今週4日(火)で盛岡開催が終了。次開催から舞台は水沢へ移る。
約1ヵ月間だったが、いろいろなことがあった。桜満開と連動して暖かくなると思ったが、逆に寒さが停滞して底冷えする日々が続いた。
ところが先週は一気に気温が上がり、30度オーバー。馬も人も体調維持が大変だった。折からの豪雨で芝3レースが取り止めにもなった。ダート芝ともに管理が大変だったと思う。
3日メインは盛岡芝2400mを舞台に行われる準重賞「第22回かきつばた賞」。1、2着馬に地方交流・せきれい賞の優先出走権を与えられるが、今年は絶対的王者サンエイゴールドが不在。オヤッと思う方も多いはず。
前開催の芝1700m・OROターフ特別に登録があったが、出走を見送り。結果的に取り止めとなったが、すでに退厩し休養に入った。
かきつばた賞、せきれい賞2連覇を飾り、盛岡芝2400mに絶対の自信を持っていたが、無念のリタイア。今年は主役不在のかきつばた賞となった。
今年、JRAは降級制度を廃止。芝馬の受け皿として岩手が最有力かと踏んでいたが、思ったほど動きがない中、芝5勝のオープン馬・グランアルマダが転入。目玉の1頭になるはずだったが、生涯2度目のダートだったにせよ、6頭立て6着に大敗。評価に迷うところだが、芝2400mはベストの条件。アッサリか、大敗かの△評価にとどまる。
本命はナリタゴールド。デビュー戦2着、4戦目に初勝利を飾り、順風満帆だったが、6戦目に競走中止。その後、去勢手術を受けてせん馬へ。その後は好、凡走を繰り返していたが、今年1月の京都芝2000mを快勝。1000万下へ昇格した。
7歳馬ながらキャリア26戦。昇級後は3戦とも着外だが、前走以外はひと桁着順なら主力視が妥当だろう。
リュイールスターは中央ダート1勝から南関東を経て転入。移籍2戦目でかきつばた賞へ挑戦してサンエイゴールドの2着に善戦した。
その一戦を含めて盛岡芝<0.1.2.3>。前走の芝を叩いてかきつばた賞は当初の予定どおり。太かった体も絞れてくるのは確実。昨年より上を目指し、岩手初勝利を飾れるか。
マイネルスカイは芝ダート兼用のタイプ。前走、JRA条件交流(B1)でも3着確保して好調をアピールした。また東京芝2400mで2着1回の実績があり、距離延長は大歓迎。格下でも一発の可能性を秘めている。
コスモロングソードは昨年、芝1000m・ハーベストカップを快勝し、本番・OROターフスプリントでも2着に健闘。盛岡芝7勝と適性No.1。今回は2400mが最大ネックだが、スローの流れで折り合いさえつけばこなせるはず。自分の競馬に徹するのみ。
コスモリョウゲツは休み明けをひと叩きして再転入。2400mは微妙な距離だが、盛岡芝4戦4勝とパーフェクト成績を誇る。
◎③ナリタゴールド
〇⑦リュイールスター
▲⑨グランアルマダ
△④マイネルスカイ
△⑧コスモロングソード
△⑥コスモリョウゲツ
<お奨めの1頭>
4R アナザフォー
転入初戦を圧勝。左回り4勝がダテではないことを証明した。メンバーは多少骨っぽくなったが、地力の違い明白。まだまだいける
2日メイン「第4回早池峰スーパースプリント」の原型は1975年(昭和50年)に創設された特別・早池峰賞。旧盛岡競馬場1100mを舞台に、毎年お盆の季節に実施。
当時、ダートは2000mがビッグレースの主流だったが、年に1回のスプリント決戦で数々の個性派が優勝。早池峰賞は"真夏の風物詩"と言われた名物レースだった。
しかし新盛岡競馬場(OROパーク)の完成年にグレード競走・クラスターカップ(盛岡ダート1200m)の創設により、翌年から水沢1400mで実施。また開催が冬に動いたりしたが、2016年から全国の"スーパースプリントシリーズ(SSS)"へ組み込まれ、条件もダート1000mへ変更。早池峰スーパースプリントが誕生した。
今回で4回目を迎えるが、昨年はナムラバイオレットが最後方一気を決めて優勝。上がり34秒9の鬼脚を駆使し、周囲の度肝を抜いた。またこの一戦を評価され、最優秀牝馬にも選出された。果たして今年はどんな個性派が誕生するか。
サインズストームは中央未勝利から3歳10月に転入。下級条件から時に敗戦を喫しながら着実に成長。A級でも勝ち負けするまで出世した。
覚醒したのは昨年10月、盛岡ダート1000m(B1)戦。2番手キープからアッサリ抜け出して完勝。コースレコードを更新した。
この一戦を機に年をまたいで目下4連勝中。大事に使われてきた好素材がついに開花。前走、水沢1600mレコードタイで圧勝したことでも証明している。
気になるのは10頭立ての大外10番枠を引き当てたこと。ポジション取りで苦労する不安があるが、今の勢いを重視する。
フォルスは南関東から再転入2戦目の水沢850m戦を快勝。激戦区で揉まれてきた経験を生かした。昨年は8番枠から逃げてナムラバイオレット、メイショウオセアンのクビ、ハナ差3着。
今年は願ってもない1番枠を引き当て、自慢のスピードを発揮できる格好の枠順。同型いても攻めの一手で初重賞を手にするか。
ミスティカルは赤松杯10着後、短距離1本のローテーションを組んで前々走・水沢1300m戦を快勝。体重が絞れてきたのも好走要因となった。
前走はツララの逃げ切りに屈したが、大外もこたえたか。今回は一転して内2番枠。道中インの経済コースを進み、直線抜け出しをもくろむ。
ナムラヒューマンは中央ダート1200m3勝・1000万下へ在籍。その後、高知1勝からこのレースを狙って岩手入りした。1000m戦は初めてだが、ダート単距離で切れる末脚を披露。超ハイペースの流れで前が崩れれば一気台頭まで。
メイショウオセアンは昨年クビ差2着。直線半ばで先頭に立ったが、ナムラバイオレットのイン強襲に遭った。その後、1200m重賞・岩鷲賞を制し、雪辱を見事果たした。格、実績比較では明らかに上位だが、今季は3戦未勝利。最後の粘り強さ不足が目に付くが、格の復活なるか。
サクセスストーリーは盛岡が活躍の舞台。前走はマイルが長く3着で距離短縮は基本歓迎。デビュー戦の門別1000m1着以来、久々の1000m戦だが、直線長い盛岡なら届く可能性がある。
◎⑩サインズストーム
〇①フォルス
▲②ミスティカル
△④ナムラヒューマン
△⑥メイショウオセアン
△⑦サクセスストーリー
<お奨めの1頭>
1R コッコリーノ
休み明け2戦目を2着にまとめ、復調をアピール。今度はメンバーに恵まれて久々の美酒を味わう
★準重賞 サファイア賞/マツリダレーベンが準重賞を連勝
5月26日に行われた3歳芝2400mの準重賞『サファイア賞』は1番人気のマツリダレーベンが優勝。前走のはまなす賞に続いて盛岡の芝準重賞を連勝しました。
どの馬にとっても未知の2400mという距離。まずは克服するのが課題という馬も少なくなかったのでしょうが、マツリダレーベンにとっては問題なかったようです。スローペースの流れの中、1周目に早々と外目の好位を確保しながら折り合いをつけるとあとは先行勢の動きを見るだけ。直線は粘るマイネルオリエンスもあっさり退けて3馬身の差を付ける勝利。自身の芝での3勝目を挙げました。次走はオパールカップかせきれい賞か。いよいよ「準」が付かない重賞獲りに挑みます。
5月28日のメインレースは11RのB1級短距離戦『復興祈念 夢あふれる未来へ』。先週の火曜日は雨による馬場状態悪化のために芝レースが取り止めになってしまいました。今回も、午後から雨になるという予報。今日のメインはダートですから取り止めになるという心配はないものの、今週は全体的に時計が速い決着が多い盛岡のダートコースが雨でさらに高速化しないかどうか?が気になるところです。
本命は(7)カリスマサンスカイです。この春は今のところ3着が最高という状況ですが、本来は1400m以下がベストと言える馬ですから前走のマイルでの3着はむしろ健闘と言っていいもの。今回は1200mに替わりますし、雨が降っての高速馬場にも対応できる馬のはずです。条件が大きく好転する今回は強気で狙ってみたいですね。
相手は(6)ヒライズミナンバー。この春のこの馬はなんといっても好調。良い状態を保ちレースでも予想以上の粘りを発揮する好サイクルに乗っています。前走なども、本来はどちらかといえば1400mか、水沢ならマイルで、先行しながら粘り込むのが戦法の馬が、忙しい流れの1200mで先行差しの競馬で勝ちきりました。
今回は前走よりは流れが落ち着く形になるでしょうしこの距離でこそというタイプも増えます。前走ほど簡単に流れには乗れないかもしれませんが、今の好調さなら乗り切ってしまうかも。
3番手は(4)ピンギット。南関から再転入になりますが、昨年の今頃は岩手のB1級で上位に入っていました。この馬も距離は短い方が良く1200mなら舞台としては上々。ただ、どちかといえば少し時計が掛かるくらいの方がいい馬かもしれません。コース状態次第の面がある事には注意を。
少し悩んだのが(10)ハルズハッピー。この馬も9歳の年齢を感じさせない良い走りを続ける近況なのですが、1200mよりはもう少し長い方が良い印象だし雨馬場の高速決着はあまり?とも思います。頑張りは評価しつつも評価は控えめに。(5)ダイヤモンドベガは短距離の実績が高いとは言いかねるものの経験はそれなり。血統的な適性がうまく活きれば面白い存在になるのでは。
●11Rの買い目
馬単(7)=(6)、(7)=(4)、(7)=(10)、(6)=(4)、(7)→(5)
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先週19日(日)第3R、C2戦でカムヒアに騎乗した塚本涼人騎手が快勝。デビュー40戦目で待望の初勝利を飾った。
塚本涼人騎手は開口一番「いい馬に乗せていただいた調教師、馬主さんに感謝の気持ちで一杯です」と語り、こう続けた。
「同期がどんどん初勝利をあげているので焦る気持ちがありましたが、先輩騎手の方々から焦るな、とアドバイスされました。山本聡哉騎手からは騎乗姿勢が高い。格好いいフォームで騎乗すると結果もでると言われ、低い姿勢を心がけました。周りの動きもようやく見えるようになったように思います。一つ先輩に岩本怜騎手といういい目標がありますので、少しでも近づけるように頑張りたいと思います」
追い続ける体力。安定したスタート。レースの流れ、ペースの把握など課題はいろいろとあると思うが、本人のコメントどおりデビュー当時に比べると見違えるほど進化している。
続く騎乗で早くも2勝目をマークし、今週は騎乗依頼も一気に増えている塚本騎手、。精進あるのみ。今後も熱い視線で応援したい。
27日メインはJRA500万下、岩手B1級以下の条件交流第二弾「フレンドリーカップ カシオペア賞」(盛岡芝1700m)。
本命はダイシンクイント。デビュー3戦目の京都芝2000mで未勝利を脱出。その後は500万下で頭打ちが続き、昨年5月、同じ盛岡芝1700m「フレンドリーカップ アンタレス賞」へ参戦。豪快なまくりを決めて快勝。1分44秒7の好タイムもマークした。
鞍上は今回も村上忍騎手。コース適性、前走逃げて3着の実績からも1年ぶりの勝利も見えた。
ウインオルビットはデビュー3戦目の中山芝1800mで初勝利を飾り、ここ2戦は0秒2差5着、0秒5差6着。特に前走は直線内に進路を採ったが、内に切れ込む馬に前がふさがる不利。最後また伸びていただけに残念な結果だった。
3走前に逃げたこともある先行力が武器。枠順も手ごろで逆転首位まで。
マイネルパンドーロは中央2勝2着2回3着3回と実績上位。ここ2戦は二けた着順に終わっているが、それ以前は安定した取り口を披露。今回は4ヵ月の放牧明けだが、乗り込み十分とのこと。気分リフレッシュできていれば首位争い必至。
ギャラントグリフは1年7ヵ月の長期休養明け後は精彩を欠いているが、地力は引けを取らない。スンナリ先行できれば軽視できない。
コウセイマユヒメは3歳時に盛岡芝に参戦3着。現在8歳。年齢的に大望は厳しいかもしれないが、500万下でソコソコの結果を出している点が不気味。
ウインルーカスは岩手では前走・アンタレス賞で0秒3差4着。盛岡芝2度目のプラスポイントは見逃せない。
◎②ダイシンクイント
〇④ウインオルビット
▲⑤マイネルパンドーロ
△⑥ギャラントグリフ
△⑧コウセイマユヒメ
△⑩ウインルーカス
<お奨めの1頭>
1R カムヒア
冒頭で記した塚本騎手に初勝利をプレゼント。前走の勝ちタイムが抜けており、2連勝にまい進する
26日メインは盛岡芝2400mを舞台に行われる3歳準重賞「第13回サファイア賞」。
盛岡芝2400mは向こう正面スタートし、コースを1周半したところがゴール。盛岡芝は1周1400mの小回りで、2400m戦は芝の最長距離戦。
ではスタミナ戦となるかと言うと、決してそうではない。特に3歳戦の芝2400mは中央転入組以外は未知の距離ゆえ、例外なく超スローペース。
1周目スタンド前でうまく折り合いをつけ、残り800mからヨーイドンの競馬。仕掛けるタイミングはレースによって変わるが、そこからが勝負どころ。完全に上がりの競馬となる。
以上のことから盛岡芝2400mに対応できるのは掛からず折り合いをつけ、勝負どころで鞍上の指示にすばやく反応できる馬。
昨年優勝したテルキーネスの上がり3ハロンが37秒4、2着サンタガールが37秒2。長丁場のわりに上がりがさほど遅くないのでも裏付けている。
結論。盛岡芝2400mが合うのはサンエイゴールドのように折り合いつくこと、鞍上の指示に素直に従えること。それを頭に入れてほしい。
本命はマツリダレーベン。ダート<0.0.1.7>に対し、盛岡芝<2.2.0.1>と典型的なターフホース。前走は待ちに待った芝・はまなす賞(3歳準重賞)で好位抜け出しを決めた。
菅原勲調教師「大勝ちするタイプではないので納得の結果。ジョッキー(村上忍騎手)には次回のサファイア賞を考えて折り合い重視で乗ってほしいと伝えたが、その意味でも収穫多い一戦だった」
すでに、はまなす賞を使う前からサファイア賞をにらんで臨み、予定どおり白星をゲット。おそらく菅原勲調教師はさらに先を読んでいるに違いない。
サンエイフラワーも同様、芝で一変した。はまなす賞は終始中団インで我慢させ、直線で外に持ち出してマツリダレーベンに接近。クビ差2着に惜敗した。
当日の馬体重がマイナス15キロ。久々の盛岡輸送で大幅に体重が減って線も細く映ったが、それでも僅差負けが適性の証明。体重がプラスに転化すれば逆転のシーンまで。
トーセントルマリンは中山芝2000m・2歳新馬15着から北海道1戦2着1回から転入。芝適性を見込んで格下からはまなす賞へ挑戦。2番手キープから直線一杯になりながらも4着を確保した。
父ノヴェリスト、近親がカレンブラックヒルなら芝を走る素地は十分。盛岡芝2度目、超スローの流れと好走条件がそろった。
トーセンエスパーは2戦5、6着に終わり、芝に活路を求めてきた。父がトーセンジョーダン、母父がSS産駒トーセンダンスなら初芝でも一発の可能性がある。
マイネルオリエンスは中央未勝利、佐賀0勝から転入後、3戦1勝2着2回。岩手の水が合った。芝も中央で4度経験しているし、何よりも勢いに乗っている。
マリーグレイスは2歳芝重賞・若鮎賞を優勝。線の細さと行きたがる気性がネックだが、はまなす賞3着からも芝適性が高く押さえ必要。
◎①マツリダレーベン
〇⑧サンエイフラワー
▲⑤トーセントルマリン
△④トーセンエスパー
△⑪マイネルオリエンス
△②マリーグレイス
<お奨めの1頭>
9R ヴェリイブライト
逃げが圧倒的有利の馬場だった駒形賞5着は度外視。コース替わり、相手弱化と反撃のお膳立ては整った