26日(日)メインは2歳馬による重賞「第32回白菊賞」(水沢1400m)、12頭立て。昨年はサイレントエクセルが堂々1番人気に応え、2着ゴールデンパンジーに6馬身差の圧勝劇。その後はご存知のとおり、今やG?・ダービーグランプリで3着に入るまで出世したが、そのきっかけとなったのがこの白菊賞。
当初、パラダイスフラワーの登録もあったが、このレースを使うとG?・全日本2歳優駿までローテーションがきつくなると陣営が判断。南部駒賞(11月12日)から全日本へ直行することが決定した。
また同厩舎のパチョリも南関東へ移籍し、寂しいメンバーになりそうな白菊賞だったが、今年の岩手2歳馬はなかなか層が厚く、今回もマズマズの顔ぶれとなった。
(8月26日 フューチャー競走 1着クールビズ 写真・佐藤到)
主軸にクールビズ(父ヘクタープロテクター)を指名する。デビュー戦・水沢850mで当時のレコードタイをマークして圧勝後、JRA札幌500万下に挑戦。2番手を追走したものの直線失速8着に敗れ、その後、1ヵ月半ほどリフレッシュに務めて10月29日、プリンセスカップ(盛岡ダート1400m)に出走。
馬体重が前走比プラス10キロの462キロ。見た目にも腹回りに余裕があり、明らかに仕上がり途上。レースではスピードを生かしてパチョリの2番手をキープしたが、さすがに直線は一杯となって1・1秒差3着。これは状態の差が出たもので3着も仕方なしだった。
今回は目の上のたんこぶ、前記パラダイスフラワー、そしてパチョリが不在でメンバー有利は明白。決して逃げにこだわるタイプでもなく、まずはキッチリ勝って重賞ウィナーの仲間入りを果たしたいところだ。
相手はプリムラジュリアン(父ティンバーカントリー)が演じる。これまで2勝をマークしていずれも盛岡ダート戦だが、これは単なる巡り会わせ。まだ牡馬トップを突破するパワーは身についていないが、今回は強豪にもまれてきたキャリアが生きる局面を迎えた。
前回、2着馬に1・6秒差のぶっち切りで圧勝したマツリダレディ(父ロイヤルタッチ)も目が離せない存在だ。その時は逃げ馬に絶対有利の馬場だったにせよ、それでもこの着差は見事という他はなかった。
デビュー戦は初コースと芝に戸惑って6着に敗れたが、2戦目3着(盛岡ダート1200m)、3戦目2着(同)と着順を一つずつ上げ、前回大差勝ちを収めた。もちろん一線級と戦ったことは一度もなく、いきなりこのメンバーでどうかとは思うが、水沢1400mを経験し、実際に圧勝したことも心強い。
フォージドアックス(父ティンバーカントリー)も前回、2歳馬離れしたレースで白星を飾った。道中は中団より後ろ8番手に待機し、3コーナー過ぎから豪快にまくりを決めて快勝。距離延長(水沢1400m)を味方にようやく頭角を現した。
シアトルプリンセス(父ダンツシアトル)はデビュー4戦目に初勝利をマークするや、果敢に重賞・特別へ4戦連続で挑戦。ジュニアグランプリ、若松賞5着、若駒賞6着、黄菊賞4着。勝ち馬からは離されたが、ひとまず入着を果たしてきた。このキャリアが牝馬限定戦で生きる可能性もある。
◎ ?クールビズ
○ ?プリムラジュリアン
▲ ?マツリダレディ
△ ?フォージドアックス
△ ?シアトルプリンセス
3連単は4を1着固定に、11、1を厚め。6、10を3着押さえ
馬複は4−11、1−4、4−6、4−10
<お奨めの1頭>
8レース コレクトアンサー
2戦連続で2着だが、今回はメンバーが大幅に恵まれた。しかも絶好の2枠を引き当て、楽々と逃げ切り
25日(土)メインはB1級馬による水沢1600m戦「第7回錦秋湖特別」、12頭立て。格上馬、好調馬、はたまた水沢巧者などが入り混じり難解な一戦となり、馬券的には非常におもしろい組み合わせとなった。
主軸にはホブノブを抜擢する。父がフォーティナイナーの良血馬で中央在籍時から注目の逸材。転入前の未勝利戦(中京9月9日)では1番人気に支持されて2着に入ったが、進路妨害のために6着降着。それによって馬連、馬単、3連複で史上配当を記録し、3連単が1655万9120円!
昨年10月22日、東京競馬場で記録した1846万9120円に次ぐ史上2位の高配当でも話題を集めた。
その一戦後、岩手にトレードされ、初戦(10月28日)は出遅れが響いて10着に沈んだが、前走(11月13日)・B1級戦を鮮やかに逃げ切り勝ち。待望の初勝利をマークした。走破タイム、水沢1600m1分42秒6もB1級では上々で、メンバーは前回より大幅に強化されたが、あっさりクリアーしてくれるだろう。
逆転筆頭はエイシンアザレア。前回ノベンバーカップ(水沢1900m)ではトミケンソリッドが逃げてスローペースに落としたが、後方にいたエイシンアザレアは1コーナー過ぎに一気に先頭。その後は2番手に控えてそのまま流れ込むかと思ったが、早仕掛けがたたって直線で一杯。結果3着に敗れてしまったが、内容的には2着は十分あるレースだった。今回の水沢1600mは3戦1勝2着1回と自信を持っており、前回の分もまとめてと行きたい。
ヒカルダイチも好調サイクルをキープしている。中央11戦0勝2着2回の成績で今年10月に岩手転入。移籍2戦は5、7着に沈んだが、その後は盛岡ダート、水沢で目下2連勝中。秘める素質が全面開花した。差し一辺倒の脚質のためスローに落とされるときついが、直線の伸びは間違いなくオープンのそれ。ここを突破できるようならば将来の活躍も約束された。
マチカネダイキチは依然、底を見せていない。岩手転入後、一度6着以外はすべて4着以上。また一戦ごとに相手が強化されながら、それを克服できるのは並みの馬ができる芸当ではない。加えて水沢コース<3.5.2.0>、水沢マイル戦も2着2回3着1回と抜群の安定度を誇っている。ここも上位扱いが必要となる。
同じ意味がグラスホープにも当てはまる。今シーズンは悪くても4着。7月に2ヵ月半ほど休養したが、無理をしなかったのが功を奏して復帰後3、2、3、1着。前回快勝で弾みがついたのも心強い。
他にも前回ハーベストカップ(B1級 盛岡ダート1800m)で僅差3着、前走ホブノブの2着ゲンパチコジーンなども軽視はできず、激戦必至のメンバーとなった。
◎ ?ホブノブ
○ ?エイシンアザレア
▲ ?ヒカルダイチ
△ ?マチカネダイキチ
△ ?グラスホープ
△ ?カヌマビート
3連単は3を1着固定に11、1を厚めに3着流しで6、12、2
馬複は3−11、1−3、3−6、3−12、2−3
<お奨めの1頭>
11レース マイボーイ
中央3戦未勝利からの転入だが、移籍前の2戦は0・2秒差、0・3秒差の4着と僅差。それならばC2はアッサリ突破できる
先週は、寒くなってきたぞ〜という話を書きましたが、今のところ盛岡や水沢ではまだ雪は積もっていません。寒さの方も土曜は冷え込んだのですが、その後は一進一退という感じ。
とはいえ馬上でもろに風を浴びる騎手らは、徐々に寒さ対策が重装備になってきました。しかし寒ければ好きなだけ厚着すればよいファンの皆さんや我々カメラマンに比べて、あまりにも薄着なジョッキーたち。防寒装備といってもアンダーシャツにタイツ(ももひき?)、フェイスマスクと手袋ぐらいではないでしょうか。いくら馬の背中が暖かいとはいっても、これで寒風の中を疾走するのですからほとんど裸同然と言っていいでしょう。
私も冬の屋外で仕事をする人間ですから、「集中すれば寒さを忘れる」というのは理解できます。しかし例えばレース前、返し馬の間やゲートに集合がかかるまでの時間などは本っっ当に寒いでしょうね。私はスタートまでの待ち時間に、指先や体を無駄に動かして凍えないようにしていますが(水沢に来たら、走路脇でヘンな動きをしている私を見ても気にしないで下さいね)、鞍上ではそういう訳にもいかないでしょうし。
ところで先の開催で、ひとりだけ手袋をしていないジョッキーが目にとまりました。それは、水沢の山本聡哉騎手。あまりにも冷たそうなので騎乗後に聞いてみると、「素手のほうが手綱も鞭も持ちやすいですからね。このぐらいの寒さならまだ大丈夫です。でも本当に寒くなったら手袋しますよ」と言っていました。この先、聡哉君がどこまで頑張るか見守りたいと思います。
そういえば、96〜97年に短期免許を取得し岩手で騎乗していた日系アメリカ人のスコット・サイトウ騎手は、どんなに寒くても素手でレースしていました。彼もやはり「手綱の感覚を大切にするため」と言っていたと思います。
しかし普通は手が凍えてしまったら、その感覚も無くなってしまうのですが…やはりジョッキーというのはすごい人たちでなのですね。
(写真・佐藤到)
第6回阿久利黒賞(3歳 地方競馬全国交流 水沢1600m)
1着 オウシュウクラウン
大外からオグリホットが逃げ、2番手にダンディキング。オウシュウクラウンは前の2頭から2馬身離れた絶好の3番手外につけ、スタンド前で一瞬だけ掛かったが、あとはうまく折り合いをつける。オグリホットが快調に飛ばしていたので、オウシュウクラウンは3コーナーから徐々にスパート。2番手ダンディキングの手応えが怪しいと見るや、相手をオグリホットに絞って4コーナーでは早くも射程圏。
直線を向いて内で粘るオグリホットを貫禄の違いで交わすと、あとは余裕でゴール。2着テンショウボスに2馬身半差をつけ、G?3着馬の底力をマザマザと見せつけた。
「前回、重め残りの割に走りすぎた疲れが若干残っていたが、ダービーグランプリのようにイラついた感じはまったくなかった。前半のペースは遅かったんですが、以前のように掛かってしまうこともなく折り合いがついて乗りやすかった。この馬にも頑張ってもらわないと(岩手競馬も)盛り上がらないと思いますので、期待に応えることができて良かった。これからまた全国区で戦うことになるでしょうが、応援よろしくお願いします」と小林騎手。
前走では休み明けながら、古馬オープンを一蹴。今回は3歳同士ということで相手が大幅に弱化され、勝って当然のメンバーだったが、それでも不安はつきまとうものだし、オウシュウクラウンへの期待はもっと上のステップ。今後にもつながるレースを期待したのだが、その手ごたえは十分だった。
次走予定はG?・名古屋グランプリ(12月20日 名古屋2500m)かG?・東京大賞典(12月29日 大井2000m)に絞ったが、いずれのどちらを選択しても話題の1頭になることは間違いない。
2着 テンショウボス
前走・ウイナーカップから菅原勲騎手とコンビを組んだ。レースはオウシュウクラウンを外に見ながら4番手インを追走。オウシュウクラウンが動いてからワンテンポ遅らせてスパートをかけ、オグリホットはひとまず捕らえたが、オウシュウクラウンとの実力差は歴然。大型馬ゆえ小回り水沢は反応がひと息でこれは仕方なしだろうが、?2の意地はキッチリ見せた。
手薄な今の岩手古馬オープン陣ならファン投票「桐花賞」(12月31日 水沢2000m)でも勝ち負けを演じることができるほどの地力をつけたのは、今回のレースでも証明した。
3着 オグリホット
前回は盛岡芝1600mを舞台に行われた重賞・ウイナーカップを4角先頭で快勝。今回は交流レースで実績のないダートでどんな戦法を取るか注目を集めたが、それは果敢な逃げの手だった。前半3ハロン36秒7の平均ペースに持ち込み(オウシュウクラウン騎乗の小林騎手はスローに感じたそうだが)、スイスイ一人旅。3コーナーを回ってもスピードは衰えず、それでオウシュウクラウンが早めに動いたが、最後まで見せ場はタップリ。遠征のハンデを抱えながら、この善戦ぶりを評価したい。
4着 ダンディキング
休養前(7月8日 盛岡芝1700mガーベラ賞)の馬体重が445キロ。スプリングカップ圧勝時に比べ、マイナス20キロと大幅に減ったため、思い切って4ヶ月ほど休ませて今回、戦列復帰を果たした。
パドックで久々にダンディキングを見たが、馬体重はプラス21キロと数字的には回復。しかし馬体の張り、期待したほどのフックラした感じがなく、まだ本調子ではないのかなと言うのが正直な感想。
レースでは逃げると疑わなかったが、オグリホットが逃げる構えを見せたので2番手に控える。3コーナーあたりまでは手応えは悪くなかったが、オウシュウクラウンに外から被せられても反応がひと息。それで直線失速するのかと思ったが、4着入線。勝負付けが済んでからにせよ、思ったほどの失速ぶりではなかった。次走の変わり身に期待したい。
土曜日のJRA東京競馬・メインレースの東京スポーツ杯2歳ステークスに岩手のボスアミーゴが出走しました。結果は6着。決して悪い内容では無かったんですけど、目標が「上位に入って朝日杯出走」だっただけに残念な結果でもありました。
実は、というか、いちょうSの後、菅原勲騎手が「東スポ杯よりも京王杯にすればよかったなあ」という話をされていたんです。いちょうSの走りからするとボスアミーゴは、長い距離よりも短距離が合うタイプらしい。1800mよりも1400mの方が良かっただろう・・・という事だったのですが、結果的にその心配が的中する格好になってしまいました。
相手関係的にも東スポ杯の勝ち馬はかなり強く、一方京王杯2歳Sは、いちょうSでボスアミーゴのひとつ後ろの着順だった馬が僅差の3着に入っていて、そちらだったら勝ち負けに加われた可能性も。
勝ち負け云々の話だけでなくて、G1を狙うためにはローテーションの段階からミスは許されない、という事。でもマイル以下の距離ならそこそこ通用する事は証明できたと思いますから、来年の活躍を期待しましょう。
月曜のメインレースはA1・A2級混合のエクセレント競走になります。土・日とオープンやA級上位馬のレースが組まれていたのでA1級でもやや下位のグループ、A2級馬の方が目立つ印象になりました。
本命はやはりゲイリーエクシードでしょう。前走でA2級を勝ってここではA1級馬として出走。しかしこれまでの実績が示すとおり力はオープン級のものを持っています。水沢マイルもここまで完全連対となれば、黙って主軸に指名するのが妥当というもの。9歳馬ゆえ連戦の疲れがないかどうかだけ注意して、馬体重の大幅な変動でもない限りは信頼して良いと思います。
対抗はちょっとひねってハセノベルカントでいかがでしょうか。ここ3戦は勝ち切れていませんが、転入初戦、マイル戦でひと捲りに捲り切ってしまった走りが今でも鮮烈な印象です。前走の上位馬はいずれもオープン級、小回りさえ苦にしなければ力は足りると見ます。
そしてもう一頭はA2級の安定勢力・マイニングプレスで。1200m戦はさすがにこの馬には短すぎました。マイルになって巻き返し可能でしょうし、55kgで出走できるのもプラス材料。冬のこの時期も合います。
以下、差し馬勢で選んでチュードサンデー、テイクファイブを。前者はこれもこのクラスの安定勢力、近走は水沢得意の傾向が見えますが粘り強い走りが魅力。後者は再転入後今ひとつピリッとしないものの素質は通用しておかしくないでしょう。
買い目は7枠10番ゲイリーエクシードから3、7、8、12へ。軸順当と見ますが2着以下は混戦もありうるのでBOXを基本に。