昨暮、岩手競馬は12月24日を最後に終了した。みなさんにご迷惑、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。いまだ原因は解明されていないが、開催前に禁止薬物の全頭検査を実施。また監視カメラ、警備員を増強し、再発防止策を徹底。3月23日から再開しますので、よろしくお願いします。
メインは3歳A級馬による「奥州愛馬の会会長賞」(水沢1600m)。新シーズンの開幕は4月6日だが、その6日に3歳準重賞「第44回スプリングカップ」、翌7日には3歳牝馬重賞「第44回あやめ賞」があり、今回の一戦は直結するレース。それを裏付けるように今季3歳戦線を占う好メンバーが顔をそろえた。
本題に入る前に岩手競馬の冬休み明け対策を2日間にわたって紹介してみたい。出走メンバーに照らし合わせると、より分かりやすいと思う。今回の一戦は3歳戦なので既成勢力のクラス変動はあまりない。例えば12月10日、2歳重賞・寒菊賞出走組は10頭中7頭。非常に重要な参考レースとなる。勝ったのはパンプキンズだった。
もう一つ重要なのは岩手在籍馬は休み明け。さらに今年は冒頭に記したとおり、丸3ヵ月も休養した。当然ながら仕上がりの早いタイプもいるが、最近まで実戦を使っている方が有利。スナンビン、メルシーキララは2月までレースを使っている。これは大きなアドバンテージとなる。
ただ、冬場の休養でいきなり成長しているケースも多々。バロメーターは馬体重の増減。仮にプラス10キロ以上増えていたとしても、太く映らなかったら注目に値する。まずは画面越しでもパドックの気配をしっかりとチェックしてほしい。
中心はスナンビンで迷いなしだった。圧倒的なレベルと層の厚さを誇る北海道で3勝マーク。南関東移籍戦は3ヵ月半ぶりの実戦もあって5着止まりだったが、2戦目で2着を確保。道中でもたつきながらも直線を向いてしっかり伸びてきた。
北海道時代もそうだったが、いい脚を長く使えるのが持ち味。追ってから首の高さが若干気になるが、メンバー有利は明白。仕上がりの差も加味すれば人気にこたえる可能性大。スプリングカップへ向けて好発進を決める。
パンプキンズはトレーニングセール出身馬。新馬戦の芝1000m、3戦目に盛岡ダート戦を勝ち上がった。ただ2戦目、5戦目を大敗し好、凡走の激しいタイプだった。
しかし寒菊賞を逃げ切り勝ち。マイペースに持ち込んだのも勝因だったが、マイルを克服して成長確かなことを証明した。
今回は賞金獲得の関係で57キロを背負うのがカギを握るが、仕上がりに手間取らないタイプ。重賞ウイナーの貫禄を見せつける。
ポエムロビンはプリンセスカップ、金杯を優勝し2歳最優秀馬に選ばれたブリリアントロビンの第二子。北海道1勝から移籍初戦のビギナーズカップで2着。幸先のいいスタートを切ったが、その後は入着一杯。
ただ盛岡=左回りが合わなかった印象もあり、昨最終戦の寒菊賞4着。離された入線だったが、内容は悪くなかった。今回は先に行きたい馬が多くハイペース必至。一気台頭のシーンも考えられる。
メルシーキララは北海道未勝利から転入して2勝2着2回。冬場に南関東へ移籍して2戦7、8着に終わったが、いい経験になったはず。実戦を使われてきた強みを生かし、逃げ粘りに賭ける。
ブリュレもパンプキンズと同様、トレーニングセール出身馬。デビュー戦を快勝後、凡走を繰り返していたが、終盤に連続3着。上昇ムードでシーズンを終えた。
マリーグレイスは芝・若鮎賞を優勝。課題はダートだったが、徐々に克服。小柄な牝馬で久々を苦にしない。
◎⑨スナンビン
〇⑦パンプキンズ
▲⑥ポエムロビン
△③メルシーキララ
△⑤ブリュレ
△①マリーグレイス
<お奨めの1頭>
7R ブラボーウォーム
B1から降格でメンバーに恵まれた。メンバーを見渡しても先行有利の傾向が強く、初戦から狙い十分
★準重賞 奥州師走スプリント/ミスティカルが人気に応える
12月22日に行われた3歳馬の準重賞『奥州師走スプリント』は1番人気のミスティカルが優勝。岩手転入後3勝目を準重賞勝ちで飾りました。
前走からは連闘というローテーションに加え58kgのハンデも課されて決して容易な条件ではなかった同馬なのですが、2番手追走からの好位を最後まで譲らず直線も後続の追撃を凌ぎきり、クビ差ながらもしっかりとした脚色を保ってゴール。前走に続いての連勝、自身初の準重賞タイトル獲得を果たしました。
さて本命は。ここでは(10)ワンダーアビルマンを狙います。
前走がホッカイドウ競馬から岩手への転入初戦だった同馬。外枠からのスタートでノメって後手を踏むという、水沢のマイル戦としてはかなり厳しい状況からのレースになったにも関わらず最後突き抜けるくらいの伸び脚を見せた点、これは高く評価できると思います。
その前走時はどちらかといえば差し馬優勢の馬場傾向でもあり、それも味方した感は確かにありますが、それにしても前走のような末脚は魅力十分ですし今の水沢コースとも相性は悪くないのでしょう。極端な前残り傾向でさえなければ前走の再現まで。
対抗は(6)アイアムヒラケゴマを。二走前は1900mにやや苦戦したもののそれでも上位を確保。前走、マイルになってあっさり巻き返したあたりも地力の高さを感じさせます。
こちらもどちらかといえば差しタイプ、そして◎と同じ日に差して勝っているように馬場の助けを受けているのも◎と同じ。"差しの同型"はいずれかの方が展開に左右されやすい結果になりがちですが、現級上位の力で押し通してしまう可能性に期待してみましょう。
(3)ブラボーウォームは◎○とは逆に先行タイプ。となれば先行有利な馬場傾向になった時にはこちらが・・・というのは想像しやすい所です。ここでは逃げ先行タイプが多く、それも内目の枠に揃った事から差しタイプ優位になると考えましたが流れひとつで逆転まで、でしょう。
ヒモの一番手は(1)プラトンイミシャン。前走は完全に逃げ馬のペースに持ち込まれてしまいましたし、終わってみればやはり距離もちょっと長かったのでしょう。マイルなら話は変わってくるはず。もう一頭は敢えて(7)シーセクションを。本来はこの辺の組で上位の力を持っている馬ですしコース・距離の実績面も最右翼。気配次第の部分は残りますが、それによっては。
●9Rの買い目
馬単(10)=(6)、(10)=(3)、(10)=(1)、(10)=(7)
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★オッズパークLOTO 5重勝/12月24日(対象6R~10R)
6R/評価A: 3番 評価B: 4番、 9番 穴:1番
7R/評価A:10番 評価B: 1番、 4番 穴:11番
8R/評価A: 1番 評価B: 6番 穴:7番、10番
9R/評価A:10番 評価B: 6番、 3番 穴:7番
10R/評価A: 6番 評価B: 7番 穴:3番
12月31日、大晦日恒例の岩手版グランプリ「第44回桐花賞」のファン投票結果、および出走予定馬が発表された。
1位・エンパイアペガサス
2位・チャイヤプーン
4位・ユッコ
5位・チェリーピッカー
7位・ロキ
8位・ココロノママニ
9位・イーグルカザン
12位・ストロングサウザー
13位・マツリダバッハ
17位・サッチン
・報道推薦 トーホクアロー、プリンスダム
第1位はみちのく大賞典2連覇のほか青藍賞、北上川大賞典を制したエンパイアペガサス。第2位は岩手ダービー・ダイヤモンドカップ、ダービーグランプリの二冠を制し、川崎・戸塚記念も優勝チャイヤプーン。2頭とも早々と出走を表明。王者エンパイアペガサスに3歳馬チャイヤプーンが挑戦=が対決図式。
昨年はエンパイアペガサスが3歳ベンテンコゾウを退けて優勝。史上7頭目(トウケイニセイ、トニージェントは3連覇)の2連覇を狙う。
一方、チャイヤプーンは準三冠馬。第38回ロッソコルサ以来、6年ぶりの3歳優勝を目指す。雌雄決戦はどちらに軍配があがるか。それとも第3の馬が優勝するか。31日、桐花賞は今年も世代対決が最大テーマとなった。
23日メインは「ゴールデンジョッキーズシリーズ第2戦」(B2 水沢1600m)。
第1戦は単勝100円の元返しでヒューリスティクス(阿部英俊騎手)が優勝したが、2着に4番人気エコロレインボー(菅原俊吏騎手)、3着に11番人気エドノマツカゼ(山本聡哉騎手)が入り、3連単は2万2700円の高配当となった。果たして第2戦は本命サイドで決まるか、波乱となるか。
本命はパッショノン。南関東3勝・B2から岩手C1へ編入。格付けにも恵まれたが、初戦を2着に2秒5の大差をつけて逃げ切り勝ち。
南関東時代は一度も逃げたことがなかったが、思い切って攻めたのが勝因。以降も逃げの手に出て3連勝。前走・ディセンバーカップでは1900m延長も問題にせず1秒差で圧勝した。
今回は坂口騎手と初コンビを組むが、攻めに徹すれば逃げの手は十分可能。マークきつくても押し切れると見た。
ただ、ほかの騎手も指を咥えている訳にはいかない。追走が厳しくなるのは確実で、逆転筆頭はゲラーデ。前走まで今季3勝は芝でマークしたが、水沢ならダートもこなせることを証明した。
ペースに左右される面はあるが、行き脚ついてからの伸びがシャープ。前走も早めスパートが見事決まった。鞍上・鈴木祐の積極策に託す手。
ストラギストは中央4戦0勝後、南関東1勝2着5回。先行粘りを身上とするタイプが願ってもない内3番枠。好枠を利してパッショノンの出鼻を叩ければ上位争い必至。鞍上は第1戦を圧勝した阿部英俊騎手。
トゥザキングダムは置かれる脚質のため1勝止まり。こちらも展開に注文がつくが、前走3着の末脚は悪くなかった。リーディング・山本聡哉騎手が一発を狙う。
クールジョーカーは前々走は案外の結果に終わったが、前走で首位を奪回。水沢初勝利を飾った。ペース次第だが、前が速くなれば再現十分。ベテラン・関本淳騎手の動向に注目。
ネオヴァリアントはコース替わり2戦目を快勝。水沢巧者ぶりを発揮し、上昇ムード。鞍上は驚異的に勝ち星を伸ばしている新人・岩本怜騎手。
◎⑦パッショノン
〇④ゲラーデ
▲③ストラギスト
△⑨トゥザキングダム
△①クールジョーカー
△⑪ネオヴァリアント
<お奨めの1頭>
4R アメージングハート
2ヵ月ぶりの実戦をモノともせず、アッサリ逃げ切って圧勝。ここも相手捜しの一戦
先週16日から始まった「ゴールデンジョッキーズシリーズ」。第1戦はC1・水沢1400mで行われ、単勝100円元返しの圧倒的1番人気に支持されたヒューリスティクスが3馬身差で圧勝。余裕の逃げ切りを決めた。
鞍上・阿部英俊騎手「第1戦からいい馬に騎乗させてもらいました。ほかにハナを主張する馬がいなかったら、最初から逃げる気でいました。
3、4コーナーでフワフワしてとぼけるところがありましたが、直線で後ろの馬が接近してきたらまた伸びてくれた。余裕残して3馬身差ですからね。もっと上のクラスでも通用すると思います。
第1戦を制して好発進できました。次回以降も頑張って表彰台に上がりたいと思っています」
第2戦は23日、今度はB2・水沢1600mを舞台に行われる。
翌日17日にはトウケイニセイ記念トライアル「第27回白嶺賞」が行われ、こちらも1番人気ロジストームが逃げ切り、初重賞を手にした。
村上忍騎手「ハナに行くか、2番手かは相手の出方次第。逃げにはこだわっていませんでしたが、うまく先手を取れて楽な形でレースを進めることができたのが勝因でした。
現時点ではマイルがベストでしょうが、自在脚質ですから距離が長くなってもこなせると思います」
続いて千葉幸喜調教師「暑い季節が過ぎてから、どんどん調子が上がって今日もいい状態で臨めました。体重的にはプラス10キロでしたが、想定内。南関東時代に560キロでも勝っていましたからね。もちろん体調次第ですが、次走はトウケイニセイ記念へ向かう予定です」
ヒューリスティクス、ロジストームの次走に注目してほしい。
22日メインは3歳準重賞「奥州師走スプリント」(水沢1400m)。
主軸はミスティカル。転入2戦目を勝って以降、3着止まりと消化不良のレースを続けていたが、ひと息入った前回快勝。馬体重が13キロも増え、一回り大きくなった。
それに伴い、破壊力も強化。逃げたエイシンテキサスをキッチリ差し切って快勝。着差はクビだったが、内容的には完勝だった。この成長を素直に信じる手。
マコトハインケルは中央から里帰りして芝ダートを問わず毎回勝ち負けを演じてきた。しかし不来方賞11着、秋嶺賞7着に沈み、適性を試す意味で水沢1300mへエントリー。
短距離がどうかと5番人気だったが、豪快なマクリを決めて1着。新たな才能が引き出された。揉まれる不安がない外枠を引き当て再現十分。
ニッポンダエモンはベンテンコゾウの全弟だが、体型もタイプも違う。今季初戦を勝ち、スプリングカップ4着後、北海道へ移籍。北海道3冠を狙ったが、北斗盃5着、北海優駿11着。
その後も2着1回にとどまり、再び岩手入り。初戦はスタート直後につまづく不利があったが、逃げて2着を死守。2戦目の上積みを見込めば好勝負必至。
イシマツは3戦着外だが、今度はベストの1400m戦。4走前の盛岡ダ1400m・白神賞で自慢の決め手がさく裂。今度は水沢だが、適性が脅威の的。
マグマは前々走、4角先頭で圧勝。不来方賞7着だったが、ここなら地力は引けを取らない。ナムラバンザイはミスティカル、ニッポンダエモンと同様、58キロを背負うが、好枠を生かしたいところ。
◎③ミスティカル
〇⑨マコトハインケル
▲④ニッポンダエモン
△⑧マグマ
△①イシマツ
△②ナムラバンザイ
<お奨めの1頭>
8R フルネス
前走は850m戦で致命傷の出遅れを喫し、基準外。1400m延長なら首位を譲れない
★重賞 ダービーグランプリ/地元チャイヤプーンが制覇
12月10日に水沢競馬場で行われた3歳の地方競馬全国交流『ダービーグランプリ』。レースは人気上位の3頭の戦いになりましたが、直線鋭く反応した地元チャイヤプーンが抜け出して優勝。ダービーグランプリでは6年ぶりとなる地元馬による制覇を達成しました。
先行した兵庫クリノヒビキ、定位置に構えた同じく兵庫コーナスフロリダ。ライバル2頭に対しチャイヤプーンはスタートで出遅れて一時は最後方になります。
しかしそこから巻き返した同馬はライバルとのせめぎあいを最後まで凌ぎ切り、直線では逃げ粘るクリノヒビキ、後方から迫るコーナスフロリダをあっという間に突き放す末脚を発揮。結果、2着クリノヒビキに2馬身の差をつけて快勝。地元馬としてはロッソコルサ以来となるダービーグランプリ制覇を果たしました。奇しくもそのロッソコルサも千葉幸喜調教師が管理し鞍上は村上忍騎手。馬主も同じの6年ぶりVでもありました。
★重賞 寒菊賞/パンプキンズが待望の重賞タイトル獲得
同じく12月10日に行われた2歳重賞『寒菊賞』。こちらは3番人気のパンプキンズが制しました。
最内枠から逃げた3番人気のパンプキンズ。リュウノポップスが終始競りかけてくる展開の中で最後まで集中力を失わず、直線追い込んできたヤマショウブラックの攻勢も凌いでクビ差先着。自身初の重賞タイトルを獲得すると共に年明けの金杯への出走権も手にしました。
岩手競馬の今年の開催もあと1ヶ月を切り、各世代各路線の重賞戦線も残り少なくなってきました。月曜日の白嶺賞は1月7日に行われるトウケイニセイ記念のトライアルですが、残り少ないマイル重賞で好結果を残したい出走各馬の力の入りようは前哨戦という位置づけに留まらないものがあります。
既存勢力も多いのですが転入勢の顔ぶれもなかなかのもの。という事で今回は転入勢を主眼に据えた予想としました。本命はこれが転入初戦となる(10)スカイロックゲートです。
直近の戦績が目だたないですが、昨年の門別3歳三冠、北海優駿でベンテンコゾウの2着だったと言えば思い出す方も多いのでは。ここまでのキャリアは中距離が多いのですが、それは門別に古馬のマイルで手頃なレースが少ないからであってマイルに対応できるスピードは持っているはずの馬。すんなりスピードを発揮できる形であればしぶとさを見せるでしょう。
対抗は、これも転入後日が浅い(9)グランユニヴェール。この馬も一昨年の南関3歳クラシックに挑んでいましたが本来の適性はマイルあたりにある印象でした。前走や前々走、まだ仕上がり途上の段階であれだけやれるのなら、相手関係的にみてここでも同じくらいかそれ以上の結果があっていいのでは。大型馬ゆえ一ヶ月ちょっと間隔が空いた事での馬体増だけが心配。
三番手は昨年のこのレースの覇者(2)イーグルカザンとしました。前走は4着でしたが内容的には余力を感じるもの。ひと叩き良化の分も、この年齢の割には大きく見込めそうな気配です。
(1)タイセイファントムは前走の結果がやや評価に悩む所。前走時の気配がもうひとつだった印象でもあり、当日の気配がどれだけ良くなっているかがカギ。
●10Rの買い目
馬単(10)=(9)、(10)=(2)、(10)=(1)
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★オッズパークLOTO 5重勝/12月17日(対象7R~11R)
7R/評価A:10番 評価B: 1番、 8番 穴:12番
8R/評価A: 1番 評価B: 3番 穴:11番
9R/評価A: 3番 評価B: 4番、 1番 穴:9番
10R/評価A:10番 評価B: 9番、 1番 穴:2番
11R/評価A: 6番 評価B:10番、11番 穴:5番