7日メインは短距離重賞「第41回早池峰賞」(盛岡ダート1200m)。ここからクラスターカップへの道が始まるが、すでに先日のさきたま杯で4着に健闘したラブバレットが挑戦を表明している。
続いて名乗りを上げる可能性が高いのがライバル・ライズライン。今回の早池峰賞の結果次第では、矛先を短距離路線に替えるかもしれない。
今回、ライズラインについて詳しく紹介してみたい。スクリーンヒーローの初年度産駒で栄えある重賞勝ち馬第一号。
スクリーンヒーローは今年の日本ダービーにグァンチャーレ、ミュゼエイリアンと2頭を送り出し、今日の安田記念でも人気の一角を形成するモーリスが出走。スクリーンヒーロー産駒がブレイク中だ。
ライズラインはデビュー当初、ラブバレットの後塵を拝していたが、若駒賞で逆転。盛岡ダート1600mをレースレコード1分37秒2で逃げ切り、周囲の度肝を抜いた。
参考までに先日の岩手ダービー・ダイヤモンドカップを圧勝し、無敗6連勝中ロールボヌールは若駒賞1分37秒9だった。
ライズラインは続いて南部駒賞を制し、2歳三冠がかかった金杯はラブバレットの2着。その直後に南関東へトレードされ、雲取賞11着、京浜盃13着。
その後、牧場で2ヵ月ほど休養して水沢へ里帰り。再び勢いを取り戻してやまびこ賞、岩手ダービー・ダイヤモンドカップ、芝交流・オパールカップと重賞3連勝。完全復活を遂げた。
3ヶ月の夏休み明け初戦は古馬A級2着だったが、ひと叩きされて不来方賞を優勝。2歳に続いて二冠を達成した。
ダービーグランプリは全国の壁に阻まれて6着。以降はマイル路線に切り替え、白嶺賞優勝、トウケイニセイ記念2着。大井A2下でも3着に粘って帰郷。
赤松杯は出遅れが響いて3着に終わったが、続くシアンモア記念で見事雪辱。今度は短距離にターゲットを向けた。
ライズラインのすばらしさは芝ダート、距離の長短を問わずに結果を出してきたこと。今では珍しいオールラウンドホースに成長した。
果たして短距離適性があるのか。これが最大ネックだが、レース内容を詳細に見ればマイルでも折り合いを欠くシーンも多々。それを考えると1200mはさらに合うかもしれず、新たな才能が発揮させるか。馬券を抜きにしても興味深い。
ちょうどいい尺度となるのが同厩のランドオウジ。こちらは盛岡の鬼。昨年3重賞を制したが、いずれも盛岡戦。今季初勝利も盛岡ダート1000m戦で飾った。
あすなろ賞3着は距離の壁。マイルまでが守備範囲だが、1800mは若干長すぎた。昨年の早池峰賞が記念すべき初重賞制覇。連覇とともに後輩ライズラインに貫禄を見せつけるか。
アフリカンハンターは中央4勝・準オープンから転入したが、裂蹄に悩まされ、なかなか体を絞ることができなかった。それが凡走の最大理由だったが、あすなろ賞では514キロまでシェイプアップ。結果4着に善戦した。
今度は勝ち星すべてあげているダート1200m戦。持てる能力をフルに発揮できる舞台を迎えた。
デュアルスウォードも同様、中央5勝のうち4勝がダート1200m戦。転入後、短距離で2戦2着。ベストの条件で初タイトルを狙う。
コウギョウデジタルはあすなろ賞連覇はならず8着に沈んだが、今季初戦の水沢1300mでラブバレットの3着に善戦。現状は短距離が向くかもしれない。スズヨシーズンは追い込み馬で展開に注文つくが、前崩れになった際に浮上する。
◎(4)ライズライン
〇(10)ランドオウジ
▲(3)アフリカンハンター
△(7)デュアルスウォード
△(1)コウギョウデジタル
△(2)スズヨシーズン
<お奨めの1頭>
11R レオナビゲート
左回りが課題だったが、前回快勝で克服。走破タイムもすばらしかった。中央4着2回がダート1800m戦ならマイル延長は望むところ
まずは6月1日、盛岡ダート2000mで行われた「第35回岩手ダービー ダイヤモンドカップ」の報告から。
期待どおり単勝元返し100円の圧倒的1番人気に支持されたロールボヌールが圧勝した。2着トーホクライデンに10馬身差。前走と同様、持ったままで2分8秒5の好タイムをマークした。近年では2012年、アスペクトとロッソコルサ2頭のマッチレースとなった2分7秒3に次ぐ走破タイムだった。
山本聡哉騎手「スタートセンスのいい馬なので先手は予定どおりだが、前回は気負っていましたからリラックスさせるよう心がけた。
大事には乗ろうとは思っていたが、抑えていくよりリズムを重視しました。
3、4コーナーでササり気味でステッキを入れたら鋭く反応。独走でしたが、いいタイムをマークしてくれました。
ロールボヌールは全国に羽ばたける馬だと思っていますので、今後も楽しみです」
一方、管理する千葉幸喜調教師「期待したどおりの結果を出してくれた。今回は優勝が最優先。派手はパフォーマンスはいらないとジョッキーに支持しました。
これから古馬と戦ってみて強くなっているかを試してみたい。状態が良ければみちのく大賞典に挑戦しようと思っています」
今後のスケジュールはすべて6月21日、みちのく大賞典の結果次第。ロールボヌールの動向に注目してほしい。
6日メインは3歳以上オープン、盛岡芝2400m「第18回かきつばた賞」。1、2着馬には地方競馬全国交流・せきれい賞の優先出走権が与えられる。
主軸はシルクアーネスト。昨年9月、中央芝6勝・オープンから転入初戦のOROカップを快勝。過去最強のメンバーがそろったが、2番手キープから1番人気カリバーンの追撃を封じた。
続いてJBC当日、地元同士の秋嶺賞を貫禄の逃げ切り勝ちを収めて連勝。この2戦で最優秀ターフホースの座を射止めた。
白嶺賞はダートに手こずって12着大敗を喫し、それシーズンを終了。4ヵ月半の休養を取って盛岡ダート1600m戦で戦列に復帰。ダート苦手の印象もあり、5番人気にとどまったが、好位抜け出しを決めて1着。
当初からダートを叩いてかきつばた賞が青写真。最高の形でかきつばた賞を迎えた。残る課題は馬場を1周半する盛岡芝2400mだが、折り合いに問題ないタイプならおそらく大丈夫。新興勢力がいても主役は譲れない。
ヒラボクビクトリーは中央芝2000m2勝、芝1800m1勝、芝2200m1勝の計4勝。準オープンから船橋2戦を経て転入。地方のダートに手こずっていたが、芝1700mに替わった前走を完勝。鮮やかなまくりを披露し、芝適性の高さを誇示した。
距離延長は望むところ。弾みついたのも心強く一気に重賞制覇なるか、注目が集まる。
モズは評価に迷うが、中央3勝のうち2勝は函館、札幌と盛岡と同じ洋芝でマーク。札幌2歳Sで2着の実績も光る。
気性難を抱え、好、凡走の落差が激しくアテにしづらいのは確かだが、前走・あすなろ賞では4角で一旦3番手に下がりながらも内から差し返してコミュニティのクビ差2着。芝は久々だが、自分の競馬ができれば距離も問題なし。実際、北上川大賞典(水沢2500m)を逃げ切っており、最大の惑星馬となった。
ユウキソルジャーは菊花賞3着馬。初の盛岡芝は8着に終わったが、あくまでも試走。もちろん長丁場は望むところ。
あとは先行力と粘りが身上マイネルナタリス、格下でも転入初戦の芝でヒラボクビクトリーの2着コスモミレディーも押さえ必要。
◎(2)シルクアーネスト
〇(3)ヒラボクビクトリー
▲(7)モズ
△(9)ユウキソルジャー
△(8)マイネルナタリス
<お奨めの1頭>
6R ネクストロード
前走は7カ月半ぶりの実戦に加え、大幅な馬体重増だったが、きっちり白星。C2ではモノが違うことを証明した。叩かれて変わり身必至
★サファイア賞 レジェンドロックが芝重賞2連勝
5月30日に行われた3歳・芝2400mの重賞『サファイア賞』は1番人気のレジェンドロックが快勝。前走のはまなす賞に続き芝重賞2連勝を果たしました。
このレースの優勝馬にはせきれい賞(8月2日・盛岡芝2400m)の出走権が与えられますが、レジェンドロックはひとまずオパールカップ(7月12日・盛岡芝1700m)を目指します。
26日、札幌競馬場で行われたトレーニングセール2015で岩手県馬主会が8頭を落札した。
メイショウフレスコの2013(牡 父ヴァーミリアン)、ラストランナー2013(牝 父エイシンサンディ)、ラプターセイハート13(牝 父ゴールドアリュール)、シャイントウショウ2013(牡 父サムライハート)、コンチェルト2013(牡 父サムライハート)、ノーブルビューティ2013(牝 父メイショウボーラー)、フローラルウインドの2013(牝 父ファルブラヴ)、カシノリボンの13(牝 父タニノギムレット)。
セリの10日前、盛岡芝1600mで3歳重賞「第20回はまなす賞」があり、前年のトレーニングセールで購入したレジェンドロック(父マンハッタンカフェ)が優勝。これもセリ購買に拍車がついたに違いない。
6月の声を聞くと岩手でも2歳戦がスタートする。ロールボヌール、レジェンドロックに続くセリ出身馬の活躍を期待したい。
31日メインはB2「岩手県調騎会騎手部会協賛 震災復興 子ども達に夢と笑顔を」(盛岡芝1700m)。盛岡芝の鬼マイネリッカが主役だ。
マイネリッカは中央未勝利から転入。ダートでも白星を飾ったが、芝で反応が一変。過去、<6.3.1.1>と連対率81・8%、複勝率に至っては90・9%と抜群の安定感を誇っている。
前走もツキミチャンには先着を許したが、2着を死守。改めて盛岡芝適性の高さを証明した。その一戦から今回エントリーしたのが10頭中8頭。ツキミチャンが不在なら首位奪取は濃厚と見るのが妥当だろう。
コスモドガは別路線、C1・新緑賞(盛岡芝1000m)から連闘で臨んできた。南関東C1から転入して3勝2着2回。ダート戦で連対パーフェクトを続けたが、芝でさらに鋭さを増した。マイル延長もおそらく問題なし。逆転首位まで。
ランデックディオサはマイネリッカに次ぐ0秒1差3着。動きを見ると明らかに芝向き。コース2度目ならさらに期待ができる。
ハンサムボーイはシーズン当初から馬体の良さが目についたが、結果が伴わなかった。しかし前走の芝でメンバー2番目の上がりを披露。ようやく復調の兆しがうかがえた。
スズカグランデは阪神芝1200m・2歳新馬戦3着。一度、盛岡芝を使って5着だったが、1000mの忙しい競馬が合わなかった印象。1700mなら反撃に転じて不思議はない。
ダイワマックワンは前走7着だったが、6ヵ月ぶりの実戦。ひと叩きされて上昇必至だし、元A級の格上馬。アッサリのシーンまで。
◎(5)マイネリッカ
〇(2)コスモドガ
▲(9)ランデックディオサ
△(8)ハンサムボーイ
△(3)スズカグランデ
△(7)ダイワマックワン
<お奨めの1頭>
8R ウインマジュール
目下3連勝中と凄みを増す一方。前走タイムも抜けており、連勝をどこまで伸ばすか楽しみ
27日(水)、浦和1400mを舞台に行われたJpnII「第18回さきたま杯」へ岩手からラブバレットが挑戦した。
ラブバレットは骨折のため8ヵ月の休養を経て戦列に復帰。あっさり2連勝を飾り、特に遠征直前の水沢1300mでレコードに0秒4差の破格タイムで圧勝。
いきなりグレードレースはきついかとも思ったが、ベストの1400mが舞台。全国の強豪相手にどこまでやれるか。それを試す意味であえて挑戦に踏み切った。
遠征は今回が初めて。長距離輸送、初コース、、そしてメンバーが大幅強化など不安要素が多く7番人気。当然の支持だと思うが、ラブバレットは健闘した。
好スタートを決めたラブバレットは逃げてリアライズリンクス、2番手ナイキマドリードの3番手外を追走。道中の手応えも抜群で4角で一旦先頭。外ノーザンリバーの脚色が違って4馬身ちぎられたが、渋太く食らいついて4着確保した。
南郷家全騎手「スタートが良かったので理想のポジションが取れた。ノーザンリバーに早めに動かれたが、なんとか頑張ってくれた。骨折明け後、馬が一回り大きくなって戻ってきた。これからも楽しみです」
菅原勲調教師「思った以上に頑張ってくれた。レース内容も文句なし。これで今後のメドが立ちました。上半期の最大目標をクラスターカップに置きます」。ラブバレットの動向に注目してほしい。
30日メインは3歳馬による芝2400m重賞「第9回サファイア賞」。このレースの優勝馬は交流重賞・せきれい賞(8月2日 盛岡芝2400m)へ挑戦する可能性も高く、注目の一戦となる。
主役はもちろん、レジェンドロック。デビュー4戦目の水沢1400mで初勝利を飾り、前後して盛岡芝1600mでスペクトルの2着。
今季初戦にスプリングカップを選んだが、好位から失速7着。パワーの要るダートが完全に合わなかった。
その結果を受けて芝1600m・はまなす賞1本に絞って調整を進め、見事な直線抜け出しを決めて快勝。前半はじっくり中団外に待機し、3コーナーから徐々にスパート。直線入り口で逃げるシークロムを射程圏に入れ、残り100mでアッサリ突き抜けた。
今度は芝2400mが舞台だが、折り合いに苦労するタイプではないので延長も問題なさそう。適性を前面に芝2連勝を飾り、来る交流重賞・オパールカップに弾みをつける。
ただ相手候補が難解。各馬が一長一短で評価に迷ったが、転入初戦のエクソールナーレをピックアップ。デビュー戦の中山芝2000mで逃げて0秒2差5着。ガサのない牝馬で脚抜きのいい芝向きは間違いない。
ウインミラージュは転入2戦を完勝。芝も東京1800m4着の実績が光る。何よりも強みはステイゴールド産駒は盛岡芝との相性抜群。昨年の芝部門リーディングサイヤーとなっている。
ハーブガーデンは福島芝2000m3着。転入戦の水沢1400mで鮮やかなまくりを披露して快勝したが、その後はダートに手こずっている印象。芝替わりは大歓迎だろう。
キーマスコットははまなす賞5着を含め、盛岡芝3度経験済みが心強い。コスモエルドールもステイゴールド産駒。前走の芝で見事な直線一気を決めた。
◎(5)レジェンドロック
〇(11)エクソールナーレ
▲(4)ウインミラージュ
△(2)ハーブガーデン
△(3)キーマスコット
△(6)コスモエルドール
<お奨めの1頭>
3R マンハッタンレディ
復帰後のタイムが平凡だったが、前走は好時計でタイム差なし2着。一戦ごとに良化一途をたどっている