13日メインは牝馬オープンによる水沢1300m重賞「第2回ヴィーナススプリント」。昨年はミキノウインクが完勝。岩手版オークス・ひまわり賞、フェアリーカップに続いて3つ目の重賞を手にした。
水沢1300mが舞台の重賞は、このヴィーナススプリントが初めて。過去に2歳・若駒賞、プリンセスカップが同条件で実施した時期があったが、当時は特別。また牝馬の短距離重賞も過去に例がなかった。
理由はスタートして1ハロンもしないところで1コーナーを迎えるからだった。フル加速ついた時点でコーナーに入るのはオープン馬には危険だと判断されていた。
実際、1300m戦は内枠に引き当てた先行馬が圧倒的に有利。特殊コースゆえ重賞はさけていたが、今の時代すう勢は変わった。運不運も実力のうち。枠順の悲喜こもごもも含めているのが現在の競馬だ。
その特殊条件を十二分に考慮しても主軸はマムティに落ち着く。中央未勝利ながらダート1800mで2着1回後、園田へトレード。下級条件から7勝マーク。B1で2連勝を飾って岩手へやってきた。
初戦でマイナス19キロと大幅に体重を減らして不安を抱えたスタートだったが、2着確保。潜在能力の高さを誇示した。
続いて重賞へ3連続挑戦。フェアリーカップ、牡馬相手のすずらん賞3着。そして牝馬交流ビューチフル・ドリーマーカップでもアスカリーブル、タッチデュールに次ぐ3着に善戦した。
今回は地元牝馬が相手なら実績上位は明白。1900mからいきなり1300mへ短縮され、対応できるかどうかだが、園田時代の7勝はすべて1400m戦なら大丈夫と踏んだ。
チェリービスティーは好、凡走の落差が激しいが、短距離適性のポテンシャルは相当なもの。強豪そろった早池峰賞でランドオウジの2着。また前々走の芝1000mでは大本命エスカーダを競り落として快勝した。
水沢は岩鷲賞で一度走って11着。コースが合わなかったか、展開が向かなかったかはまだ結論が出ていないが、それにしても負けすぎ。よって対抗格に落ち着く。
カミノマーチは南関東B3から里帰り。赤松杯4着、シアンモア記念5着、あすなろ賞5着と入着。また牝馬重賞・フェアリーカップでも2着を確保した。
前走ビューチフル・ドリーマーカップは後方のままに終始したが、プラス10キロも影響したか。ひと叩きされて体が絞れていれば巻き返しに転じて不思議はない。
マイネヴァイザーのスピードも不気味だ。ここ3戦とも大逃げを打ち、直線で一杯になっているが、見せ場を毎回作っている。距離が100mでも短縮は間違いなく好材料となる。
ラブチェリーは54キロのハンデが魅力。3歳1000m重賞・ハヤテスプリントで0秒1差3着と短距離適性は勝るとも劣らない。ただ古馬相手で持ち味が活きるか半信半疑の面があり、現状は連下押さえ。
◎(7)マムティ
○(2)チェリービスティー
▲(9)カミノマーチ
△(3)マイネヴァイザー
△(6)ラブチェリー
<お奨めの1頭>
10R クインズトロブラボ
中央未勝利から転入後、4勝2着3回と着実に成長中。走破タイムにも地力アップが表われており、古馬初戦を白星で飾る
●SJT(スーパージョッキーズトライアル)岩手代表決定
WSJSの出場権を懸けた戦い・『スーパージョッキーズトライアル』の岩手代表騎手が決まりました。
リーディング1位騎手の本戦には村上忍騎手が、2位騎手が本戦への出場を目指すワイルドカードには山本聡哉騎手が、それぞれ代表として出場することになりました。昨年は本戦に山本聡哉騎手、ワイルドカードに村上忍騎手でしたから入れ替わった形・・・というか、村上騎手が今年は意地を見せた、という事になります。
今年のSJT本戦、その第1ステージは10月6日の盛岡競馬場で行われます。村上騎手には地元ファンの後押しを受けつつ第2ステージへ、そしてWSJSへと進んでいってほしいですし、山本聡哉騎手もワイルドカードを突破して地元へ戻ってきて、そして村上騎手同様に地元ファンの後押しで・・・と期待したい所です。
しかし、昨年もそうでしたがワイルドカードの方の騎手が妙に顔ぶれが揃っちゃったんですよね・・・。ワイルドカードの舞台・佐賀競馬場は山本聡哉騎手にも騎乗経験があるし、なんとか・・・。
●10Rの買い目
馬単(1)=(10)、(1)=(5)、(1)→(6)、(1)→(7)
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今シーズンの岩手競馬2歳戦線は抜けた馬が不在。9月7日メインの「第32回ビギナーズカップ」だけではなく、今後も勢力図が大きく変わる可能性が十分ある。
現時点での個人的レイティングでは8月31日、第3Rのファーストステップ(850m)を6馬身差で圧勝したロールボヌールがトップ。デビュー戦の馬体重が464キロ。大きすぎず小さすぎずバランスが非常にいい馬だった。
血統は父がフレンチデピュティ。母ロスグラシアレスはシンボリクリスエス産駒で中央ダート1200mで1勝。北海道サマーセールで落札された。今後の動向に注目してほしい。
本題に戻る。前哨戦、今回と同じ水沢1400mを舞台に行われたフューチャーステップはオールドラヴが快勝。自身の連勝を3に伸ばしたが、クビ差2着コウギョウポケット。さらにクビ差3着同着でラブディーバ、フロムミートゥユー。わずか0秒1差の中で4頭がひしめき合った。
この着差で序列がついたとは考えられないし、各馬ともレース中に死角を見せていた。逃げたコウギョウポケットは直線で後続を2、3馬身突き放し、そのままゴールかと思ったが、寸前で急ブレーキ。見た印象では内にササって苦しがっていたが、初の1400mがこたえたか。
オールドラヴは並んでからの勝負根性が最大売り物だが、4コーナーで外に行きたがる仕草を見せていた。
またラブディーバは内に包まれて砂に嫌がる仕草。向正面で鞍上・高松亮騎手がムチを入れていたほどだった。それでも直線最内をついて0秒1差まで猛追。負けて強しの一戦だった。今回も内2枠を引き当てたのがどう出るか。
以上4頭の序列が難しい上、ランデックハナコ、ランデックナイトも戦列復帰。それぞれ2ヶ月、3ヶ月ぶりの実戦だが、脚部不安のためではない。場所は違うが両馬とも北海道でしっかり乗り込まれてきた。
ランデックハナコはデビュー戦の水沢850mを6馬身差で圧勝。センスの良さとスケールの大きさを見せてくれた。
一方のランデックナイトはデビュー戦の芝1000mでゴール寸前、ラブディーバに交わされたが、アタマ差2着。この休養が間違いなく"吉"と出るはず。いきなりの1400mでも好勝負になる。
◎(2)ラブディーバ
○(5)オールドラヴ
▲(1)ランデックハナコ
△(7)ランデックナイト
△(3)コウギョウポケット
<お奨めの1頭>
5R ポワドサントゥール
中央2戦を使って再転入。岩手3戦3勝もすばらしいが、いずれも破格タイムで快勝。C2では実力が違いすぎる
今年の短距離戦線はオープンはもちろんのこと、条件クラスも非常に充実している。これもJBC盛岡開催の効果だと思うが、番組編成が意図的に短距離戦を増やしているのも見逃せない。
その象徴が8日第10R、水沢1400m(B1)へ出走予定のニホンピロララバイ。3月、特別開催は水沢1600m戦を使ったが、以降はダート短距離1本に絞ったローテーション。
特別開催の1勝を含めて8戦8勝。ほとんどワンサイドで勝利を決めている。しかも3走前には水沢1300mのレコードを10年ぶりに更新し、勢いはとどまるところ知らず。いずれオープンでも勝ち負け確実の強さを誇っている。
6日(土)メイン11RはB2「セプテンバーカップ」、舞台は水沢1300m。中心はエスカーダで動かない。
中央芝1200mで3勝をマークして1600万下に在籍。格付けにも恵まれてアッサリ2連勝。オープンまでノンストップかと思ったが、芝1000m戦で連続2着。足踏みを続けたが、忙しい1000mが本質的に合わなかった。
それで矛先を変えてJpnⅢ・クラスターカップへ挑戦。さすがにメンバーが強すぎたが、盛岡ダート1200mを1分11秒9で駆け抜けて10着に健闘。これは早池峰賞を完勝したランドオウジ、盛岡1600m重賞2勝トウホクビジンに次ぐ着順だった。
このことからもベストは1200mから1400m。今回の条件はまさに打ってつけと言えるだろう。
レーリュッケンの充実ぶりが目につく。当初はキャリアの差を露呈していたが、一戦ごとに着順をあげて近4戦3勝。前々走・葉月賞は11着に沈んだが、出遅れたのが致命傷。まったくレースに参加できなかった。
そのお返しとばかり前走の水沢1400mでハナ争いからそのまま押し切って完勝。成長確かなことをアピールした。100m短縮1300mはもちろん望むところ。
サダルスードは2012年7月から2013年12月まで長期休養。復帰当初は本来の粘りが影を潜めていたが、使われながら立ち直り4勝マーク。目下2連勝と波に乗っている。
また今回の1300mも4走前のジューンカップ快勝を含めて2戦2勝。相手は骨っぽくなったが、適性は引けを取らない。
コスモリオはオーガストCで7着。これは後方からの競馬を強いられ、自分の競馬ができなかったもので仕方なし。1300mで新境地を切り開くか。
あとはスンナリの流れ条件でマダムシュガー、前々走・盛岡ダート1200mで3着に善戦したコスモデスタンが連下押さえ。
◎(4)エスカーダ
○(8)レーリュッケン
▲(3)サダルスード
△(9)コスモリオ
△(5)マダムシュガー
△(7)コスモデスタン
<お奨めの1頭>
1R クインオブザナイト
差し一辺倒ゆえ、先行馬が圧倒的優位に立つ2歳戦で入着止まり。これは相手にも恵まれなかった。今度は距離延長1400mが舞台なら絶好の勝機と言える
●JBCまであと2ヶ月
暦は今日から9月に入りました。11月3日に行われるJBCまで2ヶ月弱。かなり迫ってきた感じになってきましたね。この9月もJBCに繋がる重賞が目白押し、10月に入ればすぐに南部杯もあり、残り2ヶ月はあっという間に過ぎ去っていきそうです。
岩手競馬の開催も今日で11開催目が終了。年間のべ22開催のちょうど半分経過という事になります。馬の戦い・騎手の戦いもここからが佳境。とりわけ、何度も書いているかもしれませんが村上忍騎手と山本聡哉騎手のリーディング争いはシーズン中間点を迎えてなお白熱しています。各方面の激戦にご注目を。
以下は北海道勢から、(10)プリュムローズと(9)ココロバ。先行力を活かして重賞を勝ったココロバも評価すべきですが、ここは差し競馬もできる(10)の方により魅力という事で。
●9Rの買い目
馬単(1)=(3)、(1)=(6)、(1)→(10)、(1)→(9)
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