13日メインは芝1700mを舞台に行われる地方競馬全国交流「第15回オパールカップ」。大井から2頭、笠松から1頭、岩手8頭の計11頭で覇を競うが、意外と知られていないのが菊花賞トライアルの東北ブロック選定競走でもあること。
具体的に言えばセントライト記念、神戸新聞杯への出走権を獲得でき、2003年にコレクションボスがセントライト記念へ挑戦。また牝馬には直接権利はないが、エイブルインレース、カクテルラウンジが秋華賞トライアル・紫苑ステークスに挑戦したことがある。
今年、大井から参戦するブラックヘブンは以上のことを視界に入れた選択だろうと勝手に踏んでいる。弥生賞のレースを振り返れば終始後方インを追走していたが、前半は芝にノメっていた印象。それでも3コーナーでは前へ接近し、直線では内に包まれて出場所がなくなったが、1秒5差11着。陣営は芝でも競馬ができる手応えをつかんだに違いない。
血統的には父がプルピット産駒パイロ。芝のイメージはあまりないが、隠れた適性があるかもしれない。メンバーも手頃。仮に優勝すれば秋にJRAでも勇姿を見ることができる可能性がある。
実績はもちろん断然。不安点はトリッキーな小回り盛岡をこなせるかどうか。1周1400mのためコーナーが結構きつく、過去の実績馬がとまどったケースも多々。それさえクリアーできればいの一番でゴールするはずだ。
逆に地の利を活かして首位奪取をもくろんでいるのがライズライン。昨年、若駒賞、南部駒賞を制し、金杯は惜しくも2着。準三冠馬に甘んじ、冬場に南関東へ移籍。2戦大敗を喫し、一旦、茨城の牧場で放牧。
2ヶ月の休養を経て帰郷し、馬体を回復させてやまびこ賞、岩手ダービー・ダイヤモンドカップと圧勝。ライバルだったラブバレットが自問自答の日々を送り、早くも3歳No.1の座を確定させた。
盛岡芝も2度経験。最初の若鮎賞では小回りにとまどって外へもたれっ放し。結果3着に終わったが、2度目のテシオ杯ジュニアグランプリで2着。このときの勝ち馬はプレイアンドリアルで、その後、東スポ杯2歳Sはイスラボニータのタイム差なし2着。明けて京成杯を圧勝し、ライズラインが2着も仕方なしの結果。芝適性も問題ないのは明らかなら逆転も十分。
ユナイテッドボスは今年成長株の1頭。勝負どころでもたついて重賞を逃がしているが、直線で必ずいい脚を使い毎回勝ち負けに持ち込んでいる。
使い込んでいるのが若干気になるが、切れる脚は芝こそ活かされるはず。リラックスして臨める今回、大物食いの可能性も出てきた。
ターントゥタイドも侮れない存在だ。2歳時に芝重賞・若鮎賞を優勝し、今年もはまなす賞を快勝。小柄な牝馬で脚抜きのいい馬場で最大能力を発揮する。
前走・サファイア賞(芝2400m)は4着に終わったが、これは距離の壁。村上忍騎手がそれを意識して最高のレースをしたが、最後の伸びを欠いた。今回は守備範囲の1700m戦。巻き返しに転じ、牡馬をなで斬りするか。
マレオはデビューが今年4月。これには理由があり、最初は中央登録があったが、未出走で笠松へ移籍したから。しかし潜在能力は高く、5戦4勝2着1回と依然、底を見せていない。キャリア不足は否定できないが、プライドキムの近親で素質は引けを取らない。芝にとまどわなければ一発を秘める。
◎(7)ブラックヘブン
○(10)ライズライン
▲(5)ユナイテッドボス
△(1)ターントゥタイド
△(9)マレオ
<お奨めの1頭>
2R ニコットサンキュー
5ヶ月の休養から復帰後、4戦2勝2着2回と連対パーフェクト。前走の強さが際立っており、走破タイムも優秀。ここも白星を増やすのみ
今週から盛岡開催へ替わるが、木曜日から断続的に激しい雨が降り、初日12日(土)も不良馬場はほぼ確実。ただでさえ開催替わりは荒れることで定評があるが、雨がさらに拍車をかけそうな予感。という訳で今回は1Rから予想を披露してみたい。
1R C2十五組
◎(7)エルブールズ(自信度=B)
盛岡に替わって反撃を期待。1200m2勝2着1回も強調材料。穴は鞍上に斎藤雄一騎手を指名キーファミリー。馬場を味方に逃げ不気味
2R C2十四組
◎(4)キャンディタフト(自信度=C)
抜けた馬が不在。それならば一連の安定度からキャンディタフトに白羽の矢。ガサのない牝馬で軽い走路も合いそう。ただ未勝利馬で全幅の信頼は?
3R C2十三組
◎(1)コウヨウミラクル(自信度=B)
本来なら格上シュヴァルツシルトだが、信頼度がもう一つ。軸となると堅実さで若干リードするコウヨウミラクルが妥当。速いタイム決着をどう克服するかが不安
4R C2十二組
◎(6)ゴールデンハルサヤ(自信度=A)
前走、逃げ切り圧勝して弾みついた。重馬場成績も2勝2着2回なら問題ない。ただ相手探しが難解。コース替わりでサンキューレットが筆頭か
5R C2十一組
◎(7)キャニオンランズ(自信度=B)
距離短縮を味方に逃げ切り有望。ただし競りかけられるとモロい面があり、詰めが甘くてもギンザコンバットが先着する可能性もある
6R C2十組
◎(5)オーミアマルフィ(自信度=B)
選抜戦でもソコソコの結果を出してきた実績を評価。ただ詰めが甘く、雨が降ってモエレアンドロメダは逆転首位まで。揉まれない外枠も悪くない
7R 3歳B2二組
◎(1)ドラゴンボーテ(自信度=A)
前々走5着後、一息入れて反撃1着。この強さが際立っていた。走破タイムも文句なし。相手筆頭は逃げるオーバートゥループ
8R オッズパーク杯(B2五組)
◎(5)イーグルドライヴ(自信度=B)
各馬が死角を抱えて自信度=Cとも言える一戦。ひとまず今季5勝のイーグルドライヴを評価したが、前走が不満。展開に注文つくが、決め手上位スノースケイプ、先陣粘るヤマニンラピエールは逆転首位まで
9R つなぎ温泉御所湖まつりレース(B2四組)
◎(3)オメガローズマリー(自信度=B)
抜けた馬が不在なら順調度上位オメガローズマリーが主力。転入初戦の盛岡ダ1600mを快勝した。スンナリで渋太さを発揮ヤマニンパニエが逆転筆頭。穴は復調気配ベシュテルング
10R 第2回ハヤテスプリント(3歳オープン)
◎(5)ジャイアントスター
○(9)ダンスママ
▲(12)マイネルラヴォーロ
△(6)ジャリーヴ
△(1)ステージアート
(自信度=B)全馬がダート1000m戦の経験なし。しかも雨も少なからず影響しそうで波乱の要素も十分。ひとまずウイナーCを逃げ切ったジャイアントスターから入ったが、転入初戦を圧勝ダンスママ、揉まれない大外枠で本領発揮マイネルラヴォーロの争いと見るが、快速ジャリーヴも怖い存在
11R JBCイヤー 朝顔レース(B1)
◎(4)シャイニータキオン(自信度=A)
今の雨が続くようだとダート変更も想定されるが、どちらになっても1000m戦ならシャイニータキオン。距離もこなすが、本質的にはスピード派。相手は持ちタイム一番ダイワマックワン、初芝だが、今季充実クロワッサン
暦は7月に入って水沢開催も今日でいったん終了ですね。来週からは盛岡開催、7月21日・マーキュリーカップと8月13日クラスターカップの二つのグレードレースが行われる、グレードシーズンの幕開けでもあります。日に日に暑さが増す中でレースもヒートアップ。ファンの皆様、お体を上手くいたわりながら真夏の開催を乗りきって下さいね。
また、今週の水曜日・9日には仙台・楽天コボスタにて『岩手競馬ナイター』が行われます。今回の始球式担当は鈴木麻優騎手。以前、紹介式で花束を上手投げでぶん投げた"地肩"が活かされるかどうか?ご注目ください!
●10Rの買い目
馬単(4)=(3)、(4)=(6)、(4)→(1)
岩手競馬の全レース予想を公開中!「岩手競馬・勝ちそーチャンネル」へ
超大物コスモセンサーが予定どおり7月6日、「第46回岩鷲賞」へ名乗りを上げた。舞台は水沢1400m。この一戦を制し、JpnⅢ・クラスターカップは陣営の青写真。優先出走権は1着馬のみ。無事に岩鷲賞を勝ち上がり、本番に向かいたいところ。
最終追い切りで4ハロン47秒4。岩手競馬にかかわって30年以上が過ぎたが、旧盛岡競馬場(緑ヶ丘)を含めて調教レコード。かのトウケイニセイでも半マイル47秒台をマークしたことがなかった。しかもほとんど持ったまま。さすが中央オープンと感服した。
櫻田浩樹調教師に話を聞いた。
「今回の追い切りは満足がいくとかのレベルではありませんでした。マークしたタイムに、純粋にびっくり。改めてすごい馬だと思いました。
前回は若干重い感じもありましたが、ひと叩きされた変わり身十分でした。
1枠は正直、微妙。水沢の1枠は包まれる可能性があり結構怖い。初戦でスタート直後に脚を滑らせましたよね。本質的には芝向き。走法的に仕方ないと思っていますが、あとは鞍上がうまく決め手ほしいところです。
ただ競馬は何があるか本当に分からない。あくまでも挑戦者の立場で気を引き締めて臨みたいと思っています」
岩鷲賞はコスモセンサーにとっても今後をみすえた重要な一戦となった。
コスモフィナンシェは前走、コスモセンサーに3馬身差をつけられて完敗。速いラップに手こずり、道中追い通しだったが、2着を死守したことを評価するべき。
ベストは今度の1400m戦。名古屋、岩手含めて16勝のうち9勝を同条件でマーク。1300mより流れが落ち着けば追走も楽。雪辱の可能性はある。
ランドオウジは早池峰賞を優勝。毎回、好戦を続けていたが、重賞挑戦9度目でついにタイトルを手に入れた。盛岡に比べて水沢は反応がもう一つだが、弾みついた今なら好勝負になる。
マイネルバルビゾンは中央0勝から佐賀6勝、南関東7勝。前々走、B2の1200mを快勝するなど短距離をメインに活躍した。いきなり一線級が相手だが、自在脚質を武器に上位をもくろむ。
スズヨシーズンは徹底した追い込み馬だが、小回り水沢でより真価を発揮する。展開に注文がつくのは宿命だが、有力馬が早めにコスモセンサーを捕らえにかかったら漁夫の利を得る可能性もある。あとは渋太いレースで2戦2着に粘ったチェリービスティーも3着候補で押さえたい。
◎(1)コスモセンサー
○(8)コスモフィナンシェ
▲(10)ランドオウジ
△(9)マイネルバルビゾン
△(2)スズヨシーズン
△(4)チェリービスティー
<お奨めの1頭>
3R ランデックハナコ
父スクリーンヒーローは昨年、初年度産駒からライズラインを送り出し、岩手でブレイク。こちらも豊かなスピードを受け継ぎ、能力検査で破格タイムをマークした。初戦からGO!
先週6月29日(日)、水沢1400mを舞台に行われた3歳重賞「第38回ウイナーカップ」はジャイアントスターが鮮やかな逃げ切りを決め、デビュー12戦目でうれしい初重賞を手に入れた。
7番人気の低評価だったのは過去2勝がいずれも芝1000m戦。ダートでは2着が最高で前走・岩手ダービーダイヤモンドカップで果敢に逃げたが、4コーナー手前で失速。6秒5差9着に大敗直後だったから。
それを見事覆して快勝。理由はいくつかピックアップできる。距離が2000mから一気に1400mへ短縮されたこと。持ち味のスピードが生きた。
それともう一つ。前日夕方から激しく雨が降り、水の浮く極端な不良馬場。それに加えて当日は芝実績のある馬が活躍していた。実際、ジャイアントスターの2着ユナイテッドボスも芝1勝2着2回の好成績。馬場を味方にしたのも大きかった。
村上忍騎手「調子がいいと聞いていたし、距離短縮もプラス材料だった。道中は行きっぷりも手応えも抜群。これはいつものことだが、最後の詰めが課題。でも今回は終いもしっかり伸びてくれたので、ひと皮むけたと思います」
次走のジャイアントスターに注目してほしい。
月が替わって7月5日メインはA級二組「深緑特別」(水沢1600m)。次週から舞台が盛岡へ移り、水沢巧者は是が非でも好走したいところだ。
ダノンボルケーノは今季6戦3勝2着2回。昨年暮からの好調をキープし、重賞・あすなろ賞でも2着に逃げねばった。
ただ前走はコミュニティの2番人気に支持されたが、好位から失速5着。今季初めて馬券対象から外れてしまった。
これは春の特別開催から使い詰めで疲れが溜まっていたため。1ヶ月のレース間隔を開けて回復に専念した。迫力を取り戻せるか陣営も気合いが入っている。
マイネルヴァルムは南関東B1から転入。先行力と粘りを武器とし、前走は2勝マークの水沢1600m戦で1番人気に支持されたが、直線伸びひと息で5着。
評価に迷うところだが、ハイペースがこたえたと解釈。今回はさほど速い流れにはならず巻き返しに転じて不思議なし。真価問われる一戦だ。
マムティは中央0勝ながらダート1800mで2着1回。その後、園田C2へ編入して7勝マーク。B1戦で2連勝を飾って岩手入りした。
園田B1ならA級二組は通用。牝馬特有の切れる末脚がセールスポイント。ただ7勝すべて1400m戦に加え、おあつらえの展開になるかどうか。単も十分考えられるが、不発のケースもあり▲評価に落ち着く。
コスモグランツは前走、B1特別・ねむの木賞を快勝。競り合いで最大能力を発揮するタイプですばらしい根性を披露した。A級復帰でメンバーが骨っぽくなったが、勢いに乗っている今なら突破十分。
トーホクアローも前走、鮮やかな大外一気を決め、久々の美酒を味わった。マイネルヴァルムとは正反対に展開も味方に入れた。引き続き好調キープだが、前半のペースに左右されるタイプで流れ次第。
レオパルドゥスは芝2400m重賞・かきつばた賞で2着健闘。ダートに戻った前走も3着にまとめ、克服のメドが立った。
◎(2)ダノンボルケーノ
○(6)マイネルヴァルム
▲(1)マムティ
△(8)コスモグランツ
△(7)トーホクアロー
△(10)レオパルドゥス
<お奨めの1頭>
1R ラブディーバ
今季第一弾の2歳新馬戦を快勝。芝にとまどいながらも逃げ切りを図ったランデックナイトをゴール前で差し切った。父がプリサイスエンドならダート大歓迎