昨日に続いてクラスターカップの話。岩手代表・ラブバレットが3着に健闘した。先行4頭の外をキープして内で粘るサマリーズをゴール前でとらえて3着確保。
岩手勢がグレードレースで馬券対象となったのは2007年、クラスターカップでテンショウボスが3着確保して以来、8年ぶりの快挙となった。
南郷家全騎手「ゲートのタイミングが良くていいポジションを取れた。道中もいい感じでついていったが、最後は力の差。ですが、このメンバーで3着なら頑張ったと思います」
まったく同感だ。今回、久々の1200m戦にも対応できたのが最大の収穫。ベストは1400mだが、今回の結果によって選択肢が大きく増えたのは確実。
翌日、菅原勲調教師に話を聞いたところ、チャンスがあればまた遠征してみたいとのこと。先取り情報でお伝えするが、9月23日、浦和競馬場で行われる「オーバルスプリント」(JpnIII 1400m)を目指すという。正式な決定を待ちたい。
16日メインはOROカップへの道「第38回桂樹杯」(盛岡芝1600m)。ライズラインが芝路線に名乗りを上げた。
2歳時に二歳2冠、3歳時も二冠を制し、ほかに重賞3勝。着実に力をつけ、今年はシアンモア記念を優勝。敗戦を糧にたくましく成長を続けている。
早池峰賞、岩鷲賞は2、4着に終わったが、短距離向きでなかっただけ。上位を確保しながら自分の競馬をできずに終わった。
しかし今回は最も得意とするマイル戦。舞台はダートから芝に替わったが、3歳時に交流・オパールカップを勝っているので問題なし。ここ2戦のうっ憤を晴らす格好の舞台となった。
ただ久々の芝がネック。芝ダート兼用のタイプとは言え、つけ入る余地はある。逆転筆頭はヒラボクビクトリー。
ダートでは追走一杯だが、芝に替わって反応が一変。芝1700m・オープンでマクリ一気を決め、かきつばた賞、せきれい賞連続2着。
2戦の敗戦を見ると脚を貯める競馬より早めにスパートをかけた方が切れを増す印象。1600mはむしろ歓迎と見ていいかもしれない。
エーシンシャラクは名古屋から転入して初戦の水沢1300mでイン強襲を決め、2戦目の芝1000mでコースレコードに0秒4まで迫るハイタイムで完勝した。
マイル延長が最大ネックだが、1周1400mも盛岡ならこなせる距離。最も怖い存在となった。
オールマイウェイはせきれい賞で早めにまくって3コーナー手前で先頭。最後は一杯となったが、復調気配は明らか。後輩の台頭に押され気味だが、勝ち星7勝すべてが芝と鬼的存在。復活を賭ける。
シェイプリーはせきれい賞4着。2コーナー過ぎからロングスパートをかけ、直線でも粘っていた。自慢の切れはここでも通用。
モズはせきれい賞しんがり負けを喫したが、これで見限るのは早計。自分のスタイルに持ち込めば格でアッサリまで。
◎(9)ライズライン
〇(12)ヒラボクビクトリー
▲(11)エーシンシャラク
△(10)オールマイウェイ
△(7)シェイプリー
△(5)モズ
<お奨めの1頭>
1R エクセレントガール
転入初戦で鮮やかなまくりを決めて完勝。タイム以上に強さが際立っていた。ここもアッサリ突き抜ける
12日、真夏のスプリント決戦「第20回クラスターカップ」(JpnⅢ 盛岡ダート1200m)は、ダノンレジェンドが単勝1・4倍の圧倒的1番人気に応えて6馬身差で圧勝。北海道スプリントカップ3着の雪辱を晴らし、重賞4勝目を手にした。
鞍上は盛岡初見参のミルコ・デムーロ騎手。競馬場の印象について質問され、このように答えた。
「レースリプレイを何度か観て、きれいな競馬場だなと思っていたが、実際に乗ってみてもすばらしかった。砂が少し重いけど、コースも広く非常に乗りやすい。サンタアニタ競馬場(ロサンゼルス)に似ていますね。今度は芝で乗ってみたい」と絶賛した。
ウィナーズサークルで行われた表彰式後、多くのファンの要望に応えて気軽にサインしてくれたのも印象的だった。これから何度でも岩手へ訪れてほしい。心から熱烈歓迎したい。
15日メインは2歳重賞第一弾「第16回若鮎賞」(盛岡芝1600m)。今シーズンの2歳戦線を占う意味でも重要な一戦となった。
主軸にメーターを指名する。デビュー戦の盛岡芝1000m戦を4馬身差で圧勝。2番手キープから直線で一気に突き抜けた。
走破タイム59秒1は今季2歳・芝1000m戦の一番時計。本質的にはダート向きかもしれないが、絶対能力が違った。
父プリサイスエンド、母父サクラバクシンオー。マイル延長が最大ネックとなりそうだが、折り合いもつくし追い出してからの反応が抜群。若鮎賞を期待に応えて勝ち上がり、次走・テシオ杯ジュニアグランプリに向けて好内容を期待する。
逆転筆頭はサプライズハッピー。今季2歳新馬の勝ち馬第一号。芝1000m59秒5はメーターに次ぐタイムだった。
2戦目の水沢1300mは2着に敗れたが、初コースでレースに集中できなかったため。直線でもフラフラして実力を発揮できずに終わった。
その後は若鮎賞に照準を絞って調整。追い切り内容も文句なく、主役奪回に燃えている。
メジャーリーガーはデビュー2戦2勝。レースセンスの良さがセールスポイント。盛岡芝未経験が不安だが、兄ブロンドレーン、姉レディージャスミン、ダイヤフェアリーは芝ダート兼用のタイプ。2頭の割って入るシーンまで十分。
サンエイゴールドは2戦連続で3着。ステイゴールド産駒の期待馬だが、尾っぽに力が入りすぎてロス多い走法が伸びを欠いている理由だと思う。とは言え、いずれ頭角を現すであろう逸材。距離延長を味方に上位を狙う。
グレーストスカーナはメーターに完敗2着だったが、スピードは一目置ける。有力馬がけん制し合い、気分良く逃げれれば残り目あるかも。あとはハイレベル北海道から転入ソラトブヒャクを押さえ少々。
◎(3)メーター
〇(1)サプライズハッピー
▲(7)メジャーリーガー
△(9)サンエイゴールド
△(2)グレーストスカーナ
△(5)ソラトブヒャク
<お奨めの1頭>
5R ナイスサンフラワー
レース間隔が開きながら、持ち前のスピードで逃げ切り完勝。メンバー強化感もなく、ここも期待に応える
★ひまわり賞/再転入初戦ラブディーバが圧勝
9日(日)に行われた3歳牝馬の重賞「ひまわり賞(オークス)」は、再転入初戦、3番人気のラブディーバが2着ヴァイキングに8馬身差をつける圧勝で重賞初制覇を飾りました。
同馬は昨年岩手でデビューして3勝を挙げた後、南関東に移籍。そこでは未勝利ながらも遠征した名古屋・若草賞では5着に入るなどしばしば能力の高さをかいま見せていました。
1番人気ヴァイキングが2着を確保したものの3着は11番人気クインオブザナイトが飛び込み、馬番3連単は11万4580円。このレース3年連続の波乱となりました。
●10Rの買い目
馬単(4)=(10)、(4)=(1)、(4)→(7)、(4)→(12)、(4)→(13)
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9日(日)メインは3歳牝馬の頂点を決める「第29回ひまわり賞(オークス)」。牝馬には過酷な盛岡ダート2000mが舞台。同距離を経験しているのは岩手ダービー・ダイヤモンドカップ4着ゼンテイバンリ1頭のみ。
距離対応が最大ネックとなりそうだが、盛岡に舞台が替わって過去6年は1番人気<2.2.0.2>、2番人気<3.1.1.1>と活躍。
波乱だったのは昨年、7番人気で快勝したフラッシュモブのみ。それでも1番人気ダンスママが2着を確保し、人気サイドで決着すると見ていいかもしれない。
もう一つ大事なデータは芝ダートを問わず1700m以上を使っているのが好走パターン。そうなると有力馬はある程度、絞ることができる。
主軸にヴァイキングを指名。岩手デビュー2戦は3、7着に終わったが、北海道移籍戦で初勝利。以降も3、2着にまとめ南関東へ転籍。いきなり大井で2連勝を飾った。
続く笠松・新緑賞は4着に敗れ、3ヵ月近くの休養を経て岩手へ里返り。ウイナーカップで強豪スペクトルの2着。そして古牝馬重賞・フェアリーカップでもハイペースをしのいで2着を死守した。
すでに牝馬オープンでも通用の能力を持ち、1800mを経験したのが強み。レース内容を振り返れば1ハロン延長も問題にしないはず。待望の重賞タイトルを手にする。
ツリーハウスは東海ダービー(1900m)2着。牝馬No.1ミトノレオに先着したのが光る。北海道1勝から笠松へ移籍後、地力アップ明白で6勝を荒稼ぎした。
生涯初めての左回りとなるが、コース広い盛岡なら大丈夫。逆転首位まで。
ラブディーバは昨年の2歳新馬勝ち第一号。2戦目も快勝し、重賞・ビギナーズカップ、若駒賞で3着を確保した。
プリンセスカップ5着後、南関東へ移り、なかなか壁を突破できなかったが、2着2回。前走は最低人気ながら積極的なレース運びから0秒1差2着に粘った。
ハイレベル地区で揉まれてきたキャリアは貴重。最長1600mまでしか経験ないが、3歳の2000m戦は総じてスローペース。自分の競馬ができればこなせる距離と見る。
グッドギアーは気性難が出世を妨げていたが、岩手で大成長。6勝2着3回、あやめ賞優勝など牝馬でもトップクラスの成績を残してきた。
こちらもマイルまで。未知の距離に一抹の不安を抱えているが、勝負根性が最大の武器。競り合いに持ち込めば2000mも我慢できる。
キーマスコットは小柄な牝馬ながら岩手3勝2着4回。芝2400m重賞・サファイア賞でも2着に健闘し、交流・オパールカップでも5着を確保した。母系に流れるのはバリバリのステイヤー血統。軽視すると痛い目に遭う。
マックスキュアは前走お見事だった。内に入って砂を被ってもひるむことなく直線一気に突き抜け、グッドギアーに6馬身差をつけた。OROカップを制した母クルセイズの血が騒ぐか。
◎(11)ヴァイキング
〇(6)ツリーハウス
▲(1)ラブディーバ
△(4)グッドギアー
△(2)キーマスコット
△(5)マックスキュア
<お奨めの1頭>
5R オーバーチュア
目下3連勝と波に乗る。走破タイムもここでは抜けており、確実に白星をゲットする
今週の岩手競馬は8日(土)、9日(日)、12日(水)の変則開催。他場との調整、お盆との絡みなどによって12日単独開催となった。
記憶に間違いなければ岩手競馬のワンデー開催は初めて。降雪の影響か何かで代替開催があったかもしれないが、自分の記憶にはない。史上初の試みとなる。
競馬興業はある意味でファンの条件反射的な行動に依存するところが大きい。毎週、土、日、月の3日間開催が完全に体に染みついているから、変則開催になるとリズムが狂い、体調もちょっとおかしくなる。
特に年末年始開催の時に顕著に現れる。ゴール(冬休み)が見えているから頭(理性)で順応させているが、体の方はなかなかついていけない。これが30年以上、岩手競馬にかかわってきた性(さが)なのだろうと思う。
だからといって今回のワンデー開催を否定している訳ではない。30年前と現在を比べれば競馬スタイルも大きく変わり、ファンの嗜好も変わっているのは当然のこと。
ワンデー開催がどんな結果をもたらすのか。関係者の一人として興味深く関心を持っている。
ということで今週の岩手は土、日の2日間開催ですのでお間違いのないように。8日メインはB2級馬による芝1000m「姫神賞」、11頭立て。
盛岡芝1000mは岩手競馬で最も特殊なレース。短距離、芝適性の両方が求められる一戦となる。
主軸にツキミチャンを指名。今季3勝2着3回と成長一目。特に芝に替わって2勝2着1回と大活躍。前走もB1・レインボーカップにB2から強気の挑戦。1番人気キャンディキーにクビ差2着まで肉薄した。
すでにB1通用を証明し、走破タイム1分37秒8(盛岡芝1600m)も非常に優秀だ。
最大ネックは過去最短距離が1300m。未知の1000m戦に対応できるかどうかだが、今回に限って言えば揉まれない外枠はラッキー。自在脚質で距離も克服する。
ダイワマックワンは中央芝1200m5勝のスペシャリスト。盛岡芝1000m1勝2着3回と連対パーフェクトを誇っている。
調子も次第にあげて2戦連続2着。前走はハナ差の惜しい2着だったが、芝1000m適性を存分に発揮した。
前回惜敗したコスモケリアとは枠順が逆転。大外が敗因と解釈すれば4枠はダイワマックワンの望むところ。シーズン初勝利まで。
コスモケリアは芝で一変した。今季3勝2着1回はすべて芝が舞台。前走も出遅れながらもきっちり差し切った。連闘で疲れが若干気になるが、芝1000m適性は1、2を争う存在。
テンプトミーノットも芝1000m1勝2着2回とベストの条件。レインボーカップは後方のままに終わったが、適条件で反撃をもくろむ。
エスカーダは前走取消し。6月7日以来、2ヵ月ぶりの実戦だが、オープンでも勝ち負けの格上馬。地力でアッサリまで。
ジャーフライトは典型的な短距離馬。中央1勝をダート1200mでマークし、芝もこなせるタイプ。軽視できない。
◎(11)ツキミチャン
〇(4)ダイワマックワン
▲(6)コスモケリア
△(5)テンプトミーノット
△(7)エスカーダ
△(8)ジャーフライト
<お奨めの1頭>
9R マイネルサフィルス
中央未勝利から転入後、圧巻の6連勝。距離延長も問題にせず、ここを勝って重賞へ殴り込みをかける