先週7月28日、芝2400m交流「第41回せきれい賞」(M2)は、ただただ反省するばかりだった。
本命レッドソロモンは吉原寛人騎手「出遅れたことも大きかったが、ずっと荒れた芝にのめりっ放し。力を出し切れずに終わりました」とのこと。盛岡芝に完全に戸惑ったようだ。
一方、優勝したのがダイワリベラル。菅原俊吏騎手「返し馬の動きが素晴らしくて芝が合う。勝ち負けできると思った」という。
ダイワリベラルの全履歴もしっかりチェックしたつもりだった。芝2000m3勝で1000万下(2勝クラス)を卒業したが、重賞挑戦は福島記念(芝2000m)以外はすべて芝1400m~1600m。
実績は認めても1周1400mの小回り芝を1周半する芝2400mをこなせるか、疑問だった。ダイワメジャー産駒の大型馬は強気タイプが多く、折り合いつけるのが難しいと思った。
しかし、そんな判断をダイワリベラルは一蹴した。逃げたマイネルスカイの2番手をぴったり追走し、3~4コーナー中間で馬なり先頭。一見すると早仕掛けとも思えるが、これが芝2400mの攻略法。最後一杯となっても勝負どころのセーフティリード分、持ちこたえるケースが多い。
菅原俊吏騎手もお見事だった。振り返れば彼のデビューはオーストラリア。向こうでのレース騎乗はすべて芝。24勝をマークして日本へ帰国したジョッキーだった。
次走予定は桂樹杯(盛岡芝1600m)をスキップして「OROカップ」へ向かう予定だという。芝で動きが一変したダイワリベラルから目が離せなくなった。
3日メインはB2・芝1000m「姫神賞」。ダイワリベラルと同じく、芝で動きが一変したダズンフラワーが主役を演じる。
シーズン当初は苦手のダート戦が続くこともあって仕上がり途上だったが、叩かれながら徐々に良化。4走前の水沢850mで2着に健闘し、ダートで初連対を果たした。
そして前走は最も得意とする芝1000m戦。これまでのうっ憤を一気に晴らし、2着に4馬身差をつけて圧勝した。
走破タイム58秒7もコースレコードに1秒の好時計。斤量も同じ54キロなら連勝に待ったなしだろう。
フリームーヴメントは新潟芝1200m1勝。昨年11月、岩手入りしてC2編入。現在まで水沢3勝2着4回、盛岡芝1勝2着2回の好成績を収めている。
ダートもこなせるが本質的には芝向き。初芝となった1000m戦を4馬身差で圧勝し、B1へ格下から挑戦でも2、4着にまとめた。
今回は自己条件に戻ってB2級条件。芝1000mでも勝ち、相手有利ならアッサリまで十分。
ピーベリーは昨年7月、JRA福島挑戦後、取消もはさんで10か月休養。5月に戦列復帰を果たし、一戦ごとに立ち直り気配。前哨戦・姫神賞ターフチャレンジは4着だったが、大外が痛かった。今度は逃げたい馬が絶好の1番枠を引き当て、反撃に転じて当然。
エイシンセレニティは園田C2から転入。未勝利ながら2着3回3着3回とマズマズの結果。前走は生涯初めての芝だったが、秘めた適性を披露して2着。コース2度目でダズンフラワーとの差は確実に詰めるはず。
フォルシュナイトは中央未勝利、笠松を経て転入。中央芝で3着3回の実績があり、このトレードは芝をにらんでと見て差し支えない。小倉芝1200m1分8秒8(3着)の持ちタイムも不気味さを漂わせている。
ダンストンラソは短距離ダートが活躍の場だが、芝1000mにもチャレンジ。父がロードアルティマ、母父マンハッタンカフェならこなせる素地は十分。あとは小回り対応が課題となる。
◎③ダズンフラワー
〇④フリームーヴメント
▲①ピーベリー
△⑥エイシンセレニティ
△⑩フォルシュナイト
△⑤ダンストンラソ
<お奨めの1頭>
6R ショウセイ
前走2着は勝った相手を誉めるべき。連対継続を4に伸ばし、今度は負けられない一戦
★準重賞 すずらん賞/ダイチラディウスが初タイトル
27日土曜日に行われた準重賞『すずらん賞』は3番人気のダイチラディウスが優勝しました。
逃げ粘るキングジャガーを巡る戦いになるかと思われたゴール前の直線、最内を突いたダイチラディウスが抜け出すと一瞬でリードを拡げて6馬身差の圧勝。今季スタート時点ではB2級だった同馬は、初めての準重賞挑戦であっさりと勝利を手にして見せました。
2着にはキングジャガーが粘り込み、接戦の3着は11歳馬イーグルカザンが獲得。ここまでの3頭が青藍賞の優先出走権を手に入れています。
★重賞 せきれい賞/地元ダイワリベラルが遠征勢を撃破
地方所属馬による芝の全国交流競走『せきれい賞』。地元の有力馬が次々と不在となり遠征勢中心かと思われましたが、勝ったのは地元ダイワリベラル。10番人気の低評価だったのが信じられないような力強い勝利でした。
逃げた1番人気のマイネルスカイを追って2番手で進んだダイワリベラルは終始優勢な手応えで進行。最後は後続に詰め寄られるシーンもありましたが、競り合いの中でしぶとく粘りきってゴール。JRA時代を通じて自身初の重賞制覇を達成しました。
また、鞍上の菅原俊吏騎手はこれが自身の900勝、ダイワリベラルを管理する伊藤和調教師は1400勝の記念の勝利ともなりました。
7月最後の開催となる29日・月曜のメインレースは12Rの芝1600m、C1級特別の南昌山賞です。当初9頭立てでしたが9番コスモダヴァンティが出走取消で8頭立てになっていますのでご注意ください。
本命は(1)ウインタリエンテです。前走は騎手対抗戦の芝1700m戦で1着、盛岡の芝特別で初勝利を挙げた同馬ですが、決して余裕綽々という所までではなかったとはいえ、厳しい展開になりがちな騎手対抗戦で最後までしぶとく戦った点は見どころ十分だったと感じます。
ここはその前走で退けた相手がほぼ半数。前走が僅差の勝利でもあっただけに相手が同じだから結果もほぼ同じ・・・とはいいづらいものの、そこは芝マイルの最内枠という絶好の枠順が味方になってくれるでしょう。
対抗は(2)サンエイヴィーナス。を狙ってみます。◎と同じ前走は5着でしたが、この馬は1700mは少し長いのでその結果でも健闘といえるはず。距離短縮なら結果も変わっていいはずです。
▲は(5)ニシノゲンセキです。この馬も前走は◎と同じ騎手対抗戦。ウインタリエンテに及ばずの2着でしたが、この馬はまだ転入後日が浅く、前走が二度目の盛岡芝戦だった点は考慮しなくてはなりません。三度目なら大きく前進も有り得る頃合い。
以下はまず(8)ミステリーモリオン。今季はまだ勝ち星が無いですが本来は格上ですし芝でもそれなりの安定勢力。実際、芝のマイルでは昨秋に勝ち星を挙げています。スムーズに流れに乗れたら変身。(3)スマートシグルズは芝の差しタイプなので展開が向くかどうかがカギ。その意味で一頭でも減って少頭数になったのは捌きやすくなったかもしれません。
●12Rの買い目
馬単(1)=(2)、(1)=(5)、(1)=(8)、(2)=(5)、(1)→(3)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
28日(日)メインは地方競馬全国交流「第41回せきれい賞」(盛岡芝2400m)。この形態が始まったのは2003年から。創設時はアラブ古馬オープン、1998年からサラブレッド古馬で行われ、芝1600mが舞台だった。
この盛岡芝2400mはスタート地点が向こう正面。1周1400mの芝を1周半するが、この長丁場を勝てる馬は①折り合いがつくこと。②残り1000mから一気にペースが上がり、それに対応できること。過去の勝ち馬は例外なく以上2点をクリアーしている。
過去にサイレントグリーン(3度優勝)、コスモヴァシュラン、サンエイゴールドが2連覇を果たしているが、日本競馬の芝に要求される瞬発力より、いずれもいい脚を長く使えるタイプだった。
残念だったのは2年連続で優勝サンエイゴールドの名前がないこと。今年も芝を視界に入れて乗り込まれていたが、レースを使う前にリタイアした。
また3歳芝・はまなす賞、サファイア賞、交流・オパールカップと破竹の3連勝中マツリダレーベンも無理をせずに自重。トライアル・かきつばた賞を快勝コスモリョウゲツも出走を見送った。
対する遠征馬は例年以上の強力メンバーに加え、序列も難解。混戦必至となった。
当初、出走確定を見た瞬間はサラトガスピリットだった。中央5勝のうち3勝が2400m戦。10ヵ月の休養を経て北海道へ移籍し、初戦と2戦目は大敗を喫したが、3戦目3着から前々走2着。そして遠征直前の一戦では北海道へ移籍したヒガシウィルウィンの4着ながら0秒1差。叩かれて調子を上げているのは明らかだった。
ただ盛岡芝2400mは繰り返すが、特殊なコース。中央時代に良績が集中していても鵜呑みにはできない。過去、何度も痛い目に遭った。最終決断は▲。
続いてキャッスルクラウンを考えた。昨年、弥生賞以来、生涯2度目の芝で適性未知数だったが、後方待機策から直線馬群をこじ開けて直線でいったん先頭。最後はサンエイゴールドの大外強襲に屈して2着だったが、秘めた適性を披露した。
数々の大舞台に立ちながらいまだ1勝のみ。このせきれい賞が最大の勝負どころと陣営は踏んで照準ピタリ。前走でメンバー最速の上がりで2着。調子上向きも心強い。
ただ、昨年は残り1000mでロキが動いて芝2400mでは珍しくハイペース。出入りも激しく差しタイプに絶好の流れとなった。やはりキャッスルクラウンは展開の手助けが必要だが、カレンラストショーが楽に先手を取れてペースが上がることは考えられない。最終決断は〇。
そのカレンラストショーは金沢へ転籍当初からせきれい賞を狙っていたという。中央4勝のうち3勝が逃げ切りだったことを考えれば、マイペースの逃げ必至。前回快勝で弾みついたのも心強いが、せきれい賞の逃げ切りは記憶にない。2番手から早め先頭は2回あったが、たとえスローになっても逃げ切りは至難の業。展開有利は百も承知の上で△。
◎はレッドソロモンが最終決断。中央5勝はすべて芝2000mだが、菊花賞へ出走し、何度も重賞へ挑戦。このメンバーなら格上と判断して間違いがない。
鞍上・吉原寛人騎手は5年前、カリバーンでせきれい賞を優勝。またOROカップで3連覇の偉業を達成したロゾヴァドリナに2度の優勝をプレゼント。盛岡芝の特性を熟知している。これも決め手となった。
レイズアスピリットは金沢から再転入戦で伝統のみちのく大賞典2着。周囲を驚かせた。中央時代の4勝は芝2200m以上。長丁場を得意とし、盛岡芝2400mは望むところ。△だが、もっと強い印が必要だったかもしれない。
マイネルスカイはトライアル・かきつばた賞2着。ただ1頭の4歳馬で昇り目十分。格下でも軽視できない。
◎⑨レッドソロモン
〇⑤キャッスルクラウン
▲⑦サラトガスピリット
△④レイズアスピリット
△⑧カレンラストショー
△①マイネルスカイ
<お奨めの1頭>
5R スターライトキス
初芝もまったく問題にせず圧勝し、圧巻の3連勝。このメンバーでは能力が違いすぎる
今週の岩手競馬は27日、「第42回すずらん賞」(準重賞)、28日、「第41回せきれい賞」(地方競馬全国交流)の注目レース2連発。
今回のすずらん賞からマイルチャンピオンシップ南部杯への道"Road to 南部杯"がスタート。1着馬から3着馬に南部杯トライアル「第27回青藍賞」(9月8日 盛岡ダート1600m)の優先出走権が与えられる。
かつての岩手競馬は2000mが主流。古馬の根幹競走・シアンモア記念、みちのく大賞典、桐花賞は舞台は変わっても2000mで行われていた。
その状況下、1990年前半までマイル戦はすずらん賞(当時は特別)、短距離戦は早池峰賞(盛岡1100mがメイン)が年に1回のみ行われていただけだった。
その流れを変えたのが1988年に創設された南部杯。当時は北日本マイルチャンピオンシップ南部杯(水沢1600m)の名称で実施され、1995年にはJRA、全国の地方競馬にも門戸を開放。青藍賞も1993年に始まり、一気にマイル戦に注目が集まるようになった。
歴史を振り返ると"節目"が必ずある。オールドファンの小生には「すずらん賞」もずっと大事にしてほしいレースだと思っている。
今年のすずらん賞は4歳から8歳まで各世代が出走。傑出馬は不在だが、一昨年の覇者イーグルカザン=11歳も名を連ね、おもしろいメンバー構成になった。おそらく人気も分かれ、馬券的にも好配当が期待できる。
主軸にキングジャガーを指名する。3歳時に二冠を達成し、一度佐賀へ転籍。帰郷5戦目に久々の勝利を飾ったが、脚部不安のためにリタイア。
今年3月に復帰を果たし、5戦未勝利ながら2着3回。持ち味の先行粘りを取り戻してきた。理想は逃げだが、毎回強力な逃げ馬がいたため2番手からの競馬。あと一伸びが足りず白星を逃がしていた。
前走も3頭の叩き合いの末に惜しくもアタマ差2着。しかし今回は絶好の1枠を引き当て、ハナを主張するのはほぼ確実。相手強化でも先手さえ取れれば強じんな二枚腰を披露でき、首位を奪取するチャンス。
グランユニヴェールは今季2勝はB1だったが、重賞・赤松杯5着、準重賞・あすなろ賞3着とオープン通用は証明済み。
みちのく大賞典は7着に沈んだが、3コーナー過ぎから手ごたえが怪しくなり、2000mが長かった。マイル短縮なら反撃に転じて当然だろう。
イーグルカザンは笠松から里帰りして赤松杯2着、シアンモア記念2着。巧みなレース運びで連対を確保して衰えなしをアピールした。
あすなろ賞5着は1800m、栗駒賞8着は1400mが敗因。改めて1600mがベストだと印象付けた。加えて連戦の疲れも取れなかったため、1開催休んでここに照準をピタリ。一昨年優勝、昨年3着とゲンのいいすずらん賞で古豪健在を誇示する。
ユイノムテキは前走3着だったが、キングジャガーとはわずかハナ差。詰めの甘さがつきまとうが、毎回3着以上を確保。キングジャガーに強い印を付せば、こちらもマークが欠かせない。
センティグレードは盛岡2戦とも着外だが、あすなろ賞8着、マーキュリーカップ8着なら納得。前走の反動もなく、メンバーも大幅に緩和。一発を秘めている。
ダイワエクシードは船橋から再転入初戦を圧勝。続く出走取り消しの影響もあって前走9着だったが、叩かれて上昇。自分の競馬ができれば軽視できない。
◎①キングジャガー
〇⑧グランユニヴェール
▲②イーグルカザン
△⑦ユイノムテキ
△⑤センティグレード
△③ダイワエクシード
<お奨めの1頭>
4R ヒカリチャン
転入初戦は相手が強く2着も仕方なし。ここでは走破タイムが抜けており、首位をガッチリとキープする
★重賞 ハヤテスプリント/ケンガイアが好タイムで勝利
地方競馬の3歳馬による全国交流競走『ハヤテスプリント』は遠征馬4頭対地元5頭の戦い。結果は船橋からの遠征馬ケンガイアが逃げ切り勝ちを収めました。
好ダッシュを決めて先行争いを一歩抜け出したケンガイアは道中は後続を大きく引き離した逃げ。最後はさすがに苦しくなったかグローリアスライブに追いつめられますが、馬体が並んだところがゴール、ケンガイアがギリギリクビ差粘り込んでいました。走破タイムは1分10秒8、馬場状態が違うので簡単に横並びにはできないものの、先日行われた岩鷲賞でも2着に食い込めるタイムでの勝利は見事という他はありません。
そして2着は川崎グローリアスライブ、3着は北海道イッキトウセン、4着にも大井カンゲキと上位を遠征馬が独占する結果となりました。
月曜のメインレースは9Rになります。JRA条件交流の『フレンドリートロフィー エメラルド賞』です。芝1700mの9頭立て。JRA勢5頭に対し地元勢4頭という事でどうもここも遠征勢優勢となりそうな気配。
本命はそのJRA(4)クレーリッチェとしました。。
ここまでの戦績は着順の数字で見るとちょっと大きめの着順もあって印象的にもうひとつなのですが、勝馬とのタイム差で見ればしばしば1秒以内に食い込んでおり見た目ほどの力の差は無いとも言えそうです。
今回は一息後とはいえ5月以来であれば大きな影響はないでしょう。なにより鞍上はこういう交流戦で毎回のように遠征してきていて経験豊富。スムーズに流れに乗ってそのままという希望を叶えてくれることでしょう。
対抗は(3)スピンク。キャリアは浅いですが内容はまとまっており未勝利脱出寸前と言える所まで来ていました。やや非力な先行タイプということで展開次第の面があるでしょうが、巧く運べば逃げ切るところまでも十分。
3番手は(1)ブラックエンジェルを採ります。今回が3戦目、とりあえず手掛かりは2月の新馬戦で3着という成績だけ。判断しがたい部分はありますが、ブラックタイド産駒と盛岡の芝の相性の良さを狙ってみましょう。
以下はまず(7)ダークオブザナイト。左回りの芝は悪くないようですし、少頭数の競馬ですんなり動ければこれまでと違った結果も。(8)サンエイフラワーは近走内容で分かる通りに地元3歳勢の中では芝実績が高い馬。このメンバーなら強気に狙ってみる手も有りかもしれません。
●9Rの買い目
馬単(4)=(3)、(4)=(1)、(3)=(1)、(4)→(7)、(4)→(8)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ