10日(日)メインは「第2回絆カップ」。昨年、東日本大震災からの復興を祈願して創設。東京競馬場で行われた南部杯とコラボで実施され、府中最終レース終了後、ターフビジョンでも放映。多くのファンといっしょに、画面越しだったが、馬券を握り締めて思いっ切り応援した。
今年は1ヶ月遅れの開催で舞台も盛岡ダート1400mから1600mへ延長。遠征馬4頭、岩手8頭の計12頭が絆カップを争う。このレースの優勝馬主には社台スタリオンステーション協賛により、種牡馬デュランダルの配合権利が提供される。
これから2歳・南部駒賞、3歳・ダービーグランプリが控えているが、古馬部門ではこの絆カップがシーズン最後の交流重賞。盛岡開催のフィナーレも飾る重賞戦となった。
当然のことだが、今回も地区レベル比較が最大のポイント。今季の古馬交流はすべて遠征馬に軍配が上がり、地元岩手は劣勢ムード。それを考えると船橋シルクダイドウ、北海道ダイワルビアを重視するべきかもしれないが、主軸は地元カミノヌヴォーとした。
昨年、南関東から再転入して不来方賞、ダービーグランプリ、そして桐花賞と重賞3連勝を決め、年度代表馬の座も獲得した。
今季は満を持してシアンモア記念から始動したが、仕上がり途上のため5着凡走。以降も勝ち切れないレースを繰り返し、なかなか本来の調子を取り戻すことができなかった。
しかし前々走・青藍賞で逃げ切りを決め、待望のシーズン初勝利を飾り、続くJpnⅠ・南部杯ではナムラタイタンの落馬による不利を受けて最後方からの競馬。それが痛かったが、7着まで盛り返した。
その後は絆カップ1本に絞って調整を進めて態勢万全。遠征馬は強力だが、地の利を生かして主役の座を勝ち取る。加えてカミノヌヴォーは秋から調子を上げていくタイプ。それも心強い。
シルクダイドウは園田、南関東で12勝。中央未勝利に終わったが、地方へ転籍して大成功を収めた。中央時は430キロ台の体重が現在は470キロ台。これが成長を如実に物語っている。
不安点は二つ。まずは臨戦課程。実績は昨年の覇者リュウノボーイと同格と見ていいが、前走10月30日から中9日の強行軍。これに輸送が加わり、状態面がどうか。南関東でも遠征は浦和の一度のみ(3着)。体重が大きく減っているようなら若干不安だ。
ダイワルビアは中央ダート中距離で4勝、準オープンへ在籍。北海道へ移籍したのは昨年5月で3勝マークした。ただ、重賞では赤レンガ記念13着、エルムステークス13着(13頭立て)、道営記念8着と振るわなかった。
今季はシーズン初戦を快勝したが、その後は足踏み。1勝2着2回とひと息のレースを繰り返しているのは気性難を抱えているから。ムラな面が出ているのは割り引き材料となる。格は申し分なし。もしかすると遠征でスイッチが入るかもしれないが、アッサリかはたまた凡走かの両極端な結果が考えられる。
トーホクキングはみちのく大賞典優勝後、白星から遠ざかっている。南部杯9着はともかく青藍賞3着、けやき賞4着。獲物を居るような迫力が薄れつつあるのは否定できない。それでも行き脚ついてからの切れには衰えはない。
あとは休み明け2戦目の重賞3勝馬ゴールドマイン、堅実さに定評があるシャイニーハリアーも3着には押さえたい。
◎(7)カミノヌヴォー
○(5)シルクダイドウ
▲(9)ダイワルビア
△(8)トーホクキング
△(2)ゴールドマイン
△(3)シャイニーハリアー
<お奨めの1頭>
6R エーブバットマン
前走は村上忍騎手に乗り替わって反応が一変。すばらしいタイムで逃げ切った。同じ1200mが舞台なら再現濃厚
グッと冷え込んできた今週、盛岡競馬場から見える岩手山に、ついにはっきりと雪が見えました。
岩手山の初冠雪自体は10月13日にあったと伝わっていますが、その時は雲の切れ目から一瞬見えたくらい・・・という事で、はっきり「雪が積もっていた」という印象はありませんでした。
しかしこの週末、冷え込みがキツイし天気も今ひとつだから・・・と思っていたら案の定、岩手山の中腹あたりまで雪が積もっている姿をはっきりと見る事ができました。いや~、そろそろ本格的な冬到来ですねえ。
9月下旬まで残暑が続いたせいかここのところの気温低下がもの凄く急激に、季節の移り変わりが非常に駆け足に感じますが、実際の所は岩手山の初冠雪も、こうしてはっきりと雪が降った姿を見るのも、例年よりは1~2週間遅めです。
ちょうど10年前、盛岡競馬場でJBCを行ったのが11月4日でしたけども、当日の朝は霜が降りたし競馬場から見た岩手山は真っ白く雪化粧をしていました。それを思えば今年は全然遅いくらいです。
とはいえ「冬」がすぐそばに迫っているのは確か。盛岡開催が終わって水沢に移れば気持ちも一気に「冬」「年末」という感じになってきます。残り少ない盛岡を、あとわずかな秋を、楽しんでおきたいものです。
●10Rの買い目
馬単(8)=(5)、(8)=(2)、(8)→(7)、(8)→(9)、(5)→(2)
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11月の声を聞いてめっきり寒くなった。OROパークの木々も遅ればせながら色づいてきたが、一気に冬に突入しそうな雰囲気さえある。考えれば今シーズンの盛岡開催も次週で終了。ラストスパートの季節になった。
当然だが、盛岡自慢の芝レースも今回の4日(日)、B1以下の地方交流「秋嶺賞」(盛岡芝1700m)と次週11日(日)の五葉山賞(C1以下・地方競馬交流 芝1000m)の2つのみ。名残惜しみつつ芝レースを満喫したい。
盛岡の芝は荒れることで定評があるが、秋嶺賞は人気がアンペラトリスに集中する。JRA東京・2歳新馬戦(芝1600m)でアプリコットフィズの2着。その後、脚部不安が発生して長期休養を余儀なくされ、大井、門別、園田を経て転入。初戦を快勝し、園田からの連勝を3に伸ばしたが、以降は白星に恵まれず5戦足踏み。上位を確保したが、あとひと伸びが足りなかった。
しかし、芝1700mを舞台に目下2連勝。前々走は先日のOROターフスプリントを優勝したライトマッスルをアッサリ抜き差って4馬身差で圧勝。また前走はJRAとの条件交流で強豪相手に完勝。ついに秘めた素質が開花した。
今回も芝に自信ありのメンバーがそろったが、今の勢いを持ってすれば十分突破できるに違いない。
逆転筆頭はリュウノヒーロー。今季3勝2着2回。B1から挑戦した重賞・せきれい賞でも3着に粘って気を吐いた。また前走・ハーベストカップでアンペラトリス(4着)に0秒3先着して2着確保。持ちタイムでも同馬を上回っている。
不安はレース間隔が開いたことだが、決して調子が悪かったわけではない。OROターフスプリントは抽選モレの憂き目にあったもので、乗り込みは万全だという。ただ、使い込んで実力を発揮するタイプ。実戦から離れているのは割り引きが必要だろう。
ドリームスナイパーは盛岡芝<4.4.4.5>。特に1700m戦は<3.2.2.3>と抜群の適性を誇っている。今季もJRA交流・カシオペア賞2着、B2・葉月賞1着と健在を誇示している。
ここ2戦の芝1700mで5、6着と伸びを欠いたが、見限るのは早計。ペースさえ速くなれば直線で一気に台頭する。
マイネルヴィーゼは中央未勝利ながら、芝1800mで3着1回。大井を経て転入し、入着が精一杯だが、3着1回を芝1700mでマーク。うまく流れに乗れれば連対突入も十分可能だろう。
セントウイナーは4走前、芝1000m・ハーベストカップに参戦して0秒7差6着。コーナーでモタれて直線一杯となったが、今回の1700mなら流れも落ち着くかも。そうなれば自慢のスピードを生かして逃げ残りのシーンまである。
あとは中央芝1600m1勝メルトアウェイもソロソロ盛岡の芝に慣れてくるはず。3着には押さえたい1頭だ。
◎(10)アンペラトリス
○(12)リュウノヒーロー
▲(7)ドリームスナイパー
△(6)マイネルヴィーゼ
△(11)セントウイナー
△(1)メルトアウェイ
<お奨めの1頭>
11R レッドキングダム
転入初戦は2着に敗れたが、4角で先頭に立って見せ場十分。コース2度目で今度こそ首位を奪取する
3日メインは「第3回知床賞」。今年から重賞へ格上げされ、盛岡ダート1400mを舞台に北海道2歳馬、岩手2歳馬が激突する。過去2回の知床賞は、いずれも岩手勢に軍配。門別開催の岩手山特別は北海道所属馬が優勝し、地の利もかなり大きいのだと思う。
ただ、今年の北海道2歳馬は層もレベルも相当高いと見て間違いない。10月25日のJpnⅢ・エーデルワイス賞はハニーパイ、ピッチシフターと1、2着を独占。またJRA札幌・すずらん賞はシーギリヤガールが快勝し、鎌倉記念(川崎)でもクラグオーが2着、ミータロー3着に善戦と全国での活躍は枚挙に暇がない。
今回、出走するビービーパッピンも北海道出身馬だが、岩手初戦2着、前走は5馬身差で圧勝。これだけでもレベルは推して知るべしだろう。
主軸はプリンセスサーニャ。デビュー2戦目の1000m戦を2番手から抜け出して快勝。その後はジェネラルグラント、クラグオーなど強豪に阻まれたが、3ヵ月ぶりの前走は久々をモノともせずに勝って2勝目。弾みつけて臨んできたのが心強い。
管理するのは8月、芝1600m重賞・テシオ杯ジュニアグランプリ優勝セラミックガールの田中淳司調教師。勝算の手応えを十分掴んで臨んできた。長距離輸送さえクリアーできれば勝ち負けは当然。
岩手の期待はマンセイグレネード。2戦目の芝重賞・若鮎賞を見事逃げ切って優勝。4戦目には初ダート戦を9馬身差で逃げ切り圧勝した。前走・若駒賞では初めて3番手の控える競馬だったが、3着を確保。成績以上に収穫の大きい一戦だった。
テンショウリバイヴはデビュー戦1着。2戦目は初の盛岡に戸惑ったのか9着に敗退したが、若駒賞では出遅れを喫しながらも直線で盛り返してマンセイグレネードに次ぐ4着。しかも0秒1差まで詰め寄り、地力あるところを見せた。
550キロを超す大型馬でまだ太めでこの結果を出すのだから将来も楽しみ。連闘で臨んだ今回は、体が絞れてくるだろうし大勢逆転まで考えられる。
コスモアックスはデビュー戦2着、2戦目1着。その後は凡走を繰り返しているが、どうやら気性難が災いしている模様。集中力が出てササるクセさえ解消すればアッサリのシーンまであるだろう。
タフガイはデビューの水沢850mを今季一番時計で快勝。その後は伸びを欠いているが、ビギナーズカップ5着ながら0秒1差。前走も4着だったが、盛岡コース2度目なら反撃に転じて不思議はない。
あとはメンバー最多勝のサクラタイシは使い詰めと同型ワタリルーブルとの折り合いが気がかりだが、完成度の高さは見逃せずマークが欠かせない。
◎(8)プリンセスサーニャ
○(5)マンセイグレネード
▲(6)テンショウリバイヴ
△(4)コスモアックス
△(9)タフガイ
△(3)サクラタイシ
<お奨めの1頭>
1R バーバリーコースト
転入直前の中山ダート1200mで1分14秒2。結果9着だったが、このタイムを持っていれば初戦を難なく突破できる
この土・日は二日連続重賞という事で、土曜日は芝1000mの「OROターフスプリント」をライトマッスルが、日曜は3歳ダート2000mの「不来方賞」をロッソコルサが優勝。それぞれ重賞初制覇となりました。
ライトマッスルもロッソコルサも奇しくも3歳馬、それぞれ別な路線でタイトルを手にしたわけですが、今季スタート時点、あるいは昨季の今頃は「アスペクト一頭のみが抜けている」と見られていた事を思えば、今年の3歳世代は想像以上に役者が揃っているのだなと感じます。
ちなみにロッソコルサを管理する千葉幸喜調教師は昨年のカミノヌヴォーに続いて2年連続の不来方賞制覇ともなりました。そのカミノヌヴォーは不来方賞の後、ダービーGP、桐花賞と制して3歳ながら昨年の年度代表馬に選出。もっと言えば一昨年のロックハンドスターも不来方賞・ダービーGP・桐花賞と制して年度代表馬になりました。ロッソコルサにもそれに続く存在へ・・・の期待がかかります。
いや、ロッソコルサは恐らくはダービーGP後はマイル前後の路線へと進むと思われるのですが、ダービーGPを勝つことができたならハイレベルの交流戦を制したという点で年度代表馬争いの中で大きなアドバンテージになるでしょうし、この後の古馬重賞の結果次第では3歳二冠の実績だけで年度代表馬に・・・という可能性も十分にあるでしょう。
この後の3ヶ月弱の戦いは、そんな争いにも目を向けながら見ていくと非常に面白いと思いますよ。皆さんもこの先の戦いにぜひご注目を。