を残している。他では、藤川幸宏、田中進がスピードあるので一発に注意。井村淳一、片岡賢児が意外性あるので動向に注意したい。
船橋からは、一時期の勢い薄れてる岩田行雄が参戦。しかし、前走の地元では初日と最終日に1着を取っており存在感を示している。新村嘉之は川口との相性が良いので警戒が必要。
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主な出場予定選手
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佐藤 裕二〔川口 S-17(24期)〕
青木 治親〔川口 S-39(29期)〕
平田 雅崇〔川口 S-41(29期)〕
高橋 義弘〔川口 S-42(29期)〕
山田 達也〔川口 A-2(28期)〕
岩田 行雄〔船橋 S-48(15期)〕
東小野 正道〔飯塚 S-30(25期)〕
桝崎 陽介〔飯塚 S-32(28期)〕
青山周平が人気に応えて圧勝!
浜松のGⅡウィナーズカップの優勝戦は、一番人気に推された青山周平が期待通りの走りを見せて快勝した。これで、今年浜松に参戦した6節中5節で優勝と相性の良さを証明した。
試走から他を圧倒していた。近年、あまり見ることない3・26秒をマーク。2番手試走の木村武之も3・28秒と好タイムだったが、青山はそれを更に上回った。そして、スタート。10線からは篠原睦がトップスタートを切ったが、青山はそれに次ぐ2番手スタートを切った。試走タイムで一番時計を出していた青山にとって、これは絶好の展開と言える。後は難なく篠原と辻大樹を捌いて、独走態勢。上がりタイムも3・331秒の驚異的タイムを叩き出した。
2着に入った木村は篠原や辻を捌くのにやや手間取り、2番手に立った時には青山ははるか彼方にいた。地元の金子大輔や伊藤信夫は試走タイムはソコソコ出たが、道中の伸びを欠いて連対までは行かなかった。好枠だった深谷輝や前田淳も見せ場を作ることなく終わってしまった。
このレースでは青山の強さを改めて見せ付ける形になった。10線7車並びの外枠と、けっして楽ではない位置から同ハンで2番手スタートを切ったのは見事だった。前の2車を捌くのもスンナリだったし、独走でのペースも申し分ない。完璧なレース運びができたと言える。エンジンの仕上がった青山を止めるのは容易なことではない。今年最後の大一番、SGスーパースター王座決定戦に弾みになることは間違いない。