★すずらん賞はヴェリイブライト
8月1日に行われた『第38回すずらん賞』は3番人気のヴェリイブライト(水沢・菅原勲厩舎)が優勝しました。
同馬は南関→岩手→南関→岩手と岩手には一昨年以来の再転入。その際も不来方賞2着・桐花賞4着など好成績を残していましたが、5歳となっての再転入初戦の今回、ランドオウジ以下を問題なく破って力量と成長ぶりを示しました。
★せきれい賞は3歳レジェンドロックがV
8月2日に行われた『第37回せきれい賞』。遠征馬はハテンコウ一頭、それも当初騎乗予定だった内田利雄騎手が東北新幹線の遅れのため来盛できず大坪慎騎手に乗り替わる・・・というスタートに。
そしてレースでも、1番人気モズが2周目に入る頃には早くも失速・後退気味に。そんなもつれる展開を慌てず騒がず乗り切った山本聡哉騎手騎乗レジェンドロック(水沢・瀬戸幸一厩舎)が3馬身差で優勝。このレース初の3歳馬による優勝を果たしました。
●10Rの買い目
馬単(4)=(3)、(4)=(5)、(4)→(1)、(4)→(8)
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2日メインは盛岡芝2400m「第37回せきれい賞」。トライアル・かきつばた賞を快勝したモズが出走する。
生来の性分(しょうぶん)だと思うが、優等生より個性派に感情移入する傾向が強い。いわゆる規格外がお気に入り。競馬でも例に漏れない。
モズは一昨年12月、転入初戦で北上川大賞典を逃げ切り、桐花賞2着。翌年春のA級戦も2着にまとめ、マズマズの滑り出しだったが、左回り(盛岡回り)の調教がまったくできなかった。
さすがに調教ができなければレースで好走するのは至難。それで北海道へ移籍して初戦を快勝したが、ステイヤーズカップ、瑞穂賞と大敗。再び岩手へ戻ってきた。
陣営も半信半疑で実戦を迎えたが、アッサリ逃げ切り快勝。連覇を狙った北上川大賞典ではナムラタイタンの2着に粘って一安心させたが、桐花賞で早々と失速6着。気性難にスタッフは頭を悩ませっぱなしだった。
しかし今季はA級戦2着から赤松杯でもナムラタイタンの2着にまとめ、右回り専門でローテーションを組むことが決定。笠松・オグリキャップ記念に参戦したが、ずっと物見をし続け、レースに集中できないまま6着に終わった。
陣営は腹を括った。左回りの調教ができなくても盛岡を使おう、と。結果、あすなろ賞で直線で一度下がりながらも内から差し返してコミュニティにタイム差なし2着。
それでもモズはかきつばた賞でやらかした。盛岡芝2400mは馬場を1周半するが、1周目ゴールで走るのをやめてしまった。鞍上・高橋悠里騎手は折り込み済み。気合いをつけ直し、4コーナーで一旦交わされながら強じんな粘りで快勝。陣営の喜びもひとしおだった。
続くみちのく大賞典は2着だったが、コミュニティが強すぎたもので仕方なし。むしろ早めに交わされても2着に粘った点が収穫だった。
実はモズ、非常に賢い馬だった。失速するのは淡白な性格からだし、走るのをやめるのはゴール板を分かっているから。自分が納得しなければダメだった。
それにしても、だ。ほとんどまともな調教できないのに結果を出すのだから、心臓の強さは相当なもの。担当の熊谷淳也厩務員も半端じゃなく手をかけて午後の運動量もすごいが、モズの体力があってこそ。果たしてせきれい賞でどんな走りをするのか。
本命はヒラボクビクトリー。ここまで書いてモズを主軸視しないのか...と思うかもしれないが、個人的な感情と予想は別モノ。ヒラボクビクトリーが最も軸としてふさわしい。
中央芝4勝・準オープンから船橋を経て転入。ダートはからっきしだったが、芝に替わって一変。芝1700m戦を圧勝し、かきつばた賞2着。モズの粘りに屈したが、最後は再び差を詰めていた。モズの弱点を突いて待望の重賞制覇を狙う。
▲レジェンドロックははまなす賞、サファイア賞と3歳重賞を連勝。交流・オパールカップは南関東の壁に阻まれて3着だったが、これが貴重な経験となったはず。負担重量差2キロを活かし、古馬を一蹴するか。
オールマイウェイは勝ち星7勝すべて盛岡芝でマーク。昨年、せきれい賞へ満を持して登場したが、レース中に骨折していたのが後に判明。あれから1年が過ぎ、ここに照準を合わせて雪辱に燃えている。
ユウキソルジャーは3年前の菊花賞でゴールドシップの3着。ここ一番の底力が不気味。
◎(5)ヒラボクビクトリー
〇(4)モズ
▲(3)レジェンドロック
△(8)オールマイウェイ
△(12)ユウキソルジャー
<お奨めの1頭>
11R アフリカンブルー
転入後、すべてワンサイド決着で5戦5勝。今度からC1昇級、1600m延長など克服する課題は多いが、絶対能力でカバーする
先週から岩手は真夏日の連続。いきなりの猛暑で人も馬もバテている。その影響もあり、8月1日メイン「第38回すずらん賞」(盛岡ダート1600m)も7頭立ての少頭数となった。
このすずらん賞から南部杯の道がスタート。1着馬から3着馬に青藍賞の優先出走権が与えられ、青藍賞の優勝馬は南部杯の出走権を獲得。
本命と目されていたライズラインの回避は残念だった。シアンモア記念の強さは特筆もの。その後、早池峰賞2着、岩鷲賞4着と伸びを欠いたが、これは短距離適性の差も大きかった。
短距離戦はスペシャリストがそろい、ライズラインはなかなか自分の競馬をさせてもらえなかった。岩鷲賞も1枠が災い。内で包まれてナムラタイタン、ラブバレット、アフリカンハンターの後塵を拝した。
しかし盛岡マイルの強さは特筆もの。2歳時の若駒賞しかり。今年のシアンモア記念しかり。2000mもこなすが、間違いなくライズラインは典型的なマイラー。
もう一つすずらん賞回避馬が続出したのは8月12日にJpnIII・クラスターカップを控えているから。今から断言するが、ラブバレット、デュアルスウォード、エーシンシャラク、アフリカンハンターなど過去最強の布陣で岩手勢は臨む予定だ。
他地区地方からも昨年のJBCスプリント・盛岡でタイム差なし2着サトノタイガー、北海道へ移籍初戦の北海道スプリントカップ2着ポアゾンブラックなど勝てる実力馬が参戦する。今年のクラスターカップは目が離せない一戦となりそうだ。
本題に戻る。すずらん賞の主軸にランドオウジを推す。昨年はコミュニティ以下の追撃を封じて見事優勝。ほかに早池峰賞、栗駒賞と重賞3勝して盛岡の鬼ぶりを存分に発揮した。
今季も1勝ながら毎回見せ場を作って上位争い。守備範囲を超えた1800m・あすなろ賞、そして前走も3着に粘った。
ランドオウジは盛岡1000mから1600m戦で最大能力を発揮するタイプ。少頭数も後押しして、すずらん賞2連覇に燃える。
逆転筆頭はヴェリイブライト。大井1勝から3歳時に岩手へ転入。不来方賞2着、桐花賞4着の成績を残して南関東へ再トレード。2勝マークしてB1でも勝ち負けの実力を誇っている。
対抗としたのは抜群の安定感を誇る反面、最後の詰めに課題があるから。岩手時代もそうだったが、あと一押しがほしいところ。相手甘くなって勝ち味の遅さを解消するか。
アフリカンハンターは中央ダート4勝・準オープンに在籍。爪に難点があり、転入当初は乗り込めず太目だったが、実戦を叩かれながらダイエット。
それに伴い、早池峰賞、岩鷲賞と重賞で連続3着を確保した。本質的にはスプリンターでマイル延長がカギだが、直線で確実に台頭。2頭に割って入ることも十分可能だろう。
エアラギオールは前走2着で通用のメドが立ったし、キーンソードも一戦ごとに良化傾向。3着候補には押さえたい。
◎(6)ランドオウジ
〇(3)ヴェリイブライト
▲(2)アフリカンハンター
△(1)エアラギオール
△(4)キーンソード
<お奨めの1頭>
2R チャイヨー
デビュー戦の芝1000mは2着だったが、ダートに替わって全能力を発揮。水沢1300m戦を完ぺきの内容で勝ち上がった。ダート戦なら主役は譲れない
★マーキュリーカップ/大井・ユーロビートが優勝
先週の7月20日に行われたダートグレードレース『第19回マーキュリーカップJpnIII』は大井のユーロビートが優勝しました。
スローペースの流れを自ら崩しに行ったユーロビートはその勢いのままにレースの主導権を握り、直線は6馬身差をつけて圧勝。ユーロビート、同馬を管理する渡邉和雄調教師、鞍上の吉原寛人騎手いずれもグレードレース初制覇となりました。
1番人気メイショウコロンボは直線で勢いを失い5着に、2番人気テイエムダイパワーは勝負所から手応えを失って9着に終わっています。
またマーキュリーカップを地方所属馬が制したのは1998年のメイセイオペラ以来です。
★ジャパンジョッキーズカップ2015/総合優勝はTeamJRA・優秀騎手は戸崎圭太騎手
マーキュリーカップと同じく7月20日に行われた騎手・チーム対抗戦『ジャパンジョッキーズカップ2015』。JRA代表4名、地方・東日本エリア4名、地方・西日本エリア4名の3チームが全3戦で争った結果、チーム戦ではTeamJRAが、個人では戸崎圭太騎手が優勝しました。優勝チーム・騎手には賞金の他に岩手の特産品が多数贈られました。
●10Rの買い目
馬単(10)=(9)、(10)=(6)、(10)→(4)、(10)→(3)
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23日(木)、園田競馬場で「スーパージョッキーズトライアル(SJT)」第2ステージ(2戦)が行われた。
岩手から村上忍騎手、山本聡哉騎手の2名が第1ステージ大井で活躍。第1位で山本聡哉騎手(26ポイント)、同ポイント3位で村上忍騎手が第2ステージ・園田へ向かった。
第3戦・シルバーブーツ賞で1番人気に騎乗した村上忍騎手が果敢に逃げて2着。大外強襲・藤田弘治=ウィステリアメジロに屈したが、この時点で村上忍騎手は41ポイントを獲得して首位。山本聡哉騎手36ポイントで2位と夢のワールドオールスタージョッキーズ出場の可能性が広がった。
ところが思わぬどんでん返しが最終戦で待っていた。第1ステージで最下位4ポイントでぎりぎり通過の藤田弘治騎手が最終戦も勝利で飾り、見事2連勝。
これで一気に44ポイントを稼ぎ、わずか1ポイント差で村上忍騎手が2位(43ポイント)。同じく1ポイント差で山本聡哉騎手(42ポイント)が3位タイとなった。
今年のワールドオールスタージョッキーズの舞台は8月末、札幌競馬場。惜しくも切符を逃がした村上忍、山本聡哉両騎手に惜しみない健闘の拍手を送るとともに、捲土重来を期したい。
26日メイン10RはB1・盛岡芝1600m「レインボーカップ」、12頭立て。芝に自信ありの好メンバーがそろった。
主軸はキャンディキー。中央未勝利ながら芝1800m~2000mで2着2回3着2回。その後、園田で1勝マークして岩手入り。3戦とも芝のみを使ってJRA条件交流6、3着。
3戦目は地元同士の戦いで相手が緩和。逃げたランデックディオサを徹底マークから競り落として快勝した。
盛岡芝1700m・1分45秒7の走破タイムも非常に優秀。レースを自分で作っての勝利だから、なおさら価値がある。盛岡芝スペシャリトが誕生する。
ソールデスタンは昨年、中央芝2勝・1000万下から転入。2戦目のA級・芝1700mを快勝し、かきつばた賞4着、秋嶺賞2着。オープンで勝ち負けを演じた。
今季も芝で3着を確保し、前走はキャンディキーの0秒1差2着。メンバー最速の上がりを披露した。調子も上向き、逆転をもくろむ。
ツキミチャンはジャパンジョッキーズカップ第3戦・芝1700mを真島大輔騎手とのコンビで快勝した。
今度はB1馬が相手だが、盛岡芝との相性抜群。成長続ける4歳の若さもここでは最大の武器となる。
ユナイテッドボスは実戦を使われながら良化一途。前回2着で復調の手応えをがっちりとつかんだ。
芝も昨年、3歳全国交流・オパールカップでライズラインの0秒3差3着。芝替わりは望むところだろう。
ランデックディオサは叩かれながら調子を上げて芝ダートで2連勝。前走はキャンディキーのマークがきつく7着に沈んだが、スンナリなら反撃に転じて不思議はない。
最も不気味なのが格上馬ケイアイアストン。中央芝短距離路線を歩んできた重賞の常連。昨年暮に転入してダート1勝2着2回。健在をアピールしたが、今季は凡走の連続。
しかし芝1000mに舞台が替わって反応が一変。レコードに0秒6まで迫る好タイムで2着を確保した。小回り盛岡なら1600mも守備範囲だろう。
◎(8)キャンディキー
〇(6)ソールデスタン
▲(5)ツキミチャン
△(10)ユナイテッドボス
△(2)ランデックディオサ
△(9)ケイアイアストン
<お奨めの1頭>
6R オーバーチュア
転入2戦とも大差で圧勝。地力の違いを見せつけている。ここでも持ちタイム断然。連勝をどこまで伸ばすか