15日のメインはJpnIII「第23回マーキュリーカップ」(盛岡ダート2000m)。早々と参戦を表明したグリムが武豊騎手とのコンビで出走。武豊騎手の盛岡参戦は2014年、JBC以来のこと。
自分の周りも武豊騎手を見たさに盛岡競馬場へ訪れ、入場者数7430名。開門前には1000人ほどの行列ができたという。
ジャパンジョッキーズカップでは個人5位タイ、TeamJRAは3位に敗れたが、さすが武豊騎手。マーキュリーCではグリムに重賞4勝目をプレゼントした。
武豊騎手「どれも行かなければハナもあるかなと思っていましたが、イメージは2、3番手でした。ただ最内枠でしたからね。外に出したいと思っていましたが、1コーナーでうまく外へ出すことができました。(ジャパンジョッキーズカップで)ダート戦を2度乗って馬場の状態を把握できたのも良かったと思います。
レースが流れていましたし、自分の馬もいい手応え。前は見えているので、後ろの馬の動きを確認して動きました。
距離には融通が利くタイプ。あまり短いとどうかと思いますが、1600m以上。2000m以上も問題ない。レースにも幅が出てきましたから、今後も楽しみです」
インタビュアーが"岩手のファンはいつでも武豊騎手を待っています"とラブコールを送ると「クラスターカップもヒロシゲゴールドで騎乗予定ですよ」と返答。
すでにコパノキッキングが藤田菜七子騎手とのコンビで参戦を表明済み。8月12日も熱く燃えること間違いなしだ。
21日メインは3歳交流「第7回ハヤテスプリント」(盛岡ダート1200m)。昨年から地方競馬全国交流へ昇格し、距離も1000mから1200mへ延長。上位3着までを遠征馬が独占したが、今年も遠征勢優位は動かない。
カンゲキは着外が鎌倉記念7着、前走・優駿スプリント15着の2度のみ。基本的には逃げタイプだが、大崩れしないのがセールスポイント。
優駿スプリントはスタートダッシュがつかず後方のまま。自分の競馬がまったくできず、これは度外視の一戦。3走前、7番枠からハナに立ち、直線で突き放した内容が本来の姿。少頭数も味方に最大能力を発揮し、初タイトルを手にする絶好機を迎えた。
イッキトウセンは全国で最初に行われる栄冠賞を2連勝で獲得。続くブリーダーズゴールドジュニアカップでも2着を確保したが、以降は4着最高。プリサイスエンド産駒によく見られるが、気性難が出世を妨げているか。
ただ春先に比べて状態が良化しているとのこと。そして栄冠賞と同じ1200m戦なら本領発揮できるのは確実。復活の期待がかかる。
グローリアスライブは"GRANDAME-JAPAN2019"3歳シーズン・留守杯日高賞を9馬身差で圧勝。コーナーでもたつくところがあると高月調教師が語っていたが、村上忍騎手が気を抜かせず小回り水沢を克服した。
その後の2戦は着外だったが、ワンターンでアールも緩やかな盛岡1200mは歓迎。ロングスパートを決めるか。
ケンガイアは前々走・若潮スプリントでカンゲキに完敗だったが、1200mは4戦2勝2着1回と得意の条件。揉まれない点も強調材料となる。
サンエイムサシはウイナーカップで逃げて2着。今回は大幅に相手強化だが、スンナリなら残り目一考。
◎②カンゲキ
〇④イッキトウセン
▲⑥グローリアスライブ
△⑤ケンガイア
△⑧サンエイムサシ
<お奨めの1頭>
7R ピンクブロッサム
転入初戦を1秒2差で逃げ切り圧勝。タイムも文句なしだった。コース替わりも問題なく、2連勝もらった
15日、盛岡競馬場は熱く激しく燃えた。まずは「ジャパンジョッキーズカップ2019」報告から。
第1戦は村上忍騎手が3番人気ナルノステファニーに騎乗して5馬身差で圧勝。2着は武豊騎手、3着は青柳正義騎手、4着は佐藤友則騎手だった。
第2戦は佐藤友則騎手が6番人気ウインタリエンテでクビ差1着。2着に村上忍騎手、3着は桑村真明騎手。この時点でTeam Eastが73ポイントで首位。2位はTeam Westが67ポイント。個人でも村上忍騎手35ポイント、2位・佐藤友則騎手が31ポイント。チーム、個人ともTeam Eastがリードしていた。
しかし第3戦目でTeam Westが上位3着までを独占。1着・佐藤友則騎手、2着・吉村智洋騎手、3着・永森大智騎手と入り、見事逆転。Team Westが121ポイントで総合優勝。個人も笠松・佐藤友則騎手が村上忍騎手に6ポイント差をつけて優勝を果たした。
佐藤友則騎手「笠松でチーム優勝して豚をふるまいたいと言いましたから、実現できてうれしい。おふるまいの時は是非、笠松競馬場へいらしてください。
2年前のこのレース、佐々木竹見カップなどでいい結果を出せなかったので、今年こそは爪痕を残したいと思って臨みました。
今回は3戦ともうまくいきましたが、特に3戦目のエルノヴィオは返し馬の感触がいいので、うまく引き出せたら一発あるなと狙っていました。それで直線で馬の間に入れて、闘争心を引き出せたのが好走につながったと思います。
今年、子供ができましてお返しに(お金)を使いましたからね。賞金はその分に充てたいと思っています」
そしてこう付け加えてほしいとリクエストがあった。「盛岡が大好きです」。さかのぼること6年前。2013年、佐藤友則騎手は当時交流だったシアンモア記念でトウホクビジンとのコンビで参戦。6番人気の低評価を覆し、鮮やかな直線一気を決めた記憶がよみがえった。
そして3位に敗れたTeam JRAキャプテン・武豊騎手はこうコメントした。「ボクもチームのために一生懸命に乗りましたが、結果を出せなくて申し訳ありません。1位がウエスト、2位がイースト、3位が悪いスト、ということでした」
この時点では、これが伏線だったとは誰も気づかなかった。*明日に続きます。
20日メインはB1級馬による芝1600m戦「レインボーカップ」。前哨戦・レインボーカップターフチャレンジが芝1700mで本番が芝1600m短縮も珍しいと思う。
本命にリュイールスターを指名する。昨年5月、南関東B3から転入。ダートでは入着すらないが、芝に替わると反応が一変。かきつばた賞(盛岡芝2400m)2着。桂樹杯(盛岡芝1600m)0秒1差3着。OROカップ、ハッピーグリンの4着。
中央1勝はダート1800mだったが、まさに典型的なターフホースと思って間違いない。今年2戦目のかきつばた賞でも3着を確保した。
気になるのは通算成績<1.1.10.26>と1、2着とも一度のみ。勝ち切れないのが最大ネックだが、B1級なら地力の違いが明白。連闘で臨むが、今度こそ首位を奪取。
ウインルーカスも芝で活路を開いたかもしれない。今季初戦のA級戦で2着後は4着最高。ここ2戦も6、9着に沈んで精彩を欠いていたが、芝に替わった前走・レインボーCターフチャレンジでメンバー最速の上りで完勝。ただ1頭だけ上がり3ハロン36秒台をマークした。芝1700m1分45秒1も非常に優秀で2連勝十分。
フリームーヴメントは芝ダート兼用のタイプ。前走は早めに動いて4角先頭。外からウインルーカスにアッサリ交わされたが、1700mも長かった。1600m短縮なら反撃必至。
アドマイヤスカイは中央芝2勝と実績上位だが、スタートで後手を踏むのが致命傷。盛岡芝が合わない印象もあるが、発馬互角なら巻き返し一考。
ルークは前々走で芝1700mを競り合いに持ち込んで快勝。芝に替わって再現をもくろむ。
スカルダイヤモンドはJRA時代に盛岡芝を快勝の実績が不気味。
◎⑦リュイールスター
〇③ウインルーカス
▲⑫フリームーヴメント
△⑧アドマイヤスカイ
△⑤ルーク
△④スカルダイヤモンド
<お奨めの1頭>
8R ヤマトタケル
前々走は出遅れて8着に終わったが、前回2着で軌道修正に成功。走破タイムもここでは抜けている
さあ7月15日のメインレースは岩手競馬の今シーズン最初のグレードレース『マーキュリーカップJpnIII』。JRA勢5頭、他地区からの遠征馬4頭、地元岩手から5頭の14頭フルゲートの戦いとなりました。
という内訳にはなったものの、毎年同じような書き出しになりますがここはJRA勢がかなり優勢。レースもまずJRA勢の優勝争い、地方勢は地元・他地区ともにJRA勢の掲示板独占を阻止できるかどうか?になるでしょう。
マーキュリーカップの本命は(1)グリムです。今年の名古屋大賞典、昨年のレパードステークス、白山大賞典とグレードレースを3勝。その実績は今回のメンバー中で最右翼といえるものです。そしてそのいずれもがダート中距離ですから距離的な心配もなし。加えて言えばしっかりとした先行脚質で、それはやはりダートグレードレース、特に中距離のそれへの適性十分と言えます。
強いて不安点を挙げれば多頭数の最内枠の経験がないこと。ですがそこは地力の高さでカバーできるでしょう。
対抗は(14)ロードゴラッソ。芝からダートに転じて急上昇、一気に重賞タイトルを射程に入れてきました。キャリアが少ない分の経験値の差、そして1800m以上の優勝経験なしとこの馬にも若干の、現時点での不安材料はありますが、それもカバーできる範囲だと思います。流れによっては勝利まで。
3番手は(9)テルペリオンを。若干ムラがあるというか、条件を選ぶようなところがありますが力を出せば強いですし、なにより東京ダート2100mという条件が得意。これはマーキュリーカップに挑むうえで大きなアドバンテージです。
以下はまず(3)ノーブルサターン。直近の成績は奮わないように見えますが戦績を見る限りあきらかに左回りの方が良いですから変身の余地があってよさそう。地方勢では地元の(8)ムゲンノカノウセイ。勝ち負けとまではまだ言えませんが、自分の競馬に徹すれば掲示番争いくらいなら。
●10Rの買い目
馬単(1)=(14)、(1)=(9)、(14)=(9)
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15日、海の日恒例のJpnIII「第23回マーキュリーカップ(メイセイオペラ記念)」(盛岡ダート2000m)の枠順が確定した。
過去10年、平安ステークス、帝王賞、ブリリアントステークスを使った組が活躍していたが、今年は1頭もなし。想定が外れたのは残念だったが、早くから出走を表明していたグリムが参戦する。
レパードステークス、白山大賞典、名古屋大賞典と重賞3勝は抜けた実績。前走・アンタレスステークスは2着だったが、終始外から被せられる苦しい競馬。それでも連対確保が底力と見ていいだろう。
トップハンデ56キロを背負うが、ほかとは2キロ差なら許容範囲。順当に制し、秋のGIシリーズへ殴り込みをかける。
参考までに鞍上・武豊騎手が盛岡で騎乗するのは2014年、JBC以来。同日、ジャパンジョッキーズカップでもチームJRAのキャプテンを務め、岩手のファンにはビッグなプレゼントとなる。
相手は3頭が横並び。ロードゴラッソはダート路線へ変更していきなり3連勝。続いてマーチステークスへ挑戦して6着に敗れたが、重賞初挑戦で0秒3差なら上々の結果。
一息入れて大沼ステークスへ臨み、リアンヴェリテに逃げ切られたが、接戦を制して2着を死守した。強豪4歳世代から、また1頭のスター候補が誕生するか。
テルペリオンはマーキュリーCと相性がいい東京ダート2100m戦・スレイプニルステークスを快勝。地方ダートも3走前・名古屋大賞典で経験済みも心強い。
最大の惑星馬はコパノチャーリー。典型的な逃げ馬のため好、凡走の落差が激しいのは仕方なし。しかし盛岡ダート2000mで行われるマーキュリーカップは馬群が3つに分かれ、自分の競馬ができるのは確実。大外が割引だが、気分良く逃げれれば強さを発揮する。
◎①グリム
〇⑭ロードゴラッソ
▲⑨テルペリオン
△⑪コパノチャーリー *印は松尾予想です。
14日メインはクラスターカップ・トライアル「第51回岩鷲賞」(盛岡ダート1200m)。前哨戦・栗駒賞を完勝ラブバレットで単不動。
ラブバレットは中央で5戦を使ってテンコートレセンを経由して帰郷。年齢的な衰えが心配だったが、軽く一蹴。水沢1400mレコードに0秒3まで肉薄する破格タイムをマークした。
昨年は夏負けの影響で岩鷲賞をスキップしたが、今年は反動が少なかったこともあって岩鷲賞を使い、1ヵ月レース間隔を開けて大目標・クラスターカップへ5年連続で挑戦をする。地元同士に加え、定量57キロならほぼ死角なしの大本命と言っていいだろう。
メイショウオセアンは早池峰スーパースプリント2着後、栗駒賞を見送り、岩鷲賞2連覇を狙う。昨年、短距離に新境地を開いて初タイトルを獲得したゲンのいいレース。ラブバレットは強力だが、ここに照準をピタリと合わせた。
ナムラヒューマンは中央3勝すべてダート1200mでマーク。高知1勝のみにとどまったのは前走・栗駒賞と同様、小回りコースを意識して仕掛けを早めて末が甘くなったため。今度はコース広い盛岡が舞台。ベストの1200mで一発あるか。
ツララは南関東で揉まれてきて粘り強化。特に盛岡1200mは5戦3勝2着2回と連対パーフェクトを誇り、願ってもない内2番枠。マークきつくても攻めの一手。
シャドウパーティーは早池峰SSで直線鋭く突っ込んで3着。今回もじっくり脚を貯めて直線勝負に賭ける。
フォルスは昨年2着。外枠は痛かったが、短距離なら控える競馬でも我慢。ペース落ち着けば残り目を一考。
◎⑫ラブバレット
〇⑦メイショウオセアン
▲①ナムラヒューマン
△②ツララ
△③シャドウパーティー
△⑩フォルス
<お奨めの1頭>
3R サンエイシャトル
能力検査で1頭だけ抜けたタイムをマーク。初芝、輸送などのクリアーすべき課題はあるが、絶対能力の違いでカバーできる
8日、盛岡ダート1600m条件で3歳条件交流「フレンドリートロフィー アンバー賞」が行われ、藤田菜七子騎手がハーベストゴールドに騎乗。単勝1・4倍の1番人気に応え、4馬身差で圧勝した。
ハーベストゴールドは貴重なオリオンザサンクス産駒。新馬戦3着、2戦目2着。その後は短距離戦で入着止まりを繰り返していたが、3か月休養後、新潟ダート1800mを使って2戦連続2着。距離延長で秘めた能力が開花。
藤田菜七子騎手は好スタートを決め、ハナに立つこともできたが、大外タッカーアリシアが果敢に逃げたのを見て2番手に控えた。
あとは手ごたえ抜群で4角先頭。あとは後続を突き放し、2着サンタコマに0秒7差をつけて余裕でゴールに入った。
藤田菜七子騎手は6月30日、スウェーデン・ブローパーク競馬場の「ウイメンズジョッキーズワールド杯」へ遠征。2勝マークして見事総合優勝。
帰国週の6日は福島で8鞍、7日には10鞍に騎乗して1勝。翌日9日には盛岡で騎乗し、アッサリ白星をマーク。盛岡戦5勝目を飾った。
藤田菜七子騎手「このメンバーでは力が違ったと思います。外からタッカーアリシアが逃げを主張したので、今日の馬場状態も考えて無理せず2番手に控えました。道中の手ごたえも良く、直線でも力の差を見せてくれました。今日で盛岡5勝目ですか。たくさんの騎乗チャンスをいただいて感謝しています」
8月12日、JpnIII「第24回クラスターカップ」ではコパノキッキングに騎乗することがすでに決定済み。そこでどんなパフォーマンスを見せてくれるか、今から待ち遠しい。
13日メインは牝馬オープン準重賞「第20回フェアリーカップ」(盛岡ダート1800m)。1着馬から3着馬に"GRANDAME-JAPAN2019"古馬シーズン・ビューチフルドリーマーカップの優先出走権が与えられる。
本命はスターギア。年度当初からフェアリーカップ、ビューチフルドリーマーカップが最大目標。適性を考えると短距離を使っても良かったが、あえてA級一組の岩手トップにチャレンジし続けて4着2回5着2回。
これもそれもフェアリーCを意識してのローテーション。一線級に揉まれることによって地力アップを図った。
もう一つ強調できるのは毎回470キロ台で出走していること。デビュー戦が444キロでひと頃、432キロまで減ったことがあったが、大幅プラス体重が成長の証。昨年4月以降、勝ってはいないが、逞しさが増しているのは明らか。フェアリーCへ照準をピタリと合わせた。
ハッピーサークルは中央1勝クラスから転入。4歳まで短距離ダートがメインだったが、その後はダ1700m2着、ダ1800m3着と距離延長にも対応できるようになった。
9ヵ月半の休養明けから岩手転入で2戦とも着外に沈んだが、前走は積極的なレース運びを見せて3着。これでA級でも通用のメドが立った。
盛岡ダート1800mは1コーナーは入りが早くペース落ち着くのは確実。ハッピーサークルは絶好の展開に持ち込め、逆転首位まで十分あり得る。
アーリーバードは4歳の成長力を武器に今季3勝。B1でも白星をマークした。ここ2戦は5、4着に終わったが、先行有利の馬場に泣いたのが大きかった。先週のような差しが届く馬場ならば突き抜けるシーンまで。
リュイールスターは芝2400m準重賞・かきつばた賞3着。芝適性の高さを改めてアピールした。対してダートでは入着すらなしだが、中央1勝をダート1800mであげ、こなせない訳がない。1800mも望むところ。
ファイトウィンは南関東から再転入。昨年のフェアリーカップで3着を確保し、その再現を狙う。
コスモパープルは連勝3でストップしたが、気配落ちなし。2戦2勝の盛岡に替わって持ち味の粘りを発揮する。
◎⑧スターギア
〇②ハッピーサークル
▲④アーリーバード
△⑥リュイールスター
△③ファイトウィン
△⑦コスモパープル
<お奨めの1頭>
1R ラブロック
デビュー戦を1秒8の大差で圧勝。850mでこの着差は並みの馬ができる芸当ではない。初コースにさえ戸惑わなければ2連勝もらった